2024/12/23

iFi audio xDSD Gryphon

Category: 物欲,電化製品,音楽 — Annexia @ 22:45

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 前の投稿でfinal S5000購入したことについて触れましたが、USBドングル型DACとの相性なのか、それともUSBドングル型DACの5V給電ゆえの電源の余裕のなさなのか、もうひとつ納得のいく音が出せていない印象がありました.

 なので、改めてUSB接続のDACで手頃なものを検討しようということで、
・自宅で使用し持ち運びはしないので、サイズや重量には特にこだわりはない
・USB給電だと電源的な余裕がないため、USB給電ではないもの
・iPad mini6と接続して使用し、寝る時なども使いたいので外部電源ではなくバッテリ駆動できるものがよい
・多少の音質調整をしたい
という条件であれこれと調べてみました.
 この手のDAC製品はオーディオマニアの沼に片足突っ込んだところに位置するニッチな分野なのでそもそも製品が少なく、また残念ながら国内メーカーは新製品をほとんど出していない(以前はいくつかありました)ような状況なので、海外メーカーのものが選択肢となります.
 あれこれと調べているうちに、iFi audioという会社の製品に行きつきました.実はAK HC3を購入した際にも同クラスの検討機材としてiFi audioのGO linkがあったのですが、そのときは知らないメーカーだしちょっとわからないな…… と思って見送っていました.

 iFi audioはイギリスのメーカーで、据え置き/ポータブル問わず多種多様なDACなどを製造しています.
 当初、iFi audioの製品で候補として考えていたのはhip-dac3でした.小型のスキットルボトルのような形状をしており、スマホくらいのサイズと重量(おおよそ高さ10cm、幅7cm、厚さ1.5cmで重さ135g)で必要十分なスペックを備えた製品です.お値段は3万円ちょっと.ただし、音質を調節するためのフィルタを切り替えるのにファームウェアを差し替える必要があること、エフェクトとして備えている機能が低音を強調するXBassのみで、中高音の調節はできず、また上位機種で備えている音の広がりを出すXSpaceを搭載していないことがネックでした.
 その次に検討したのがxDSD Gryphonです.hip-dac3と比べてやや大きくて重たいものの(おおよそ高さ12cm、幅7.5cm、厚さ2cmで重さ215g)、性能は充実しており、フィルタはメニューから変更可能であり、XBassIIとして、低音/中高音/その両方を強調する機能を備え、音の広がりを強調するXSpaceも搭載しています.さらにライン入力や光デジタル入力、Bluetooth接続などかなりの高機能です.評判もそこそこよいですが、お値段もぐっと上がって約8万円.迷ったのですが、ここで妥協して安いほうを選ぶと、あの機能が欲しかった…… となってさらなる散財をしてしまいそう、ということでxDSD Gryphonを選ぶことにしました.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 ちなみに「Gryphon(グリフォン)」とは、ライオンの胴体にワシの頭と翼を持つ、神話に出てくる動物のこと.前機種「xDSD」に比べて、多機能であることをなぞらえたネーミングのようです.
 発売開始から3年くらい経過しており、何回ものファームウェアアップデータが行われて不具合の修正のみならず機能追加がされており、安定性も増しており安心して使うことができます.発売から年数が経過していると、新型が出てしまうのでは…… という心配もありますが、機能的にはほぼ全部入りで大きな機能追加もないだろうという判断から購入に至りました.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 正面.左から順に、3.5mmイヤホン端子、4.4mmバランスイヤホン端子、ボリューム、エフェクト切り替え(長押しで設定メニュー)、入力切り替え.
 ボリュームは物理的なボリュームではなく回転させることで内部で出力が変化する、デジタルボリュームのような設計です.また電源スイッチなどを兼ねていて、長押しで電源ON/OFF、1度押すことで曲の停止/再生、2度押しで曲送り、3度押しで曲戻しになります.また、ボリュームレベルに応じてLEDの色が変化するのも面白いギミックです.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 背面.左から順に、XBassIIのエフェクトのかかり具合(低音のみ、中高音のみ、両方)の切り替えスイッチ、充電用USB Type-Cポート、データ入力用USB Type-Cポート(設定で同時充電も可能)、光入力、4.4mmライン入出力、3.5mmライン入出力.光入力や4.4mm/3.5mmライン端子は使う可能性は低いので、埃対策としてキャップを準備したほうがいいかもしれません.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 底面.「iEMatch」という、ヘッドホン出力を抑えるゲイン調整スイッチ.
 また、技適対応のシールが貼られていますが、Bluetooth対応のためです.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 天面にはディスプレイを備えており、入力ポート、PCMやDSDといった入力情報、サンプリングレート、ボリューム、エフェクトのON/OFFなどが表示されます.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 隠しコマンド?を入力することでフィルタの種類が増え、起動時と終了時にディスプレイにグリフォンが飛ぶアニメーションが表示されるようになります.ちなみに隠しコマンド入力前は、起動時に「iFi」のロゴ、終了時は単純に「OFF」の文字のみでした.フィルタを出し惜しみする理由もよくわかりませんし、最初からこのようにしておいてもよかったのでは?という気もします.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 金属筐体なのでケーブルやイヤホン等との接触により傷がつくことを考慮して、Amazonで購入した非純正のレザーケースを装着しています.革の質感もよく、金属と革の組み合わせも気に入っているのですが、装着がかなりタイトで、外そうとしてもまったく動きません.外す必要性が現状ないので問題ないといえばないのですが……

