2013/06/08

GR

Category: カメラ・写真,物欲 — Annexia @ 22:53

 しばらく前、5月24日のことですが、リコー(正確にはペンタックスリコーイメージング)のGRを購入しました.

 GRシリーズはGR DIGITAL IIのときに初めて購入し、III、IVとモデルチェンジのたびに買い換えてきたので、これで4台目となります.今までは発売からしばらく時間が経って値段がこなれたところを購入していたのですが、今回だけは発表のあった直後にカメラ店に予約を入れて発売日に購入しました.これにはいくつかの理由があって、一つは今回のGRがとても素晴らしいこと、そして話題性が高いこともあって早めに購入するのであれば予約が必要だろうと考えたこと、そして自分の予測では待っていても値段はそれほど急激に下がらないのではないかと判断したからです.
 値段についてですが、デジタルカメラの価格には大きく2つのパターンがあります.1つは発売直後からすぐに値段が落ちていく機種.そしてもう1つは多少の変化はあるものの後継機が出るまではそれほど下落しない機種.大半の機種は前者になりますが、一部の機種、たとえばソニーのDSC-RX1やニコンやキヤノンのハイエンド一眼レフなんかは多少の下落はあれど、大きく値崩れするようなことはありません.こうした各社のフラッグシップ機種はそれ相応の高性能なパーツを使用しているため卸値自体が一定レベル以上にあるからなのではないかと推測されます(価格をコントロールしているという側面もあるのでしょうけど).
 今回のGRはAPS-Cサイズの大型撮像素子、それに見合った高性能なレンズ、高速で画像処理を行うための電子回路といったところから普及レベルの機種よりコストがかかっているであろうことが考えられます.同様にレンズ固定式のデジタルカメラでAPS-Cサイズの大型撮像素子を積んだ機種はどのメーカーもやはり高値安定で、仕様の違いなどで一概に比べられませんが急激な価格下落はないのではないかと見たのです.
 これらのことから価格下落をじっと待つよりも早めに入手すべきであろうという判断をしました.まあ、一言でいえば、それだけ欲しいカメラだったということなのです.

Apple iPhone 5(トリミング)

 前置きが長くなりましたが、これが今回購入したGRです.GR DIGITAL IVを下取りに出して購入しました.
 また、いつものようにグリップは買ったその日のうちに剥がして、採寸して革張りにしました(写真はオリジナルのゴムグリップ).

Apple iPhone 5 + Hipstamatic

 同時に購入したのは充電器とバッテリ、液晶保護フィルム.今回から充電器はオプションとなり、USB経由で本体充電になったのですが、個人的にあんまり本体充電は好きではないのです.ただし、購入した充電器とバッテリは純正ではなくシグマ製のDPx Merrill用のものです.実は同じバッテリが使われており、しかも半値に近い値段で購入することができるのです.もちろん、他社のバッテリを使用するのはリコーは推奨しないでしょうから、このあたりは各個人のリスクでって話にはなりますけど.

Apple iPhone 5

 ボディ上面.電源スイッチ、シャッター、モードダイヤル、フロントダイヤルといった基本的な構成はそのままです.最初に手にしたときから指の収まる感じや操作性は前機種と変わらないものでした.
 モードダイヤルの内容自体は変化しており、ペンタックスとの合併を感じさせる「TAv」モードが追加されています.Tvモードはシャッター速度優先で絞り値を自動調節するモード、Avモードは絞り値優先でシャッター速度を自動調節するモード、ではTAvモードはなにかというと、シャッター速度と絞り値をセットすると、それにあわせてISO感度を変化させるモードなのです.デジタルカメラになってISO感度を自由に設定できるようになった結果生まれたモードといえます.ちなみに、他社でもMモードつまりマニュアル設定になっていてもISO感度をオートにしておけば自動的に適正露出になるようにISO感度を変化させてくれる製品はありますね.

Apple iPhone 5

 背面.最大の変化は親指AFボタンが新設されたことでしょう.大半のカメラはシャッター半押しでAFが作動しますが、中級クラス以上の一眼レフカメラにはそれとは別に背面にAFボタンが装備されています.親指で操作するため「親指AFボタン」などと呼ばれます.これを使うことでフォーカスとシャッターは別ボタンで操作できるというメリットがあります.さらにこのボタンにはレバーが装備され、AE/AFロック(設定でどちらかのみも可能)またはコンティニュアスAF(押している間は常にAF測距し続ける)を切り替えて使用することができるのです.非常に魅力的なポイントです.

