2025/04/26

どこかにビューーン!で新潟へ

Category: 旅行・観光 — Annexia @ 22:29

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 年末の長野以来の「どこかにビューーン!」を使った旅行に出掛けてきました.選ばれた先は新潟です.ちなみに他の候補地は米沢、新青森、白石蔵王でした.
 新潟は食べ物も美味しいので行きたい場所でもあり、選ばれた時には嬉しかったのですが、実際に予定を立てようとして宿探しを始めた時に大きな問題に気づきました.ホテルの空きがまったくないのです.調べてみると、同じ日に新潟で大きなイベントがあって、新潟市内はおろか新幹線で移動できる燕三条や長岡などのホテルも予約されてしまっていたのです.そのような経緯もあってかなり変則的な行程を組むことになりました.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 行きは長岡で下車しました.「どこかにビューーン!」は目的地の手前で下車する分には問題はありません.ただし、そこから先の移動に関しては放棄したものとみなされて乗車券や特急券を買い直す必要があります.
 長岡で下車するのは初めてです.長岡といえば有名なのは花火.駅構内にも花火の解説がされていました.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 駅構内のNewDays(コンビニ)にはこのようなものも.松田ペットは長岡市内にあるペットショップで、道路沿いなどに手描き看板が貼られていることで有名です.看板は印刷ではなくすべて手描きなので、動物の顔が微妙に異なるのがマニア心をくすぐります.実際、この先の車窓でも見かけました.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 長岡から在来線特急「しらゆき」に乗り換えて、えちごトキめき鉄道の高田駅まで移動します.
 新潟県内には上越新幹線と北陸新幹線の2系統の新幹線が通っていますが、その間を結んでいるのがこの「しらゆき」です.新潟県は非常に長い県で端から端まで250kmほどあります.両端ではないにせよ、2つの新幹線はかなり離れているので特急列車が走っているというわけです.
 高田に行くなら北陸新幹線で上越妙高で下車するほうが東京からは近いのでは…… というのは重々承知なのですが、いかんせん今回の旅行は「どこかにビューーン!」の都合により決定されているのでこのような移動の多い行程になってしまうのです.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 東京と新潟の移動は「どこかにビューーン!」ですが、現地の移動手段として活用したのがこの「えちごツーデーパス」
 3セク(えちごトキめき鉄道、ほくほく線)も含めた新潟県内をカバーする乗り放題きっぷで、連続する金土日祝日の2日間(ゴールデンウィークや夏休み、年末年始も適用可能)使えて大人2,800円.しかも特急券を買えば新幹線も特急も乗車可能というのもありがたいポイントです.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 高田までやってきたのはお花見のため.ここ高田城址公園は「日本三大夜桜(他は上野、弘前)」と呼ばれる名所で、ちょうどこのタイミングで桜が満開だったので足を伸ばしてみたというわけなのです.
 高田駅から高田城址公園までは徒歩で20分くらいでシャトルバスも運行されていましたが、道路が大渋滞しているとのことで歩いたほうが早いかもしれませんという案内もあって歩いて行くことにしました.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 高田駅前です.昔は国鉄、JR東日本の信越本線の主要駅の1つでしたが、北陸新幹線の開業によって第3セクターのえちごトキめき鉄道に移管されました.とはいえ駅構内のNewDaysは健在だったりもします.駅前広場にも桜の木が植えられており、ここも満開でした.
 とくに意図したわけではないのですが2月以来、今年2回目の訪問となりました.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 高田城址公園のお堀にかかる橋から撮影.お堀沿いに桜が植えられており、向こうにかかる赤い橋の欄干もライトアップされており夜桜として見応えがありました.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 ですが、会場内に入るとあまりの人の多さに身動きもままならない状況でした.訪問前はあれこれ露天などで食べるものを考えていたのですがどこも行列で、かろうじて新潟名物のポッポ焼きが買えたくらいでした.
 そして駅に戻ってみるとホーム上も大混雑で、直江津行きの列車はちょっとした通勤電車並みの混雑ぶりでした.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 直江津から信越線経由で長岡まで戻り、新幹線で燕三条に向かいます.燕三条駅周辺にはホテルは数多くあるのですがイベントの影響で空きはほとんどなく、こまめにチェックして空きの出たところをようやく押さえることができました.
