2024/09/01
Apple iPhone 13mini
富士フイルムのX100VIを購入しました.
X100シリーズは3代目のX100Tから、X100F、X100Vと買い換えて今回のX100VIで4台目です.
代々買い替えてきたうえに、X100FとX100Vにいたっては予約受付開始と同時に注文を入れて発売日に購入するほどに気に入っていましたが、今回はいくつかの理由により買うのを躊躇していました.
1つ目は価格.今回のX100VIは発表当時の予定価格が28万円と、円安の影響もあってかX100Vと比べて10万円以上も高額になっており、X100Vを下取りに出しても相応の額を支払うことが想像できました.
2つ目は極度の品不足.X100Vはモデル末期に品不足に陥り、注文を捌ききれずに販売終了となってしまいました.その品不足状態がそのままにX100VIに予約集中し、一説には100万台もの予約が入ったとニュースサイトに出ていました.100万台は大げさだとしても、それなりの台数の予約が入っているであろうことは想像でき、そうなると湧いて出てくるのが転売屋です.その結果、事態はさらに混乱の状況に向かいます.転売屋対策なのか多くのカメラ店や量販店は抽選販売を行なっていましたが、群がる転売屋を見分ける術もないですし、倍率はかなり高かったようです.
3つ目は機能面.ひとめでX100シリーズとわかる外観は初代から大きく変わっていなく、では中身はどこか変わったのかといえば、画素数が2,600万画素から4,000万画素に増加、手ぶれ補正機能の搭載、映像処理プロセッサの更新、といったところです.画素数アップも手ぶれ補正機能搭載も大きな機能追加ではありますが、こうした順当な機能追加だけではない興味を惹く「なにか」が欲しいなと感じました.
以上のような理由により静観していましたが、極度の品不足が続くにつれて奇妙な事態に発展します.
まず、X100VIの品不足により中古価格が新品価格を10万円以上も上回るようになりました.新宿のマップカメラでは新品の販売価格よりも中古下取り価格が高くなり、極端な話をすると抽選販売で当選した人が購入後に即売却をしただけで数万円の利益が出るようになりました.もちろんカメラ店だけでなくフリマサイトなどでも高額での販売が相次ぎました.転売屋の草刈場の誕生です.
ただ興味深いのは、新品の売価を下取り価格が上回るのはおかしいと考える店舗もあり、中野のフジヤカメラでは買取価格は新品価格をギリギリ下回るように設定されていました.個人的に支持したい姿勢でもあり、一種の店としてのプライドのようなものを感じました.
そしてこのX100VIの品不足につられるようにして、X100Vの中古価格も高騰していきました.2020年の発売当初の金額は16万円程度だったというのに中古価格は30万円を超えるようになりました.もちろんそうなると買取価格も上昇し、24万円ほどにまで到達するようになりました.
その結果、なにが起きたかというと、買うのを静観していた理由のひとつ『X100Vを下取りに出して十数万円を追加してX100VIを手に入れるに見合う価値があるとは思えない』の『十数万円』の追加額が大幅に下がることを意味します.これで買うハードルがぐっと下がりました.
こうなったらあとは調達するだけ…… ということで、昨今お世話になることの多い中野のフジヤカメラの抽選に申し込み、2度目の抽選で当選したのでX100Vを下取りに出してX100VIを入手してきました.差額は12,000円ほど.下取りに出してさらに十数万円支払うのは微妙だと考えていましたが、この程度の差額で画素数が上昇し手ぶれ補正がつき、もろもろアップデートされたと思えば安いものです.
しかし、4年半使用したカメラが購入当時よりも8万円ほど高値で下取りされたり、その前にも7年使ったX70がかなりの高価格で下取りされるなど、いくら品不足とはいえ富士フイルムの製品価格はなんだかおかしなことになっているなという印象です.
もっとも、この購入から1ヶ月が経過し、徐々にX100VIの供給がなされるようになるにつれてX100Vの需要も落ち着いてきたらしく、1万円程度の価格で買い替えるのは難しくなりました.狙ったわけではないのですが、いちばん旨みのある時期に買い替えできたようです.
Apple iPhone 13mini
X100Vで使用していたストラップ、サムレスト、フード、レリーズボタンなどをX100VIに移し替えました.
ストラップやレリーズボタンはメーカー問わずほぼ共通化されているので移行できるのはそれほど不思議なことではないのですが、レンズユニットが共通のためフードもフィルタも流用でき、さらにボディ外観も同じということでサムレストまで流用できるのは出費を抑えられるという点では大きなメリットです.
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外観上の違いは上面の機種名の表記と、正面のOVF/EVF切替レバーのデザインくらいでしょうか.従来機でもデザイン的には完成されていると思いますし、目新しさを出したいがために下手に手を加えたりしないところは好感が持てます.
あとは背面モニタの下面へのチルト角度が拡大されたらしいのですが、ほとんどチルトさせたことがないのであんまり違いがわかりません.
FUJIFILM X100VI
23mm f/2.0 1/160秒 ISO125
カメラやレンズを買っても、自宅まで開封せず持ち帰ることなどできない悪い子なので、フジヤカメラと同じ建物にあるルノアールにて開封.よって、試し撮りもこのようなものを.
フィルタがBLACK MIST No.05なので、若干ふわっとした描写になっています.
