2011/06/24

RICOH GR DIGITAL III
数日前に休暇をとって常磐道方面に出かけてきました.
常磐道は1車線をふさいで道路工事をしていたり、補修痕が生々しいところもあったりと、地震の影響がまだ残っていました.
常磐道の終点は常磐富岡ICですが、その1つ手前の広野ICですべての車がおろされます.ここから先は福島第一原発から半径20km圏内になるため立ち入り禁止です.
広野ICを出ると、目の前に巨大な煙突が見えてきます.東京電力の広野火力発電所です.また、左手方向には原発対策の拠点と化している「Jヴィレッジ」があります.自分が通過したときも大量の車がとまっているのが見えました.
インターより北側は20km圏内で一般車両進入禁止のため、ここから南側のいわき市方面に向かいます.
建物の損傷はそれほど多くはないのですが、ブロック塀などが崩壊しているところがいくつか見受けられました.また、常磐線と並行する区間では、鉄道の電柱が斜めになっているところもありました.常磐線は久ノ浜駅までしか運行が再開されておらず、そこから先は手つかずのままです.
国道6号線をずっと南下し、久ノ浜駅まできたところで漁港のほうに向かうと、凄まじい光景が目に飛び込んできました.テレビやWebなどで見ているのと同じ状況ではあるのですが、津波がすべてをさらっていった、だだっ広くがれきが散乱した土地を目の当たりにすると言葉に言い表しがたい恐怖感がしました.
6号線は海辺近くを通ることもあるのですが、そうした場所では津波の影響を受けたとおぼしき家がそこかしこにあり、これが現実とはいえ見ていて辛いものがありました.
帰りは小名浜方面を経由して6号線で日立まで行き、そこから常磐道に乗りました.
しばらく前から、原発の近辺の区域や津波の被災地を見てみたいと思っていました.興味本位といわれれば否定できない側面もありますが、テレビやWebを通して見ることと、実際にこの目で見ることではちょっと違うのではないかと思い、訪れることにしました.
原発、放射能の影響については目に見えないこともあって具体的になにかを感じるようなものはありませんでしたが、津波の恐怖についてはTVで見るそれとは全く違うものを感じました.
2011/06/03
・・・まあ、以前から不信でしたが.
なんかもう、最悪ですね.被災地の方々がこれだけ苦しんでいるさなかに内閣不信任案を提出すること自体が個人的にどうかと思っていたのですが、それだけ現在の内閣、というか総理大臣がダメということなんですよね.多少の政治空白とかを犠牲にしても内閣を刷新する方が結果として良くなるんであれば仕方のないところかなと思っていたら、直前になって「メドがついたらやめる」と言い始め、それに翻弄される形で内閣不信任案は否決、そしてそのあとで「原発が冷温停止したらやめる」とかいい加減なことを言い始める始末.
原発事故が重要なのはいうまでもないことですが、今回の震災の被害者は原発関係だけじゃないですし.そもそも原発云々をネタにして自分の首相生命を無理矢理延長しているだけのようにしか見えません.
「メドがついたらやめる」に振り回されて、直前になって内閣不信任案に「反対」を投じた民主党議員も情けないです.この人達は自分の頭で考えるということができないのでしょうか.これでは単なる頭数あわせにしかなっていません.この程度のことしかできない連中を何百人も国会議員として養っていくこと自体、ムダとしかいいようがありません.
でも、かといって、自民党が政権とって元に戻ったら万事収まるかといわれれば、そうでもない気がします.なにしろ、これだけ大量に原発を作ってきたのは自民党のセンセイがたですし、しばらくしてしれっと原発を推進し始めるかもしれないのですから.
まっとうな政治家や政党が少ない(ゼロとはさすがにいいませんが)のが、この国の最大の不幸でしょうね.どんなに国民ががんばっても無策無能の利権に溺れた政治家がすべてを台無しにしてしまう.利権まみれのズブズブの関係をただそうとしても、そうした法案を出すのが当の本人達なのですから骨抜きの法案しかできあがりません.
ここまで酷くなったのは政治家だけでなく、政治とか関係ないやと他人事のように見ている国民が多いというのも原因の一端であると思いますし、なんとかそういう方向性をただしていくべきなのでしょう.まあいろいろと難しいですね.
2011/05/28

RICOH GR DIGITAL III
NHKの技研公開に行ってきました.
毎年5月末になると、世田谷区砧にあるNHK放送技術研究所では「技研公開」という、研究発表が行われます.

