2024/04/14

Nikon Z f

Category: カメラ・写真,物欲 — Annexia @ 20:20

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RICOH GR III

 ニコン D700を手放して富士フイルム X-T1に買い替えてから10年.再びニコンに戻ってきました.
 10年前、ニコンから富士に乗り換えた理由は、当時新製品として発売になったDfのデザインが好みで買い替える気満々で店頭でDfを触ってみたものの、ボディのグリップ部が分厚すぎて自分の手ではうまく握ることができず断念していたところにX-T1が登場し、デザインが好みかつコンパクト、しかもJPEG画質が綺麗でフィルムシミュレーションも魅力(D700のJPEGは好みではなく、すべてRAW撮影して現像していたので後処理が大変だった)というものでした.

 そしてこの10年間、自分が富士フイルムのカメラを使い続けていた間にニコンも一眼レフからミラーレスに軸足が移り、ずっと続くかと思われたFマウントもZマウントに置き換わるなど、様々な変化が起きました.
 しかしながらNikon Zシリーズのボディデザインは自分の好むところではなく、手を出してみようと言う気になるものではありませんでした.もはやDfのようなややレトロに振ったデザインの製品は出ないのでは…… と思われていたところに、APS-CフォーマットのZ fc、続いてフルフレーム機のZ fが登場しました.
 Z fcにはさほど興味がわかなかったのですが、Z fはフルフレーム機であること、そして横幅はそれなりにあるもののグリップ部分がすっきりとしているという点が気に入りました.発表後に購入を考えはしたのですが、マウントを増やす(もしくは乗り換える)という経済的負担と、シルバーボディがほしいので待とうという判断で当初は様子見を決めていました.
 ただ、実際に発売されると想像以上に評判がいいのとブラックボディも悪くないのではという印象から、発売2日後にニコンの直販サイトで予約を入れました.しかしこの出遅れは致命的で、予約殺到で生産が追いつかず、店舗によっては納期6ヶ月なんて案内をするところまで出てきました.これでは10月末に予約したのに4月の桜すら撮れるかどうか…… と思っていたところ、ヨドバシカメラの通販サイトに予約流れなのか在庫があり、それを狙ってなんとか1月下旬に購入することができました.

 一方の富士フイルムXマウントですが、Z f購入時に所有していた機材(X-Pro3と純正レンズ3本、Voigtlander銘のレンズ2本)については当初は残す考えでいました.
 しかしながら、
・思っていた以上にZ f(とZマウント)がよかった
・XマウントとZマウントカメラの両方を使い分ける理由や必然性が見当たらない
・Xマウント機材とZマウント機材の両方を維持する余裕(財力とスペースの両面)がない
・Xマウントレンズが初期はコンパクトで趣味性の高い製品が多かったものの、徐々に画質優先設計として肥大化し、重たく大きなものが多くなり魅力が薄れてきた
・Xマウントボディが全体的に品薄傾向で、富士フイルムはメーカーとしてデジタルカメラ事業に力を入れていないのでは?という疑念
・X-Pro3の液晶ヒンジがケーブル断線の不具合が多く出ていたので、不具合のないうちに手放してしまおうという判断
・X100VからX100VIへのモデルチェンジで一気に10万円以上値上がりしたことを鑑みて、Xマウント機の今後の買い替えが不安
などのひとつひとつは些末でも、不安要素の積み重ねもあって、富士Xマウントから距離を置きたくなって一式を下取りに出してZマウントのレンズ購入資金に充てることにしました.

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RICOH GR III

 Z fにはボディ単体と、40mm F2レンズ付属のレンズキットの2種類がありますが、購入したのはボディ単体のもの.
 40mmレンズもあればあったで困らないだろうと思っていたので、選択肢があれば40mmレンズつきを選んでいましたが、購入当時は店頭在庫が枯渇しており、たまたま出ていた在庫がボディのみだったので選択の余地はありませんでした.

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RICOH GR III

 ボディよりも先に購入しておいたNIKKOR Z 26mm f/2.8を装着.
 Zマウントレンズはサイズの大きなものが多いですが、その中でも比較的コンパクトなレンズとしてはこの26mm以外に28mmとキットレンズの40mmがあります.その中でも26mmがいちばん薄かったことと、28mmと40mmはプラスティック製マウントでコストダウンが伺えるので26mmを選択しました.

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Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO500 1/30秒 F5.6
ピクチャーコントロール:スタンダード、ホワイトバランス:自然光オート

 Xマウントでもいわゆる「パンケーキレンズ」と呼ばれるようなものは購入していましたが、この手の薄型レンズのいいところはかさばらなくて持ち歩きしやすいことに加えて威圧感を与えないということですね.
 とくにコンパクトなのは重要で、旅行帰りの新幹線などで大きくて重たいレンズは鞄にしまいこみ、駅弁やお菓子、車窓を気軽に撮るような用途に重宝します.26mm F2.8は最短撮影距離20cmなので新幹線のテーブルにあるものを撮るのにも困りません.

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RICOH GR III

 背面はこんな感じ.
 自分はバリアングル液晶よりもチルト液晶のほうが好みなので、バリアングル液晶搭載であるのも当初購入を躊躇した理由の1つでもあります.
 しかしながら、裏返してファインダでの撮影に専念できることを考えれば、バリアングル液晶も案外悪くないものです.なのでバリアングル液晶はマイナス要因としては考えないことにしました.もっとも、それまで使っていたX-Pro3が「Hiddern LCD」と称して、モニタを隠すのが標準というデザインだったので、モニタに頼らない撮影に慣れていたという面もあります.
 購入直後はセッティングを行うのにモニタ画面を使用しましたが、その後は撮影も画像確認も、それに設定変更の大半もすべてファインダで行っています.モニタを使用するのはローアングルやハイアングルでの撮影くらいでしょうか.
 モニタに頼らずファインダを多用できる一因として、ファインダの見え具合がいいというのもありますね.Z fに限らずZマウントのカメラはファインダにも力を入れており見やすいと評判です.

