2020/03/10
Apple iPhone 8
富士フイルムのX100Vを購入しました.
X100シリーズを購入するのはX100T、X100Fに続いて3機種目です.先代のX100Fが非常に完成度の高いカメラで、もうこのままで十分ではないかと思っていたのですが、X100シリーズの5代目であるX100Vはレンズも含めてフルモデルチェンジともいえる大々的な更新がなされたモデルで、結局予約して発売日に購入してしまいました.
後述するようにX100FとX100Vではレンズが変わり描写の違いもあるのでX100Fを残して使い分けするのが理想なのですが、予算的な面からも使い分けをするテクニック面からも難しそうなのでX100Fはフジヤカメラに下取りに出しました.余談ですが保護フィルムをいっしょに買うと貼ってくれるのは親切で助かります.
Apple iPhone 8
買ったらすぐに試し撮りしたいもの.ということで、フジヤカメラと同じ建物にあるルノアールで箱から出し、あらかじめ充電しておいたバッテリをセットし、ストラップを取り付け…… とあれこれセッティングして試し撮り.
第一印象としてはAFがきびきび動くようになったなということ.細かな違いはあれど基本的な操作レイアウトはX100Fと同じなので違和感なく撮れるのですが、カスタマイズしたX100Fから乗り換えると操作系がすんなり馴染むというわけにはいかないですね.
FUJIFILM X-Pro3 + XF60mm F2.4 R
FUJIFILM X-Pro3 + XF60mm F2.4 R
一見すると初代X100から変わらないデザインに見えます.X100シリーズに詳しくないかたが見たら、全部同じというかもしれません.下手に奇をてらってデザインを変えてこないのがこのシリーズのいいところでもあるのですが.とはいえ、代々少しづつ手が加えられており、先代のX100Fと比べてもシンプルなデザインになっています.
シルバーの部分はX100Fまではレンズの左右で高さが違っていたのですがこれを右側の高さに左側が合わせる形で調整されました.
またレンズ表記が『SUPER EBC f=23mm 1:2 II』となっており、従来と同様に23mm F2というスペックは同等ながら、II型に変更されているのがわかります.
FUJIFILM X-Pro3 + XF60mm F2.4 R
従来機のシルバー部分はマグネシウム合金に塗装でしたが、今回はアルミの切削加工となっています.そのため従来のモデルと比べてもエッジが立ったシャープなデザインになっています.手にするとひんやりした感触があるのもマグネシウムとアルミの違いを感じさせます.また、従来モデルはこのボディ天板左側が斜めにカットされていたのですが、それもなくなりました.斜めにカットされているデザイン意匠がどうしてなのかよくわからない部分ではあったので、シンプルになった今回のデザインは好感が持てます.
FUJIFILM X-Pro3 + XF60mm F2.4 R
FUJIFILM X-Pro3 + XF60mm F2.4 R
軍艦部右側の操作系.X100Fと基本的に同じですが、シャッター速度/ISO感度ダイヤルの操作方法が変わりました.従来はISO感度を変更するのにダイヤルを持ち上げて回転させ、手を離すとダイヤルが自動で戻るようになっていたのですが、X100Vは持ち上げた状態でロックがかかり、任意のISO感度にセットしたのちに押し込むようになっています.このほうが操作しやすいですね.自分は基本的にISO感度はオートで撮るのでここをいじることは滅多にないのですが、こういう改善は大歓迎です.惜しいのは約3ヶ月前に出たX-Pro3にこのギミックが採用されていないことでしょうか.近い時期にリリースされた製品でなおかつ長期にわたって販売される製品なのでX-Pro3にも採用しておいてほしかったです.
サムレストはX100F用のものを装着したところ、アクセサリシューに奥まで入らなかったので専用品待ちです.
FUJIFILM X-Pro3 + XF60mm F2.4 R
X100Vになって大きく変化したものの一つとして、モニタがチルトするようになりました.しかもデザイン的にすっきりとまとまっており、非使用時はほとんどフラットになっているので左下の凹みを見なければチルトの存在を忘れてしまいそうです.