RICOH GR DIGITAL III
悪天候ながらも会場内は結構混雑しています.今年は節電のため16時までとなっているため、混雑の度合いが高いのかもしれません.
一般向けの発表会ではありますが、内容はかなり高度です.とはいえ、専門用語で突っ込んだ質問をする人もいました.実際に研究されているかたが説明員としており、試作品の機材なども展示されているため、興味のある人にはたまらない展示なのでしょう.
今年のNHK技研公開の発表でも大きく扱われていたのは、TV放送とネットとの連携です.Hybridcastなどと呼ばれており、コンテンツ配信やSNSを使った双方向通信的なものなどを推進していくようです.
まだ研究段階のようですが、「感動」を数値化して番組制作に活かす技術など、どこまで現実に運用できるのかわからないようなものも展示されていました.

RICOH GR DIGITAL III
テレビのニュースで気になっていた福島原発の映像です.「30km以上離れて撮影」「映像を鮮明化しています」というテロップが入っているこの映像ですが、
1. 42倍レンズを搭載した防振機能付きカメラでヘリから撮影
2. 転送した映像のブレを補正
3. 鮮明化処理をかける
4. さらに2倍に拡大
というステップを踏んでいるそうです.まったくブレを感じさせない映像なので、てっきりどこかに据え付けて撮影しているものだとばかり思っていました.

RICOH GR DIGITAL III
スーパーハイビジョンの研究も進んでいました.スーパーハイビジョンとは7680×4320ドットいう、フルハイビジョンの16倍もの解像度をもつ技術です.NHKとしては2020年の試験放送を目標としているそうです.
今年の目玉はシャープと共同開発した85インチの液晶スーパーハイビジョンテレビです.85インチというサイズにも関わらず、至近距離で見ても映像が細かいです.が、撮影したカメラが開発途中ということもあってか、若干のノイズを感じました.実際に撮影していたスーパーハイビジョンカメラを見ると大量のライトを使っていたので、光量不足に弱いのかもしれません.また、カメラの小型化も課題だそうです.
スーパーハイビジョンの映像を見ていて思ったことなのですが、非常に解像度が高く精細な映像だと3Dとかの加工をしなくても立体的に感じました.これは他のかたもそう思ったらしく、3Dカメラで撮影しているのかと質問をしている人を見かけました.
別の展示施設でメガネを使った3D映像を見ましたが、そちらのほうが書き割りっぽくて不自然に感じました.

RICOH GR DIGITAL III
単板式スーパーハイビジョンカメラのレンズですが、どこかで見た覚えのあるレンズがついていました.CarlZeiss Distagon 25mm F2.8 ZFです.自分の愛用するレンズがこのようなところで使用されているのもなんか不思議な感じです.
マウントアダプタを介して接続されています.別のスーパーハイビジョンカメラの説明ですが、撮像素子サイズは2.5型とのことで、35mmフルサイズセンサーより少し小さなものが使用されているそうです.解像度的にはこのレンズであっても十分とのことでした.
研究途中ということもあってか撮影NGの箇所も多々ありましたが、興味深い展示が他にもいろいろとありました.
毎年行われているので、来年も時間が許せば行ってみたいです.

