2024/04/14

Nikon Z f

Category: カメラ・写真,物欲 — Annexia @ 20:20

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RICOH GR III

 ニコン D700を手放して富士フイルム X-T1に買い替えてから10年.再びニコンに戻ってきました.
 10年前、ニコンから富士に乗り換えた理由は、当時新製品として発売になったDfのデザインが好みで買い替える気満々で店頭でDfを触ってみたものの、ボディのグリップ部が分厚すぎて自分の手ではうまく握ることができず断念していたところにX-T1が登場し、デザインが好みかつコンパクト、しかもJPEG画質が綺麗でフィルムシミュレーションも魅力(D700のJPEGは好みではなく、すべてRAW撮影して現像していたので後処理が大変だった)というものでした.

 そしてこの10年間、自分が富士フイルムのカメラを使い続けていた間にニコンも一眼レフからミラーレスに軸足が移り、ずっと続くかと思われたFマウントもZマウントに置き換わるなど、様々な変化が起きました.
 しかしながらNikon Zシリーズのボディデザインは自分の好むところではなく、手を出してみようと言う気になるものではありませんでした.もはやDfのようなややレトロに振ったデザインの製品は出ないのでは…… と思われていたところに、APS-CフォーマットのZ fc、続いてフルフレーム機のZ fが登場しました.
 Z fcにはさほど興味がわかなかったのですが、Z fはフルフレーム機であること、そして横幅はそれなりにあるもののグリップ部分がすっきりとしているという点が気に入りました.発表後に購入を考えはしたのですが、マウントを増やす(もしくは乗り換える)という経済的負担と、シルバーボディがほしいので待とうという判断で当初は様子見を決めていました.
 ただ、実際に発売されると想像以上に評判がいいのとブラックボディも悪くないのではという印象から、発売2日後にニコンの直販サイトで予約を入れました.しかしこの出遅れは致命的で、予約殺到で生産が追いつかず、店舗によっては納期6ヶ月なんて案内をするところまで出てきました.これでは10月末に予約したのに4月の桜すら撮れるかどうか…… と思っていたところ、ヨドバシカメラの通販サイトに予約流れなのか在庫があり、それを狙ってなんとか1月下旬に購入することができました.

 一方の富士フイルムXマウントですが、Z f購入時に所有していた機材(X-Pro3と純正レンズ3本、Voigtlander銘のレンズ2本)については当初は残す考えでいました.
 しかしながら、
・思っていた以上にZ f(とZマウント)がよかった
・XマウントとZマウントカメラの両方を使い分ける理由や必然性が見当たらない
・Xマウント機材とZマウント機材の両方を維持する余裕(財力とスペースの両面)がない
・Xマウントレンズが初期はコンパクトで趣味性の高い製品が多かったものの、徐々に画質優先設計として肥大化し、重たく大きなものが多くなり魅力が薄れてきた
・Xマウントボディが全体的に品薄傾向で、富士フイルムはメーカーとしてデジタルカメラ事業に力を入れていないのでは?という疑念
・X-Pro3の液晶ヒンジがケーブル断線の不具合が多く出ていたので、不具合のないうちに手放してしまおうという判断
・X100VからX100VIへのモデルチェンジで一気に10万円以上値上がりしたことを鑑みて、Xマウント機の今後の買い替えが不安
などのひとつひとつは些末でも、不安要素の積み重ねもあって、富士Xマウントから距離を置きたくなって一式を下取りに出してZマウントのレンズ購入資金に充てることにしました.

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RICOH GR III

 Z fにはボディ単体と、40mm F2レンズ付属のレンズキットの2種類がありますが、購入したのはボディ単体のもの.
 40mmレンズもあればあったで困らないだろうと思っていたので、選択肢があれば40mmレンズつきを選んでいましたが、購入当時は店頭在庫が枯渇しており、たまたま出ていた在庫がボディのみだったので選択の余地はありませんでした.

