(その1、宮古編のつづきです)
Nikon D700 + CarlZeiss Distagon 25mm F2.8
盛岡を出て平泉に向かいます.ちょうど盛岡駅始発の「平泉世界遺産号」という快速列車があるので、それに乗り込みました.
昨日の荒天がウソのようにいい天気です.が、乗車後に不吉なアナウンスが.「本日は強風のため列車が遅れることがあります」.でも盛岡は風もほとんど吹いてないし問題ないだろうと判断してそのまま平泉に向かうことにしました.
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車窓を眺めていると、虹が見えました.あとから思えば、天候不良の前触れだったのかもしれません.
車窓を眺めていてもはっきりわかるほどに風が強くなってきました.
途中、花巻駅に到着したところで列車が動かなくなりました.ときどきアナウンスが入って、強風の影響で運行予定は未定ですと言われてしまいます.
そして花巻到着から約1時間後、東北本線の運行のめどが立たないので急ぎの人は釜石線に乗り換えて新花巻で東北新幹線に乗り換えるようにとのアナウンスが流れました.まあ時間には余裕があるしと待っていたら、それから程なくして駅員がやってきて「この列車はここで打ち切りなので、代行タクシーで目的地までお送りします」と言われてしまいました.
Nikon D700 + CarlZeiss Distagon 25mm F2.8
花巻から平泉までタクシーで約1時間.結局、当初予定より2時間遅れでようやく平泉に到着しました.
写真の左のほうにのぼりが見えますが、風で巻き上げられてしまっています.天気はよいのですが、歩くのも躊躇するような風の強さです.少し迷ったのですがとりあえず駅から数百メートルの距離にある毛越寺に向かいました.
Nikon D700 + CarlZeiss Distagon 25mm F2.8
世界遺産に認定されたためか、それとも認定されるための準備段階からそうしていたのかはわかりませんが、駅からの道路がきちんと整備され複数の言語で案内が出ていました.
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毛越寺といえば浄土庭園です.仏の世界をイメージしたという庭園はかなりの広さに及びます.
広角レンズでも全景を収められないので、iPhone 4Sのパノラマ撮影アプリを使ってみました.クリックで幅2,000ピクセルの画像が表示されます.こうやって全景を無理矢理撮影しようと欲張ること自体が俗世間のしがらみを感じさせますね.しかし、毛越寺のオフィシャルWebでも似たようなことをしているので、まあ免じてもらうことにしましょうw
元々は庭園の周囲に建築物があったのですが、年月の経過とともに失われて、いまは土台くらいしか残っていません.なので往時の姿は想像図を見るしかありません.
続いて中尊寺に向かいます.中尊寺までは1km以上距離があるのでバスに乗ります.歩いても行けなくはないのですが、時間的にも強風的にもシビアなので楽な手段を選びました.
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すでに時刻も14時くらいになってしまったので、さきにふもとのレストランで昼食をいただきました.
「平泉もち御膳」なるもので、お椀に餅料理が入ったもの6種類とサラダのセットです.食べる順番があるとのことで、「あんこ」「しょうが」「ずんだ」「辛味(大根)」「白胡麻」「雑煮」の順番にどうぞといわれました.つまり、甘いものとしょっぱいものを交互に食べる仕掛けです.
餅は軟らかくて美味しいのですが、さすがに6種類もあるとなかなか苦労します.さすがに腹持ちがよく夕飯も軽くつまんで済ませるほどでした.
中尊寺までは結構急な坂道というか山道を進むのですが、餅で腹がふくれた状態で歩くのは難儀しました.
Nikon D700 + CarlZeiss Distagon 25mm F2.8
中尊寺といえば誰もが思い浮かべる、金色堂です.金色堂自体が「覆堂(おおいどう)」と呼ばれる建築物に収められています.内部は撮影禁止です.
藤原氏の勢力を物語る象徴として語られる金色堂ですが、さすがに圧巻でした.単に金箔を貼り付けているだけでなく、細かな貝細工などが施されています.
中尊寺を出て再びバスに乗って平泉駅に戻ってみると、未だに東北本線はほとんど動いていない状態でした.切符の自販機は販売中止の紙が貼られており、駅員にもいつ次の列車がやってくるかわからないという状況です.1時間後の一ノ関からの新幹線の指定席を持っている身としては気が気ではありません.
結局、在来線は諦めて路線バスで一ノ関に向かって無事に新幹線に乗ることができました.
今回は旅行全体が天候に振り回された感じでした.行程を組むときにはさすがに天候のことまでは想像できないので苦労しましたが、それもまた旅行の醍醐味ですね.それにこうやって予定通りにいかなければ、その部分は次の旅行にとっておけばよいのです.