FUJIFILM X-Pro3 + XF60mm F2.4 R
FUJIFILM X-Pro3 + XF60mm F2.4 R
チルト角度は上向きにはかなりチルトするのですが、下向きには30度くらいでしょうか、あまりチルトしません.ここはやや残念なところではあります.
FUJIFILM X-Pro3 + XF60mm F2.4 R
X100Fで使用していた、SquareHood MkIIを装着.かっこいい上にOVFのケラレも最小限に抑えられているのも魅力です.
とても気に入ったデザインのフードなのでX100Vになっても使い続けたいところなのですが、一点だけ問題があります.というのは、X100Vはボディ自体は防塵防滴構造なのですが、レンズ面だけが防塵防滴ではないので、保護フィルタを装着する必要があります.が、SquareHood MkIIはフィルタ取り付けに対応した設計にはなっていないので(取り付けるためには49-49mmエクステンションリングが必要になる)、悪天候下で使用するような場合には純正のフィルタアダプタ+フードに付け替えの必要があります.この辺は状況により使い分けする感じでしょうか.自分の場合はX-Pro3 + XF23mm F2 R WRという組み合わせもあるんで、それほど大した問題ではないですね.
その他、X100Fと比べてメカニズム的な違いですが、
・センサー/映像処理エンジンが新しいものに
・モニタ/EVFの解像度が高精細化
・EVFが有機ELに
・モニタがタッチパネルに
・内蔵NDフィルタが3段から4段に
・フィルムシミュレーション『クラシックネガ』『エテルナ』が追加
など、細かく手が加えられています.部材をX-Pro3と共通化しているのかもしれませんが、同じスペックのパーツが多いですね.
2019/12/30
今年1年の振り返り、最後は物欲篇です.
カメラ、コンピュータ関係、電化製品などジャンルごとにまとめました.
■カメラ関連
6月:FUJIFILM XF23mm F2 R WR
屋外で天候の悪化が予想される環境で撮影をする必要があり、カメラ自体は防塵防滴構造なものの、対応するレンズがないため購入しました.結局そのときは使わなかったのですが、AFの速さと使いなれた35mm換算35mmの焦点距離ということもあってAF撮影時のメインレンズたる存在になりました.
8月:Voigtlander VM-X クローズフォーカスアダプター
Mマウントレンズを複数所有していることもあっって、X-Mマウントアダプタも実用性の高いものを求めて複数のものを購入しました.富士純正のものは信頼性は随一で機能を割り当てるボタンが搭載されていていいのですが、Mマウントの弱点である寄れなさをカバーするヘリコイドが搭載されていません.焦点工房のものはヘリコイドを搭載しているものの、無限遠でのロック機構がなく、また無限遠にセットするときのヘリコイドが非常に固いということもあってやや使いにくい状態でした.Voigtlander(コシナ)製のマウントアダプタはレンズ側から見た純正品のアダプタといえる製品で、使いやすさと性能のバランスのとれた製品です.
11月:FUJIFILM X-Pro3
今年はレンズやアクセサリは買ったけどカメラの購入はなしかな…… と思っていた頃に発表・発売されたX-Pro3.いろいろと賛否両論のあるカメラで、当初は発売されてから様子を見つつ判断しようと思っていたのに、どういうわけか予約して発売日に購入.なんていうか、賛否両論(こういう場合は実際はさておき「否」の声のほうが大きくて目立つんですよね)を見ているうちに、いやこれはアリだろと手を出してしまった感じですね.
20万円を超えるお値段ということもあって、資金調達のために先代のX-Pro2だけでなく、趣向の変化もあって使用頻度の減ったXF14mm F2.8や、絞りリングがないのと寄れないのが個人的ネックであったXF27mm F2.8、それに焦点距離的にやや苦手であるXF35mm F1.4を下取りに出しました.
店から出てすぐ撮影に入ったときにはモニタが隠されているのに慣れずに使いこなせるのかなこれ…… とやや不安だったのですが、意外とあっさり慣れるものですね.ただ、MFレンズを使った場合には撮影後にピントチェックをしないとやはりピンボケ写真を量産しがちです.