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RICOH GR III

 ボディよりも先に購入しておいたNIKKOR Z 26mm f/2.8を装着.
 Zマウントレンズはサイズの大きなものが多いですが、その中でも比較的コンパクトなレンズとしてはこの26mm以外に28mmとキットレンズの40mmがあります.その中でも26mmがいちばん薄かったことと、28mmと40mmはプラスティック製マウントでコストダウンが伺えるので26mmを選択しました.

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Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO500 1/30秒 F5.6
ピクチャーコントロール:スタンダード、ホワイトバランス:自然光オート

 Xマウントでもいわゆる「パンケーキレンズ」と呼ばれるようなものは購入していましたが、この手の薄型レンズのいいところはかさばらなくて持ち歩きしやすいことに加えて威圧感を与えないということですね.
 とくにコンパクトなのは重要で、旅行帰りの新幹線などで大きくて重たいレンズは鞄にしまいこみ、駅弁やお菓子、車窓を気軽に撮るような用途に重宝します.26mm F2.8は最短撮影距離20cmなので新幹線のテーブルにあるものを撮るのにも困りません.

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RICOH GR III

 背面はこんな感じ.
 自分はバリアングル液晶よりもチルト液晶のほうが好みなので、バリアングル液晶搭載であるのも当初購入を躊躇した理由の1つでもあります.
 しかしながら、裏返してファインダでの撮影に専念できることを考えれば、バリアングル液晶も案外悪くないものです.なのでバリアングル液晶はマイナス要因としては考えないことにしました.もっとも、それまで使っていたX-Pro3が「Hiddern LCD」と称して、モニタを隠すのが標準というデザインだったので、モニタに頼らない撮影に慣れていたという面もあります.
 購入直後はセッティングを行うのにモニタ画面を使用しましたが、その後は撮影も画像確認も、それに設定変更の大半もすべてファインダで行っています.モニタを使用するのはローアングルやハイアングルでの撮影くらいでしょうか.
 モニタに頼らずファインダを多用できる一因として、ファインダの見え具合がいいというのもありますね.Z fに限らずZマウントのカメラはファインダにも力を入れており見やすいと評判です.

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FUJIFILM X100V

 軍艦部は左側にISO感度ダイヤルと同軸で露出モードレバー、右側にシャッタースピードダイヤルと同軸で静止画カラー、静止画モノクロ、動画の切り替えレバー、それに加えて露出補正ダイヤルを備えています.
 レリーズスイッチはクリック感のないもので、クリックによるブレを嫌う自分としては好きですね.またレリーズスイッチにネジ穴が切ってありますがケーブルレリーズは使えず、アクセサリとしてレリーズボタンをねじ込むためのものです.自分はnanigashiの製品を使用しています.
 操作面で残念なのは、Zマウントのレンズには絞りリングがないため、絞り操作はカメラボディのダイヤルで行う必要があること.またシャッタースピードやISO感度などはダイヤルで確認できるのに、絞り値だけは小さな液晶に表示されてしまうのが味気ないです.純正レンズにはカスタマイズ可能なコントロールリングが搭載されているので、ここに絞り設定を割り当てることでボディ側ダイヤルの操作の必要性はなくなるのですが、電源オフ時に絞り値をいくつにセットしておいたかを確認できないことや、電源を入れる前にF値を設定しておくことができないのも地味にマイナス点ですね.
 高性能、大型、そして高価なカメラというものはボディのあちこちにカスタマイズ可能なスイッチ類を備えているものですが、Z fにも上位機種ほどではないものの、カスタマイズ可能なスイッチをいくつか備えており、それによってある程度はメニューを呼び出さなくても設定変更が可能になっています.もっとスイッチがほしいとか、カスタマイズの自由度を上げてほしい面もありますが、デザインとの兼ね合いもありますし、必要十分な感じでしょうか.

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Apple iPhone13 mini

 旅行前日にZ fが届いたので、これもなにかの縁ということでセッティング不十分なまま持ち出すことにしました.
 レンズはNIKKOR Z 26mm f/2.8のみという軽装備です.

