2015/02/28
FUJIFILM X-T1 + XF60mm F2.4 R
X100Tのシャッターボタンにはネジ穴が切ってあり、ケーブルレリーズやアクセサリとしてボタンがつけられるようになっています.が、RX1のときに使っていたものも含め、いくつか試すもイマイチしっくりとくるものがありませんでした.シャッターボタン自体が小さいので、小さめのボタンのほうがよさそうです.
ということで、マップカメラに出かけて、オリジナルパーツである「クライネ」の艶消しシルバーを買ってきました.
FUJIFILM X-T1 + XF60mm F2.4 R
FUJIFILM X-T1 + XF60mm F2.4 R
色合いもサイズもまるであつらえたかのようにぴったりです.「クライネ」自体はライカMシリーズ向けに設計されていると思われるので、X100TのシャッターボタンもライカMと同じ直径をしているということなのでしょう.
シャッターを切ったときの感触も、大きめのボタンを付けていたときとは段違いに押しやすいです.
FUJIFILM X100T
F2.8 ISO200 1/1500秒 ASTIA
天気が良かったので、そのまま歩いて新宿御苑に向かい、散策してきました.
梅や寒桜がほころび始めており、春が近いことを感じさせられます.
FUJIFILM X100T
F8 ISO200 1/290秒 Classic Chrome
このプラタナスの並木はいつ訪れても雰囲気があっていいですね.
2015/02/27
購入以来、お気に入りで日々持ち歩いているX100T.しかし手頃なケースが見つかりません.純正で革ケースが売られてはいますが、いわゆる「速射ケース」と呼ばれるたぐいのカバーの下半分を付けたまま撮影するタイプのものは撮影時に指に違和感があって好きではないのです.無印良品のポーチを買ってみたりしたものの、クッション性が皆無のためイマイチでした.
やはりここはカメラ用のケースにするべきか、ということでARTISAN&ARTISTのACAM-75というインナーケース的なるカメラポーチを購入しました.
FUJIFILM X100T
紙袋を折りたたんだような形状をしており、ゴムバンドで留める構造になっています.
FUJIFILM X100T
口の部分は折りたたみを考慮してか、手前と奥でサイズが異なっています.
外側が黒の製品は中は赤、外側が赤の製品は中が黒になっています.他にカーキ、ベージュ、グレーがあり、一回り大きな製品もあります.
素材は外側が綿、内側がポリエステル製です.
RICOH GR
フードをつけた状態のX100Tがぴったり収まるサイズです.
RICOH GR
X100Tを入れてゴムバンドを留めた状態.ゴムバンドなので内部に入れるものに応じてサイズが調整できます.
内部に入れるものによっても違いはあるかと思いますが、ころんとした形状で外側が滑らかな綿生地でできているので、ぽろっと落としやすいかもしれないと感じました.それから、ゴムバンドで留めるという方式上、開閉にはやや時間がかかります.
とはいえ、作りの良さはさすがARTISAN&ARTISTの製品です.X100Tにぴったりでもあるので、これからも活用されていくことでしょう.
2015/02/25
X100Tを購入してから約1週間.まだ本格的な撮影には持ち出せていないですが、感覚をつかむためにもろもろ撮影をしての印象など.
FUJIFILM X100T
F5.6 1/60秒 ISO2500 ASTIA
新宿でX100Tを購入し、とりあえず夕飯でもと入った「ボンベイ」で撮影.
X-T1で富士フイルムのカメラには慣れているとはいえ、フィルムシミュレーションの切替や色調の調整を簡単に行っただけで撮ったものですが、モニタを見てその色調の良さにさすが富士フイルムのカメラだと思いました.
FUJIFILM X100T
F4 1/60秒 ISO1000 ASTIA
カメラを購入した、マップカメラの1Fは時計売り場となっており、そのショーウィンドウを撮影.ガラス越しですが雰囲気良く撮れています.ショーウィンドウと背後の店内など、異なる光源のある状況でも期待通りの色合いになってくれます.
FUJIFILM X100T
F2 1/60秒 ISO2500 ASTIA
F2絞り開放で撮影.F4でも撮りましたが、比べるとF2のゆるさが際立ちます.建築物だときりっとシャープに撮れているほうがやはりいいのですが、この柔らかな照明にはF2のややふんわりとした雰囲気がよくあっているように感じました.
FUJIFILM X100T
F2 1/40秒 ISO6400 ASTIA
これもF2絞り開放で撮影.被写体的にはふんわりとした雰囲気はいらないの少し絞って撮りたかったのですが、F2開放でもISO6400で1/40秒なので手持ちでは限界でした.
NRとシャープネスをそれぞれ-1設定にして弱めにしかかけていないので、等倍で見ると煙や金属の光沢部分にノイズがのっていますが、許容範囲です.
