2024/10/21

大人の休日倶楽部パスで東北旅行(その1)

Category: 旅行・観光,鉄道 — Annexia @ 22:36

 JR東日本には50歳以上を対象とした「大人の休日倶楽部」という会員サービスがあります.
 こちらに加入していると、通年でJR東日本エリアの料金が5%引きとなります(65歳以上になると30%引き).
 また、期間限定で1年に何回か「大人の休日倶楽部パス」という切符が販売されます.これがなかなかの大盤振る舞いで、
・連続する5日間、JR東日本エリア全線乗り放題(新幹線や特急も含む)
・6回まで指定席発券可能
・えちごトキめき鉄道、IGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道、三陸鉄道なども全線乗り放題
と破格のサービスながら、価格が普通車用が18,800円(えきねっと発券の価格)、グリーン車用が35,000円なのです.この価格がどれだけ割安なのかといえば、東京-新青森の片道が17,670円であることを見ても明らかです.さらにJR北海道エリアも含めたものやJR北海道のみという切符も用意されています.
 今回はこの切符を使って、遅い夏休み第2弾として東北旅行をすることにしました.

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 5日間有効、とはいうものの、すでに夏休みとして3日使ってしまい、残りは2日のみ.土日を含めても連続して使える休暇は4日.
 なので、仕事帰りに帰宅せずそのまま夜出発で新幹線に乗り込みました.

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 「大人の休日倶楽部パス」含めて特急券もすべて事前に紙発券しておく必要があります.
 モバイルSuicaなどと連携してくれると発券の手間がなくて便利なのですが、JR東日本のエリアがすべてSuicaに対応しているわけではないのと、利用者の対象年齢を考慮しても紙発券するのが確実ということなのでしょう.

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 19時前の東北新幹線に東京駅から乗車し、21時過ぎに北上駅に到着しました.初めて降りる駅ですが、車の旅行ではこの近くに東北道の北上江釣子インターがあり、東西南北どちらでも向かえる交通の要衝みたいな場所なので比較的馴染みがあります.
 ちなみに、当初の計画では北上ではなく、上越新幹線で新潟に向かう予定でした.新潟で宿泊し、翌日の特急「いなほ」に乗車して秋田に向かうつもりが、羽越線内で大雨の影響で「いなほ」が新潟-酒田間運休になったとのことなのでやむなく計画変更したのです.

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 翌日.ここからが旅行本番なので1日目とでもいいましょうか.
 北上駅から北上線に乗って横手に向かいます.9時55分の便を乗り逃すと次は13時42分なので1本乗り遅れるだけで行程がすべて台無しになってしまいます.今回はローカル線の旅がメインなので、本数が少ない路線が多くて時間の把握に気を使いました.

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 JR東日本の非電化ローカル線ではよく見られる、キハ100系です.1両のみの運行で、大船渡線と運用が共通のようで車体には「ドラゴンレール大船渡線」のステッカーが貼られていました.
 大人の休日パスの期間だからか、車内はそこそこ席が埋まるほどの混雑ぶりでした.

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 横手に到着したら乗り換えまで40分ほどあるので、駅から少し歩いた幹線道路沿いのスターバックスにてコーヒーを購入しました.都市部の駅のように駅構内にテイクアウトのコーヒーが買える店が多いわけでもないので、コーヒーが飲みたい場合には事前に購入ポイントを調べておく必要があります.スターバックスやタリーズ、ドトールなどの店舗があればそこで調達し、なければコンビニで、となるのですがコンビニだって駅前に必ずあるわけではないですし.JR東日本は系列のコンビニチェーンとしてNewDaysを展開していますが、今回の旅行で見た感じでは、新幹線の駅であれば土産店も兼ねてほぼ出店されており、特急の停車駅でも必ずしも出店されているわけでもないようでした.先日訪れた酒田駅も駅構内の店舗はテナントの土産物店だけでしたし.