FUJIFILM X100VI
23mm f/5.6 1/450秒 ISO125
4,000万画素という高画素数のカメラを自分が手にするのはX100VIが初めてです.2,400万画素程度あれば十分と自分は考えていることもあり、さらにAPS-Cサイズセンサで4,000万画素などオーバースペックだろうと思っていたのですが、f/5.6まで絞って建築物などを撮ると画素数のメリットとして精細な描写だなと感じますね.
FUJIFILM X100VI
23mm f/5.6 1/34秒 ISO640
信号機周辺の光の滲みがBLACK MISTらしさを感じます.
個人的にはNo.05でもやや効果が強いかなという印象を受けましたので、帰宅後プロテクトフィルタに交換しました.しかしながら最近ではプロテクトフィルタ的に使えてごくわずかに滲ませるようなBLACK MIST系の製品も出ているそうなので、ちょっと気になるところです.
FUJIFILM X100VI
23mm f/2 1/75秒 ISO500
試し撮りと同じような構図ですが、フィルタをプロテクトに交換して撮影.レンズはX100Vと同じものなので描写の違いは感じられず、マクロ域でもBLACK MIST No.05使用時ほどではないですが若干ふわっとしており、このくらいの画質が好みですね.またAPS-Cセンサで23mmレンズとなりますので、絞りF2解放でもそこまで大きくはボケません.
FUJIFILM X100VI
23mm f/2.8 1/30秒 ISO500
1段絞るだけでもふわっとした描写は収まってシャープになります.さらにもう1段絞ればもっとシャープになるなど、X100Fまでのレンズほどではないものの絞りによる変化を楽しめます.
旅先などで食べ物の写真を撮ることが多いので、以前のモデルからずっと「Food」と名付けたカスタム設定を作成しています.今回のX100VIからは少し設定に手を加えてAF-Cで追尾AFを使うようにしました.AF-Cで追尾AFを使うことでピントを合わせたい部分をセンターでロックしたあとでフレーミングしなおしても合焦位置をキープし続けるのでAF-SでフレーミングしながらAF位置を移動させるよりも素早く撮影でき、せっかくの料理を冷ましてしまうようなことがありません.
ただしデメリットもあって、ファインダを覗いて撮る場合にOVF(光学ファインダ)でERF(右下にピント位置画像をEVF表示させる機能)が表示されません.もっとも、マクロ域ではOVFはフレーミングの正確性が落ちるため使用しないので大きな問題ではないですが.
また技術的な制約なのか、AF-C動作時はシングルポイントAFであればERF自体は表示されますが、ERFの拡大率が変更できないという制約があるので、食べ物撮影時以外の通常撮影ではAF-S + シングルポイントAFにて撮影しています.
FUJIFILM X100VI
23mm f/5.6 1/9秒 ISO500
上野駅地下ホームで撮影.薄暗い場所ではありますが、手ぶれ補正が効果を発揮して、1/9秒でシャッターを切ってもぶれないのでISO感度500で撮影できました.
FUJIFILM X100VI
23mm f/5.6 1/15秒 ISO12800
深夜の海ほたるPAにて撮影.かなり暗くてISO感度が自分が設定した許容値上限の12800まで上がっていますが、不満のない画質です.ざらついているように見えるのは、高感度ノイズよりも富士フイルムのカメラならではの画質設定機能であるグレインエフェクト(フィルムの粒状感を再現するもの)の影響が大きいかもしれません.
FUJIFILM X100VI
23mm f/5.6 1/15秒 ISO3200
同じく海ほたるPAにて撮影.フィルムシミュレーションはETERNAブリーチバイパス.ETERNAが映画用フィルムのシミュレーションということもあって色乗りが浅く個人的に扱いが難しい印象だったのですが、それに加えてブリーチバイパス処理(銀残し処理、自分も詳しくはわかりませんが)をシミュレートしたものということでさらに癖の強さを感じます.とはいえ、設定をカスタマイズしうまく使い込むことで好みの色合いを引き出せそうな気がします.
X100Vと比較してフィルムシミュレーションはREALA ACE、ノスタルジックネガ、ETERNAブリーチバイパスの3つが追加されましたが、REALA ACEが普段使いできるものであるのに対して、ETERNAブリーチバイパスはここぞというときに使う設定のように感じられました.
前機種であるX100Vと比べて10万円以上高額にもかかわらず発売から5ヶ月経過後もいまだに供給が安定していないということで、性能面よりも入手性や価格で話題に出ることの多い製品ですが、カメラとしては極めて完成度が高いと感じました.そもそもX100シリーズは代々、完成度を高めてきたので、その積み重ねの先にあるモデルとして高い完成度の製品に仕上がっているのは想定通りともいえます.
複数台のカメラを所有してはいますが、どれか1台だけ残すとしたらX100VIを選ぶのではないかと思うほどに気に入っています(Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2と迷いますが……).好みの画角、手に馴染むサイズ感、光学ファインダと電子ファインダの融合という無二の存在、そして画質の良さと、とりあえずこれ1台あれば旅に出ても撮影に困ることはほぼないでしょう.
2024/05/12
Apple iPhone 13mini
Nikon Z f購入の記事でも触れましたが、本体と同時に購入したレンズはNikon NIKKOR Z 26mm f/2.8のみでした.