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Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO100 1/640秒 F5
ピクチャーコントロール:スタンダード、ホワイトバランス:自然光オート

 朝の京都駅、斜めに日差しが入り込んでいるせいかゴーストが出ていますね.パンケーキレンズゆえの弱点なのかもしれません.
 ピクチャーコントロールもいちばんスタンダードな設定、ホワイトバランスをオートから自然光オートに変えたくらいなので、ほぼデフォルトの設定ですが、以前に使用していたD700時代のJPEGからかなり進歩した印象です.以前は黄色味に振れる傾向があり好みの画質ではありませんでしたが、これはいいですね.

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Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO1400 1/30秒 F4.0
ピクチャーコントロール:スタンダード、ホワイトバランス:自然光オート

 室内での撮影ですがホワイトバランスが自然光オートのままになっていたので色味が若干合っていないですね.
 オートホワイトバランスがかなり優秀になったことに加えて、オートも3段階(白を優先する、雰囲気を優先する、電球色を優先する)、さらに自然光オートを備えており、大半の撮影はこの辺りからの選択でまかなえそうです.個人的には雰囲気優先のオートが好みです.
 標準設定だとシャープネスがやや効きすぎる印象なので、もう少しソフト寄りに設定してもよさそうです.
 一段絞っていますが、最短撮影距離に近いくらい寄っているのでかなりボケていますね.この辺りはさすがフルフレームといったところでしょうか.

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Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO100 1/500秒 F5.6
ディープトーンモノクローム

 Z fの操作系で興味深いのは、静止画/動画切り替えレバーに「B&W(Black&White、モノクロ)」があること.モノクロモードにすることでファインダの映像もモノクロになり、明と暗のコントラストに集中できるようになります.当然ながら画質切り替えの選択もモノクロモードからのみとなります.
 モノクロモードも従来のZシリーズのカメラは「モノクローム」一択だったのに対し、ポートレートなどに適したなだらかなトーンの「フラットモノクローム」、中間調を暗めに振った「ディープトーンモノクローム」が追加されており、B&Wモードダイヤル搭載も含め、Z fが趣味性に振ったカメラであることを感じさせられます.
 3つあるモノクロモードの中でも個人的にはディープトーンモノクロームが好みですね.こうした冬の北陸の垂れこめた雲や屋根に積もった雪などの描写がいいです.

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Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO100 1/1250秒 F5.6
ディープトーンモノクローム

 こちらもディープトーンモノクローム.移り変わりの激しい冬の北陸の天候で、ついさっきまで降っていた雪混じりの雨が止み、日差しが出て濡れた石畳の反射が美しいです.
 惜しいのは富士フイルムのカメラには搭載されている「グレインエフェクト」に相当する機能がないこと.「グレインエフェクト」とは撮影した画像にフィルムの粒状性を再現した機能で、見方によってはノイズを加えているだけのようにも感じられますが、写真としてのリアリティを強調するような効果があります.

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RICOH GR III

 Z fを買ううえで楽しみだったのが、手持ちのVoigtlanderやCarlZeiss製のMマウントレンズがフルフレームで使えること.
 このVoigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM IIをはじめ、21mm、25mm、28mm、35mmとMマウントレンズを所有しているので、これから使っていくのが楽しみです.

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RICOH GR III

 シルバーレンズとの組み合わせもクラシカルで好みです.
 MマウントレンズはライカMマウント本来のレンジファインダ方式のピント合わせの制約により、近距離での撮影が苦手で寄れないレンズが大半です.そうした弱点をカバーするためにも今回はVoigtlander銘のヘリコイド付きクローズフォーカスアダプタを購入しました.

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Nikon Z f + CarlZeiss C BIOGON 35mm f/2.8
ISO1400 1/40秒 おそらくF2.8
RAW現像

 レンズ側のピントリングを最短にセットし、マウントアダプタのヘリコイドでピントを合わせて撮影.
 撮影にやや手間取りますが不満のない画質です.
 撮影に手間取るといえば、MFレンズで撮影していて不満なのが画像拡大処理です.他のメーカーの多くは拡大表示でピント合わせしたあと、シャッターを半押しすると全体構図に戻りますが、Z fにはそれがなく、構図確認をするには縮小ボタンを連打するかどこかのスイッチにファインダのワンタッチ拡大/縮小を割り当ててそれを使用する必要があります.もっとものこの機能、上位機種でありなおかつ同一画像エンジンを搭載したZ 8やZ 9では半押し拡大解除が選べるようになったので、次のファームウェアアップデートに期待ですね.