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 横手から奥羽本線で大曲に向かいます.車両はこの界隈ではよく見かける701系です.だいたい非電化路線だとキハ100/110系で電化路線だと701系なので、このあとも何度も乗車することになります.

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 大曲駅で乗り換えに40分ほどあったので外に出てみました.花火が有名な街だけあって駅舎に花火玉のオブジェがあり、駅壁面も花火らしきデザインがされていました.電飾のように見えるので、夜間になると点灯するっぽいです.

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 駅前の商店街も「花火通り商店街」です.一度は行ってみたい大曲の花火大会ですが、なにぶん遠距離なこと、そして交通渋滞が凄まじいと聞くので(オフィシャルサイトにも道路は夜中の2時3時まで渋滞しますとの案内が)、躊躇してしまいます.

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 大曲駅は在来線(奥羽本線)と秋田新幹線(田沢湖線と併用)の両方の路線があります.
 改札口は新幹線と在来線の共通で、さらにその先で新幹線用ホームがあるという二重構造になっています.

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 改札口を抜けた先に在来線と新幹線それぞれの方面の案内が出ています.

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 新幹線側のエスカレータを降りていくと新幹線用改札があるのですが、大曲駅で秋田新幹線はスイッチバックする構造になっており、線路を跨ぐような位置に改札口があります.
 かつての大曲駅は奥羽本線(福島、山形と経由して秋田、青森に向かう路線)がメインで、田沢湖線は盛岡と大曲を結ぶローカル線にしか過ぎませんでした.しかし奥羽本線の一部(福島-山形(のちに新庄)間)が山形新幹線となって線路幅の関係でが分断されてしまい、さらに盛岡から大曲までの田沢湖線と大曲から秋田までの奥羽本線が秋田新幹線となったため、運行系統が細切れ状に分断された奥羽本線よりも秋田新幹線の一部となった田沢湖線の方が優先度が高くなりました.ただし、田沢湖線は福島・山形方向に線路が敷かれており、新幹線になった時も改められなかったので、大曲駅で進行方向が変わってしまうのです.

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 スイッチバックなので、終着駅でもないのに車止めがあります.
 自分が乗る列車の前に、東京発秋田行きの列車が到着したので様子を見ていたのですが、さすがに短時間で準備を済ませて発車していきました.

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 大曲駅から乗車し、新幹線の駅でいうと1駅、10分ほどの乗車で角館駅で下車します.
 秋田新幹線区間は同じ線路を在来線が走行しているので新幹線に乗車する必然性はないのですが、在来線は本数が少なく、秋田新幹線が1時間に1本あるのに対して在来線の列車は2時間に1本、ひどい時は4時間ほど間隔が開くこともあります.なので次に来る列車に乗ろうとすると新幹線になってしまうことが多いのです.

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 角館で1時間ほど余裕があるので、角館駅前にあるJR東日本直営の宿「フォルクローロ角館」の飲食店で昼食をいただきました.
 いただいたのは、角館名物という御狩場焼き.狩で獲った鳥をその場でさばいて山椒味噌をつけて焼くという、佐竹北家伝承の郷土料理だそうです.秋田で鶏肉といえば比内地鶏.歯ごたえがあり、噛めば噛むほど旨味が広がります.
 大人の休日パスの特典として、NewDaysなどの店舗で割引が受けられるのですが、ここもJR東日本の店舗なので1割引でいただくことができました.

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 角館からは秋田内陸縦貫鉄道 秋田内陸線に乗車します.
 昨年、どこかにビューーン!で田沢湖に行った際に角館に立ち寄り、内陸線乗りたいなと思い、つい1ヶ月前にロードスターで東北旅行をした際にも内陸線と並走したことから、いつか乗ってみたいと思っていた路線なのですが、自分でもまさかこんなすぐに乗りに来るとは思ってもみませんでした.
 終点の鷹巣まで乗車しますが、途中で1回だけ下車できる「片道寄り道きっぷ」を購入しました.

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 座席には秋田犬の図柄があしらわれています.

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 窓下の飲み物などを置くトレイ部分には路線図が描かれており、ここにも秋田犬が.