 肝心の音質ですが、アンプ性能の差なのか電源の余裕なのか、DACチップの性能やチューニングによるものなのか、その総合によるものなのかわかりませんが、かなり満足しています.艶やかで程よく角の丸められた音質は長時間聴いていても聴き疲れしません.
 やや残念なのはバッテリの減りが比較的早いこと.ただし、マニュアル表記では充電に標準(5V入力)で12時間、急速充電で6時間かかるとされているものが、ファームウェアアップデートにより2時間程度にまで短縮されてること、また給電しながら使用できるので大きな問題ではありません.
 final S5000と使用することを前提に導入しましたが、音の美しさや余韻など満足のいく音質を得ることができました.末長く使っていくことのできそうな製品です.

2024/12/22

final S5000

Category: 物欲,電化製品,音楽 — Annexia @ 23:25

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FUJIFILM X100VI

 新しいイヤホンを購入しました.finalS5000です.
 ヘッドホン/イヤホンメーカーとしてfinalの製品は音作りもさることながら、製品を作るにあたってのポリシーや理論に共感するところが大きいので、以前にも、ワイヤレスイヤホンとしてZE8000ZE3000、有線イヤホンとしてE4000MAKE4を購入しています.

 もうちょっと高価格帯の高音質なイヤホンが欲しいなと思っていたところに、新たにSシリーズとしてS4000とS5000という製品が出ました.両機種とも音を出す部分は同じながら、筐体がステンレス(S4000)と真鍮(S5000)と別のものを採用しており、筐体の材質によって音質が異なります.

 これは実際に試聴してみないとどちらが好みか判断がつかない…… というわけで、ヨドバシカメラまで出かけていって、ショーケースに入っているものを出してもらって試聴してみました.なお、両機種を試聴する前に、自由に試せる状態になっているfinalの別製品、E5000A5000も試聴してみました.どちらもいい音ではありますが、購入には至らずという感じでした.
 先に試聴したのはS4000.先のE5000やA5000がダイナミックドライバ1基であるのに対して、BA(バランスド・アーマチュア、金属の振動板を使って音を出す)ドライバ2基という構成になっています.音質的には「素直でストレート、クリアでわかりやすいいい音」という印象でした.E5000やA5000に通じるものがある、finalらしい音とも感じました.
 続いて試聴したのがS5000.ネット上にあるレビューを見てもS4000は万人が高評価を与えているのに対して、S5000は賛否両論です.聴いてみると、「癖のある余韻のような反響音があり、クリアさはS4000に比べて劣る」という印象でした.なるほど、賛否両論なのも納得です.ただ、個人的に試聴していて面白いなこれ、あれこれ聴いてみたいなと感じたのはS5000のほうでした.BAドライバは金属の振動板により音を発生させる構造ですが、ダイナミックドライバに比べて正確というかクリアというか、癖のない音というイメージがあります.S5000はBAドライバが出す正確でクリアな音を真鍮筐体による反響で味付けをしており、そのチューニングが自分の好みに合った感じです.