 Z fボディ購入当初はZマウントレンズはNIKKOR Z 26mm f/2.8しか所有していませんでしたが、その後いくつか追加で購入したものがありますので、また記事にしていこうと思います.

2024/03/16

BALMUDA ReBaker

Category: 物欲,電化製品,食べ物 — Annexia @ 13:49

 朝食にトーストを食べないこともあって、オーブントースターのない生活を送ってきました.
 なので買ってきた惣菜などを温めるためには電子レンジを使うか、またはフライパンで焼いていましたが、電子レンジでは揚げ物の衣がしなしなになってしまい、フライパンは火加減を注意しないと焦げるし面倒…… と思っていたところに、バルミューダから温めに特化したトースターとしてReBakerが発表になったので、発売後すぐに購入しました.

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FUJIFILM X100V

 バルミューダには水を加えてパンをふっくらと温めるBALMUDA The Toasterという製品がありますが、やや似たような外見をしています.ただしReBakerには水を入れて温める機能はありません.
 また左側のモード切り替えはダイヤル式ではなく押すたびにモードが切り替わる仕様です.上から順にトースト、チーズトースト、リベイク(パンの温め直し)、フライド(揚げ物の温め直し)、オーブン、となっています.自分はリベイクとフライドしか使わないので、フライドからリベイクに切り替える場合には数回このスイッチを押す必要がありますが、それほどモード数が多いわけではないので気になるほどではありません.

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FUJIFILM X100V

 天面には主要な食べ物の調理時間の目安が書かれています.庫内の温度調節をしながら温めるため、通常のトースターよりも調理時間は長めです.

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FUJIFILM X100V

 買ってきて早速試したのはカレーパン.本来であれば開発ストーリーにあるように「まるソー」こと、まるごとソーセージで試したかったのですが、あいにくと売り切れていたので同じ山崎パンのカレーパンを選びました.
 最初なので様子見ということでリベイクモードで3分温めてみましたが、カレーパンは厚みもあることもあってか3分では中までは温めきれませんでした.とはいえ、表面はカリカリのサクサクで電子レンジで温めたものとは比べ物にならない美味しさがあります.あと、カレーパンはパンというよりも揚げ物の部類に含まれる食べ物のようで、リベイクモードよりもフライドモードが推奨されていました.

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Nikon Z f + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 まるごとソーセージ、人気商品のようで週末に出かけるスーパーでは売り切れのことが多いのですが、ようやく買ってくることができました.リベイクモードで5分温めます.
 庫内の様子を見ていると、上下のヒーターの稼働が目まぐるしく変化し、どちらかというと赤々としている状態はそれほどないような印象です.また、バルミューダの製品らしく音にこだわりがあるようで、調理中はハイハットのような音がし続けています.それに加えてヒーターの出力変化時に出る音なのか動作音もそこそこします.

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Nikon Z f + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 5分後、温め終わりました.パンの表面はサクサクで中はふわっとしており、ソーセージがぬるいようなこともない、そしてもちろん焦げていない理想の温まり具合です.なるほど、これを追求して製品を作ってきたのだなと感銘にも似た印象を受けました.

 購入から半月、パンだけでなくトンカツや唐揚げ、春巻、フライドポテトなど温めてみましたが、おおむね満足のいく仕上がりです.フライドポテトは買ってきたものが厚切りタイプだったので規定の時間では温めきれない部分もあったりしましたが、マクドナルドのような細身のフライドポテトであれば揚げたての感じを再現できそうです.そしてなによりいいのが焦げないこと.それでいて衣がサクサクに仕上がっているので絶妙な匙加減です.
 自宅で揚げ物を調理しない、惣菜を買ってくることの多い自分のような人にはぴったりの電化製品だと思いました.なのでこれはおすすめです.