 高田で食事をするつもりだったもののそれも叶わず、この日の夕飯は燕三条ラーメンをいただきました.燕三条ラーメンは背脂が浮いた見た目はこってりとした雰囲気ですが、実際に食べてみるとスルスルと入る美味しさでした.ちなみにこの容器、熱々のラーメンが入っているのに触ってもまったく熱くありません.燕三条といえば金属加工で知られた街、その技術が活かされているのでしょうか.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 燕三条駅です.燕市と三条市の境界に作られた駅なので燕三条駅という名前なのですが、この2市はあまり仲が良くないことで知られており(最近はそうでもないともいわれていますが……)、駅名でもどちらを先に名乗るかで一悶着あったのだとか.燕市側にある広場に「燕側広場」と名付けられているあたりでもその片鱗が伺えます.
 ちなみにすぐ近くにある北陸自動車道のインター名は「三条燕」です.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 駅の出口名もよくある「北口」「南口」のような表記ではなく、「燕口」「三条口」です.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 前述したように燕三条は金属加工で知られた地域.Apple iPodの背面が鏡面仕上げになっていた頃は、すべてここで研磨して仕上げられていたこともあります.駅構内にはディスプレイケースが何列も設置されており、その中にはニッパーなどの工具から調理器具といった大量の金属加工品が展示されていました.せっかくなのでなにか買っていきたいところですが、昨日は燕三条駅に到着したのは22時過ぎ、翌日も出発が9時前なので店も閉まっており買えずじまいでした.
 とはいえ駅のNewDaysを物色していたところ、アルミ製のアイスクリームスプーンを発見したので購入.帰りの新幹線で早速実戦投入することにしました.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 燕三条駅は上越新幹線のほかに、在来線の弥彦線が通っています.弥彦線は名前のとおり弥彦神社に向かう路線で、弥彦線のホームに向かう方面には鳥居のディスプレイがありました.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 燕三条から弥彦線に乗車し、さらに吉田駅で乗り継いで弥彦駅に向かいます.
 この吉田駅は弥彦線と越後線の交差する駅なのですが、どちらも本数が少ないので乗り逃すと次は2時間後、みたいなことになってしまいます.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 燕三条から30分ほどで弥彦駅に到着です.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 この寂しげな終端部.絵に描いたようなローカル線の終着駅といった趣です.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 弥彦線自体は戦前からある路線なのですが、電化されたのが国鉄末期ということもあり、架線柱や架線の吊り方にコストダウンの跡が見られます.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 ローカル線の終端駅とはいえ弥彦神社の玄関口ですので、重厚感のある駅舎となっています.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 終端部と反対側の踏切から撮影.昨日の高田から100km以上離れた場所ですが、こちらも桜が満開です.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 弥彦駅から緩い上り坂を20分ほど歩いて弥彦神社に到着しました.歴史のある土地らしく、途中には巨大な大ケヤキなど見どころもあり、神社周辺には旅館や土産物店が並んでいました.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 あまり前知識もなく訪れましたが、歴史のある神社らしく建物がすべて立派な作りになっています.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 拝殿も重厚感があります.背後に見える山は弥彦山です.
 なお、参拝方法は二礼四拍手一礼です.出雲大社も同様なのですが、歴史のある神社に多いのでしょうか.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 こうして斜めから見ても奥行きのある荘厳な作りです.
 参拝後におみくじを引いたのですが、大吉でした.そして同行者も大吉、そのあとで引いたカップルも2人とも大吉.調べてみても大吉の出やすい神社、というわけでもないようなのですがすごい偶然です.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 弥彦駅から吉田駅に向かい、越後線に乗り換えて新潟駅に向かいます.本来であれば新潟駅近辺で昼食をいただく予定だったのですが、お目当ての店が混雑しており帰りの列車時刻に間に合わない可能性があったので、土産物店を冷やかし駅弁を買って帰宅の途につきました.
 新潟駅は上越新幹線の終着駅ということもあって、このように新幹線の並ぶ姿を見ることができます.E7/W7系は最高速度を抑えていることもあってか先端部がそれほど長くなく、色調も相まってデザイン的に好みです.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 駅弁はタレカツ重を選択しました.店で揚げたてのをいただきたかったところですが、次回の楽しみにとっておくことにしましょう.