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 阿仁合駅で途中下車しました.

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 阿仁合駅は秋田内陸線の中で主要駅の1つで、秋田内陸縦貫鉄道の本社もここにあります.
 駅構内には車庫や整備場があり、複数の車両やラッセル車なども停められていました.
 着いたのは15時過ぎですが、駅構内の売店が店を閉める時間だというのであわてて「バター餅」などを買い込みました.

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 次の列車が来るまで約2時間.旅行の計画を立てるときにあれこれ下調べをするのですが、2時間を使い切れるほどの見どころもなく、やや手持ち無沙汰な感じのところにきて雨も降り出してしまったので、とりあえず駅前にある、『阿仁のマタギ座敷 内陸線資料館』と書かれた建物に入りました.

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 中には最近まで使用されていた列車集中制御装置や阿仁合駅のジオラマ、そして秋田内陸線とその前身である国鉄阿仁合線と角館線ができた当時の新聞記事などが展示されていました.この新聞記事がとても興味深くて、昭和初期に阿仁合線(鷹巣駅から伸びる路線)が部分開業した際には町を挙げて大歓迎で新聞記事も楽観的な書き方をしているのですが、その後の延伸が進んだ記事には乗客減や赤字といった暗い話題が多くなり、1970年に部分開業した角館線(角館から伸びる路線)の記事にいたっては、できたものの1日3本しか列車がないとか暗い話題ばかりになっています(実際、開業のたった11年後には廃線が決定されています).結局その後、1986年に阿仁合線と角館線を国鉄から引き継いで秋田内陸縦貫鉄道 秋田内陸線が発足し、その3年後に両方の路線を繋ぐ部分が開業して、ようやく当初の計画の路線が完成したわけです.
 A駅とB駅を結ぶ路線を作ろうとして両端から工事を進めるも、資金不足や技術的困難から中断し、部分開業で収益の上がらない盲腸線が2本できるというパターンは国鉄時代にはあちこちにありましたが、地元がそれを引き継ぎ、完成させるというパターンはそれほど多くない気がします.三陸鉄道の南リアス線が同じようなパターンでしょうか(南リアス線の場合は片側から作り進めていっていますが).

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 ところで、『阿仁のマタギ座敷 内陸線資料館』と建物の入り口にあるように、秋田内陸線の展示物の先には座敷があり、熊がいました.

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 熊の毛皮の敷物に「どうぞすわってみてください」とあったので座ってみましたが、熊の毛皮など触ったこともないので座っても何だか落ち着きません.

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 座るとすぐ横には熊の剥製もありますし、どうにも居心地が悪いので早々に退散しました.
 阿仁合のある阿仁地区は「阿仁マタギ」と呼ばれる猟師で知られる地域であり、阿仁マタギをテーマにした温泉宿では熊、鹿、ウサギといったジビエ肉がいただけるようです.興味があるのですが、今回は行程の都合でそこへの宿泊は見送りました.

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 2時間後、やってきた列車に乗って鷹巣に向かいます.

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 秋田内陸線の車両は車体色がバリエーション豊かですが、やってきたのは青い車両.そして車内には秋田犬の写真があちこちに貼られていました.

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 鷹巣駅に到着しました.
 鷹巣駅はJR東日本との共用駅ですが……

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 JR東日本の駅名は鷹ノ巣駅です.もともとはどちらの駅も鷹ノ巣駅でしたが、秋田内陸線が全線開通した際に当時の町名の鷹巣町に合わせて改名したそうです.

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 鷹ノ巣から大館まで移動し、この日は大館にて宿泊しました.
 夕飯は事前に予約しておいた駅弁を駅前の店舗にて受け取ってホテルでいただきました.

 つづきます.