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FUJIFILM X100VI

 内容物はイヤホン本体の他に、2pin規格のシルバーコートOFCケーブル、FUSION-Gと呼ばれるfinalの新製品のイヤピース(サイズはS/M/Lの3種)、そしてシリコン製のケース.

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FUJIFILM X100VI

 S4000がステンレス筐体でシルバー仕上げなのに対して、S5000は真鍮筐体でゴールド仕上げになっています.真鍮そのままだと酸化して変色や緑青が発生することがあるので、表面にはチタン蒸着コートがしてあるそうです.
 BAドライバ2基を採用していますが、低音/高音というような音域を分けるのではなく、2基ともフルレンジというのがユニークなところです.BAドライバは出せる音域がそれほど広くないという特徴があるので、複数のBAドライバを採用する場合には音域を分けるのが一般的だと思われますが、S4000/S5000の場合にはフルレンジのBAドライバを向かい合わせに設置して不要な振動を打ち消すような構造になっています.
 音質的には前述したようにクリアさはS4000に比べてやや劣るものの、ゆったりとした響きが魅力です.ロックよりもジャズやピアノ曲、クラシックのほうが得意という印象です.

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RICOH GRIII

 音楽を聴くときはiPad mini6にUSBドングル型のDAC(D/Aコンバータ)、Astell&Kern製のPEE51を使用しています.PEE51もそこそこ年数もたっており、新しいDACを試してみたい…… ということで、後継機のAK HC3を購入しました.

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RICOH GRIII

 PEE51はUSB-Cのみ対応でしたが、AK HC3についてはLightning-USB変換アダプタが付属しています.ちなみにこのアダプタを使用してPEE51とiPhoneを接続してみたところ、問題なく使用できました.

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FUJIFILM X100VI

 上がPEE51、下がAK HC3.デザインは同じでAK HC3の方が大きめです.
 同じメーカーの製品ですが音質は結構違いがあって、PEE51が落ち着いているのに対して、AK HC3はパワフルです.また、PEE51だとiPad mini6側のボリュームを50%程度なのに対して、AK HC3は20%くらいで十分な音量となります.抑えめのボリュームで十分な音質を得ることができるのは結構なのですが、音量の微調整がしづらいという問題があります.設定などでゲイン(出力)の調整などができればよいのですが、PEE51/AK HC3ともシンプルなUSBドングル型DACなので音量や音質などの調節はできません.またPEE51に比べてAK HC3はクリアな音質なのが特徴なのが災いしてか、S5000の持ち味ともいえる音の余韻との相性が悪いようにも感じられました.なのでPEE51の方があっている印象でした.
 つづき(?)ます.

2023/12/28

2023年を振り返る – 音楽や映画篇

Category: 日記・雑記,映画,音楽 — Annexia @ 21:53

 今年も残すところあとわずか.
 1年を振り返る恒例の企画.まずは音楽や映画について.

■音楽
 新譜としてよかったのは、The Chemical Brothersの『For That Beautiful Feeling』.初めて聴いたときには前作の方が好みかな…… と思ったのですが、何度も聴くにつれてじわじわとよさが伝わってくる、いつものThe Chemical Brothersという感じですね.
 他にはTESTSETの『1STST』、くるりの『感覚は道標』がよかったです.TESTSETは、高橋幸宏亡きMETAFIVEのメンバーを中心に再構成したような顔ぶれなのですが、意志を引き継いでいる印象を受けました.くるりは新しいアルバムを出すごとにさまざまなものにチャレンジする趣向がありますが、今回のアルバムについてはオリジナルメンバーで昔に立ち返って作ったかのような曲調がオールドファン的に惹かれるものがあります.