2024/02/12

ND5REロードスター試乗

Category: 物欲, — Annexia @ 22:04

 NDロードスターを購入したのが2015年7月.気に入って乗り続けてきましたが今年で9年目となります.大きな不調もないのですが、買い替えのタイミングをそろそろ検討してもいいころ.
 というタイミングでNDロードスターが発売以来最大となるマイナーチェンジをしたとのことで試乗してみることにしました.

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RICOH GR III

 マイナーチェンジの発表は2023年秋でしたが、発売は2024年の1月下旬.生産の遅れなどもあってディーラーに回ってくる試乗車もかなり限られている状態でした.なのでお世話になっているディーラーにも試乗車がなく、営業の方の運転する車で片道1時間かけて東府中の店舗まで出向き、試乗させてもらいました.

 最大のマイナーチェンジといわれていますが、実際に形式までもが変更となっており、従来のND5RCからND5REになりました.なので製造番号もND5RC-1xxxxxから始まり細かな修正が入るたびに2xxxxx、3xxxxxと変更されてきたものがリセットされてND5RE-1xxxxxになったようです.
 マイナーチェンジされた理由はハッキング対策としての法規制に対応するため.昨今の自動車には自動ブレーキや自動追従運転などの機能が装備されていますが、懸念されるのが外部からの違法な制御が入って操られてしまうこと.その対策をする必要があるため、今回のND5REではすでに規制対応になっているCX-60の電装系を流用して内部の電気系が一新されています.一新されたことでライトやマツダコネクトなどの電装品が従来のものが全て使えなくなったため、そうしたパーツ類も更新されるとともに、電子制御などにも手を加えて様々な面を改良したというのが今回のマイナーチェンジの特徴です.

 試乗したのはS Leather Package V Selection.ボディカラーはソウルレッドクリスタルメタリック、幌と内装はV Selection限定カラーのタン色です.今回買い替えを検討したのは、このタン色の幌と内装のモデルが登場したためというのが最大の理由でもあったりします.なので購入するとしたらこのグレード一択となります.
 エンジンの始動音は自分が乗っているND5RCの初期型と比べてもかなり控えめ.ND5RCも年次改良などの仕様変更で始動時にエンジンを軽く吹かすときの音が控えめになったそうで、この辺りは騒音規制対策という面もあるそうです.
 ディーラーの敷地内でもはっきりわかるほどに違いを感じたのはステアリング.非常に滑らかです.滑らかというと路面の感覚が分からなさそうなイメージもありますが、そうした感覚を伝えつつも雑味がなくなったとでもいうか、洗練された印象を受けました.またステアリングだけでなくエンジンの回転など様々な面で上質になった感覚があり、9年間の進歩というのを感じました.そのためか不思議なことに同じサイズの車なのに自分の車と比べて車が小さく感じるというかタイトな感覚があり、言い方を変えると一体感が増したような雰囲気がありました.運転していて気になったのはMTの3速が非常に入りづらかったこと.おそらくは個体差であろうし、試乗車ゆえの不慣れな運転でダメージを受けているのかもしれません.

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RICOH GR III

 V Selection専用のタン色の幌.従来の限定車で赤や茶色系などの幌がありましたがすべて単色でした.今回は生成りのような雰囲気を出すためか少し色が混ざっています.これはいいですね.

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RICOH GR III

 従来も限定車などでシートカラーが異なるモデルがありましたが、センターコンソールまで色を変えてきたのは今回が初めてです.さらにセンターコンソール部分も合皮でカバーされており、上質な印象を受けました.
 こうした内装のデザインはNAロードスター時代にあったグレード『V-Special』を彷彿とさせるものであり、今回の『V Selection』という名称もそれを意識したものになっていそうです.