Apple iPhone 5

 側面には「Effect」ボタンが新設されました.文字どおりこれを押すと写真にエフェクトをかける設定画面が表示されるのですが、設定で別のものを割り当てることも可能であり、Fn1/2に続く3個目のファンクションボタンとして使用可能です.自分はエフェクトは背面のADJ.レバーに割り振り、ここは35mmクロップを割り当てました.
 また、このボタンには2つの機能が割り当てられています.1つは撮影時に長押しすることで液晶モニタの画像を絞り値にあわせて表示させる絞り込みプレビュー機能、そしてもう1つは再生画面で押すとEye-Fiの転送画面が起動する機能(もちろんEye-Fiカード使用時のみ).とくにEye-Fi転送機能はメニューから呼び出す必要もなくすぐ転送できるためとても重宝しています.

 メニュー等の構造は、GRD4までとほぼ同じです.が、いくつかの機能が省略されています.
 たとえば、従来は設定変更をしたときにADJ.レバーもしくはシャッター半押しで決定する構造になっていたのがシャッター半押しで決定できないようになりました.自分はシャッター半押しを多用していたのでちょっと不便になりました.また、色調整に関してもマゼンタやイエローなど個別の色の強さを設定できていたのが省略されてしまいました.
 その反面、今まではできなかったボディ内RAW現像などに対応するようになりました.



 実際に撮ってみた感想など.

RICOH GR
F3.5 1/40秒 ISO1000

 歪曲の少ないレンズなのがわかります.建物を撮る自分としてはこのレンズは理想的です.

RICOH GR
F2.8 1/40秒 ISO1600

 ISO1600程度ではノイズもまったく気になりません.個人的にはISO3200くらいまでは普通に使える印象です.

RICOH GR
F2.8 1/40秒 ISO1600

RICOH GR DIGITAL IV
F2.5 1/11秒 ISO200

 中心部をトリミングしたもの.以前に同じ場所でGRD4で撮ったものもあるので比較.画角は同じですが、画素数が違うので等倍で切り出すと画角が少し違って見えます.
 撮像素子のサイズの差がはっきり出ているようです.

RICOH GR
F3.5 1/5秒 ISO1600 エフェクト:ブリーチバイパス

 GRD4から搭載されたエフェクト、ブリーチバイパスが引き続き用意されています.こうした被写体にはよくあいます.

RICOH GR
F2.8 1/40秒 ISO500

 マクロモードで.GRD4より性能的にダウンした数少ないポイントの一つに、寄れなくなったということがあげられます.
 GRD4までは1cmマクロと呼ばれる、レンズ前1cmまで寄れるマクロが大きなウリだったのですが、撮像素子のサイズが1/1.7インチからAPS-Cに大幅にサイズアップしたことがマイナスに作用し、最短撮影距離がレンズ前10cmになってしまいました.今までの感覚で被写体に近づくとピントが合わなくてちょっと慌ててしまいます.

RICOH GR
F2.8 1/40秒 ISO400

SONY DSC-RX1
F2 1/80秒 ISO200

 ボケの比較.日時は異なりますが、同じものを撮っていたので比較を.
 画角(28mmと35mm)、解放絞り値(F2.8とF2)の差が現れています.

RICOH GR
F2.8 1/350秒 ISO100

 小ぶりなサイズの紫陽花.紫陽花の青から紫、ピンクがかった色合いはデジカメによっては思った通りに色が出ないことがありますが、これは合格ですね.リコーのデジカメのホワイトバランスは優秀です.ただし、この写真もそうですが自分の好みもあってホワイトバランスのパラメータを暖色系に少し振った状態にセットしています.



 まとめです.
 上記でも比較したように、レンズ固定式のデジタルカメラとして自分はDSC-RX1も使用しています.フルフレームの撮像素子を備えているだけあって画質はやはり素晴らしく、ISO6400でも十分使える高感度、ボケの美しさなど申し分ありません.が、やはり普段から鞄に入れるにはサイズが大きく、重量もかなりこたえます.
 GRはAPS-CサイズセンサーということもありRX1にはかないませんが、レンズ沈胴式のコンパクトで軽量なボディは普段から鞄に入れておけるカメラとしては見逃せないポイントです.
 GRは機動力の高さと画質の良さを高次元でまとめた、オススメできるカメラです.28mm単焦点なのでいわゆる「普通の人」には勧めづらいところではありますが、カメラを趣味としてたしなんでいる方にとっては単焦点の魅力は理解いただけるであろうし、28mmという画角を好まれる方にはきっと満足のいくカメラになるのではないかと思います.

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