FUJIFILM X100T
F4 1/56秒 ISO6400 ASTIA
歪み補正などを後処理で行っているかどうかはわかりませんが、建物を撮るのにも困らない程度には歪曲を感じません.
FUJIFILM X100T
F2 1/100秒 ISO320 ASTIA
FUJIFILM X100T
F2.8 1/100秒 ISO640 ASTIA
FUJIFILM X100T
F4 1/100秒 ISO1250 ASTIA
上から順にF2、F2.8、F4.近接域では絞り開放で「ふんわり」というレベルではないほどの収差が出ます.こうした印刷物のようなはっきりしたものを撮るとなおさら強調されます.
FUJIFILM X100T
F4 1/100秒 ISO1000 ASTIA
近接域で安定した画質を得るにはF4まで絞るのがよさそうです.
しかしながら、食べ物のような柔らかさを感じさせるものを撮るには1段絞ってF2.8くらいのほうが暖かさや雰囲気が出て好みです.
FUJIFILM X100T
F2 1/105秒 ISO400 ASTIA
F2で撮ることで苺の種の凹凸も感じられないほどにふわっと仕上がるのが、濃厚なタルトにあっている感じがしました.
FUJIFILM X100T
F5.6 1/4秒 ISO400 Velvia NDフィルタ
16:9モードで撮影.
人の流れをぶらしたいので1/4秒の低速シャッターで撮影しつつも、絞りはF5.6のままで.通常であれば露出オーバーですが、X100Tには3段のNDフィルタが内蔵されているので、手軽に低速シャッターが使えます.
また、絞りとシャッター速度を手動設定したのでマニュアル露出扱いではあるのですが、ISO感度をオートに設定してある場合にはISO感度を自動調節して適正露出にセットしてくれます.自分は大半の撮影は絞り優先オートで撮影しますが、今回のような動感を出したくてなおかつ絞りも手動で調節したい場合には重宝する機能です.
まとめます.
35mmという扱いやすい画角、F2という明るいレンズという組み合わせはオールマイティといえますが、そこに加えて絞り開放の癖のある画質が難しくもあり、面白くもある特性を感じます.同じ35mm F2(こちらはフルサイズですが)であるRX1の場合は絞り開放から画質のゆるさはほとんど感じられず、絞りはピントの合っている領域やボケ量を調節するもの、という感じです.初代のX100のころからレンズの基本的な設定は変わっていないようですが、ここまで癖のあるレンズを使い続けているのは設計者の意図やポリシーのようなものを感じます.
センサーはX-T1と同じX-Trans CMOS IIの1,600万画素で、高感度特性なども同じように感じました.どちらもISO6400を上限にセットして使っています.
画質面ではまったく不満がないのですが、ちょっと気になったのが操作や画面周りなどのユーザインターフェース.X-T1とX100Tでは開発部門が異なるのか、結構な違いを感じます.例えばフィルムシミュレーションではX-T1では単にシミュレーションのフィルム名が表示されるだけですが、X100Tの場合は「ASTIA/ソフト 落ち着いた発色とソフトな階調でしっとりとした表現に適します」などと説明文まで表示されます.このあたりの操作性はレンズ固定式/交換式を問わずに統一してもらいたいものです.
2015/02/23
X100Tの詳細について.
RICOH GR
見た目は非常に古くさいカメラのようです.富士フイルムはこの手のデザインのカメラが好きなようで、中判フィルムを使用したGF670W Professionalや35mmフィルムを使用したKLASSE W、さらにはインスタントカメラでもチェキ instax mini 90 ネオクラシックなどを出しています.ある意味、「オールドスタイルのカメラらしいカメラ」という形状にこだわりのあるメーカーといえるでしょう.
右下の「T」はX100Tの「T」です.X100/X100S/X100Tと3代続いたシリーズで、外見もちょっとずつ手が加えられていますが、基本的なデザインは共通なので、ぱっと見の識別点はここになります.
寸法は幅126mm × 高さ74mm × 奥行き52mm、重量440g.さすがにGRの幅117mm × 高さ61mm × 奥行き34mm、重量245gより大きく重いですが、手の込んだファインダとF2のレンズを搭載していることを考えると、こんなものかなという気がします.
RICOH GR
正面から.
デザインのアクセントにもなっている、特徴的なのが左上にあるレバー.これでOVF(光学式ファインダ)とEVF(電子式ファインダ)を切り替えます.構えたときに右に倒すことでOVFとEVFを切り替え、さらにOVFの状態で左に倒すことでOVFの右隅にERF(電子式レンジファインダ)と呼ばれるEVF画像を投影します.
右上にある四角い部分がファインダ窓です.EVFのときはここにシャッターが降りてEVF映像が表示される仕組みです.