11月:FUJIFILM XF16mm F2.8 R WR
XF14mm F2.8を手放したけど、もうちょっと標準寄りのコンパクトなレンズが欲しいなということで、XF23mm F2 R WRと組んで使うのを目的に購入したレンズ.スペック的にはさして特筆すべきところもないのですが、防塵防滴でコンパクトなサイズはいいですね.あと、個人的にはやや角ばった花形フードが好みです.
■コンピュータ関連
3月:Apple iPad mini(第5世代)
もう出ないんじゃないかと言われていたiPad miniの後継機が出たので予約して購入.メインとしてiPad Pro 11インチを使用していてそちらはau回線での契約をしているのでこちらはIIJmioで契約して使用しています.これにより室内ではiPad Pro 11を、出先ではiPad mini 5をという棲み分けができるようになりました.
純正のApple Pencil(第1世代)は好みではないのでロジクールのCRAYONを使っているのですが、筆圧検知以外はApple Pencilと同等ということもあって結構重宝しています.
11月:EPSON EW-M752T
自宅のプリンタとしてEPSONのEP-807ABを使用していたのですが、インクの消費が激しく使用頻度の割にインク代ばかりがかさむ印象があるので、タンク式のEW-M752Tにしました.使用頻度が低いとインクヘッドの目詰まり防止の清掃によってインクが消費されがちで、まだ購入から日数が経っていないのでそうした部分のインクの減りについては未知数ですが、コストが抑えられるのを期待しています.
■その他オーディオ・電化製品
2月:Shure SE425+BT2
2月に海外に出かけるにあたり、防音性の高いイヤホンがほしいなと思って当初はノイズキャンセリングイヤホンを検討していたのですが、同じ値段を出すのであればノイズキャンセリング機構がないほうがイヤホン自体の音質が良いのでは、と思ってイヤホン自体の遮音性の高いShureのイヤホンと純正のBluetoothレシーバを購入しました.
音質的には非常に満足しています.遮音性はノイズキャンセリングの製品にはさすがにかないませんが、不満はありません.
3月:Apple AirPods
いただきもののイヤホン.遮音性はまったく期待できないのと、やはりちょっとしたときに耳から落ちそうな気がして(実際にはそう簡単には落ちなそうですが)、自宅でのみ使っています.音質は悪くはないですが、さしていいわけでもないですね.
特筆すべきは使い勝手のよさ.ケースにセットすると自動的に充電されること、それにケース自体も無線充電に対応しているので、ワイヤレスイヤホンを使う上でネックとなりがちな充電周りが楽にできるのはいいですね.またApple製品との親和性が高く、再生する媒体の切り替えが楽なのも気に入っています.
4月:Amazon Kindle Paperwhite 32GB
電子書籍を読むときはiPadを使っていたのですが、ついついネットを見てしまったりTwitterを見てしまうなど気が散ってしまいがち.それに読書という行為に対してiPad miniといえども重量が気になります.そこで読書専用端末としてAmazonのセール時にKindle Paperwhiteを購入しました.文書のみのものはKindle Paperwhite、漫画やカラーの画像が重視されるものはiPad Proと棲み分けがされるようになりました.
自分が購入したものは初期不良で、充電が80%くらいから急激に落ちてしまうという問題があったのですが、サポートに連絡したところ、すぐに交換していただき2台目は問題なく使用できています.
6月:コロナ 除湿機 CD-S6319
以前から除湿機は所有していたのですが、デシカント式でヒーターを使用するので夏場の蒸し暑い時期には向いていませんでした.そのため、もう一つの除湿方式であるコンプレッサ式のものを購入しました.
コンプレッサ式特有の問題である振動はあるものの、温度上昇(コンプレッサ式も少しだけ上昇します)が抑えられるのはいいですね.
7月:GARMIN eTrex 20x
長いこと使用していたHOLUXのM-241がGPS固有の問題である「週数ロールオーバー」により日付データの正常な取得ができなくなってしまい、代替機としてeTrex 20xを購入しました.
M-241は純粋なGPSロガーでしたが、eTrex 20xはトレッキング用のナビというのが本来の使い方ということもあって、山歩き時のナビゲーションなど多彩な機能を搭載しています.いささかオーバースペックなものを買ってしまった感はあるのですが、測距の正確さや測位速度などはさすがに高性能です.
