2018/03/10

『シェイプ・オブ・ウォーター』

Category: 映画 — Annexia @ 16:44

 映画『シェイプ・オブ・ウォーター』を観てきました.

 時代は1962年の冷戦下のアメリカ、政府の特殊研究所で清掃員として働く言葉の話せない主人公と、南米から極秘に運び込まれた半魚人の、言葉を使わないコミュニケーションを中心とした物語です.そこに冷戦下の米ソの互いに相手を出し抜こうとする思惑や争いが入り込んで、物語がもつれていきます.
 ふだん、言葉を主としてコミュニケーションをとっている自分を含めた大多数の人間からは想像のできない意思の疎通(相手はそもそも人間ではないですし)を軸として描かれたストーリー展開が斬新でした.

 また、ミッドセンチュリーが時代背景ということもあり、家具や建築物、自動車の装飾にも目を惹かれます.それに加えて特殊研究所のよくわからない機械類やらにも、ギレルモ・デル・トロ監督らしさというか、こだわりを感じます.

 そしてもう一つ、素晴らしいのが音楽.ゆらゆらと水面が動くようなゆったりとした音楽が映画の映像、そして世界観に馴染んでいます.映画を観た帰りに車の中でApple Musicでサントラを聴きましたが、改めていい音楽でいい映画だったなと思いました.とても気に入ったので、Apple Musicで聴き続けるのではなく、サントラを購入しました.

2018/03/02

『15時17分、パリ行き』

Category: 映画 — Annexia @ 23:59

 映画『15時17分、パリ行き』(注意:音が出ます)を観てきました.

 実際に起きた事件「タリス銃乱射事件」を扱ったもので、自分もあとから知ったのですが、実際にこの事件に立ち向かった3人が本人役として出演しています.つまり俳優ではなく素人を主役として起用しており、クリント・イーストウッドもなかなか大胆なことをするものだと思いました.

 主人公3人が子供の頃からストーリーが始まり、他の生徒や学校に馴染めず、でも人の役に立ちたいと思い軍隊に入隊するも障害が原因で希望する部隊に配属されず…… という、やや挫折感を含んだ話が展開されます.そして実際に事件に直面する前までの、いうなればグダグダの旅行が昼行灯的な印象を与えることで、その後の対テロリストの戦いを鮮明なものとして描き出しています.

 クリント・イーストウッドの実話を元にした映画というと、以前にも『ハドソン川の奇跡』を観たことがありますが、どちらも事件に直面した主人公たちの人間性や生き様をきちんと描いており、見ごたえのあるものになっています.