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

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Nikon Zf + Voigtlander Nokton 40mm F1.2

 車内販売からシンカンセンスゴイカタイアイスを購入してスプーンを試してみることに.
 いつものプラスプーンでは立たせることすら厳しいのにすんなりアイスに刺さる!と思ったものの、どうやらやや柔らかめのアイスだったようです.とはいえ、指先にアイスの冷たさがしっかり伝わってきており、言い換えると指の熱がアイスに伝わっているということでもあるのでやはり効果は大きいようです.これでまた旅行に持って行く小道具が増えそうです(カトラリーケースが欲しいところです).

 出発/戻り時間の制約や、イベント開催による宿泊の問題などでやや不完全燃焼気味の旅行でしたので、新潟には改めて訪問したいと思いました.

2025/04/02

新京成、柴又、流鉄

Category: 旅行・観光,鉄道,食べ物 — Annexia @ 23:41

 2025年3月末をもって、新京成が京成に吸収されるというので、その前に乗っておこうと思い、ついでに周辺を観光してきました.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 まずは地下鉄千代田線から常磐線に直通して松戸駅にやってきました.京成に吸収されたのちには、京成松戸線と呼ばれるように、新京成の路線の中でも利用者数の多い駅です.
 新京成といえばピンク色がコーポレートカラーで、車体にもピンク色が使われています.車体前面には新京成のロゴが入っていますが、すでにロゴのない車両のほうが多いように見えました.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 訪れたのは2025年3月22日ですが、駅名標などはすでに京成のものに交換されており、上から新京成のものが仮止めされていました.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 番線表示はすでに京成の表記と同じものに交換されています.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 車内の路線図はまだ新京成のものですが、これも4月以降は京成のものに交換されるのでしょう.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 新京成といえば出自が旧日本軍の設備であることは有名な話です.
 線路の敷設練習などを目的として、路線が右に左に曲がっており、前面展望だとカーブの凄さがよく伝わってきます.
 京成津田沼近くになると単線になるのは知りませんでした.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 京成津田沼から京成高砂を経由して京成金町線で柴又にやってきました.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 柴又といえば「男はつらいよ」シリーズですが、駅前広場にもしっかり寅さんと見送るさくらの像が立っています.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 到着したのが昼時でしたので、参道にある川魚料理店に.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 鯉のあらいや鯉こくなどもありましたが、ここはスタンダードに鰻をいただきました.
 乱獲のニュースもあったりするのと、それほど鰻に思い入れもないので前回食べたのがいつだったか忘れるほどでしたが、久々にいただいた鰻は脂がのって美味しかったです.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 今回柴又にやってきた目的のひとつは、ここの草団子をいただくことでした.とりあえず小パックのものを購入し江戸川の土手を目指します.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 とはいえ、参道までやってきて帝釈天にお参りしないという選択肢はないので、参拝して御朱印をいただいてきました.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 帝釈天から歩いてすぐに江戸川の土手が見えてきます.
 草野球のグラウンドがあり、河岸には矢切の渡しがあり、ゆったりとした雰囲気です.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 天気のいい日でしたので、土手の草の上に腰掛けて自販機で買ったお茶とともに草団子をいただきます.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 たっぷりと入れられたヨモギで緑というよりは黒さすら感じるほどの濃厚な草団子です.
 草野球の練習風景を眺めつつ晴天下でいただく草団子は格別ですね.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 鰻に草団子と満腹になったところで腹ごなしに金町駅まで歩き、常磐線に乗って馬橋で下車しました.
 以前から乗りたかった流鉄に乗り換えます.Suicaなどの電子マネーには対応しておらず、それどころか自動改札すらない佇まいは都市部にある駅ながら旅の風情すら感じられます.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 元西武の車両で、これまた旅情感すら伝わってきます.車両は丁寧に使わている雰囲気を感じました.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 終点の流山に到着しました.駅数も距離もそれほどないので、気軽に終点まで行くことができます.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 編成ごとに塗装が異なり、そして名前が付けられているのが素敵です.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 駅舎の雰囲気も天然もののレトロさがあります.
 周囲は住宅地で別路線まで歩いていける距離でもないので、しばらく散策したのちに再び流鉄に乗って馬橋まで帰ってきました.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 再び松戸に戻り、松戸で夕飯といえばこれかなと思い富田食堂に行ってきました.