2024/07/15

どこかにビューーン!で上田へ(その2)

Category: 旅行・観光,鉄道 — Annexia @ 21:59

 どこかにビューーン!で上田に出かけた話の続きです.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 上田駅から宿を取ってある別所温泉に向かいます.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 上田駅の上田電鉄の切符売り場にて「別所温泉 外湯入浴券つききっぷ」を購入しました.
 上田駅と別所温泉の往復乗車券(途中下車不可)と外湯の入浴券2枚がセットになったものです.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 車窓には青々とした山々と田んぼ、青空に浮かぶ雲と、まさに上田を舞台にしたアニメ『サマーウォーズ』を彷彿とさせる光景が広がっています.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 上田駅から30分弱で終点の別所温泉に到着します.
 年季の入った駅舎ながら、丁寧に使われているのが見ていてもわかります.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 駅の手前には、かつて上田電鉄で使用されており、上田電鉄の顔とも言える存在だった「丸窓電車」ことモハ5250形が生態保存されています.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 駅には温泉までの送迎バスが待っていましたが、それには乗らずに歩いて向かいました.
 地図では気づかなかったのですが、温泉街まではずっと上り坂になっており、暑い日でしたのでバスに乗ればよかったかなと後悔しました.
 途中、北向観音に参拝します.南を向いた善光寺と、北を向いた北向観音で対になるとのことで両方を参拝するのがおすすめなのだとか.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 ひとり旅で難関となるのが旅館への宿泊です.都市部に宿泊するのであればホテルで問題ないのですが、温泉宿に泊まるのであればやはり旅館に泊まりたいもの.しかしながら予約しようとすると、検索条件で人数を1人とした途端に「条件に合うプランはありません」と断られるパターンがとても多いです.しかしながら、今回宿泊の『上松や』は、一人旅歓迎の宿と銘打っていますので、これは助かると思い予約しました.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 部屋で一休みし、とりあえず外湯にでもと思い、宿の近くにある「石湯」に.
 夕方だからか、地元の方で賑わっていました.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 旅館で楽しみなのはやはり料理.今回は「プレミアム会席プラン」にオプションとして馬刺しを追加しましたので、かなり豪勢な晩御飯となりました.部屋食とのことでしたので、まとめて運んできてもらい、自分のペースでいただきました.
 料理はどれも美味しく、多くの料理が長野県産の食材を使用しており、お刺身も信州サーモンと岩魚だったり、ご飯も地元で取れたコシヒカリでこれもまた美味しくおかわりしていただいてしまいました.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 朝食は会場にていただきましたが、部屋ごとにスペースを分けて用意されており、さらにサラダや具沢山の味噌汁、ご飯などをバイキングでいただく形でした.
 ふだん、朝食は軽く済ませる方なのですが、どれも美味しくて馬肉そばまで用意されており完食しました.

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Nikon Zf + NIKKOR Z 26mm f/2.8

 チェックアウト11時とゆったりできましたので、朝食後も部屋でゆっくりと過ごし、上田電鉄の電車の時刻に合わせて(1時間に1本しかないので要注意です)宿を出ました.
 再び上田駅に戻るも、この日は昨日と打って変わって、ときおり雨のぱらつくどんよりとした天候.14時過ぎの新幹線の時刻まで3時間ほどあるも遠出はできないので、駅から歩いて行ける範囲にある上田城址に向かいました.

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Nikon Zf + NIKKOR Z 26mm f/2.8

 上田城址には真田神社があり、ちょうど夏越の大祓の日でしたので茅の輪くぐりをさせていただきました.

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Nikon Zf + NIKKOR Z 26mm f/2.8

 眼下に新幹線が見えることからも、上田城が高台に築かれていたことがわかります.

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Nikon Zf + NIKKOR Z 26mm f/2.8

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Nikon Zf + NIKKOR Z 26mm f/2.8

 昨日に続いてお昼は「草笛」に.昨日は小諸にて「藤村そば」をいただきましたが、やはり名物のくるみそばとくるみおはぎは食べておきたいもの.ということで上田お城前店にて、くるみそばと追加でくるみおはぎをいただきました.甘みのあるくるみペーストを蕎麦つゆで溶いていただくくるみそばは甘じょっぱさが絶妙かつ、蕎麦つゆの量や混ぜ具合で好みに合わせられるのが魅力です.