RICOH GR DIGITAL III
出口付近にあった、物販コーナーでi-MiEVの中継車のトミカが売られていたので買ってしまいました.995円はちょっと高い気もしましたが.ちなみに実車も研究の一部として展示されていました.
2011/05/07
昨晩のことですが、菅首相が「津波に対する安全確保ができていない」という理由で浜岡原発4,5号機の停止を中部電力に要請したというニュースが流れていました.
日本国内には55基の原発がありますが、その中でも浜岡が特に危険視されるのは「いつきてもおかしくない」と見られている東海地震の存在です.この地域では100-150年周期で地震が発生しており、前回の地震からすでに157年が経過しています.政府の見積もりでは、これから先30年以内に発生確率は87%だそうです.
原発を建てる前から地震の存在には気付いていたのではないかと思うのですが、それでも建てたかったのは、原発の発電コストの安さ(事故が起きたらとてつもなく高くつきますが)や設備投資にかかる費用は電気代に上乗せできるので収入も増えるという旨味が大きいのでしょうね.わざわざ地震や津波の被害が大きそうなところに建てなくてもと思いますが、中部電力のエリアは太平洋沿岸しか海に面していないので選択肢が限られていたのでしょう.
今回の停止要請について、静岡県知事は「英断に敬意を表します」とコメントを発表している反面、地元の御前崎市長は苦言を呈すなど、反応が分かれています.
地元が渋るのは原発従事者の地元雇用と交付金という二つの要素が大きいのでしょう.特に交付金は収入の少ない地方自治体にとっては喉から手が出るほどほしいものです.原発を建てるだけで毎年数十億円もらえるのだからたまりません.しかしながら、その交付金も原発が建てられてから20年たつともらえなくなってしまいます.毎年数十億円(20年で893億円にもなるそうです→Wikipedia)もの交付金をもらっていたのにいきなりゼロになってしまうのを避けるために、さらなる追加の原発建設を容認してしまいます.それが日本の原発が集中して立地する理由の一因です.
なにもしなくてもお金が入ってくる、しかも雇用も生まれるということであれば他の産業が発達しなくなるのは当然です.そうやって原発のある自治体は原発なしではいられなくなる骨抜き状態にされてしまうわけです.
それはさておき.
一時的ながら止めるのは英断だと思いますが、そこから先のロードマップをどう描いているのかが見えないのが不安でもあります.津波対策をしたら再開を容認するのか、それとも原発に代わる代替エネルギーの開発を推進するのか、直近の問題としてこの夏の電力需要をどう回避するのか、そうした問題に対する明確なビジョンがイマイチはっきりと伝わってきません.「市民活動家」レベルの判断ではなく、きちんと「政治家」としての判断や行動をしてもらいたいものです.
2011/04/24
2週間前の都知事選に続いて、今日は区長と区議の投票がありました.
都知事選のときは旅行に出かける関係で期日前投票を行いましたが、今日は普通に近所の小学校に出かけて投票してきました.
子供もいない一人暮らしの私としては、正当な理由で小学校に立ち入ることができるのは投票日くらいのものです.妙にちっちゃい机とかウサギ小屋(自分の通っていた小学校はウサギ小屋はなくてインコを飼っていましたが)とか眺めて懐かしさに浸りたいところではあるのですが、残念ながら正門→体育館→正門というルートで見物できなかったのが残念でした.以前は出口が違うところにあってウサギ小屋が見れたのですが.
さて.それはさておき.
区長と区議選について.
区議は20年来の知人が出馬しているので投票するのに迷いはありません.
問題は区長です.世田谷区の区長立候補者は5名.建前上の党派は全員無所属ですが、実際には自民党:2、民主党:1、社民党(旧?):1、無所属(地元の商工会議所?):1、となっています.
区長選なので当選するのは1名なのはいうまでもありません.が.自民党の擁立者が2名いるんですよね.つまり、一本化できなかったということです.
2名の候補者を見てみましょう.
1名は世田谷区の区議会議長を今まで務めていたかたで、もちろん所属はずっと自民党です.こちらは地元の区議レベルでの支援がされているようです.
そしてもう1名、こちらがすごい.ちょっと前まで民主党所属で都議をやっていた人です.その前をさかのぼると民主党所属で世田谷区議もやっていました.区議→都議とステップアップしていったところで、あっさりと鞍替えして自民党の支援(都議?都知事のみ?)で区長選に挑んでいるのです.その辺の経緯を調べるとさらにすごいことがわかってきます.東京都議会では築地魚市場の豊洲移転についての議論がずっと続いていましたが、議決を得るのにあともう1票ないと移転が議決できないという状態になっていました.もちろん民主党は移転に反対する立場を取っているのですが、今回の候補者が民主党を捨てて寝返ったことで築地移転が正式に決定したのです.
石原都知事との間でどういう取引があったのかはわかりませんが、想像は容易にできますね.死に体の民主党を捨てて石原に恩義を売って支援を受けて世田谷区長選に立候補と.今回の選挙ポスターも都知事と握手している写真が使われています.選挙ポスターで候補者と他の人物が同じサイズで写っている写真というのは見かけないものですが、文字通り「虎の威を借る狐」というヤツでしょう.
どういう結果になるのか、ちょっと興味深いです.生活にも関わってきますしね.
【追記】
NHKの開票速報によると前衆議院議員の社民党のかたと、上記の寝返ったかたが競っているのだとか.社民党のかたは市民活動家出身ということもあって強さを発揮しているようです.それにしても・・・
【追記2】
23:20ごろにNHKの速報で前衆議院議員の保坂氏が当確の発表がありました.自民党は共倒れという結果になったようです.