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FUJIFILM X100V

 軍艦部は左側にISO感度ダイヤルと同軸で露出モードレバー、右側にシャッタースピードダイヤルと同軸で静止画カラー、静止画モノクロ、動画の切り替えレバー、それに加えて露出補正ダイヤルを備えています.
 レリーズスイッチはクリック感のないもので、クリックによるブレを嫌う自分としては好きですね.またレリーズスイッチにネジ穴が切ってありますがケーブルレリーズは使えず、アクセサリとしてレリーズボタンをねじ込むためのものです.自分はnanigashiの製品を使用しています.
 操作面で残念なのは、Zマウントのレンズには絞りリングがないため、絞り操作はカメラボディのダイヤルで行う必要があること.またシャッタースピードやISO感度などはダイヤルで確認できるのに、絞り値だけは小さな液晶に表示されてしまうのが味気ないです.純正レンズにはカスタマイズ可能なコントロールリングが搭載されているので、ここに絞り設定を割り当てることでボディ側ダイヤルの操作の必要性はなくなるのですが、電源オフ時に絞り値をいくつにセットしておいたかを確認できないことや、電源を入れる前にF値を設定しておくことができないのも地味にマイナス点ですね.
 高性能、大型、そして高価なカメラというものはボディのあちこちにカスタマイズ可能なスイッチ類を備えているものですが、Z fにも上位機種ほどではないものの、カスタマイズ可能なスイッチをいくつか備えており、それによってある程度はメニューを呼び出さなくても設定変更が可能になっています.もっとスイッチがほしいとか、カスタマイズの自由度を上げてほしい面もありますが、デザインとの兼ね合いもありますし、必要十分な感じでしょうか.

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Apple iPhone13 mini

 旅行前日にZ fが届いたので、これもなにかの縁ということでセッティング不十分なまま持ち出すことにしました.
 レンズはNIKKOR Z 26mm f/2.8のみという軽装備です.

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Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO100 1/640秒 F5
ピクチャーコントロール:スタンダード、ホワイトバランス:自然光オート

 朝の京都駅、斜めに日差しが入り込んでいるせいかゴーストが出ていますね.パンケーキレンズゆえの弱点なのかもしれません.
 ピクチャーコントロールもいちばんスタンダードな設定、ホワイトバランスをオートから自然光オートに変えたくらいなので、ほぼデフォルトの設定ですが、以前に使用していたD700時代のJPEGからかなり進歩した印象です.以前は黄色味に振れる傾向があり好みの画質ではありませんでしたが、これはいいですね.

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Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO1400 1/30秒 F4.0
ピクチャーコントロール:スタンダード、ホワイトバランス:自然光オート

 室内での撮影ですがホワイトバランスが自然光オートのままになっていたので色味が若干合っていないですね.
 オートホワイトバランスがかなり優秀になったことに加えて、オートも3段階(白を優先する、雰囲気を優先する、電球色を優先する)、さらに自然光オートを備えており、大半の撮影はこの辺りからの選択でまかなえそうです.個人的には雰囲気優先のオートが好みです.
 標準設定だとシャープネスがやや効きすぎる印象なので、もう少しソフト寄りに設定してもよさそうです.
 一段絞っていますが、最短撮影距離に近いくらい寄っているのでかなりボケていますね.この辺りはさすがフルフレームといったところでしょうか.

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Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO100 1/500秒 F5.6
ディープトーンモノクローム

 Z fの操作系で興味深いのは、静止画/動画切り替えレバーに「B&W(Black&White、モノクロ)」があること.モノクロモードにすることでファインダの映像もモノクロになり、明と暗のコントラストに集中できるようになります.当然ながら画質切り替えの選択もモノクロモードからのみとなります.
 モノクロモードも従来のZシリーズのカメラは「モノクローム」一択だったのに対し、ポートレートなどに適したなだらかなトーンの「フラットモノクローム」、中間調を暗めに振った「ディープトーンモノクローム」が追加されており、B&Wモードダイヤル搭載も含め、Z fが趣味性に振ったカメラであることを感じさせられます.
 3つあるモノクロモードの中でも個人的にはディープトーンモノクロームが好みですね.こうした冬の北陸の垂れこめた雲や屋根に積もった雪などの描写がいいです.

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Nikon Z f + NIKKOR Z 26mm f/2.8
ISO100 1/1250秒 F5.6
ディープトーンモノクローム

 こちらもディープトーンモノクローム.移り変わりの激しい冬の北陸の天候で、ついさっきまで降っていた雪混じりの雨が止み、日差しが出て濡れた石畳の反射が美しいです.
 惜しいのは富士フイルムのカメラには搭載されている「グレインエフェクト」に相当する機能がないこと.「グレインエフェクト」とは撮影した画像にフィルムの粒状性を再現した機能で、見方によってはノイズを加えているだけのようにも感じられますが、写真としてのリアリティを強調するような効果があります.

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RICOH GR III

 Z fを買ううえで楽しみだったのが、手持ちのVoigtlanderやCarlZeiss製のMマウントレンズがフルフレームで使えること.
 このVoigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM IIをはじめ、21mm、25mm、28mm、35mmとMマウントレンズを所有しているので、これから使っていくのが楽しみです.

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RICOH GR III

 シルバーレンズとの組み合わせもクラシカルで好みです.
 MマウントレンズはライカMマウント本来のレンジファインダ方式のピント合わせの制約により、近距離での撮影が苦手で寄れないレンズが大半です.そうした弱点をカバーするためにも今回はVoigtlander銘のヘリコイド付きクローズフォーカスアダプタを購入しました.