 TESTSETで触れたように、今年は高橋幸宏が亡くなり、後を追うように坂本龍一が亡くなるという、Y.M.O.に多大なる影響を受けた自分としてはちょっとつらい1年でした.
 また、ジェフ・ベックやチバユウスケなど、影響を受けたアーティストが亡くなってしまい、自分の年齢を考えてもこの先はそういうことが多々あるのだろうなと思うと、いたたまれない気持ちにもなります.

■映画
2月:『RRR』
9月:『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』
11月:『ガールズ&パンツァー 最終章 第4話』
11月:『ゴジラ-1.0』

 今年映画館に行って観た映画はこの4本.
 もうちょっと足を運びたいものですが、よく利用しているユナイテッドシネマ としまえんが豊島園の閉園に伴って駐車場が使えなくなってしまい、ハリーポッターのテーマパークが開演したらまた駐車場が使えるようになるかなと期待していたのにそうもいかず、ということでレイトショーなどが行きづらいのが要因でもあったりします.

 『RRR』は長時間&怒涛の山場たっぷりなのがいかにもインド映画、という感じでした.
 いやー、内容濃いなーと思いながら観ていて、なんか終わりが唐突だなと思ったら「Interval」と表示されて中休み(自分が見た映画館はそのまま上映継続でしたが)に入ったときには、ちょっとやられたなと思いました.

 『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』は、デヴィッド・クローネンバーグらしさあふれる作品でした.彼の作品は観れるだけ観ておこうというスタンスなのですが(劇場上映も期間短めですし、見逃すと次にいつ観られるかもわからないですから)、映画館に行くと同好の士とおぼしき方々がそれなりにいて、なんとなく安心しますね(なにが?).

 『ガールズ&パンツァー 最終章 第4話』はだいたい1年半くらいおきに上映される、ガールズ&パンツァー 最終章の第4話.全6話なので残り後2話となってしまい、話も大詰めです.

 『ゴジラ-1.0』は『シン・ゴジラ』に次ぐ、ゴジラシリーズ.シン・ゴジラの舞台が現代だったのに対して、ゴジラ-1.0は戦時中から戦後の話.ヒューマンドラマ的な部分は個人的にはそれほど惹かれなかったものの、VFX効果の部分は見応えがありました.年明けからモノクロバージョンが上映開始となるそうなので、時代背景を考えるとそちらのほうがしっくりきそうです.

2023/12/03

SONY LinkBuds S

Category: 物欲,電化製品,音楽 — Annexia @ 22:31

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RICOH GR III

 ソニーのイヤホン、LinkBuds Sを購入しました.
 普段使いのイヤホンとしてはfinalZE8000で満足しているのですが、今回の製品は社内で使うことを前提に購入しました.
 社内ではBGMがわりにラジオが流されているのですが、放送内容やCM等によっては耳障りに感じられることが多々あります.そうした場合の対策として今までは耳栓を使っていたのですが、耳栓を使ってしまうと話しかけられたりしたときなど必要な音まで遮断してしまうことがあります.かといって耳障りに感じた時につけてまた外すというのも面倒です.
 ・装着していても必要に応じて外音取り込みと遮音(ノイズキャンセリング)を行いたい
 ・iPhoneで着信があった時の対応もできるようにしたい
 ・MacBookでWeb会議をする時にも切替等をせずに使えるようにしたい
 ・MacBookで映像を流す時の音声も聞きたい
 などといった条件を満たす製品はないものかと探した結果、LinkBuds Sが良さそうだという結論に至りました.

 LinkBudsシリーズとしては「S」のつかない、LinkBudsというものもあるのですが、そちらはイヤホン部分に穴が空いていて積極的に外音を取り込む設計になっており遮音については考慮されていないので今回は候補からは除外しました.また、ソニーのイヤホンの上級ラインとしてWF-1000XM5もありますが、音楽を聴くのは優先事項ではないのでこれも候補からは除外しました.