■時計
4月:セイコー プレザージュ SARX041
機械式時計を追加で購入しようと思ったときに迷った2台のうちの1台.正確には2つ目の候補だったモデルです.
購入に至ったポイントは、クラシカルなアラビア文字と文字盤のヘリンボーン模様の美しさ.アラビア文字についてはセイコー初の腕時計であるローレルのデザインを踏襲したものだそうです.
10月:セイコー アルピニストSARB017
春先に機械式時計を追加で購入しようと思ったときに迷った2台のうちのもう1台.こちらが本命の候補でしたが、迷っているうちに量販店からも消えてしまって買いそびれてしまいました.しかしながら秋になってダメ元でAmazonのサイトをチェックするとどこかから在庫をかき集めたのかマーケットプレイスではなくAmazon自体の出品で新品が出ていたので購入しました.やってきた時計は保護のフィルムがないなど、どこかの店頭在庫だったのかなという雰囲気はありましたが、まあフィルムをつけたまま使うわけじゃないですしね.
「アルピニスト」の名のついた時計はかなり昔から販売され続けており、セイコーの中でも人気のあるシリーズのようです.そのため、自分が購入したモデルが販売終了になってもいずれは新型がまたデビューするのだろうなということは想像できていたのですが、その新型が必ずしも自分の期待に沿ったものであるという保証はないわけで、だったら新品が手に入るうちに買ってしまえと相成ったわけです.2020年1月に新型がリリースされることが発表されましたが、時期モデルは「プロスペックス」と呼ばれるセイコーのスポーツモデルのグループに含まれることになり、プロスペックスのロゴが入るようになってしまいました.個人的にはデザイン文字で「Alpinist」と入れてほしかったのですが(自分が買ったモデルの一つ前までは文字盤に入っていたのです).
そのほか、衣類や鞄なども購入をしており、今年はわりと高額な買い物が多かったような気がします.
来年はどうでしょうね.車検があるのでその点を踏まえないといけないのが残念なところです.
車といえば、レトロフィットによるApple CarPlay対応キットが発売されたのですが、ディーラーに相談しているのですがパーツの選定が難しいようで保留となっています.これは取り付けしたいところです.
カメラ関連としてはX100Fの後継が出るという噂は流れているので、X-Pro3と同様のHidden LCDやフィルムシミュレーションが搭載されていたら手を出してしまいそうです.X100F後継には防塵防滴構造も期待したいものです.昨年の予測通り、XF16-80mm F4 R WR OISが登場したのですが、使う機会がいまのところないこともあってXF18-55mmからの買い替えはせずにいます.GR IIIは発売されたものの、X70が相変わらず自分の中での不動の普段使い機として位置していることもあって手を出さずにいます.いいカメラだとは思うのですが.
時計関連も打ち止めでしょうか.気になる時計はあるものの、どうせならいいものをと思うと泥沼にはまるのが時計といいうものですし.
2019/12/23
FUJIFILM X70
しばらく前のことですが、コシナ(Voigtlanderブランド)製の富士フイルムXマウント用Mマウントアダプタを購入しました.
X-Mマウント変換アダプタは、すでに富士フイルム純正のもの(よくよく考えると富士フイルムが純正で他社用アダプタを出しているのもおかしな話ではあるのですが)と、焦点工房製のものの2つを所有しています.それぞれ特徴があって、富士フイルム製のものはマウントアダプタ自体にボタンが1つあって、使用しているMマウントレンズの焦点域などを切り替える機能を割り当てることができるようになっています.焦点工房のものは繰り出し量6mmのヘリコイドを搭載しており、これによりレンズの最短撮影距離よりもさらに近接して撮影できるようになります.ライカMシリーズはレンジファインダカメラということもあってMマウントレンズは近接には弱く、最短撮影距離70cmくらいのレンズが多いためテーブルフォト等には向いていません.しかしヘリコイドが搭載されていると近接域でも使えるようになるので必須の機能といえます.
FUJIFILM X70
VoigtlanderのVM-X Close Focus Adapterもヘリコイドを搭載していますが、繰り出し量は4mmと焦点工房のものより控えめです.