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Nikon Z f + CarlZeiss C BIOGON 35mm f/2.8
ISO1400 1/40秒 おそらくF2.8
RAW現像

 レンズ側のピントリングを最短にセットし、マウントアダプタのヘリコイドでピントを合わせて撮影.
 撮影にやや手間取りますが不満のない画質です.
 撮影に手間取るといえば、MFレンズで撮影していて不満なのが画像拡大処理です.他のメーカーの多くは拡大表示でピント合わせしたあと、シャッターを半押しすると全体構図に戻りますが、Z fにはそれがなく、構図確認をするには縮小ボタンを連打するかどこかのスイッチにファインダのワンタッチ拡大/縮小を割り当ててそれを使用する必要があります.もっとものこの機能、上位機種でありなおかつ同一画像エンジンを搭載したZ 8やZ 9では半押し拡大解除が選べるようになったので、次のファームウェアアップデートに期待ですね.

 Z fボディ購入当初はZマウントレンズはNIKKOR Z 26mm f/2.8しか所有していませんでしたが、その後いくつか追加で購入したものがありますので、また記事にしていこうと思います.

2023/12/30

2023年を振り返る – 物欲篇

 1年を振り返る、最後は物欲篇です.外出が少なかったこと、後述しますが予期せぬ収入があったりしてあれこれと買っています.

1月:KIOXIA EXCERIA PLUS ポータブルSSD
3月:final E4000/MAKE4
4月:RICOH GR III Diary Edition
6月:Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-mount
7月:HAMILTON KHAKI FIELD ‘MURPH’ 38mm
8月:BALMUDA The GreenFan
10月:(未入手)10月 Nikon Z f 40mm F2 Lens Kit / Voigtlander VM-Z Close Focus Adapter
11月:SONY LinkBuds S

1月:KIOXIA EXCERIA PLUS ポータブルSSD

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FUJIFILM X100V

 Amazonギフトをいただいたので、それを利用してM2 MacBook Airの自宅バックアップ用にと購入しました.
 それまで2.5inch HDDでバックアップを取っていたのですが、やはり時間がかかるので短時間で済ませるようにと導入したのですが、接続してちょっとお茶を入れたりしている間にバックアップ完了していたりするので買ってよかったですね.

3月:final E4000/MAKE4

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Apple iPhone 13mini

 MAKE4については、フィルタ等を交換して好みの音にセッティングできる製品として気になったので購入しました.購入時の音でも十分いい音だったのですが、自分の手で付属のレンチで分解しピンセットでフィルタを交換して音を変化させるというのはなかなか楽しいものがあります.
 E4000については、MAKE4をいじるにあたって、同じメーカーが製品として推奨する音がどんなものか、比較対象として購入しました.低音が少し物足りない印象だったので、低音が強めに出るという評判のケーブルに交換をしました.
 どちらもいい音が出ますが、MAKE4はロックなどドンシャリ系の激しめの音源、E4000はクラシックなどに強みを感じます.

4月:RICOH GR III Diary Edition

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Apple iPhone 13mini

 普段使いカメラとして代々使用していたGRシリーズから富士フイルムX70に変更し、X70から再度GRに戻ってきました.
 通常版のGR IIIでもよかったのですが、「GR=ブラック」という常識から外れた製品も悪くないのではないかと思い、ちょうどメタリックグレーのモデルが出たので購入しました.
 コンパクトな筐体ながら描写力のいいレンズ、光学式手ぶれ補正、ワイヤレス通信機能の充実など、普段使いカメラとして定着しています.

6月:Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-mount

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RICOH GR III

 Voigtlander製のMFレンズです.サードパーティ製のMFレンズとはいえ、ボディとの通信機能を備えており、X-Pro3で使用すると光学ファインダでもパララックスが自動補正されるなど使いやすさが考慮されています.
 画質も満足ですが、それよりもやはり魅力なのはこのコンパクトさ.カメラに取り付けても薄いので気軽に鞄に入れることができます.

7月:HAMILTON KHAKI FIELD ‘MURPH’ 38mm

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RICOH GR III

 2014年の映画『インターステラー』で重要なアイテムとして登場した、通称「マーフウォッチ」.
 映画のアイテムとして登場した当時は製品化されておらず、その後製品化されたのですがサイズが大きくて自分の腕には馴染まないなということで購入を見送っていたのですが、38mmサイズのものが出たので購入しました.
 ハミルトンの時計はハリウッド映画の小物としてタイアップされることが多いですが、既存の製品ではない純粋なアイテムとして登場し、その後要望があって製品化されたという点、そして『インターステラー』自体が好きなので手に入れることができてよかったです.

8月:BALMUDA The GreenFan

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RICOH GR III

 バルミューダのGreenFan2が使用から10年以上経過し扇風機としての使用期間目安を超えたことや、陽にあたって部分的に黄ばんできたこともあって、セールのタイミングで新しいGreenFanに買い替えました.
 一般的な扇風機の風というのは直接的なせいか、ずっと当たっていると妙な疲れを感じてしまうのですが、GreenFanの風は柔らかくてずっと当たっていてもそのようなことはないのが気に入っています.

10月:(未入手)10月 Nikon Z f 40mm F2 Lens Kit / Voigtlander VM-Z Close Focus Adapter
 カメラは以前にはD40とD700を使っており、そこから富士フイルムに切り替えたのですが、昨今の富士フイルムに若干の迷走を感じるのと、ニコンのZ fがデザイン的にも好みということもあって久々にニコンに戻ることにしました.
 ……が、現物の評価もなく予約を入れるのはさすがに躊躇してしまい、発売から2日後に予約を入れたところ、2ヶ月経過しても納品されない事態に.ニコンの直販サイトであるニコンダイレクトに注文を入れたのですが、注文完了メールには最大で6ヶ月かかる場合がありますとの記載が.このままだと桜が咲くのが先か、散ってからの納品となるのか、という微妙な時期になりそうです.
 先走って予備のバッテリや充電器、それにMマウントレンズ用のマウントアダプタもう購入したのですが、寂しく引き出しで眠っております.