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RICOH GR III

 手のひらサイズの小さな容器に、中身も全て紙製というエコパッケージ仕様です.

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RICOH GR III

 説明書やケーブル、イヤピースなどが引き出しのようにして収められています.
 謎というか疑問なのは付属のイヤピース.SS/S/M/LLと、Lサイズがありません.マニュアルを確認してもLサイズは含まれていない表記になっていたので、入れ忘れなどではないようですが、最小のSSや最大のLLならともかく、中間のLサイズが付属していないという仕様はよくわかりません.

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RICOH GR III

 今回購入したカラーはアースブルー.宇宙から見た地球のようにも見える、マーブル状の青いカラーをしていますが、これはウォーターサーバの容器を再生したものなのだとか.マーブル状の模様も、1台1台異なるそうです.

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RICOH GR III

 イヤホン本体もマーブルカラー.
 このカラー以外は黒や、常時装着を前提として目立たないようにするような色合いが用意されているのですが、目立たないカラーリングのものをつけていて、補聴器っぽく見られたら嫌だなとも思ってこの色を選びました.

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RICOH GR III

 イヤピースはLサイズがないこと、それから素材が薄くてフィット感が心許なく外れやすいように感じられたので、finalのTYPE Eイヤピースのバイオレットを購入しました.

 いいところとイマイチなところなどを箇条書きにすると、次のようになります.
■いいところ
・外音取り込みがやや高音寄りになるものの違和感がなく自然
・スマホ用アプリの機能が充実しており、イヤピースのフィッティングチェックなどができる
・外音取り込みのレベルを20段階で調節できる
・ノイズキャンセリングがよく効く
・使用者の状態を検知し、歩いているときは外音取り込み、立ち止まるとノイズキャンセリング、というように自動判断される
・ノイズキャンセリングにしていても自分が喋ると自動的に外音取り込みモードに切り替わる(一定時間で解除)

■イマイチなところ、要望など
・音楽を聴くイヤホンとしての音質はまあそれなり
・AIによる機械学習アルゴリズムにより周囲の環境ノイズを抑えるとの説明ですが、Web会議では周囲の音を拾ってしまうので無音にはならずやはりミュートは必要
・「ノイズキャンセリング」「外音取り込み(レベル20段階調節可能)」という仕様になっているが、ノイズキャンセリングもレベル調節できるようにしてほしい.つまり、「外音取り込み」+「ノイズキャンセリングレベル調整で外音取り込み調整」、といった使い方をしたい
・常時装着を考慮した製品とはいえ、ノイズキャンセリングをオンにするとバッテリは6時間しか持たない
・外音取り込みやノイズキャンセリングにモードが切り替わる時に流れる音の音量を調節したい
・外音取り込みやノイズキャンセリングにモードに手動切り替えするときの切替速度をもっと速くしてほしい
・自分が喋ると外音取り込みになる機能をさらに一歩押し進めて、誰かに話しかけられたら外音取り込みになるといいな

 細かな気になる点は多々あるものの、全体的に見たら完成度の高い製品だと感じました.

2023/04/23

final E4000/MAKE4

Category: 物欲,電化製品,音楽 — Annexia @ 21:48

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Apple iPhone13 mini

 イヤホンを2個買いました.どちらもfinalの製品でE4000MAKE4です.
 価格はどちらも15,000円前後.片方だけで十分だろうとか、両方合わせれば3万円くらいのもっといいイヤホンも買えただろうという考えもあるのですが、「MAKE4」という、やや特殊ともいえるイヤホンを購入したかったこと、またその比較対象として同じような価格帯の定評のあるイヤホンが欲しかったという理由によりこの2つを購入するに至りました.

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FUJIFILM X70

 先に購入したのはE4000.MMCX対応でリケーブルができるのが特徴です.
 finalのEシリーズはE500/1000/2000/3000/4000/5000とバリエーションが多く、4000と5000がリケーブル対応です.E4000を選んだのは音の傾向(試聴はせずにレビュー記事等を参照)が自分の好みに近いであろうこと、予算額に近かったというのが理由です.