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Nikon Zf + NIKKOR Z 26mm f/2.8

 帰りの新幹線の時刻も近づいてきたので、駅前にある飯島商店にて「みすず飴」を購入しました.登録有形文化財にも指定されている重厚な作りの建物で、しかもここで販売しているみすず飴は作りたてとのことでした.

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Nikon Zf + NIKKOR Z 26mm f/2.8

 『どこかにビューーン!』を使っての旅行はこれで3回目ですが、多少の選択はできるとはいえ、行き先も行き/帰りの便も自分では選ばないようなものだったりするので、言うなれば「お題」を与えられているようなもので、限られた条件の中でどう行程を立てるかという楽しみがあります.
 ポイントはかなりたまっているので、また時期を見て出かけたいと思います.

2024/07/09

どこかにビューーン!で上田へ(その1)

Category: 旅行・観光,鉄道 — Annexia @ 22:30

 どこかにビューーン!で上田に行ってきました.
 どこかにビューーン!を使うのはこれで3回目.1回目は田沢湖、2回目は上越妙高ときて、3回目は上田です.ちなみに他の候補地は、新青森、米沢、福島でした.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 どこかにビューーン!は出発時間帯と到着時間帯を選べるのですが、出発時間帯を6時から9時59分までの時間帯で指定したところ、6時28分発の列車が割り当てられました.こんな早い時間の新幹線は乗ったことがありません.しかもこの時間だと東京駅構内の店舗も営業しているところは限られており、旅行に出るとき東京駅近辺で立ち寄るスターバックスも営業前でした.
 しかもこんなに早く出発しつつも行き先は上田なので、1時間半ほどしかかかりません.なので8時前には到着してしまい、こちらもまだそれほど店が空いていない状況です.どこかにビューーン!は余剰座席の有効活用的な側面があるので、今回のように土曜出発で余裕のある列車となると早朝になってしまうのは仕方のないところでしょうか.
 とりあえず駅のコインロッカーに荷物を突っ込んで身軽になり、駅構内にあるタリーズで朝食とコーヒーをいただいて人心地つきました.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 上田といえば、以前から乗ってみたかったのが上田電鉄.でも乗車はあとにして、駅から歩いてすぐのところにある千曲川の鉄橋で撮影をしました.ここは5年前の台風被害で鉄橋が崩落した場所なのですが、護岸工事がしっかりとなされているように見えました.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 上田駅を発着するもう1つの私鉄、というか第3セクターのしなの鉄道に乗って小諸に向かいます.
 やってきたのは旧国鉄の115系.最近では見かけることもめっきり減ってしまい、しなの鉄道でも新型に置き換わりつつあるので徐々に数を減らしています.久々にうなりを上げるMT54モータの音を堪能しました.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 まずは小諸駅から少し歩いたところにある、北国街道の宿場町を散策します.
 素人目には昔ながらの建物なのか、古い建物を模して新たに作られたものかの判断は難しいのですが、落ち着いた雰囲気の通りでした.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 こんどは駅の反対側にある懐古園を訪れました.ここは以前は小諸城だった場所で、いまは公園や動物園、神社などがあります.

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 往時の建物は門などを除いてほぼ残っていないものの、石垣は残されています.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 朝のうちはどんよりとした天候だったのですが、懐古園を見学しているうちに徐々に晴れ間が見えてきて、急激に気温も上昇してきました.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 お昼は草笛にて藤村そばをいただきました.
 草笛は以前に長野駅の店は利用したことがあり、くるみそばが有名です.藤村そばは小諸にゆかりのある詩人、島崎藤村にちなんだもので、小諸本店のみの限定メニューとのことです.冷やしそばの上に、くるみ、かき揚げ、りんごの天ぷら、煮りんご、とろろなど具沢山です.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 列車の時間までまだ少し余裕があったので、駅前にある「停車場ガーデン」を散策しました.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 庭園の片隅は油庫がありました.油庫、またはランプ小屋と呼ばれるこの建物は、鉄道の運行に必要なランプ、そしてその燃料などの危険物を保管するための小屋であり主要路線の各所に設置され、その多くがレンガ造りとなっています.駅の改札外からアクセスできることからも、もはや駅の施設扱いではないようですが、倉庫かなにかとして使われてるようです.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 小諸から上田に戻ります.今度は新型車両のSR1系電車でした.