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 濃厚つけ麺をいただきました.食べたあとスープ割りをどうぞと言われたのですが、つけ汁が濃厚すぎて麺や具材によくからみ、食べ終えるとほとんど残っていなかったのでスープ割は諦めました.

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4 VM

 帰りは綾瀬で北綾瀬行きの3両編成の区画運転を楽しんだりしているうちに、せっかく切符を買ったのにメトロロマンスカーに乗り遅れるという大失敗をしてしまいました……

2025/02/23

雪見遠足で長野と上越に

Category: 旅行・観光,鉄道 — Annexia @ 23:00

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 自分が生まれ育った地域はまったくといっていいほど雪が降らなく、うっすらと地面が白くなる程度でも日常生活が滞るような場所でした.雪が珍しいので幼稚園児などは「雪見遠足」と称して富士山の麓にわざわざ出かけるほどです.
 今年は日本海側などは大量の降雪に苦しめられている反面、都内は雪が降っておらず、物見遊山で訪れるのも忍びないなと思いつつも北陸新幹線に乗り込んで降雪地域に出かけてきました.
 2月のこの時期はJR東日本管内は「キュンパス」と呼ばれる乗り放題きっぷの利用期間になっています.そのためか朝の時間帯の新幹線は普通席が混んでおり、行きはグリーン席を利用しました.

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 新幹線を長野駅で下車し、「しなの鉄道」に乗り換えます.
 本来であればしなの鉄道とえちごトキめき鉄道を乗り継いで新潟県内に入る予定でしたが、この日は雪の影響でしなの鉄道の黒姫-妙高高原駅間が運休になっていました.なので予定を変更することにしました.

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FUJIFILM X100VI

 ひとまずはしなの鉄道のホームに.停車していた車両はJR東日本の「おいこっと」です.この列車は豊野まではしなの鉄道線を走行し、そこから先は飯山線に入るのですが、飯山線も雪の影響でこの日は途中までの運行になるというアナウンスでした.

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 豊野駅で下車し、最初の目的地である小林製菓舗に向かいます.

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 お目当ては牛乳パンです.牛乳パンとは、ふわっとしたパンの間にミルクリームをサンドしたパンのことです.長野県は県内のあちこちのパン屋で牛乳パンが売られており、店によってクリームなどのバリエーションが様々です.
 小林製菓舗のパンは牛乳パンの中でも知名度もあり、一度食べてみたかったのです.牛乳パンを2個、コーヒー牛乳パンを1個購入し、1個を会社でシェアしましたが好評でした.

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 特徴的な絵柄をあしらった帆布のバッグも売られていたのでそちらも購入しました.