少し見づらいですがレンズの両横に出ているのが絞りリング操作用のレバーです.レンズの突起がそれほどないうえに絞りリングとピントリングを備えているため、このようなデザインになっています.F5.6にセットしたときにきちんと真横を向くようになっているあたりが「わかっている」感がして好感が持てるところです.
レンズは23mm F2、フルサイズ換算で35mmです.やや癖のあるレンズで、マクロ域で絞りF2開放で撮影するとソフトフォーカス気味になってゆるい画像になります.1段絞ればかなり改善し、2段絞ればほぼ完璧に補正されます.RX1のCarlZeiss Sonnar 35mm F2は開放からシャープな画像で絞りは被写界深度やボケをコントロールするためのものといった雰囲気だったのと比べると大きな違いを感じます.また、同じ富士フイルム製でもXF23mm F1.4 Rではそのような画質にはならないので、あえて癖を残した設計なのかもしれません.
3段のNDフィルタを内蔵しており、また電子シャッターも搭載して最高速1/32000秒でシャッターが切れるので、夏の屋外でも絞り開放で撮影ができそうです.
RICOH GR
RICOH GR
上面です.上がオプションなしの状態、下がフードとサムレストを取り付けたもの.
上面のいわゆる「軍艦部」と呼ばれる部分には左から順にアクセサリシュー、シャッター速度ダイアル、シャッターボタン、シャッターボタンと同軸に電源スイッチ、露出補正ダイアル、Fnボタンがあります.左側の「FUJIFILM X100T」「FUJINON LENS SYSTEM」のロゴはエンボス加工され墨入れされており、質感があります.
シャッター速度ダイアルはロック機構なし.X-T1はロック機構つきだったのですが.その代わりに誤操作を防ぐために「A(オート」と「1/4000秒」の間隔を広めにとってあります.
シャッターボタンにはネジ穴が切ってあり、昔ながらのケーブルレリーズが使えます.もっとも、いまどきのカメラらしくWi-Fi経由でスマートフォンからリモート撮影できるので、ノスタルジックなデザインや飾り用のボタンを取り付けるアクセサリ用といえるかもしれません.そういえばRX1にもネジ穴がありました.ネジ穴に取り付けるレリーズボタンを用意しましたが、結局、なにも付けない状態が感触が最もよく、電源も操作しやすいので使用していません.
自由に機能を割り当てられるFnボタンはここを含めて全部で7ヶ所あり、ここにはAFスポット選択を割り当てています.
フードを付けるにはまずは最初から取り付けられている飾りリングを外し、フードに同梱されているアダプタリングを取り付けます.アダプタリングを使用しないとフィルタ取り付け溝もないのでフィルタすら装着できません.アダプタリングにバヨネット爪があるので、簡単に純正フードが取り付け可能です.気になったのはバヨネットフードのロック.一般的なバヨネットフードは最後にカチッとしたロックの感触があるものですが、それがありません.なので、どこかに引っかかったり緩んで外れてしまいそうな怖さがあります.
フードを取り付けることで見てのとおり結構出っ張ることもあり、OVFで撮影するときにも盛大にケラれます(フードが邪魔をしてファインダの右下の画像が見れない).とはいえ、やはりフードはほしいのと、格好いいのと、フィルタを付けたいのと、個人的にフードを付けているほうがピントリングを回しやすく感じるので、常に付けています.
困っているというか、なんとかしてほしいのがレンズキャップ.アダプタリングのフィルタ径が49mmなのに純正の49mmキャップは28mmワイドコンバータの補修部品扱いでしか入手できません.本来ならフードに同梱すべきではないかと思うのですが.
フィルタはRX1から引き継いだケンコーのZeta 49mm UVフィルタ.純正のシルバーのプロテクトフィルタも用意されていますが、フードを付けているとまったく見えないものなので、まあいいかなと.
サムレストは純正らしくシルバーの色味もよくあっているのですが、アクセサリシューにただ差し込んでいるだけなので、親指に力をかけると、若干ずれます.
RICOH GR
背面です.正面や上面からはクラシックカメラ感がしますが、さすがに背面は液晶モニタや操作ボタンがいまどきのデジタルカメラであることを主張しています.
操作系は液晶モニタをはさんで左右にわかれており、左側が再生時などに使うもの、右側が撮影時に使うものといった感じでしょうか.撮影時には左手はカメラを下からホールドして指先は絞りやピントを操作するので、当然といえば当然の配置です.
カーソルボタンの中央の「MENU/OK」ボタンを押すとメニュー画面が表示されるのは他のカメラと同じ.カーソルボタンはすべてファンクションボタンとして自由に機能を割り当てられるため、何も書かれていません.また、モニタ左の「ゴミ箱」「Wi-Fi」ボタンもファンクションボタンとして使用可能です.自分はカーソルの上にマクロのON/OFF、左にフィルムシミュレーション、右にホワイトバランス、下にISO感度、ゴミ箱にNDフィルタ、Wi-FiはそのままWi-Fiを割り当ててあります.