11月:SONY LinkBuds S

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RICOH GR III

 ワイヤレスイヤホンは昨年購入した、final ZE8000ですっかり満足しており、新たな製品を買う必要性を感じません.
 が、このLinkBuds Sを購入したのは、社内で耳栓と通常の会話、そして会議用のイヤホンマイクを兼用したいという目的のためです.なので実際にこれを使って音楽を聴くことはほとんどないですね.ちょっと聴いてみた感じでは悪くはない音ですが、メインで使いたくなるような音ではなかったですし.
 高い遮音性と装着状態でも通常通り会話できることの2つを気軽に切り替えて使用できるのは便利ですね.

 来年はどうでしょうか.
 Nikon Z fが届くので、それにレンズとしてなにかを購入したいなと考えています.
 あとはX-Pro3の後継、もしくはX100Vの後継も出るような雰囲気なのでそちらも気になるところです.昨今の富士フイルムの情勢からして、期待しているようなものが出るかどうかは正式発表がないとわかりませんが…….

2023/12/27

Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-mount

Category: カメラ・写真,物欲 — Annexia @ 22:02

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RICOH GR III

 6月に買ったレンズですが、記事にするのをすっかり忘れていました.

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RICOH GR III

 Voigtlanderブランドの富士Xマウント用レンズ、ULTRON 27mm F2を購入しました.
 最初にこのレンズが発表になったのは、2023年2月のCP+に参考出品されたとき.小型軽量で寄れるレンズが欲しい自分としては出たらすぐに買おうと決めていました.
 それから4ヶ月ほどが経過し、予約受付開始と同時に予約を入れ、発売日に入手しました.
 ボディカラーはブラックとシルバーが用意されており、個人的にブラックボディにシルバーレンズの組み合わせが好みなのでシルバーを選択しました.

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RICOH GR III

 マウント面から23.5mmという「パンケーキレンズ」などと称される薄型レンズで、絞り開放F2という明るさが魅力です.
 27mmという焦点距離はフルフレーム換算で約40mmなので、昨今の40mmブームに乗っかったレンズともいえます.
 個人的にはもう少し広角寄りの、28-35mmくらいの焦点距離が好みというか慣れているので、被写体との距離からフレームに収まるのはこのくらい…… と想定してからファインダを覗くと狭くて見切れてしまう部分があり、さらに数歩下がるようなことが多々発生してしまいます.この辺りは慣れでしょうか.

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RICOH GR III

 ドーム型フードが付属しています.
 フードの先端にはねじ込み式のキャップが用意され、どちらも金属製で凝った作りです.

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RICOH GR III

 シルバーボディでもフードはブラックです.ボディ、レンズ本体、フードがブラックの方が統一感がありそうですが、ブラックの中にシルバーが混ざるデザインが自分は好きなのです.
 レンズの薄さをスポイルしないよう、薄型設計なのがいいですね.

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RICOH GR III

 難点はこのフード用キャップ、とても小さいので落としたりして無くしてしまいそうです.
 またねじ込み式で頻繁な着脱には向いていないので、外したら鞄の奥にでもしまうような運用が良さそうです.

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RICOH GR III

 そのため自分はフードは使わずにレンズキャップをつけて使用することにしました.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF4 1/350秒 ISO感度640

 同じ焦点距離で富士フイルム純正の27mm F2.8を以前に所有していたことがあります.
 今回のレンズと同様に富士純正も小型軽量なのはよかったのですが、最短撮影距離34cmともうひとつ寄れないのが難点でした.
 寄れないことによる最大のストレスを感じるのが、旅行帰りです.帰りの列車に乗る前に大きなレンズをリュックなどに片付け、小型の27mmレンズをカメラにつけて車窓や弁当などを撮影することが多々あるのですが、最短撮影距離34cmだと新幹線や特急列車のテーブルに乗せたものが寄れなくて撮りづらいのです.地味な問題ではありますがこれがストレスなのと、自分が持っていた純正27mmレンズは絞りリングのついていないモデルだったので、撮影していてあんまり楽しくないこともあって売ってしまいました.
 その点、このULTRON 27mm F2は最短撮影距離25cmと寄れるので、目の前にあるものを撮れないというストレスから解放されます.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF4 1/60秒 ISO感度1600

 寄れるということで、こうした旅先での食べ物の撮影にも困りません.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF2 1/60秒 ISO感度800

 絞り開放で寄った場合には収差でふんわりとした描写になります.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF4 1/60秒 ISO感度3200

 F2.8でも若干収差が残るので、キリッとした画像が好みであれば2段絞ってF4にする必要があります.
 まあこうした描写は好みが分かれるところではありますね.
 昨今のレンズにしては珍しく非球面レンズを使っていないので、絞り値の違いによる描写の変化というのは設計者の狙ったものなのかもしれません.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF4 1/750秒 ISO感度640

 年季の入った車両で窓ガラスが曇り気味ということもあってか、いい感じの車窓のボケ感が出た気がします.
 拡大すると切符の地紋(下地に印刷してある小さな文字)もクリアに読み取れるシャープさと、そこからのなだらかなボケがレンズサイズからは想像できない画質の良さを感じさせます.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF5.6 1/400秒 ISO感度640

 フードをつけた状態で撮影.モロに逆光のシチュエーションですがフレアなどは見当たりませんね.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF5.6 1/1100秒 ISO感度640

 日本海に沈む夕陽.不得意なシチュエーションも見当たらず、なんにでも使えそうなレンズです.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF5.6 1/240秒 ISO感度640

 旅先で建築物なども撮影しますが気になるような歪みもなく、パンケーキレンズだからなのを画質低下の言い訳にするような要素はないですね.

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Apple iPhone 13mini

 Voigtlanderブランドということで非純正のレンズではありますが、富士フイルムから情報開示を得て作られたレンズということもあって、Exif情報の記録やX-Pro3のハイブリッドファインダの光学パララックス補正にも対応するなど、純正と同等に使いやすいレンズです.
 VoigtlanderブランドのXマウント対応レンズはNOKTON 23mm F1.2も所有していますが、どちらも使い勝手のよい魅力的なレンズですね.