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 前述したように本来ならば新潟方面に向かう予定でしたが、いったん長野駅まで戻り、上越妙高駅まで新幹線で向かうことにしました.
 長野駅に向かう列車が115系でした.JR東日本やJR東海では111系から115系の車両はすでに引退しているので、久しぶりの乗車となります.寒冷地仕様で半自動ドア(開けるのは手動で、出発時は自動で閉まる)なのも懐かしさがあります.
 長野駅に戻る途中で、今度は新幹線が遅延しているとの情報が入ってきました.東北新幹線での車両故障なので雪の影響ではないのですが、遅延情報を確認すると自分が乗車する列車も15分ほど遅れており、上越妙高駅でのえちごトキめき鉄道への乗り換えが微妙です.

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 長野駅に着き、改札口の駅員に上越妙高駅での列車接続は可能かを確認したところ、情報が入ってきていないらしくわからないとの返答でした.
 まあ長野駅にずっといても仕方がないし、とりあえず行ってみるか…… と思いホームに降りてしばらくすると、反対側のホームに回送列車がやってくるとのアナウンスがあり、見ていたらやってきたのがEast iでした.在来線用のEast i-Eは見たことがありますが、新幹線のものは初めて見ました.この日はどうやら鉄道の運行には振り回されるものの、珍しい車両に乗ったり遭遇するという面では運がよいようでした.

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 20分ほど遅延してやってきた新幹線に乗り込み2駅先の上越妙高駅を目指します.2駅程度だったら自由席でもいいかなと思っていたのですが、200円程度しか変わらないので指定席を取ったところ、遅延の影響なのかキュンパスの影響なのか自由席車両に並ぶ列がそこそこあったので指定席にして正解でした.
 長野駅を出たあとの車窓は山々にうっすらと雪があり平地に雪がありませんでしたが……

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 飯山駅手前の長いトンネルを抜けた先は真っ白で、空もどんよりとしていました.

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 新幹線は途中の飯山駅でも乗降に時間がかかり(乗降に不慣れな海外からの観光客がスキー道具など大量の荷物を持っているので仕方がないところですが)、上越妙高駅には25分くらいの遅延で到着しました.到着前の車内アナウンスでは50分後の次の列車が案内され、接続どころではない状況であったので、鉄道はあきらめてバスに乗り換えました.バスも1時間に1本程度しかないのですが、10分程度の待ち時間で乗車することができました.

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 バスを待っている間も冷たい風とともに雪が降っていましたが、さらに強くなってきました.
 車窓にはこの地域特有の「雁木造」が見えています.

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 時間は13時を過ぎてしまいましたが、ここで昼食を取ることにしました.
 注文したのは天丼にアンコウの唐揚げです.天丼の味噌汁を追加料金でかに汁やあら汁、生あおさ汁に変更できるというので、生あおさ汁をお願いしました.鉄道で10分もしない距離に日本海に面した直江津がありますので、魚介類の鮮度はさすがです.
 お店の方いわく、この辺りの降雪は例年に比べたら少ないとのことでした.2月の上旬にまとまった量の雪が降り、それが残っているところに少し降っただけなのだとか.

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 満腹になったところで高田の街を散策します.
 ここ高田は「雁木造」と呼ばれる、店舗や民家の軒先が伸びて歩行者が雪や雨に降られないようになっている建物が有名です.以前にも一度、高田に来たことがありますが、そのときは初夏の暑い頃で雁木造のありがたみはまったく感じられませんでした.やはり冬に来なくてはダメだなと思い、こうしてやってきたというわけです.

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 それぞれ別々の建物なのに軒先が連なっている様は見慣れていない者にとっては新鮮に見えます.
 そして実際に雪に降られずに歩けることにその価値を感じることができました.

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 ちなみにこの歩いている場所ですが、自治体などの作った歩道ではなく私有地のようです.つまり各建物が1階のスペースを削って歩行者用に整備しているというわけです.

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 高田駅にやってきました.帰りは鉄道にて上越妙高駅まで戻ります.

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 自動改札ではなくクラシカルな木製の改札口です.
 とはいえ、3セク化される前のJR時代には自動改札が導入されていたそうなので(自動改札は3セク化時に維持管理コスト軽減のために廃止)、駅舎の雰囲気にあわせて作られたもののようです.なんていうか、わかってる感があっていいですね.