富士フイルムのカメラに特徴的な「Q」ボタンはメニューに入らなくても撮影設定などを変更できる簡易メニュー機能です.4×4=16個の機能を一画面に表示させて変更可能ですが、X-T1のファームウェア Ver.3.0と同様に各機能の配置を自由に変更できるようになったので重宝しています.
RICOH GR
ファインダの表示です.ファインダにGRのレンズを押し当てて撮ったのでやや不鮮明ですが.
これがOVF.光学ファインダに各種情報が投影されています.右下はレンズフードでケラれています.レンズフードをつけてなくてもケラれますが.
撮影枠はパララックス自動補正により、サイズが自動可変します.惜しいのは構図用の9分割グリッドがパララックス自動補正に連動しないこと.ファームウェアアップデートで対応してほしいところです.
パララックス自動補正を備えているとはいえ、視野率は92%.X100Sまでは90%だったので改善されて入るものの、厳密なフレーミングには向いていません.そのような場合は視野率100%のEVFをどうぞということなのでしょう.
RICOH GR
OVFにERF(電子式レンジファインダ)を投影したもの.ちょうどフードのケラレ部分に投影されるので、自分は常にオンにしてあります.EVFの映像を投影する部分に小さなNDフィルタを挟み込み、それにEVFを投影しているそうで、なかなかに手の込んだ仕掛けです.
OVFの中心部とERFの映像がずれているのは、マクロ領域のため.近接域はパララックス補正が難しいこともあってか、マクロ撮影モードに切り替えると自動的にEVFに切り替わります.
RICOH GR
これがEVF.遅延もほとんどなく、視野率100%で映像自体がすでに露出やフィルムシミュレーションが反映された映像なので、見たままが撮影できるという点では便利ではあります.が、光学式ファインダのほうがやはり自然な感じがして自分はEVFをサブ的に使っています.とはいえ、X-T1で慣れているせいか、EVFのまま使い続けても違和感はありません.
OVFとEVF、そしてOVFに映し出されるERFと、多彩なファインダを自由に切り替えて使えるのが、X100Tの他機種にはない最大の特徴です.
RICOH GR
底面.レンズと三脚穴が同軸上にありません.X-T1も標準ではずれていて、縦位置グリップを装着すると同軸上になりました.スナップメインのカメラなのでそれほどこだわっていない部分なのかもしれませんが、この辺の詰めはきちんとしていただきたいものです.
製造は日本.最近は徐々に国内メーカーの工場の日本回帰が多くなっていますが、初代のX100から日本製をひとつのアピールポイントにしてきました(そのため底面だけでなく背面にも「MADE IN JAPAN」と入っています.個人的には日本製はいいことなのですが、そこまで声高にアピールしなくても……という気がします).宮城県で製造しているそうで、初代X100の発売は2011年3月5日.生産が追いつかない状況だったところに震災でラインが破壊されて大変だったそうです.
RICOH GR
まとめます.
X100Tは一見するとクラシカルなフィルムカメラのようにも見えますが、中身は最新の技術が詰まったよくできたカメラです.ただ、このデザインを「古臭い」と嫌う人も一定量いそうな気もします.その場合はブラックモデルを選ぶと精悍さがあってよいかもしれません.
フルサイズ換算35mmという画角はオールマイティで、単焦点ですがこれだけで旅行に出てもほぼ困らないことでしょう.カメラはX100Tのみにして荷物を軽くして旅行に出かけたい気分です.
目下の悩みは、X100Tの購入によってX-T1の出番が少なくなりそうなことです……
2015/02/22
Apple iPhone 5s
購入するまでにもっとも迷ったのがボディカラーです.
X100Tにはシルバーとブラックの2色があり、X100/X100Sのときはシルバーが通常カラーでブラックは限定モデルのみでした.ブラックのほうが精悍なイメージで購入を検討した当初はブラックで決まりだろうと考えていました.
が、実際に店頭で触ってみると、シルバーの色合いがとてもいいのです.単純なシルバーではなく、チタンやニッケルを思わせる、重みのあるくすんだ鈍い輝きが魅力的なのです.結局、購入の前日まで迷い、最終的にシルバーを選びました.
下取りと購入を行ったのは新宿のマップカメラ.購入を前提にして下取りを行うことで査定額が10%アップするのです.いいお値段で下取りされたおかげもあって、本体と一緒に純正のサムレスト、予備のバッテリも購入しても追加で300円支払っただけですみました.
本体含めて購入したのは以下のとおり.
・X100T本体
・純正フード(中古)
・純正サムレスト
・予備バッテリ
・16GB SDメモリカード
・サードパーティ製レンズキャップ
・レリーズボタン
・ストラップ(ユリシーズ クラシコ・ドリット)
RICOH GR