2023/06/08

RICOH GR III Diary Edition

Category: カメラ・写真,物欲 — Annexia @ 20:35

 3年ぶりくらいにカメラを購入しました.購入したのはRICOH GR IIIの特別色モデル、Diary Editionです.

 GRシリーズは2009年にGR DIGITAL IIを購入し、その後もGR DIGITAL III、GR DIGITAL IV、APS-CになったGRと代々使い続けていました.
 が、GRからGR IIになったときに、Wi-Fiが搭載された程度のマイナーチェンジのみで期待していたような機能アップではなく、わざわざ買い換えるほどではないな…… と思っていたタイミングで富士フイルムから対抗機種ともいえるX70が登場したので乗り換えて、GRは下取りに出して手放してしまいました.
 その後、2019年にGR IIIが登場し、店頭で触ったところGRよりも小型軽量化されキビキビとした動きに魅了され「これは買いだな」と思いながらも引き続きX70を使い続けていました.しかし、X70も購入から7年が経過して精密機器かつ電化製品を使い続けることにやや不安もあり、値段がつくうちに売ってしまおうか…… と思い始めた矢先にGR III Diary Editionが発表されたので、乗り換えることにしたというわけです.
 GR IIIは自分が買ったタイミングで登場からすでに4年が経過しており、一般的なデジカメであれば新型が出てもおかしくない頃ではありますが、焦点距離の異なるレンズを搭載したバリエーションモデルとして2021年にGR IIIxが登場しているので、これはまだしばらくは新型登場しないだろうという判断をし、購入に至りました.

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Apple iPhone 13mini

 GR III Diary Editionは当初、ケースやストラップがセットになった限定モデルが出たのですが、直販や一部の通販サイトのみの販売で下取り交換はできないこともあって(セットのケースやストラップに魅力を感じなかったというのもありましたが)見送り、本体のみの通常販売モデルが出てから予約を入れて購入しました.
 上にも書いたように富士フイルム X70を下取りに出しての購入でしたが、驚きだったのはX70の下取り価格.7年前に87,000円くらいで購入した製品だというのに、下取り額が7万円くらいでした.後継機種が出ていないということに加えて、販売期間が短く、しかも発売時は人気機種とは言い難い製品だったので製造台数がかなり少なかったことによる希少性、さらに富士フイルムの現行機も中古品も全体的に品薄が続いているためだと思われますが、それにしてもずいぶんと高値で下取りされたものだと思いました.おかげで6万円弱の出費で購入することができました.

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Apple iPhone 13mini

 本体以外に購入したものたち.
 ケース(非純正)、バッテリ、充電器、SDメモリカード、液晶保護ガラス、リングキャップ(純正、非純正)、フィンガーストラップ(ユリシーズ minimo)、外付けファインダとバッテリ用ケースなど.

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Apple iPhone 13mini

 GRといえばボディカラーはブラックのイメージが強いですが、Diary Editionはメタリックグレーの本体色にダークブラウンのグリップで、ややソフトなイメージがします.塗装の違いから手にした時の感触も通常のブラックに比べて滑らかな感触をしています.

 GR III Diary Edition標準のリングキャップは明るめのシルバーなのですが、明るすぎて違和感を感じたので本体色に近いメタリックグレーのリングキャップを純正/非純正とも購入し、純正のプラスティック製よりも質感の良さを感じたアルミ製と思われる非純正のリングキャップを使用することにしました.
 外付けファインダは以前に購入して保管しておいた純正品のGV-2を引っ張り出してきて使用.ニコン銘(製造はおそらくコシナ)の丸型の28mm外付けファインダも持っているのですが、そちらはGR IIIのサイズには大きすぎるうえに重量もあるので純正品のほうがしっくりきました.とはいえ普段使い時には携帯性を重視して使用していません.

 また、小型化の影響としてGR IIIからフラッシュが非搭載となっています.
 個人的にフラッシュはほぼ使っていなかったこと、持ち運び中になにかの拍子にレバーが押されてフラッシュがポップアップしてしまい、破損のリスクがあることを考えるとないほうがいいかなと思っています.

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Apple iPhone 13mini

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Apple iPhone 13mini

 自分が使っているX-Pro3やX100V、それに入れ替えまで使っていたX70はモードダイヤルがなく、シャッターダイヤルや絞りリングを備えたアナログライクな操作系なので、GR IIIの操作に馴染めるかやや不安でしたが、多少スイッチ類が変わったとはいえ、以前に使っていたGRとほぼ同等の操作系ということもあって比較的すぐに馴染めました.
 GRまでの機種とGR IIIの操作系で最大の違いは、右上に配置されていた露出補正用の上下のシーソースイッチがなくなり、背面上部のADJ.ダイヤルで兼用することになったところでしょうか.ほかにもタッチパネルの搭載や十字ボタン周囲のコントロールダイヤルの採用が大きな違いです.また上面のモードダイヤルの項目もフルオートのグリーンモードや動画モードなどがなくなり、すっきりと整理されています.どちらのモードもGRの頃は使った記憶がないので個人的には歓迎です.

 富士のカメラの場合、前述したようにモードダイヤルが存在しなく、シャッターダイヤルをオート、絞りリングを手動設定すれば絞り優先オート、逆に絞りをオートにしてシャッターダイヤルを手動設定すればシャッター速度優先オート、両方ともオートにすればプログラムオートと、電源を切っていてもわかる操作系になっているのが特徴です(X-Sシリーズなどモードダイヤル搭載機もありますが).この操作系は個人的に気に入っているのですが、その反面弱点もあり、ダイヤル切り替えで操作するようなものをプリセットとして登録しておくことができません.なので例えば絞り優先オートの撮影設定を登録しておきたいと思ってもハードウェアの設定位置とずれが起きてしまうため登録できないわけです.そうした経緯もあって富士のカメラの場合は画質設定のみを登録しておくことができるようになっています.
 それに対してGRシリーズの場合は絞り優先オートで絞り値を指定し、イメージコントロール(画質設定)のパラメータをセットし、露出補正まで変更した状態のものまですべて登録しておくことができます.撮影スタイルがある程度固まっているような場合、かつ複数の設定を瞬時に使い分けたいような場合には重宝する方式です.
 富士のカメラのような方式がいいか、それともGRのようにすべてをセットとして登録しておく方式がいいかというのは好みの問題でもあり、どちらがいいといった優劣を簡単につけられるようなものではないですが、GRシリーズがこのような設定方法を採用しているのは、GRというカメラが速射性を重視したスナップメインのカメラという設定方針によるところが大きいような気がします.また、右手ですべての操作ができるというのも速射性を重視したスナップカメラとして重要なポイントだと思われます.