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FUJIFILM X100VI

 帰りの新幹線は定刻通りに上越妙高駅にやってきました.
 乗り換え時間が10分程度しかないので、ここはちょっと遅延してくれたほうが土産物売り場を冷やかすことができてよかったのですが.
 その後再び東北新幹線で車両点検があったとかで遅延が発生し、自分が乗った車両も東京駅混雑のため上野駅で10分ほど待たされてしまいました.
 日程の都合で日帰り、そして運休やダイヤの乱れに振り回される旅行でしたが雪に不慣れな自分としてはほどよく雪見ができたのではないかと思っています.

2024/12/30

2024年を振り返る – 旅行篇

Category: 旅行・観光,,鉄道 — Annexia @ 21:30

 1年を振り返る、旅行篇です.
 今年はいくつかの要因もあって、遠出することの多い1年でした.
 ひとつは車の買い替え.やはり新しい車に乗り換えたら旅に出たくなろうというものです.
 他にも、『大人の休日倶楽部』に入会して、『大人の休日パス』を使えるようになったことや、JR東日本のポイントを貯めての『どこかにビューーン!』を使っての旅行などが出かける回数の多い要因ですね.『大人の休日倶楽部』も『どこかにビューーン!』もJR東日本の施策に取り込まれている感がありますが、そこはあえて乗っかって利用していきたいものです.

1月:金沢

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Nikon Zf + NIKKOR Z 26mm f/2.8

 1月に能登を震源とした大きな地震があり金沢界隈の観光客が激減していること、そして3月に北陸新幹線が敦賀まで延伸することで関西圏から金沢まで直通する在来線特急が消滅してしまうので今のうちに乗っておきたいという2つの理由で冬の金沢に出かけてきました.
 東京から出発するのに金沢行きの北陸新幹線ではなく、わざわざ東海道新幹線で京都でサンダーバードに乗り換えて金沢に向かうという行程で、北陸線特急に長距離乗車するのも乗り納めかとややしんみりしました.能登の復興にあわせて関西圏から能登直行の特急を走らせるという話もあるようですが、新幹線に乗ってほしいJR西日本の意向を考えると、実現しても限定的なものになりそうです.
 金沢はたしかに人が少なく、ひがし茶屋街のような観光地でも閑散としていました.

4月:出雲・松江

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2

 こちらも鉄道車両の引退にまつわるもの.
 国鉄型特急車両の最後の生き残りといわれている、岡山と山陰を結ぶ振り子式特急の381系がもうすぐ引退するというので、一度乗っておきたいなと思って『サンライズ出雲』の空き状況を見ていたら、金曜に空きがあるのを見つけたので即座に予約を入れて、仕事帰りにそのまま夜行に乗って山陰まで出かけてきました.
 出雲や松江は行ったことのない地域なので、まずはスタンダードなところに行ってみようと思い、出雲大社に参拝して三段割子蕎麦をいただき、松江城を見て帰ってくるルートをとりました.帰りに松江から岡山まで381系に乗車しましたが、グリーン車だったこともあってか座っている分にはそれほどの不快感はなかったですね.とはいえ、車内を回っている車掌さんが「次は……」と言いかけたところで大きな揺れで座席にぶつかっていたり、途中でトイレに立ったものの、この揺れで用を足すのは不可能と判断して我慢することにしたくらいには暴力的な揺れでした.新型車両も振り子式車両ですが方式がまったく異なり快適になっているとの評判なので、いつか乗ってみたいです.

4月:長野(ロードスター購入)

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Nikon Zf + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

 ND2ロードスターが納車されたので、慣らし運転を兼ねて長野まで出かけてきました.
 ND1型(2015年式)からの乗り換えなので車両感覚は慣れているとはいえ、新車ということもあってシフトの渋さやステアリングの感触、足回りの動きに違いがあって、乗り慣れた車のはずなのになんか違うという不思議な体験でした.
 中央道と長野道経由で松本で一泊し、大町や長野市内を経由して小布施に行き、上信越道と関越経由で帰ってくるというルートでした.桜のシーズンはもう終わりかなと思っていましたが、まだまだ見頃で運転していても景色のよいところを走れてよかったです.