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Nikon Zf + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM

 上田に戻ってきた頃にはさらに日差しは厳しくなり、外を歩くのもままならないほどでした.温度計は29度を示していましたが、実際にはもっと暑く感じられました.街中を散策しようと思っていたのですが、もはやそんな余裕もなく、駅近くの喫茶店でアイスコーヒーを飲みつつ休憩.
 しばらく休んでようやく落ち着いてきたところで、駅に戻ってコインロッカーから荷物を取り出し、上田電鉄の改札に向かいます.
 つづきます.

2023/11/06

長野旅行

Category: 旅行・観光,,鉄道 — Annexia @ 23:21

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RICOH GR III

 9月も終わりになる頃に、長野まで出掛けてきました.

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RICOH GR III

 新幹線で長野に向かい、駅ビル構内にある蕎麦店「草笛」に.
 人気店らしく11時開店なのですが、開店前からウェイティングリストには結構な人数が入っており、待合室からあふれるほど人がいました.

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 店名を冠した「草笛セット」を注文しました.
 結構なボリュームのざるそばに、「くるみだれ」「とろろだれ」の2つのつゆがついています.さらにデザートとしてくるみおはぎが.
 くるみはペースト状になったもので供されるので、そこに好みでつゆをかけて溶いて好みの味に調節します.甘味のあるくるみだれでいただく蕎麦は初めての味覚ですが、蕎麦自体の美味しさもあってするすると食べてしまいました.

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 蕎麦をいただいたら長野電鉄の長野駅に.
 長野電鉄といえば、さまざまな鉄道会社から車両を購入することでも有名です.
 全面の帯こそ赤くなっていますが、日比谷線の車両ですね.

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 ほかにも旧成田エクスプレス車両、旧東急8000系、旧小田急10000形ロマンスカー、さらに昔の日比谷線車両と、走る車両博物館のようにもなっています.

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 小布施駅で下車し、小布施の街に向かいます.

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 小布施駅から見えた果樹園.ここだけでも栗やりんごなど、さまざまな樹木があります.
 駅構内には売店があり、シャインマスカットや、最近長野県が売り込みを強化しているらしいクイーンルージュといったぶどうをはじめとしたいろいろなものが売られていました.

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 小布施駅から数分ほど歩いたところに、栗菓子などを売る店舗や葛飾北斎の美術館が密集したエリアがあります.
 今回の旅行の最大の目的地といっていいのがここ、小布施堂の店舗「えんとつ」です.

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 今回のお目当て、「朱雀」です.新栗を蒸して裏漉ししたものを栗餡の上に載せたもの.砂糖を加えていないので、まさに栗そのものの味がします.栗が取れるシーズンのみの限定品です.
 この朱雀、非常に人気で以前は明け方から店舗に並んで整理券を入手しないと食べられないものでしたが、コロナ禍の影響により密を避けるためにネット予約に変更されたことで遠方からでもネットの争奪戦さえクリアできれば食べる権利を得ることができるようになりました.

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 上部の蒸した栗を裏漉しした部分は、まさに栗そのもの.なので一般に想像されるような栗菓子の甘みのようなものもなく、ややぼそぼそとした栗の風味がダイレクトに口の中に広がります.なので、口の中の水分を持っていかれますね.
 栗の品質がそのまま味に出るということで、毎年味がちょっとずつ違うといいます.チャンスがあればまた食べてみたいと思いました.

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 内部には栗餡が入っています.こちらは小布施堂好きとしては食べたことのあるお馴染みの味ですね.