マウントアダプタでライカMマウントレンズを使える環境は整備したものの、やはりあと何本かZマウントのレンズがほしい.ということで富士フイルムXマウント一式を売り払って3本のレンズを購入しました.
購入にあたっての選考基準はこんな感じ.今回は2-4のそれぞれの条件に見合ったレンズを購入しました.
1. 機動性のよい小型単焦点レンズ(1本めに購入したNikon NIKKOR Z 26mm f/2.8が該当)
2. 汎用性があり、なおかつ画質のよいズームレンズ
3. ブツ撮りなどに使えるマクロレンズ
4. 個人的に好みの画角で趣味性の高いMF単焦点レンズ
FUJIFILM X100V
1本め.「汎用性があり、なおかつ画質のよいズームレンズ」に合致したレンズとして選んだのがNikon NIKKOR 24-120mm f/4 Sです.
Zマウントだったらとりあえず買っとけ、と評判の1本です.24mmから120mmまでという必要十分+αの焦点域を備えつつF4固定という使い勝手の良さに加えてS-Lineという、ニッコールレンズでも高画質グレードに属するため、画質も申し分ありません.
Nikon Z f + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
24mm F11 1/800秒 ISO160
広角端24mmで撮影.太陽光が直接入るような環境でも安定した描写です.
汎用性の高いレンズということもあり、天候に関わらず使うことを想定して、保護フィルタもいいものを選んでおこうということで純正のARCREST II PROTECTION FILTERを使用しています.
Nikon Z f + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
120mm F11 1/320秒 ISO160
望遠端120mmで木更津から東京湾越しに都内のビル群を撮影.
天気の良い日でうっすらとビル群が見えているような天候でしたが、上空を飛ぶ飛行機も含めてしっかり捉えられています.
Nikon Z f + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
57mm F8 1/60秒 ISO2000
AFレンズをあまり使ってこなかったのと、いままであまりAFの得意ではないメーカーの製品を使ってきたこともあってか、薄暗いような室内でもAFに迷いもなく無音で合焦するのは気分がよいものです.F8まで絞ってはいますが、後ろが滑らかにボケていて描写も好みですね.
Nikon Z f + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
54mm F8 1/60秒 ISO1250
最短撮影距離はズーム全域で35cm.個人的に好みの画角である28-35mmくらいで使うことが多いのですが、その画角でもっと寄りたいときにはズームすることで被写体を好みのフレーミングで収めることができます.
24-120mmでF値固定、比較的寄れて画質もいい、ということで人気の一本であることも納得です.
FUJIFILM X100V
2本め.「ブツ撮りなどに使えるマクロレンズ」ということで選んだのがNikon NIKKOR Z MC 50mm f/2.8です.
小物の撮影などにマクロレンズはやはり一本持っておきたいもの.純正のマクロレンズとしては50mmと100mmがあり、一般的にマクロレンズとして定番なのは90-100mm程度の画角ですが、個人的にあまり得意ではないこともあって50mmを選択しました.
フィルタは手元にあったCarlZeissのUVフィルタを使用しています.
Nikon Z f + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
F5.3 1/25秒 ISO3200
手持ちのセミスケルトンの腕時計に寄って撮影.金属パーツの研磨まで描写されています.
レンズには手振れ補正は付いていないものの、Z f本体側に8段までの手振れ補正機能が備わっています.とはいえ、マクロ撮影時にはレンズ先端がかなり伸びることもあってブレやすいので要注意です.
Nikon Z f + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
F5.6 1/50秒 ISO5600
生ハムとデコポンのサンドイッチ.ピントの合っているサンドイッチの具材はシャープに写り、そこからなだらかにボケています.若干絞ることでボケがなだらかになりますが、開放寄りで撮影すると急激にボケる印象です.
Nikon Z f + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
F4 1/50秒 ISO1800
デコポンと日向夏のパフェ.サンドイッチよりも寄って、さらに絞りを開けて撮影したので、ミントの葉を見るとわかりやすいですがボケ方が急激になっています.視点を集中させたいなどの理由がない限りは、マクロ域はF5.6くらいまで絞って撮影する方が個人的に好みかなと感じました.
FUJIFILM X100V
3本め.「個人的に好みの画角で趣味性の高いMF単焦点レンズ」ということで選んだのがVoigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Asphericalです.
個人的にもっとも好みである画角の35mm、MFレンズ、そして極めつけは絞りリング搭載と、まさに趣味性の塊のような一本です.
メーカー自身が「フォクトレンダー史上最高性能の準広角レンズ」とうたうだけあって画質を追求したレンズで、9群11枚のうち5枚が異常部分分散レンズ、2枚が非球面レンズという、特殊レンズの方が多い構成になっています.
サードパーティ製のMFレンズですが、ニコンの正規ライセンスを得て設計された製品なので、カメラボディとの通信機能を備えており、EXIFによる撮影データの記録やピント合焦情報、手振れ補正との連携にも対応しています.
メーカーのかたいわく「画質が落ちるのでできれば使わないのをお勧めする」とのことなのでフィルタは使っていません.
Nikon Z f + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical
F2 1/3200秒 ISO100
絞りF2開放で撮ると周辺減光がそれなりに出ますね.個人的には周辺減光は好みの表現手法でありますし、後処理で補正できるので気にはなりません.