6月:上田(どこかにビューーン!)

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2

 田沢湖、上越妙高と続いて、3度目の『どこかにビューーン!』の行き先は上田でした.
 行ったことのない街なので楽しみではあるのですが、出発時間の選べない『どこかにビューーン!』の本領発揮とでもいうか(出発/到着のざっくりした時間帯は選べるものの便は選択不可)、東京駅出発が6時半ごろで上田到着が8時前.早朝で起きるのも大変ならば着いてもまだ店舗も開いておらず、行程を組むにも悩まされます.
 宿は以前から行ってみたかった別所温泉で決まりとして、それまでの時間をどうしようと思い、小諸まで足を伸ばしたりして過ごしました.途中でいただいた蕎麦や宿の食事など、美味しい食べ物をいただいた旅行でした.

7月:銚子

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Nikon Zf + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

 毎年のように出かけている銚子.やはりお目当てはイワシ料理.
 イワシ以外にも金目鯛などをはじめとした海産物で美味しい料理が多々あるのですが、だんだんと食が細くなってきてあれこれと食べられなくなっているのがつらいところです.

7月:足尾

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Nikon Zf + Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4

 『わ鐵』こと、『わたらせ渓谷鐵道』は以前から行ってみたいと思いつつも、なかなか行けていない場所でした.
 浅草から赤城まで特急で向かい、上毛電鉄で西桐生、桐生からわ鐵、というルートで鉄道の旅を堪能してきました.わ鐵は鉄道車両のカラーリングやデザイン、駅舎の雰囲気など、鉄道好きの心をくすぐるような路線でした.
 通洞駅で足尾銅山観光でトロッコに乗って坑道に入りましたが、ここもなかなかよかったです.本数が少ないので通洞から足尾駅まで歩きましたが、足尾駅の旧国鉄車両の展示なども風情があってよかったです.

9月:東北

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2

 車を新しくしたら、やはり遠出をしたいというもの.
 以前から行ってみたいと思っていた、岩木山と、そのふもとで食べられるとうもろこし『嶽きみ』を目当てに、弘前まで出かけてきました.
 行きは郡山まで東北道を走り、そこから内陸に入って猪苗代湖を回って会津若松、喜多方、米沢と回って山形で宿泊.翌日も秋田の内陸部を走ったところ、秋田内陸鉄道が走っているところを見かけて、ちょっとあれ乗ってみたいなと思ったのが翌月の東北旅行につながりました.

9月:八ッ場ダム

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Nikon Zf + Voigtlander Super Wide-Heliar 15mm F4.5 VM

 八ッ場ダムは完成間近のとき以来の訪問です.完成間近のときも近隣の道の駅はそこそこ賑わっていましたが、完成後は観光地として定着したようで、道の駅は駐車場も大半が埋まるほどの混雑ぶりでした.
 八ッ場ダム自体も来訪者が多くて賑わっており、ダム完成までの紆余曲折がいい方向に向かって観光地として定着した感じのように見えました.

10月:東北(大人の休日パス)

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FUJIFILM X100VI

 大人の休日倶楽部の会員の特典として『大人の休日パス』があり、1年に何回か、JR東日本の全区画(と3セクなど一部の私鉄)が5日間、新幹線も特急も含めて乗り放題という切符が発売されます.今回はその切符を使って東北のローカル線などを乗り継ぐ旅行をしてきました.
 秋田内陸縦貫鉄道 秋田内陸線は大人の休日パスの対象ではないですが、9月にロードスターで東北旅行に出た際に走行しているのを見かけて乗ってみたくなったので角館から鷹巣まで乗車しました.
 さらに金田一温泉に宿泊するなど、いつもと違った旅を楽しむことができました.