 ボディカラーとしては現在のブルーリフレックスマイカに続いて青系統のものを選ぶつもりでいましたが、かなり暗めの青で晴天下でも日当たりによっては黒と見分けがつかないほどの色調で、求めているものとちょっと違うし、それに黒系統は汚れも目立つので別の色を…… と考えた時に、この試乗車の赤はかなりタン内装とあっているなという印象を受けたので今回はソウルレッドクリスタルメタリックにしました.

 ということで購入に至りました.
 オプションをいくつかつけて税金など諸費用を加えると420万円弱.驚くべきことに下取り価格が160万円を超えたので支払額は255万円.ND5RCの価格からかなり高くなりましたが、支払額はほぼ同額です.
 注文が多く入っていることに加えて地震の影響で部品の供給が遅れているそうで、納車は早くて4月、おそらくは5月の連休明けになりそうとのことでした.納車されたら慣らしを兼ねてドライブですかね.でもその前に今の車でもどこかに出かけたいものです.

2024/02/06

Garmin eTrex Solar

Category: 旅行・観光,物欲 — Annexia @ 23:08

 旅行の移動記録用に15年ほどGPSロガーを使い続けています.
 最初はHolux M-241を使用し、M-241がGPSロールオーバー問題で時刻情報が正常に記録されなくなってしまったので、その後はGarminのeTrex 20xを使用していました.eTrex 20xは並行輸入品をショップカスタマイズで日本語対応にして地図も表示可能にしたものですが、バッテリの消費が激しいのが難点でした.公称値は単3電池2本で25時間なので、1泊2日の旅行だと使用時間にもよりますが予備の電池が必要となります.そうした経緯もあってなにかいいものはないかなと探したところ、同じGarminの新製品で充電池に加えてソーラーパネルを搭載した新製品が発売になっていたので購入してみました.

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FUJIFILM X100V

 本体、付属品としてUSB-Cケーブル、あとは多言語対応の簡易的なマニュアルのみというパッケージです.

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FUJIFILM X100V

 eTrex 20xもそこそこのサイズ感がありましたが、多少薄くなったとはいえ、さらに大きくなっています.重さは同じくらい.

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FUJIFILM X100V

 eTrex 20xは背面の金具を引き起こして捻ることで電池交換をしていましたが、eTrex Solarは充電池のため裏蓋は開きません.
 同じ筐体を使用した電池使用モデルであるeTrex SE(日本未発売)があるので、裏蓋が外せそうにも見えます.
 上部にあるゴムパッキン部分にはUSB端子があります.eTrex 20xはminiUSBで、しかも本体付属のケーブル以外は認識がうまくいかない若干特殊なスペックでしたが、今回はUSB Type-Cになったので充電も通信もしやすくなりました.またBluetoothにも対応しています.

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FUJIFILM X100V

 背面のアクセサリ取り付け部がeTrex 20xもeTrex Solarも共通なので、鞄にぶら下げるためのカラビナを使い回しできました.

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FUJIFILM X100V

 今回はGarmin日本法人が販売する製品を購入したので、カスタマイズしなくても最初から日本語表示されます.
 が、この手のガジェットにありがちなことですが、ディスプレイの解像度が低いこともあって日本語フォントがあまり綺麗に表示されず、さらに半角カナが使われていたりするなど見栄えが良いものではありません.

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FUJIFILM X100V

 なので、初期設定が終わった段階で表示言語を英語に切り替えました.

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RICOH GRIII

 電源を切った状態でも日光に当てることで自動的にソーラーチャージャが機能し、充電中を示す液晶が表示されます.
 今回eTrex Solarを購入した理由が長時間利用可能なことなのですが、衛星補足をGPSのみに限定し、75,000ルクス以上の日光を受けることで無制限稼働を可能にしています.
 とはいえ、75,000ルクスを維持するのはなかなか難しいことで、晴天時の正午の日光で100,000ルクスくらいになるものの、その前後の時間帯で斜めに日差しが入れば75,000ルクスを下回ってしまうので、太陽光だけで使い続けるのも難しそうです.