なので焦点工房のものがあれば買う必要がないようにも思えるのですが、個体差なのか手元にある焦点工房のものはヘリコイドの繰り出しを戻そうとすると非常に固く、しかもしっかり締めないと無限遠にピントが来なくなってしまいます.しかもロックなどはできないのでいつの間にか回転していて近接域にしかピントが合わない、なんてことも発生してしまいます.
Voigtlanderのものはヘリコイドの繰り出し量0mmまで戻しても固くはならず、しかも底面にロック用の爪が用意されているので不用意に動くこともありません.
FUJIFILM X70
FUJIFILM X70
左からVoigtlander、富士フイルム、焦点工房のMマウントアダプタ.下の写真はヘリコイドを最大まで繰り出したもの.
FUJIFILM X70
さすがMマウントレンズを数多く作っているコシナ製だけあって、不具合は一切ありません.
FUJIFILM X-Pro2 + CarlZeiss C Biogon T* 4.5/21 ZM
焦点工房のものより繰り出し量が減っているとはいえ、目の前の料理の写真を撮るような場合でも寄れずに困ることはありません.
FUJIFILM X100F
X-Pro3購入と同時にXF16mm F2.8 R WRを購入しました.
X-Pro3とこの16mmレンズを買うにあたって、購入資金源とするためにX-Pro2と各種レンズ、XF14mm F2.8 RとXF27mm F2.8、XF35mm F1.4 Rを下取りに出しました.XF14mmは気に入っていたレンズで超広角レンズとしてこれでないと撮れないシチュエーションのあるレンズではあるのですが、以前ほど超広角域の撮影をしなくなったこともあって手放しました.XF27mmはパンケーキタイプのレンズでコンパクトなのはよいのですが、絞りリングがないことと最短撮影距離34cmと寄れないのがネックでした.XF35mm F1.4はXマウントユーザなら一度は使うべきといわれる名レンズですが、35mm換算53mmという焦点域が自分には望遠寄りすぎて使用頻度が低かったのでいったん手放してしまおうと思った次第です.
FUJIFILM X100F
フードは標準装備、プラスティック製です.富士フイルムの花形フードは角がラウンドしたものが多いのですがこれはエッジが立っていて格好いいですね.金属製フードなどの別売オプションは用意されていません.逆付け対応ですが、全長にそれほどの変化もないので自分はこのまま持ち運んでいます.
FUJIFILM X-Pro3 + XF16mm F2.8 R WR
歪みは抑えられているように見えますが、実際にはRAWで確認すると盛大なタル型になっているそうです.デジタルで補正することを前提にデジタルで補正しやすいような歪みになるよう光学設計されているのでしょうか.
富士フイルムの小型防塵防滴レンズシリーズは明るさF2で統一されて23/35/50mmとリリースされていましたが、この製品は開放値F2.8であることや、後補正で歪みを取るようになっている(他のレンズでも同様の処理をしているものはあるようですが)あたりからコンパクトにするために設計に苦労した様子が伺えます.
FUJIFILM X-Pro3 + XF16mm F2.8 R WR
歪曲をデジタル補正している影響か、それとも光学的な特性によるものかはわかりませんが、四隅にいくに従って枝の描写が太くなってきています.文字通り重箱の隅をつつくようなもので、気にする必要はないレベルですが.
FUJIFILM X-Pro3 + XF16mm F2.8 R WR
さすがに直射日光を入れるとゴーストが出ますが、抑えられているほうではないかと思われます.
FUJIFILM X-Pro3 + XF16mm F2.8 R WR
同じ「コンパクトプライム」シリーズのレンズであるXF23mm F2 R WRにもいえることですが、癖のあまり感じられないレンズです.
FUJIFILM X-Pro3 + XF16mm F2.8 R WR
焦点距離16mmなので、手放した14mmほどではないにせよ遠近感が強調されます.
FUJIFILM X-Pro3 + XF16mm F2.8 R WR
最短撮影距離は17cm.寄れるレンズではあるのですが、遠近感による歪みが目立ちやすいですね.この写真でもドーナツがやや引っ張られて楕円のように見えます.
FUJIFILM X-Pro3 + XF16mm F2.8 R WR
狭い場所でも広く写しこめるのが広角レンズのメリットですが、14mm(35mm換算21mm)ほどの誇張感もなく、ほどよく使いやすい感じがします.