12月:長野(どこかにビューーン!)

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 II

 どこかにビューーン!を利用しての旅行、今年は上田に続いて2回目です.またしても長野県、しかも県庁所在地である長野です.
 定番の観光地である小布施を観光したのちに、長野の象徴ともいえる善光寺の宿坊に宿泊し、翌朝は夜明け前から参列して『お朝事』に参加してきました.善光寺は何回か訪れてはいますが、このようにしてしっかりと参列したのは初めてです.

 今年は結構あちこちに行きましたが、前述のような理由で東北から甲信越方面が多かったですね.
 たまには飛行機乗りたいなとか、西のほうにも行ってみたいなと思いつつもなかなか行けてないですね.

2024/12/26

どこかにビューーン!で長野へ(その2)

Category: 旅行・観光 — Annexia @ 23:18

 どこかにビューーン!で長野へ、つづきです.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 翌朝、6時20分ごろ集合で善光寺に向かいました.
 善光寺では日の出に合わせて「お朝事」と呼ばれる朝の法要が行われます.また、その前に数珠にて参拝者の頭を撫でられる「お数珠頂戴」という法要も行われます.
 この日のお朝事が始まる時刻は6時57分.日の出時刻に合わせて毎日1分ずつ時刻が変更されます.冬至の日には7時ちょうどになるそうで、自分が参加した日は冬至の3日前なので6時57分というわけです.
 なお、気温はマイナス3度.案内をしてくださる方から、宿坊にあるブランケットを持参するように言われましたが、確かに必須でした.夏場であればこんな寒い思いをせずに済むのに…… と思われるかもしれませんが、夏至の時期のお朝事は5時半から開始となるので、別の意味でつらそうです.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 賑わう善光寺も朝7時前ですとさすがに人通りが少ないですね.
 本堂前の石畳で「お数珠頂戴」をされたのちに、本堂に入って法要に列席しました.

 また、宿坊からガイドしてくださった方から興味深い様々な話を聞くことができました.
・善光寺というのは寺院としては珍しく、どこの宗派にも属していない(日本で宗派ができる前に建てられたため)
・ただし宗派が存在しないと管理もできないので、天台宗と浄土宗の2つの宗派が半分ずつ担当している
・なので「お朝事」が行われる1時間も、30分ずつ天台宗と浄土宗の法要が営まれる
・浄土宗の法要は時間がかかり30分には収まらないので、通常よりも早口で法要が行われる
・本堂の仏様にむかって左側が仏様のおられる世界、右側が現世を意味しているので、左側にて法要が営まれて、参列者も左側に座る
などなど、知らないことばかりでした.
 なお、「お数珠頂戴」は「お朝事」の開始前だけでなく終了後にもあり、開始前は天台宗の流儀で数珠の玉の部分で重量感のあるお数珠頂戴を、終了後は浄土宗の流儀で数珠の房の部分で軽く撫でるようにしてお数珠頂戴をされる、といった違いがあります.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 お朝事が終わると8時半近くになっていました.昨日と変わっていい天気です.案内してくださったかたいわく、昨日の朝は雪が降っていてお数珠頂戴も寒くて大変でした、とのことでした.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 宿坊にもどり、朝食をいただきます.精進料理とはいえ、なかなかのしっかりしたボリュームです.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 帰りの新幹線が12時過ぎなので、どこかを観光するほどの時間的余裕もなく、参道の土産物店などを冷やかしつつ長野駅まで戻りました.
 途中、いただいたおやき(野沢菜)がとても美味しかったです.おやきはスーパーなどでたまに販売されているものを買ったりしますが、作りたてということもあって油で炒められた野沢菜の旨みが感動的でした.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 土産物を買い込み、お昼は駅ビルで購入したソースカツ丼をいただきました.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 さらにシンカンセンスゴイカタイアイスとコーヒーを.
 宿坊に泊まり、お朝事に参加させていただいても煩悩はそう簡単には収まらないですね.