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FUJIFILM X70

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FUJIFILM X70

 アルミ筐体でコンパクトな作りになっています.
 付属品はイヤーピースのほかにSHURE掛けするためのフック、MMCX端子を取り外ししやすくするMMCX ASSIST、シリコン製ケース(カラビナつき)など豊富です.
 聴いてみた印象はクリアで低音から高音までバランスのいい、はっきりとした音.硬めの音が好きな自分としては好みの音です.が、もう少し低音が強い方がいいかなと感じました.

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Apple iPhone13 mini

 そこで、リケーブルできる利点を活かして低音が出ると評判のケーブルに交換してみました.Nobunaga Labs「ほのか」です.銅線を編み込んだ形状がなかなか派手な感じではありますが、エントリークラスの製品なので5,000円ちょっとでした.
 期待どおり、低音が強くなり好みの音質に近づいた感もある反面、標準のケーブルで感じたバランスの良さのようなものはやや崩れたような印象も受けました.こうなると他のケーブルも気になってしまいます.比較的安価な製品に手をつけただけとはいえ、オーディオという沼の片鱗を見せつけられたような感じです.

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Apple iPhone13 mini

 もう1つのイヤホン、MAKE4です.自分はfinal直販で「MAKE4 スターターキット」を購入したのですが、段ボール箱を開けると5個の缶が出てきました.どうやらパッケージはないようです.

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Apple iPhone13 mini

 それぞれの缶を開けていくと、イヤホン本体などのパーツが出てきます.5個の缶の中身は、イヤホン本体、ケーブル、チューニング用のパーツ、イヤーピース、そして1つは空っぽ(ケース)です.

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Apple iPhone13 mini

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Apple iPhone13 mini

 MAKE4の最大の特徴は、自分でパーツを交換するなどして好みの音質を作り出せることです.
 調整できるポイントは、
・イヤホン後端のダイヤル回して低音-高音の調整(約30段階)
・音導管(イヤーピースを取り付ける部分)の外側、内側のフィルタ(10種+フィルタなし)
・音導管内部に入れるスポンジ(6種+スポンジなし)
・外部へ音圧を逃すベントフィルタ(10種+フィルタなし)
と多岐にわたります.
 フィルタはシール状になっており、精密作業用のピンセット(別売)で貼り付けます.始めるまではこんなシールみたいなものでそんなに音が変わるものかなと半信半疑でしたが、試しに低音に振ったフィルタを貼ってみるとボコボコの低音になり、逆に高温よりにするとスカスカになります.
 出荷時の状態でも十分クリアでいい音がするのですが、そこから手を加えていく過程がとにかく楽しいです.低音のこもりは減らしたいけど存在感のある硬めの低音は出したい、高音の伸びがもっとほしい…… とあれこれいじりながら好みの音質に仕上げていき、好きな曲が生き生きとした感じで聞こえるかと思えばクラシック音楽を聴くと派手すぎてバランスがとれていない…… なんてこともあり、ここまできてE4000のような出荷時から基本的に音のいじれないイヤホンのバランスのよさというものを思い知らされたりもします.
 一般的にはイヤホンを分解したりフィルタ等のパーツを交換したりする行為は保証の対象外となりメーカー推奨ではないと思われますが、それを許容し遊べるように設計したfinalはユニークな会社だと感じました.
 またMAKE4、という名称から想像できるようにMAKE1から3もあり、そちらはイヤホン本体をドライバーで分解してパーツ交換しなくてはなりません.音導管内部をいじるのにレンチで取り外すという工程があるものの、比較的簡単にいじれるのはMAKE4の利点です.
 さらに新しいタイプの音導管が直営店ではお試しできるようになっているとか、新たなパーツの追加も予定されているようで、なんか楽しいおもちゃを手に入れたような感じですね.もちろんおもちゃの域にとどまらず、好みの音質を奏でるイヤホンとしての実用性も兼ね備えています.