2013/07/04

『チェルノブイリダークツーリズムガイド』

Category: 書籍 — Annexia @ 22:57

RICOH GR

 東浩紀氏らが発行した『チェルノブイリダークツーリズムガイド』という本を購入しました.

 簡潔に一言でまとめると、チェルノブイリの観光ガイドです.

 表題にも含まれている「ダークツーリズム」とは、負の遺産を観光するという意味です.たとえば広島の原爆ドーム、ポーランドのアウシュヴィッツ強制収容所など、日本にも世界にもそうした「観光地」はたくさんあります.
 27年前に原発事故を起こしたチェルノブイリも、そうした観光の側面を持つようになっており、現地スタッフによる観光ツアーが組まれているのです.

 そして、2年前に地震と津波によって事故を起こした、福島第一原子力発電所.
 現在は燃料の除去や廃炉に向けて日々作業が行われている最中ですが、数十年後に廃炉が完了し、除染が完了したからといって、そのまま闇に葬り、「なかったこと」にしてしまうわけにはいかない、多くの人を巻き込んで生活を奪った事故を記憶にとどめておくためにも「観光地」として残すべきだ.そのためにはチェルノブイリの現状を調べ、なにをどう見せるか.そうした観点のもとにこの本は作られています.

 「観光地」というと、どうしても風光明媚であったり遊び場所のイメージがあるため、廃炉となった原子力発電所とは相容れないように感じられる印象を持つかたがいると思いますが、「ダークツーリズム」という言葉に込められた負の遺産としての観光地の存在も忘れてはならないのではないでしょうか.

 豊富な写真とともにガイドブックとしての体裁をとった誌面は引き込まれるものがあります.

RICOH GR

 表紙をめくるとそこには、建造中のチェルノブイリの写真が.

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