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Apple iPhone13 mini

 実際に旅行に持ち出して使用してみました.衛星のつかみも早く、東海道新幹線で新丹那トンネルのような長距離(約8km)のトンネルでも出てから次のトンネルまでの5秒ほどの間に捕捉します.

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Apple iPhone13 mini

 GPSの捕捉状況です.GPSだけでも多くの衛星を捕捉していますが、マルチGNSSモードをオンにすることで、さらにこれに加えてGLONASSなど他の衛星も補助的に捕捉し安定性を高めています.ただし、多くの衛星を捕捉することで動作時間は200時間から100時間に半減します.

 新幹線「のぞみ」に乗車して東京から名古屋方面に移動したときの小田原から三島の移動ログです.これはeTrex 20x.

 こっちがeTrex Solar.この区間は大小いくつものトンネルが続きますが、小田原-熱海間の途中でカーブしているトンネルは当然ながら路線とずれているものの、トンネル間の短い時間でも衛星を拾ってかなり正確にログが残されています.

 衛星の捕捉時間の速さやGPS以外も補助的に捕捉して精度を高めていることや、3日程度の旅行でもバッテリを気にすることなく使用できるといったバッテリの持続時間の長さはeTrex 20xと比べて大きなメリットです.
 デメリットとしてはメインメモリが非常に少なく(約28MB)、microSDカードなどでの拡張もできません.広範囲の地図データを追加することができず、旅行中にディスプレイに地図を表示できません.もっとも自分の場合は移動ログを保存するのが目的であって、地図の表示などはおまけ的な要素でしかないので大きな問題にはなりませんが、本来の使用用途であるトラッキングナビとして使用するには、あらかじめ地図を切り出しておくというような準備が必要となるため、扱いづらそうです.
 昨今はスマホでも移動記録は可能ですが、正確に記録しようとするとスマホのバッテリ消費が激しくなり、かといってGoogla Mapsのようにバッテリ消費を考慮したログ保存を行うとディテールが失われるので、餅は餅屋とでもいうか、GPSロガーはまだまだ自分にとっては必要ですね.

2023/12/30

2023年を振り返る – 物欲篇

 1年を振り返る、最後は物欲篇です.外出が少なかったこと、後述しますが予期せぬ収入があったりしてあれこれと買っています.

1月:KIOXIA EXCERIA PLUS ポータブルSSD
3月:final E4000/MAKE4
4月:RICOH GR III Diary Edition
6月:Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-mount
7月:HAMILTON KHAKI FIELD ‘MURPH’ 38mm
8月:BALMUDA The GreenFan
10月:(未入手)10月 Nikon Z f 40mm F2 Lens Kit / Voigtlander VM-Z Close Focus Adapter
11月:SONY LinkBuds S

1月:KIOXIA EXCERIA PLUS ポータブルSSD

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FUJIFILM X100V

 Amazonギフトをいただいたので、それを利用してM2 MacBook Airの自宅バックアップ用にと購入しました.
 それまで2.5inch HDDでバックアップを取っていたのですが、やはり時間がかかるので短時間で済ませるようにと導入したのですが、接続してちょっとお茶を入れたりしている間にバックアップ完了していたりするので買ってよかったですね.

3月:final E4000/MAKE4

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Apple iPhone 13mini

 MAKE4については、フィルタ等を交換して好みの音にセッティングできる製品として気になったので購入しました.購入時の音でも十分いい音だったのですが、自分の手で付属のレンチで分解しピンセットでフィルタを交換して音を変化させるというのはなかなか楽しいものがあります.
 E4000については、MAKE4をいじるにあたって、同じメーカーが製品として推奨する音がどんなものか、比較対象として購入しました.低音が少し物足りない印象だったので、低音が強めに出るという評判のケーブルに交換をしました.
 どちらもいい音が出ますが、MAKE4はロックなどドンシャリ系の激しめの音源、E4000はクラシックなどに強みを感じます.