多くのレンズが絞り開放で若干ゆるい画質になりがちですが、開放からシャープな描写で、しかも周辺であっても十分な画質です.レンズ銘に「APO」とつくようにアポクロマート設計で色収差を極限まで減らしているのが特徴なので、絞り開放であってもフリンジの類は出ません.
また建築物を撮影するときになるのが歪みですが、気にならないレベルに収まっています.
Nikon Z f + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical
F5.6 1/40秒 ISO450
出雲大社前駅に展示されている旧型車両の運転台をNikon Picture Control EditorのPortra NC設定にて撮影.F5.6まで絞っているので周辺減光は解消されていますが、この手のレトロな被写体や絵作りの場合には絞り開放で撮った方が似合うかもしれません.
薄暗い場所でもボディとレンズで通信がなされておりピント合焦の表示が出るので撮影しやすいです.
Nikon Z f + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical
F5.6 1/1250秒 ISO100
Nikon Z f + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical
F5.6 1/400秒 ISO100
晴天でF5.6まで絞るような条件ですと収差のなさも相まって描写の精緻さに圧倒されます.ビルの外壁やクレーンの細いワイヤーもシャープに描かれています.
このレンズの特色として、特殊な絞り羽根設計により絞りF2はもちろんとして、F2.8と5.6でも円形絞りになります(そのかわり1/3段絞りをずらしたりF4でエッジの立った絞り形状になりますが).
また絞り開放時のピントのピーク(合焦範囲)が鋭すぎて、同じAPO-LANTHARシリーズの50mmや65mmハーフマクロでは絞り開放での撮影でピント合わせがシビアすぎて大変だそうですが、35mmですとカメラ側のフォーカスアシストに頼ってもわりとなんとかなる感じです.
Nikon Z f + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical
F2.8 1/40秒 ISO900
弱点…… とまではいいませんがやや残念なのは、最短撮影距離が35cmなこと.
食べ物写真を撮るときなどには、あと5cm寄れたらいいのにと思うことがあります.とはいえ最短近くまで寄ってもピントの合った場所のシャープさとそこからの美しいボケは変わりません.
Nikon Z f + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical(DXクロップ)
F5.6 1/80秒 ISO100
寄れない弱点を補う手段の1つとして、DXクロップ(APC-Cサイズでクロップして撮影)という手段もありますが、Z fは2400万画素機なのでDXクロップで1000万画素くらいになってしまうのが悩ましいところです.
Z fと同時に買った26mm パンケーキ、そして今回の24-120mm、50mm マクロ、35mm MFで、自分の考える基本的なレンズが揃ったかなという印象です.
使用頻度が高いのはやはり趣味性に振ったAPO-LANTHAR 35mm F2ですね.旅行に持って行って撮り歩き、軽装備にしたいときやAFを使いたいときには鞄の隙間にでも入れておいた26mm パンケーキに差し替える、というパターンが使いやすいです.24-120mmは悪天候が予想される状況や遠くのものを撮影するような事態が想定される場合など、50mm マクロは花を撮りにいくようなとき以外は自宅で使用する感じでしょうか.
2024/04/14
RICOH GR III
ニコン D700を手放して富士フイルム X-T1に買い替えてから10年.再びニコンに戻ってきました.
10年前、ニコンから富士に乗り換えた理由は、当時新製品として発売になったDfのデザインが好みで買い替える気満々で店頭でDfを触ってみたものの、ボディのグリップ部が分厚すぎて自分の手ではうまく握ることができず断念していたところにX-T1が登場し、デザインが好みかつコンパクト、しかもJPEG画質が綺麗でフィルムシミュレーションも魅力(D700のJPEGは好みではなく、すべてRAW撮影して現像していたので後処理が大変だった)というものでした.
そしてこの10年間、自分が富士フイルムのカメラを使い続けていた間にニコンも一眼レフからミラーレスに軸足が移り、ずっと続くかと思われたFマウントもZマウントに置き換わるなど、様々な変化が起きました.
しかしながらNikon Zシリーズのボディデザインは自分の好むところではなく、手を出してみようと言う気になるものではありませんでした.もはやDfのようなややレトロに振ったデザインの製品は出ないのでは…… と思われていたところに、APS-CフォーマットのZ fc、続いてフルフレーム機のZ fが登場しました.
Z fcにはさほど興味がわかなかったのですが、Z fはフルフレーム機であること、そして横幅はそれなりにあるもののグリップ部分がすっきりとしているという点が気に入りました.発表後に購入を考えはしたのですが、マウントを増やす(もしくは乗り換える)という経済的負担と、シルバーボディがほしいので待とうという判断で当初は様子見を決めていました.
ただ、実際に発売されると想像以上に評判がいいのとブラックボディも悪くないのではという印象から、発売2日後にニコンの直販サイトで予約を入れました.しかしこの出遅れは致命的で、予約殺到で生産が追いつかず、店舗によっては納期6ヶ月なんて案内をするところまで出てきました.これでは10月末に予約したのに4月の桜すら撮れるかどうか…… と思っていたところ、ヨドバシカメラの通販サイトに予約流れなのか在庫があり、それを狙ってなんとか1月下旬に購入することができました.