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Apple iPhone 13mini

 GRシリーズの伝統として、上部左右と左下の3カ所にストラップホールがあります.これにより縦吊りもできるようになっていますので、ストラップ(ユリシーズ クラシコ・セルペンテ)を購入してみました.普段使いはフィンガーストラップ、旅行のときには縦吊りネックストラップというような感じで使い分けしたいと思います.

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RICOH GR III
F5.6 1/125秒 ISO200

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RICOH GR III
F5.6 1/1000秒 ISO200

 画質について.
 GR IIIにはイメージコントロールと呼ばれる画質モードが用意されており、その中で自分がよく使うのは「ポジフィルム調」です.
 基本的にはJPEGのみで撮影し、ホワイトバランスなどあとで調整する必要がありそうな時だけ、背面のFnボタンにRAW+JPEG撮影に切り替える機能を割り当てておきすぐにRAW撮影できるようにしています.
 ポジフィルム調での撮影セッティングは次のような感じです.

・イメージコントロール:ポジフィルム調
・彩度:3
・色相:2
・キー:-1
・コントラスト:2
・コントラスト(明部):2
・コントラスト(暗部):-3
・シャープネス:1
・シェーディング:0
・明瞭度:2
・周辺光量補正:オン
・ダイナミックレンジ ハイライト補正:オン
・ダイナミックレンジ シャドー補正:弱
・ファイトバランス:マルチパターンオートM2/A3
・絞りF2.8
・露出補正:0

GR000383

RICOH GR III
F5.6 1/200秒 ISO200

GR000402

RICOH GR III
F2.8 1/8秒 ISO200

 ポジフィルム調のセッティングが派手目に振ったものなので、その対極をなすセッティングとしてネガフィルム調をベースに設定したのがこちら.ポジ/ネガのどちらかをモードダイヤルのU1にセットしています.

・イメージコントロール:ネガフィルム調
・彩度:2
・色相:-2
・キー:1
・コントラスト:2
・コントラスト(明部):0
・コントラスト(暗部):3
・シャープネス:1
・シェーディング:0
・明瞭度:2
・周辺光量補正:オン
・ダイナミックレンジ ハイライト補正:オン
・ダイナミックレンジ シャドー補正:弱
・ファイトバランス:マルチパターンオートM2/A3
・絞りF2.8
・露出補正:0

GR000155

RICOH GR III
F2.8 1/8秒 ISO200

 普段使いするカメラとしてやはり多いのが食事の撮影.
 食べ物専用に撮影モードをセッティングしています.
 シャープめのセッティングかつ卵のふんわり感を出してみたくてF2.8解放で撮影しました.

GR000399

RICOH GR III
F4 1/8秒 ISO400

 初期値でF4まで絞っていますが、丼ものなんかを寄って撮影すると前後のボケが強めに出ますね.
 ホワイトバランスはオートで暖色系に振ったりはしていませんがなかなか美味しそうな色合いが出てきます.

GR000374

RICOH GR III
F4 1/8秒 ISO640

 バニラアイスクリームにエスプレッソをかけたアフォガート.
 この手の被写体はピントが迷うかなと思いましたが案外すんなりと合焦します.

・イメージコントロール:スタンダード
・彩度:2
・色相:-2
・キー:1
・コントラスト:2
・コントラスト(明部):0
・コントラスト(暗部):0
・シャープネス:3
・シェーディング:0
・明瞭度:3
・周辺光量補正:オン
・ダイナミックレンジ ハイライト補正:オート
・ダイナミックレンジ シャドー補正:オフ
・ファイトバランス:マルチパターンオート
・絞りF4
・露出補正:+0.7

GR000319

RICOH GR III
F2.8 1/1250秒 ISO200

 モノクローム撮影セッティング.光の明暗がはっきりしている時や、フレーム内に余計な色合いがあるような場合にはモノクローム撮影をしています.
 この時は岩のゴツゴツした感触を強調しつつ、波の動きを止めるために絞り開放で撮影しました.

GR000303

RICOH GR III
F2.8 1/1000秒 ISO200

 波打ち際の岩場を迂回するためのトンネル.トンネルを覆うようにして生い茂った樹木が荒れ果てた雰囲気と人工的な施設の組み合わせで廃墟や世紀末感が出ていると感じ、モノクロとネガフィルム調で撮影しましたがモノクロの方が好みでした.

・イメージコントロール:モノトーン
・キー:3
・コントラスト:3
・コントラスト(明部):-4
・コントラスト(暗部):-4
・シャープネス:1
・調色:オフ
・フィルタ効果:2
・シェーディング:-1
・明瞭度:2
・粒状感:3
・周辺光量補正:オフ
・ダイナミックレンジ ハイライト補正:オン
・ダイナミックレンジ シャドー補正:弱
・ファイトバランス:マルチパターンオート
・露出補正:-0.7

GR000215

RICOH GR III
F4 1/8秒 ISO800

 通常の撮影モードでも10cmまで寄れますが、マクロモードに切り替えるとレンズ前6cmまで寄れるようになります.
 個人的にはマクロモードに切り替えて使うよりも自動で6cmまでピントを合わせてくれるほうが使い勝手がいいのにと感じました.
 また、マクロ領域で特に気になる問題としてブリージング(ピントを合わせるとフレーム領域が変化してしまう問題)があります.なのでフレーミングしてからピントを合わせるとフレームが変化してしまい、再フレーミングが必要となるのが地味に厄介です.