MFレンズでVoigtlanderの15mm F4.5も持っているのですが、あちらは周辺減光も大きく癖の強いレンズなので、より汎用性のあるのはこちらでしょうか.
XF23mm F2 R WR同様に防塵防滴、耐低温マイナス10度の設計になっていますので、天候をさほど気にせず気軽に持ち出せるレンズです.
レンズの問題ではないのですがX-Pro3のOVFが16mmでは対応範囲外でEVFでしか使えないのがちょっと残念なところです.
2019/12/22
FUJIFILM X100F
数ヶ月前ですが富士フイルムのXF23mm F2 R WRを購入しました.
23mm F2というスペックは手持ちのX100Fと同じスペックなので購入の必要性を感じていなかったのですが、とある用事で屋外で悪天候が予想されるなかで撮影をする必要があり、カメラ(当時はX-Pro2でした)は防塵防滴構造であるものの、防塵防滴のレンズが手元になかったので、比較的安価で汎用性のある焦点域であるこのレンズを急遽買ったというわけです.余談ですが、そのときは結局天気は崩れなかったので、このレンズは使わずにXF18-55mmを使って撮影をしました.
そんな感じで買ったものの使用頻度も高くなく、程度のいいうちに売ってしまおうかとも思っていたのですが、ためしに旅行に持ち出してみたところ、慣れた画角でX100Fとはまた違う画質など使いでのあるレンズであることを認識したので、今ではAFで撮影するときの主力レンズのひとつになっています.
FUJIFILM X100F
コンパクトですが細長く、かつ先細りのレンズです.個人的には先細りのレンズってデザインが好みではないですね.標準でプラスティック製のフジツボ型フードが付属しているのですが、それもまた好みではないのでオプションの金属製フードを付けています.ただしオプションのフードは35mmレンズと共用なので23mmで使ったときの効用は限定的になりそうです.
FUJIFILM X-Pro3 + XF23mm F2 R WR
FUJIFILM X-Pro2 + XF23mm F2 R WR
RAWで撮影して確認しても歪みがほとんどなくデジタルで後補正の必要がないといわれている、光学的に優れた設計のレンズだそうです.まっすぐのものがきちんとまっすぐに撮れるのはいいですね.
FUJIFILM X-Pro3 + XF23mm F2 R WR
絞り開放で撮影.焦点域23mmのレンズで開放値F2ですと背景をぼかすのにも限度があります.あまり癖のないボケのように見えます.
FUJIFILM X-Pro2 + XF23mm F2 R WR
レンズの型番に「WR」とつくのは「Water Resist」「Weather Resistant」の略で、富士フイルムのレンズで防塵防滴、耐低温マイナス10度の製品を意味します.
雨の中でも多少濡れても撮影できるというのは安心できます.
FUJIFILM X-Pro2 + XF23mm F2 R WR
最短撮影距離はセンサー面から22cm.テーブルフォトにも困りません.以前にXF23mm F1.4 Rも使っていましたが、こちらは最短撮影距離28cmで料理の写真などを撮るときにもうちょっと寄れれば…… と思うことが多くて手放してしまいました.
FUJIFILM X-Pro2 + XF23mm F2 R WR
ほぼ最短撮影距離で絞り開放で撮影.X100シリーズのレンズほど収差によるゆるい描写にはなりませんが、それでも同じメーカーのレンズらしく若干ふわっとした描写になります.レンズの絞りをボケの強弱のみで使いたい人と、描写に変化をつけるのに用いたい人では評価が分かれそうなところですが、自分は後者なので面白いなと思いつつ使っています.もうちょっと収差の癖があっても面白いかもですが、一般受けを考えたらこのくらいで抑えておくべきなのでしょう.
レンズの外見が好みではなく、X100Fともスペックがかぶるので敬遠していたレンズですが、画質や性能的にはかなり満足のいくものです.AFもステッピングモータ駆動で無音かつ高速で文句のない性能です.
荷物を抑えたいときはX100Fを使いますが、AFメインで別のレンズと交換する可能性があるときなどはX-Pro3にこのレンズを付けていくのが主流となりそうです.