一方の富士フイルムXマウントですが、Z f購入時に所有していた機材(X-Pro3と純正レンズ3本、Voigtlander銘のレンズ2本)については当初は残す考えでいました.
しかしながら、
・思っていた以上にZ f(とZマウント)がよかった
・XマウントとZマウントカメラの両方を使い分ける理由や必然性が見当たらない
・Xマウント機材とZマウント機材の両方を維持する余裕(財力とスペースの両面)がない
・Xマウントレンズが初期はコンパクトで趣味性の高い製品が多かったものの、徐々に画質優先設計として肥大化し、重たく大きなものが多くなり魅力が薄れてきた
・Xマウントボディが全体的に品薄傾向で、富士フイルムはメーカーとしてデジタルカメラ事業に力を入れていないのでは?という疑念
・X-Pro3の液晶ヒンジがケーブル断線の不具合が多く出ていたので、不具合のないうちに手放してしまおうという判断
・X100VからX100VIへのモデルチェンジで一気に10万円以上値上がりしたことを鑑みて、Xマウント機の今後の買い替えが不安
などのひとつひとつは些末でも、不安要素の積み重ねもあって、富士Xマウントから距離を置きたくなって一式を下取りに出してZマウントのレンズ購入資金に充てることにしました.
RICOH GR III
Z fにはボディ単体と、40mm F2レンズ付属のレンズキットの2種類がありますが、購入したのはボディ単体のもの.
40mmレンズもあればあったで困らないだろうと思っていたので、選択肢があれば40mmレンズつきを選んでいましたが、購入当時は店頭在庫が枯渇しており、たまたま出ていた在庫がボディのみだったので選択の余地はありませんでした.
RICOH GR III
ボディよりも先に購入しておいたNIKKOR Z 26mm f/2.8を装着.
Zマウントレンズはサイズの大きなものが多いですが、その中でも比較的コンパクトなレンズとしてはこの26mm以外に28mmとキットレンズの40mmがあります.その中でも26mmがいちばん薄かったことと、28mmと40mmはプラスティック製マウントでコストダウンが伺えるので26mmを選択しました.
Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO500 1/30秒 F5.6
ピクチャーコントロール:スタンダード、ホワイトバランス:自然光オート
Xマウントでもいわゆる「パンケーキレンズ」と呼ばれるようなものは購入していましたが、この手の薄型レンズのいいところはかさばらなくて持ち歩きしやすいことに加えて威圧感を与えないということですね.
とくにコンパクトなのは重要で、旅行帰りの新幹線などで大きくて重たいレンズは鞄にしまいこみ、駅弁やお菓子、車窓を気軽に撮るような用途に重宝します.26mm F2.8は最短撮影距離20cmなので新幹線のテーブルにあるものを撮るのにも困りません.
RICOH GR III
背面はこんな感じ.
自分はバリアングル液晶よりもチルト液晶のほうが好みなので、バリアングル液晶搭載であるのも当初購入を躊躇した理由の1つでもあります.
しかしながら、裏返してファインダでの撮影に専念できることを考えれば、バリアングル液晶も案外悪くないものです.なのでバリアングル液晶はマイナス要因としては考えないことにしました.もっとも、それまで使っていたX-Pro3が「Hiddern LCD」と称して、モニタを隠すのが標準というデザインだったので、モニタに頼らない撮影に慣れていたという面もあります.
購入直後はセッティングを行うのにモニタ画面を使用しましたが、その後は撮影も画像確認も、それに設定変更の大半もすべてファインダで行っています.モニタを使用するのはローアングルやハイアングルでの撮影くらいでしょうか.
モニタに頼らずファインダを多用できる一因として、ファインダの見え具合がいいというのもありますね.Z fに限らずZマウントのカメラはファインダにも力を入れており見やすいと評判です.
FUJIFILM X100V
軍艦部は左側にISO感度ダイヤルと同軸で露出モードレバー、右側にシャッタースピードダイヤルと同軸で静止画カラー、静止画モノクロ、動画の切り替えレバー、それに加えて露出補正ダイヤルを備えています.
レリーズスイッチはクリック感のないもので、クリックによるブレを嫌う自分としては好きですね.またレリーズスイッチにネジ穴が切ってありますがケーブルレリーズは使えず、アクセサリとしてレリーズボタンをねじ込むためのものです.自分はnanigashiの製品を使用しています.
操作面で残念なのは、Zマウントのレンズには絞りリングがないため、絞り操作はカメラボディのダイヤルで行う必要があること.またシャッタースピードやISO感度などはダイヤルで確認できるのに、絞り値だけは小さな液晶に表示されてしまうのが味気ないです.純正レンズにはカスタマイズ可能なコントロールリングが搭載されているので、ここに絞り設定を割り当てることでボディ側ダイヤルの操作の必要性はなくなるのですが、電源オフ時に絞り値をいくつにセットしておいたかを確認できないことや、電源を入れる前にF値を設定しておくことができないのも地味にマイナス点ですね.
高性能、大型、そして高価なカメラというものはボディのあちこちにカスタマイズ可能なスイッチ類を備えているものですが、Z fにも上位機種ほどではないものの、カスタマイズ可能なスイッチをいくつか備えており、それによってある程度はメニューを呼び出さなくても設定変更が可能になっています.もっとスイッチがほしいとか、カスタマイズの自由度を上げてほしい面もありますが、デザインとの兼ね合いもありますし、必要十分な感じでしょうか.