GR000361

RICOH GR III
F5.6 1/8秒 ISO200

 こうした構図で撮影すると湾曲が気になったりするものですが、ほとんど気にならないレベルですね.
 また、フルフレーム換算28mm相当とはいえ、実際には18.3mmのレンズなのでパースのつきかたに超広角レンズらしさを感じます.

GR000443

RICOH GR III
F2.8 1/15秒 ISO200

 シャッター速度の下限とISO感度の上限を設定できるので、当初はシャッター速度を1/8秒まで粘らせ、ISO感度は12800に設定しました.その後、1/8秒だとマクロ域で手ブレになることがあったので1/15秒を下限に設定しました.マージンをとって1/15秒を下限に設定しましたが、1/8秒でもほぼ手ブレは防げているのでGR IIIの手ぶれ補正機能は優秀だと思いました.
 GR DIGITAL IVの時も手ぶれ補正機能は搭載されていましたが、自分との相性が悪いのかシャッターを切るタイミングでわずかにセンサーが動いてしまい、オフにしたほうがブレが少ない写真が撮れるのが困りものでした.それと比べるとペンタックスの手ぶれ補正技術「SR」が導入されたGR IIIは段違いに進化しており、水平が取れるようにセンサーが回転し自動補正してくれる機能まで搭載されているなど、使える機能は限界まで使うというのはペンタックス譲りだなと感じます.

GR000445

RICOH GR III
F2.8 1/1250秒 ISO200

 街中を歩いていて何の気なしに撮影した写真が案外よく撮れていたりすると嬉しいものですが、GR IIIは気軽に撮影する気にさせる敷居の低さと画質の良さがなんといっても魅力です.
 AFモードは中央部分のオートAFに設定してカメラ任せにし、明確にピントを合わせたい場合には画面タッチで位置指定するようにしています.オートAFは意図した部分にピントが合わない時も多々ありますが、スナップ撮影で中央エリアのどこかにとりあえずピントを合わせたい的な撮影には悪くないですね.

GR000470

RICOH GR III
F2.8 1/400秒 ISO200

 ピントの合焦している部分からすっと溶けるようにぼけていく描写は個人的にかなり好みです.

IMG_0879

Apple iPhone 13mini

 まとめです.
■いいところ
・コンパクトで軽量なボディは持ち運びに重宝
・画質がとてもいい、描写が好みのレンズ
・カスタマイズで好みの画質に設定できる
・モノクロームも粒状性の設定もできて好みの描写に設定できる
・特別色のメタリックグレーのボディカラーは個人的に好み
・コンパクトなのにしっかり効く手ぶれ補正
・操作系も含めたレスポンスの良さ

■いまいちなところ
・バッテリのもちがもう少し良くなってくれたらいいのに
・オートエリアAFのピント合焦位置が自分の意図しているところにあってくれたらいいのに
・マクロモードの切り替えが面倒なのでマクロモードまでシームレスに切り替わる設定がほしい
・RAW撮影した画像をUSERモードに登録したプリセットで現像処理できるようにしてほしい
・沈胴式レンズなので難しいとは思うけど、防塵防滴構造にしてほしい
・サイズ的に難しいのはわかるけどファインダが内蔵されていたらいいのに
・BluetoothやWi-Fiを使ったiPhoneやiPadとの接続がやや安定性に欠ける

 GRシリーズは使用者の声などによりファームウェアアップデートで機能が徐々に充実するのが売りの1つで、いうなれば使用者が「育てる」ともいえる側面を兼ね備えたカメラでもあります.前回購入のGRのときは発売と同時に購入し、徐々に機能アップしていく楽しさを感じていましたが、今回のGR IIIについては発売から4年が経過していることもあって逆に熟成された状態のものを使えるというのはありがたいものの、発売当時に買って機能アップを楽しむのもよかったかなとも思います.

 操作性も含めてほぼ満足しており、細かな不満はあれど小型軽量でしかも高画質ながら気軽に持ち運べるカメラとしては、ライバルはいないのかなと思います.最大のライバルはスマホではあるのですが、撮影する楽しさという点では比べるべくもないですし.

 コロナ禍もあって久々に買ったカメラではありますが、いいもの買った感があって満足しています.

2022/12/31

2022年を振り返る – 物欲篇

 1年を振り返る、最後は物欲篇です.外出が少なかったこと、後述しますが予期せぬ収入があったりしてあれこれと買っています.

1月、2月:コート2着
2月:Astell&Kern PEE51
3月:Apple iPhone 13 mini
4月:SONY REON POCKET RNP-3
6月:YAMAHA TW-E7B
7月:Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical
8月:HAMILTON Jazzmaster Open Heart
8月:【番外編】M2 MacBook Air
10月:Keychron K8 Pro
12月:BALMUDA The Gohan
12月:final ZE8000

1月、2月:コート2着

100V1292

FUJIFILM X100V

 衣類にはわりと無頓着な方ですが、この冬はコートを2着購入しました.
 1着は以前に着ていたものの色違いでこれは最初から買うつもりだったのですが、もう1着については以前から使っていたものがリュックと擦れて穴が空いてしまったので急遽購入したものです.
 どちらも気に入って着用しています.

2月:Astell&Kern PEE51

100V1296

FUJIFILM X100V

 USB-Cポートに接続して使用する、3.5mmイヤホン端子変換オーディオアダプタです.
 使用しているiPad Pro 11inch(初代)とiPad mini 6がどちらもイヤホン端子がないというのもあるのですが、このアダプタを使用することでハイレゾ音源についても高音質で出力することが可能になるので購入しました.