4月:RICOH GR III Diary Edition

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Apple iPhone 13mini

 普段使いカメラとして代々使用していたGRシリーズから富士フイルムX70に変更し、X70から再度GRに戻ってきました.
 通常版のGR IIIでもよかったのですが、「GR=ブラック」という常識から外れた製品も悪くないのではないかと思い、ちょうどメタリックグレーのモデルが出たので購入しました.
 コンパクトな筐体ながら描写力のいいレンズ、光学式手ぶれ補正、ワイヤレス通信機能の充実など、普段使いカメラとして定着しています.

6月:Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-mount

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RICOH GR III

 Voigtlander製のMFレンズです.サードパーティ製のMFレンズとはいえ、ボディとの通信機能を備えており、X-Pro3で使用すると光学ファインダでもパララックスが自動補正されるなど使いやすさが考慮されています.
 画質も満足ですが、それよりもやはり魅力なのはこのコンパクトさ.カメラに取り付けても薄いので気軽に鞄に入れることができます.

7月:HAMILTON KHAKI FIELD ‘MURPH’ 38mm

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RICOH GR III

 2014年の映画『インターステラー』で重要なアイテムとして登場した、通称「マーフウォッチ」.
 映画のアイテムとして登場した当時は製品化されておらず、その後製品化されたのですがサイズが大きくて自分の腕には馴染まないなということで購入を見送っていたのですが、38mmサイズのものが出たので購入しました.
 ハミルトンの時計はハリウッド映画の小物としてタイアップされることが多いですが、既存の製品ではない純粋なアイテムとして登場し、その後要望があって製品化されたという点、そして『インターステラー』自体が好きなので手に入れることができてよかったです.

8月:BALMUDA The GreenFan

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RICOH GR III

 バルミューダのGreenFan2が使用から10年以上経過し扇風機としての使用期間目安を超えたことや、陽にあたって部分的に黄ばんできたこともあって、セールのタイミングで新しいGreenFanに買い替えました.
 一般的な扇風機の風というのは直接的なせいか、ずっと当たっていると妙な疲れを感じてしまうのですが、GreenFanの風は柔らかくてずっと当たっていてもそのようなことはないのが気に入っています.

10月:(未入手)10月 Nikon Z f 40mm F2 Lens Kit / Voigtlander VM-Z Close Focus Adapter
 カメラは以前にはD40とD700を使っており、そこから富士フイルムに切り替えたのですが、昨今の富士フイルムに若干の迷走を感じるのと、ニコンのZ fがデザイン的にも好みということもあって久々にニコンに戻ることにしました.
 ……が、現物の評価もなく予約を入れるのはさすがに躊躇してしまい、発売から2日後に予約を入れたところ、2ヶ月経過しても納品されない事態に.ニコンの直販サイトであるニコンダイレクトに注文を入れたのですが、注文完了メールには最大で6ヶ月かかる場合がありますとの記載が.このままだと桜が咲くのが先か、散ってからの納品となるのか、という微妙な時期になりそうです.
 先走って予備のバッテリや充電器、それにMマウントレンズ用のマウントアダプタもう購入したのですが、寂しく引き出しで眠っております.

11月:SONY LinkBuds S

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RICOH GR III

 ワイヤレスイヤホンは昨年購入した、final ZE8000ですっかり満足しており、新たな製品を買う必要性を感じません.
 が、このLinkBuds Sを購入したのは、社内で耳栓と通常の会話、そして会議用のイヤホンマイクを兼用したいという目的のためです.なので実際にこれを使って音楽を聴くことはほとんどないですね.ちょっと聴いてみた感じでは悪くはない音ですが、メインで使いたくなるような音ではなかったですし.
 高い遮音性と装着状態でも通常通り会話できることの2つを気軽に切り替えて使用できるのは便利ですね.

 来年はどうでしょうか.
 Nikon Z fが届くので、それにレンズとしてなにかを購入したいなと考えています.
 あとはX-Pro3の後継、もしくはX100Vの後継も出るような雰囲気なのでそちらも気になるところです.昨今の富士フイルムの情勢からして、期待しているようなものが出るかどうかは正式発表がないとわかりませんが…….