Apple iPhone13 mini
旅行前日にZ fが届いたので、これもなにかの縁ということでセッティング不十分なまま持ち出すことにしました.
レンズはNIKKOR Z 26mm f/2.8のみという軽装備です.
Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO100 1/640秒 F5
ピクチャーコントロール:スタンダード、ホワイトバランス:自然光オート
朝の京都駅、斜めに日差しが入り込んでいるせいかゴーストが出ていますね.パンケーキレンズゆえの弱点なのかもしれません.
ピクチャーコントロールもいちばんスタンダードな設定、ホワイトバランスをオートから自然光オートに変えたくらいなので、ほぼデフォルトの設定ですが、以前に使用していたD700時代のJPEGからかなり進歩した印象です.以前は黄色味に振れる傾向があり好みの画質ではありませんでしたが、これはいいですね.
Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO1400 1/30秒 F4.0
ピクチャーコントロール:スタンダード、ホワイトバランス:自然光オート
室内での撮影ですがホワイトバランスが自然光オートのままになっていたので色味が若干合っていないですね.
オートホワイトバランスがかなり優秀になったことに加えて、オートも3段階(白を優先する、雰囲気を優先する、電球色を優先する)、さらに自然光オートを備えており、大半の撮影はこの辺りからの選択でまかなえそうです.個人的には雰囲気優先のオートが好みです.
標準設定だとシャープネスがやや効きすぎる印象なので、もう少しソフト寄りに設定してもよさそうです.
一段絞っていますが、最短撮影距離に近いくらい寄っているのでかなりボケていますね.この辺りはさすがフルフレームといったところでしょうか.
Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO100 1/500秒 F5.6
ディープトーンモノクローム
Z fの操作系で興味深いのは、静止画/動画切り替えレバーに「B&W(Black&White、モノクロ)」があること.モノクロモードにすることでファインダの映像もモノクロになり、明と暗のコントラストに集中できるようになります.当然ながら画質切り替えの選択もモノクロモードからのみとなります.
モノクロモードも従来のZシリーズのカメラは「モノクローム」一択だったのに対し、ポートレートなどに適したなだらかなトーンの「フラットモノクローム」、中間調を暗めに振った「ディープトーンモノクローム」が追加されており、B&Wモードダイヤル搭載も含め、Z fが趣味性に振ったカメラであることを感じさせられます.
3つあるモノクロモードの中でも個人的にはディープトーンモノクロームが好みですね.こうした冬の北陸の垂れこめた雲や屋根に積もった雪などの描写がいいです.
Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO100 1/1250秒 F5.6
ディープトーンモノクローム
こちらもディープトーンモノクローム.移り変わりの激しい冬の北陸の天候で、ついさっきまで降っていた雪混じりの雨が止み、日差しが出て濡れた石畳の反射が美しいです.
惜しいのは富士フイルムのカメラには搭載されている「グレインエフェクト」に相当する機能がないこと.「グレインエフェクト」とは撮影した画像にフィルムの粒状性を再現した機能で、見方によってはノイズを加えているだけのようにも感じられますが、写真としてのリアリティを強調するような効果があります.
RICOH GR III
Z fを買ううえで楽しみだったのが、手持ちのVoigtlanderやCarlZeiss製のMマウントレンズがフルフレームで使えること.
このVoigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM IIをはじめ、21mm、25mm、28mm、35mmとMマウントレンズを所有しているので、これから使っていくのが楽しみです.
RICOH GR III
シルバーレンズとの組み合わせもクラシカルで好みです.
MマウントレンズはライカMマウント本来のレンジファインダ方式のピント合わせの制約により、近距離での撮影が苦手で寄れないレンズが大半です.そうした弱点をカバーするためにも今回はVoigtlander銘のヘリコイド付きクローズフォーカスアダプタを購入しました.
Nikon Z f + CarlZeiss C BIOGON 35mm f/2.8
ISO1400 1/40秒 おそらくF2.8
RAW現像
レンズ側のピントリングを最短にセットし、マウントアダプタのヘリコイドでピントを合わせて撮影.
撮影にやや手間取りますが不満のない画質です.
撮影に手間取るといえば、MFレンズで撮影していて不満なのが画像拡大処理です.他のメーカーの多くは拡大表示でピント合わせしたあと、シャッターを半押しすると全体構図に戻りますが、Z fにはそれがなく、構図確認をするには縮小ボタンを連打するかどこかのスイッチにファインダのワンタッチ拡大/縮小を割り当ててそれを使用する必要があります.もっとものこの機能、上位機種でありなおかつ同一画像エンジンを搭載したZ 8やZ 9では半押し拡大解除が選べるようになったので、次のファームウェアアップデートに期待ですね.
Z fボディ購入当初はZマウントレンズはNIKKOR Z 26mm f/2.8しか所有していませんでしたが、その後いくつか追加で購入したものがありますので、また記事にしていこうと思います.
2023/12/30
1年を振り返る、最後は物欲篇です.外出が少なかったこと、後述しますが予期せぬ収入があったりしてあれこれと買っています.