3月:Apple iPhone 13 mini

100V1325

FUJIFILM X100V

 iPhone SE2からの買い替え.
 iPhone 12から始まったminiシリーズが売れ行き不振で、iPhone 14シリーズの後継機は出ないという噂が流れ始めてきたので小型機好きとしては買えるうちに買っておこうということで購入しました.
 SE2も13 miniもどちらもPRODUCT REDですが、13 miniの方が赤の色味がダーク気味で深みのある赤なのが気に入っています.

4月:SONY REON POCKET RNP-3

FX706087

FUJIFILM X70

 自転車に乗るときの暑さ対策として購入したのですが、夏の暑い時期には通勤時などにも使用していました.バッテリ容量が少ないのか消費電力が高いのか、出力を上げると短時間でバッテリが切れてしまうので、長時間使用するような場合にはモバイルバッテリを接続していました.
 また冬場も暖房器具として使用できるので重宝しています.

6月:YAMAHA TW-E7B

FX706131

FUJIFILM X70

 ヤマハのワイヤレスイヤホン.登場後すぐに電源等の不具合によって回収・販売終了になったTW-E7Aの後継機です.
 ヤマハにとってはリベンジとも言える製品なのでいいものを作ってくるだろうと期待して購入しましたが、期待を裏切らない音質です.

7月:Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical X-Mount

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Apple iPhone 13 mini

 Voigtlanderブランドの富士フイルムXマウント用レンズとして登場した35mm F1.2に次ぐ2台目のレンズです..
 好みの焦点距離、明るいレンズ、そして最短撮影距離の短さと、撮影場所を選ばない使い勝手のよさもあって、自分の理想に近いレンズです.また、Xマウント専用レンズということで、カメラ本体と通信機能が備わっており、EXIFデータとして撮影データが記録されるだけでなく、X-Pro3で使用した場合には焦点距離に応じて光学ファインダーのパララックスが自動補正されるのも気に入っています.
 撮影に出かけてサンプルとなるような写真をある程度集めてからブログのネタにしようと思っていて、そのままになっていますので、いずれまとめようかなと思っています.

8月:HAMILTON Jazzmaster Open Heart

FXP32297

FUJIFILM X-Pro3 + XF60mm F2.4 R Macro

 以前からほしい時計だったのものの価格面のネックもあり先送りにしていたのですが、COVID-19感染による保険金という棚ぼた的な収入があったのでつい購入してしまいました.
 文字盤の大胆なカットによるスケルトンデザインが気に入って購入しましたが、80時間動き続けるパワーリザーブ、ずれの少ない時計本来の性能も相まって気に入っています.

8月:【番外編】M2 MacBook Air

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FUJIFILM X100V

 業務での使用機材として会社経費で購入したのでこれは番外編扱いで.
 以前に使用していたMacBook(12inch, 2017)が使用開始から5年ほど経過し、処理速度的にもSSD 512GBという容量的にも業務的に支障が出ている状況でしたのでM2 MacBook Airを導入しました.
 M1 MacBook AirではなくM2 MacBook Airを選んだのは、電源アダプタにMagSafeが復活したこと、それからRAM容量が24GBになったことでしょうか.業務上、Windowsも使うことがあるので、ParallelsがARMベースのWindowsに対応するようになったタイミングでRAM24GBまで搭載できる製品が出たというのも買うきっかけとして大きかったです.

10月:Keychron K8 Pro

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Apple iPhone 13 mini

 MacBook(12inch, 2017)のキーボードが非常に使いづらいため、会社では外付けのキーボードとしてFILCOのMajestouch 2を使用していました.ただBluetooth Ver.3.0という仕様のせいかBluetooth接続ですとキーがリピート入力されてしまうことが多々発生しストレスだったので、別の製品としてKeychron K8 PROを導入しました.
 PROがつかないK8は触ったことがないので詳しくはわからないのですが、YouTubeの映像を見ているとタイプ音が筐体で反響したり、キートップがABS素材のせいで反響音がうるさく感じられますが、K8 PROはキートップがPBT素材だったり内部に反響を抑える素材が入っているため落ち着いたキータイプ音がします.
 キースイッチやキートップが交換可能な機種ということもあり、購入後にあれこれとパーツ交換をした結果、外見は全く違うものになってしまいました.そうしたカスタマイズできる点も含めて気に入っています.

12月:BALMUDA The Gohan

100V1485

FUJIFILM X100V

 白物家電には興味がなく、壊れるまで使う自分としては珍しく、炊飯器を買い替えました.
 バルミューダ製の炊飯器ということで一般的な炊飯器とは異なり、蒸気の熱で炊飯する構造のため外釜と内釜の二層構造となっており、外釜には水を入れて内釜に米と炊飯用の水を入れるようになっています.
 IHの炊飯器のように米を動かして炊くのではないので、粒だった炊きあがりになるのが特徴であり、もちもちとした炊きあがりよりも米の一粒一粒の存在感があってそこが好みです.

12月:final ZE8000

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Apple iPhone 13 mini

 finalのワイヤレスイヤホンは昨年末にZE3000を購入していますが、それに続いて上位モデルとしてZE8000が発売されたのでそちらも購入しました.
 購入当初は音のこもりが感じられてどうしたものかと思っていましたが、しばらく聴いているうちにエージングなのか自分の耳が慣れたのか、それとも別の要因かわかりませんが非常に好みの音質になりました.音の広がり、描写などに非常に癖というか特徴がはっきりしており、好みの分かれるイヤホンかもしれません.final独自の音響理論をもとに作られた製品とのことで、高音質のアンプを搭載しさらにDSPによる音質チューニングが施されているという点で、電源を使用しない有線イヤホンではなしえない音を実現した、というのがこの製品の最大の特徴です.

 来年はどうでしょうか.カメラ関係はX-Pro3とX100Vの後継機が出たら買い替えを検討したいのですが、どちらも現状では出る見込みはそれほどなさそうです.他にもほしいものはいくつかあるものの、決定には至らずといったところでしょうか.