1月:KIOXIA EXCERIA PLUS ポータブルSSD
3月:final E4000/MAKE4
4月:RICOH GR III Diary Edition
6月:Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-mount
7月:HAMILTON KHAKI FIELD ‘MURPH’ 38mm
8月:BALMUDA The GreenFan
10月:(未入手)10月 Nikon Z f 40mm F2 Lens Kit / Voigtlander VM-Z Close Focus Adapter
11月:SONY LinkBuds S
1月:KIOXIA EXCERIA PLUS ポータブルSSD
FUJIFILM X100V
Amazonギフトをいただいたので、それを利用してM2 MacBook Airの自宅バックアップ用にと購入しました.
それまで2.5inch HDDでバックアップを取っていたのですが、やはり時間がかかるので短時間で済ませるようにと導入したのですが、接続してちょっとお茶を入れたりしている間にバックアップ完了していたりするので買ってよかったですね.
3月:final E4000/MAKE4
Apple iPhone 13mini
MAKE4については、フィルタ等を交換して好みの音にセッティングできる製品として気になったので購入しました.購入時の音でも十分いい音だったのですが、自分の手で付属のレンチで分解しピンセットでフィルタを交換して音を変化させるというのはなかなか楽しいものがあります.
E4000については、MAKE4をいじるにあたって、同じメーカーが製品として推奨する音がどんなものか、比較対象として購入しました.低音が少し物足りない印象だったので、低音が強めに出るという評判のケーブルに交換をしました.
どちらもいい音が出ますが、MAKE4はロックなどドンシャリ系の激しめの音源、E4000はクラシックなどに強みを感じます.
4月:RICOH GR III Diary Edition
Apple iPhone 13mini
普段使いカメラとして代々使用していたGRシリーズから富士フイルムX70に変更し、X70から再度GRに戻ってきました.
通常版のGR IIIでもよかったのですが、「GR=ブラック」という常識から外れた製品も悪くないのではないかと思い、ちょうどメタリックグレーのモデルが出たので購入しました.
コンパクトな筐体ながら描写力のいいレンズ、光学式手ぶれ補正、ワイヤレス通信機能の充実など、普段使いカメラとして定着しています.
6月:Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-mount
RICOH GR III
Voigtlander製のMFレンズです.サードパーティ製のMFレンズとはいえ、ボディとの通信機能を備えており、X-Pro3で使用すると光学ファインダでもパララックスが自動補正されるなど使いやすさが考慮されています.
画質も満足ですが、それよりもやはり魅力なのはこのコンパクトさ.カメラに取り付けても薄いので気軽に鞄に入れることができます.
7月:HAMILTON KHAKI FIELD ‘MURPH’ 38mm
RICOH GR III
2014年の映画『インターステラー』で重要なアイテムとして登場した、通称「マーフウォッチ」.
映画のアイテムとして登場した当時は製品化されておらず、その後製品化されたのですがサイズが大きくて自分の腕には馴染まないなということで購入を見送っていたのですが、38mmサイズのものが出たので購入しました.
ハミルトンの時計はハリウッド映画の小物としてタイアップされることが多いですが、既存の製品ではない純粋なアイテムとして登場し、その後要望があって製品化されたという点、そして『インターステラー』自体が好きなので手に入れることができてよかったです.
8月:BALMUDA The GreenFan
RICOH GR III
バルミューダのGreenFan2が使用から10年以上経過し扇風機としての使用期間目安を超えたことや、陽にあたって部分的に黄ばんできたこともあって、セールのタイミングで新しいGreenFanに買い替えました.
一般的な扇風機の風というのは直接的なせいか、ずっと当たっていると妙な疲れを感じてしまうのですが、GreenFanの風は柔らかくてずっと当たっていてもそのようなことはないのが気に入っています.
10月:(未入手)10月 Nikon Z f 40mm F2 Lens Kit / Voigtlander VM-Z Close Focus Adapter
カメラは以前にはD40とD700を使っており、そこから富士フイルムに切り替えたのですが、昨今の富士フイルムに若干の迷走を感じるのと、ニコンのZ fがデザイン的にも好みということもあって久々にニコンに戻ることにしました.
……が、現物の評価もなく予約を入れるのはさすがに躊躇してしまい、発売から2日後に予約を入れたところ、2ヶ月経過しても納品されない事態に.ニコンの直販サイトであるニコンダイレクトに注文を入れたのですが、注文完了メールには最大で6ヶ月かかる場合がありますとの記載が.このままだと桜が咲くのが先か、散ってからの納品となるのか、という微妙な時期になりそうです.
先走って予備のバッテリや充電器、それにMマウントレンズ用のマウントアダプタもう購入したのですが、寂しく引き出しで眠っております.
11月:SONY LinkBuds S
RICOH GR III
ワイヤレスイヤホンは昨年購入した、final ZE8000ですっかり満足しており、新たな製品を買う必要性を感じません.
が、このLinkBuds Sを購入したのは、社内で耳栓と通常の会話、そして会議用のイヤホンマイクを兼用したいという目的のためです.なので実際にこれを使って音楽を聴くことはほとんどないですね.ちょっと聴いてみた感じでは悪くはない音ですが、メインで使いたくなるような音ではなかったですし.
高い遮音性と装着状態でも通常通り会話できることの2つを気軽に切り替えて使用できるのは便利ですね.
来年はどうでしょうか.
Nikon Z fが届くので、それにレンズとしてなにかを購入したいなと考えています.
あとはX-Pro3の後継、もしくはX100Vの後継も出るような雰囲気なのでそちらも気になるところです.昨今の富士フイルムの情勢からして、期待しているようなものが出るかどうかは正式発表がないとわかりませんが…….
2023/12/27
RICOH GR III
6月に買ったレンズですが、記事にするのをすっかり忘れていました.
RICOH GR III
Voigtlanderブランドの富士Xマウント用レンズ、ULTRON 27mm F2を購入しました.
最初にこのレンズが発表になったのは、2023年2月のCP+に参考出品されたとき.小型軽量で寄れるレンズが欲しい自分としては出たらすぐに買おうと決めていました.
それから4ヶ月ほどが経過し、予約受付開始と同時に予約を入れ、発売日に入手しました.
ボディカラーはブラックとシルバーが用意されており、個人的にブラックボディにシルバーレンズの組み合わせが好みなのでシルバーを選択しました.
RICOH GR III
マウント面から23.5mmという「パンケーキレンズ」などと称される薄型レンズで、絞り開放F2という明るさが魅力です.
27mmという焦点距離はフルフレーム換算で約40mmなので、昨今の40mmブームに乗っかったレンズともいえます.
個人的にはもう少し広角寄りの、28-35mmくらいの焦点距離が好みというか慣れているので、被写体との距離からフレームに収まるのはこのくらい…… と想定してからファインダを覗くと狭くて見切れてしまう部分があり、さらに数歩下がるようなことが多々発生してしまいます.この辺りは慣れでしょうか.
RICOH GR III
ドーム型フードが付属しています.
フードの先端にはねじ込み式のキャップが用意され、どちらも金属製で凝った作りです.
RICOH GR III
シルバーボディでもフードはブラックです.ボディ、レンズ本体、フードがブラックの方が統一感がありそうですが、ブラックの中にシルバーが混ざるデザインが自分は好きなのです.
レンズの薄さをスポイルしないよう、薄型設計なのがいいですね.
RICOH GR III
難点はこのフード用キャップ、とても小さいので落としたりして無くしてしまいそうです.
またねじ込み式で頻繁な着脱には向いていないので、外したら鞄の奥にでもしまうような運用が良さそうです.
RICOH GR III
そのため自分はフードは使わずにレンズキャップをつけて使用することにしました.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF4 1/350秒 ISO感度640
同じ焦点距離で富士フイルム純正の27mm F2.8を以前に所有していたことがあります.
今回のレンズと同様に富士純正も小型軽量なのはよかったのですが、最短撮影距離34cmともうひとつ寄れないのが難点でした.
寄れないことによる最大のストレスを感じるのが、旅行帰りです.帰りの列車に乗る前に大きなレンズをリュックなどに片付け、小型の27mmレンズをカメラにつけて車窓や弁当などを撮影することが多々あるのですが、最短撮影距離34cmだと新幹線や特急列車のテーブルに乗せたものが寄れなくて撮りづらいのです.地味な問題ではありますがこれがストレスなのと、自分が持っていた純正27mmレンズは絞りリングのついていないモデルだったので、撮影していてあんまり楽しくないこともあって売ってしまいました.
その点、このULTRON 27mm F2は最短撮影距離25cmと寄れるので、目の前にあるものを撮れないというストレスから解放されます.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF4 1/60秒 ISO感度1600
寄れるということで、こうした旅先での食べ物の撮影にも困りません.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF2 1/60秒 ISO感度800
絞り開放で寄った場合には収差でふんわりとした描写になります.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF4 1/60秒 ISO感度3200
F2.8でも若干収差が残るので、キリッとした画像が好みであれば2段絞ってF4にする必要があります.
まあこうした描写は好みが分かれるところではありますね.
昨今のレンズにしては珍しく非球面レンズを使っていないので、絞り値の違いによる描写の変化というのは設計者の狙ったものなのかもしれません.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF4 1/750秒 ISO感度640
年季の入った車両で窓ガラスが曇り気味ということもあってか、いい感じの車窓のボケ感が出た気がします.
拡大すると切符の地紋(下地に印刷してある小さな文字)もクリアに読み取れるシャープさと、そこからのなだらかなボケがレンズサイズからは想像できない画質の良さを感じさせます.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF5.6 1/400秒 ISO感度640
フードをつけた状態で撮影.モロに逆光のシチュエーションですがフレアなどは見当たりませんね.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF5.6 1/1100秒 ISO感度640
日本海に沈む夕陽.不得意なシチュエーションも見当たらず、なんにでも使えそうなレンズです.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF5.6 1/240秒 ISO感度640
旅先で建築物なども撮影しますが気になるような歪みもなく、パンケーキレンズだからなのを画質低下の言い訳にするような要素はないですね.
Apple iPhone 13mini
Voigtlanderブランドということで非純正のレンズではありますが、富士フイルムから情報開示を得て作られたレンズということもあって、Exif情報の記録やX-Pro3のハイブリッドファインダの光学パララックス補正にも対応するなど、純正と同等に使いやすいレンズです.
VoigtlanderブランドのXマウント対応レンズはNOKTON 23mm F1.2も所有していますが、どちらも使い勝手のよい魅力的なレンズですね.