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 小布施から長野駅に戻り、さらに特急で松本に移動して宿泊です.
 ホテルから松本城までは歩いて数分の距離なので、夕飯を食べに外出がてらライトアップされた松本城を眺めに行ってきました.
 改修工事が続いており、カラーで撮影するとブルーシートが目立ってしまうので.モノクロで撮影しました.黒白の濃淡が美しい城だと思います.

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 翌日は松本駅でレンタカーを借りて大町方面へ.
 駅レンタカーはいつも小型車の一番下のランク、車種指定なしで借りていますが、今回割り当てられたのはフィット.以前に旧型フィットを青森にて借りたことがあり、そのときはエンジンを切るたびにエコモードがオンになって踏んでも踏んでも走らないイライラする車でしたが(エコモードを解除すれば普通に走ります)、今回のフィットは最初の1回だけエコモードをオフにすればその後は設定を覚えていてくれるらしく、普通に運転することができました.
 前回の旅行で糸魚川で借りた日産ノートよりは運転しやすく感じました.

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 青木湖です.湖から足は出ていませんでした.
 この日はたまに雨がぱらつくような若干ぐずついた天候でしたが、そのせいもあってかやや幻想的な雰囲気でした.

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 再び松本駅に戻り、レンタカーを返却後に駅近くの喫茶店、翁堂にて昼食とケーキをいただきました.
 以前にここを訪れた際に、近くのテーブルで盛りのいいスパゲティを食べている人を見て、「結構量があるから大盛りかな」と思って、普通盛りのナポリタンを注文したところ、以前に見かけたボリュームのスパゲティがやってきました.どうやらここはいわゆる『盛りのいい』喫茶店というやつのようでした.いままで何度かきたことがあるのですが、毎回「たぬきケーキ」しか食べたことがなかったので気づきませんでした.周りのお客さんも老若男女問わず食べていて、このボリュームが受け入れられているのだなと感じました(小盛りもあります).
 とはいえ、昔ながらのナポリタンといった雰囲気で食べるとこれが美味しくてぺろっと完食してしまいました.夕飯は入りませんでしたけど.

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 一緒に注文したのがこれ.「大人のたぬきケーキ」です.
 ケーキなど甘味系で「大人の」という冠言葉がつくときはアルコールが使用されている製品であることが想像できますが、こちらも中身はラムボールです.

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 ラムボールなので、サイズ比較としてコーヒーカップと並べて上から撮影するとこんな感じ.豆狸ですね.

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 ラム酒を使ったサヴァランとかも好きなので、美味しくいただきました.この店の通常のたぬきケーキはバタークリームのロールケーキをベースとしたものですが、自分はこちらの方が好みですね.

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FUJIFILM X100V

 今回の旅行目的は「朱雀」を食べるためではあったのですが、それを除いても食べることが目的みたいな旅行になってしまいました.あれこれ食べ続けていた結果、旬の果物であるシャインマスカットやクイーンルージュをを食べられなかったのがちょっと反省点ですね.
 帰りの列車で信玄餅アイスを食べたところ、きな粉でむせてしまいました.アイスになっても信玄餅はきなこに要注意です.

2023/07/11

どこかにビューーン!で上越妙高へ(その2)

Category: 旅行・観光,鉄道 — Annexia @ 20:37

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 どこかにビューーン!で行く、上越妙高から日本海方面への旅行.2日目です.

 ホテルをチェックアウトし姫川駅から大糸線で糸魚川駅まで戻り、2日目の足として糸魚川駅でレンタカーを借りました.
 行程を組むときにレンタカーを使うんだったら「えきねっと」で割引チケットを買っておこうと思ったものの、よくよく考えたら糸魚川駅はJR西日本のエリアなのですよね.なんとなく新潟県はJR東日本のエリアという印象があります.

 駅レンタカーを借りるときはいつも小型車おまかせプラン的なものを申し込むのですが、今回は日産ノート(2代目)でした.走行距離は8万キロ以上と年季の入った車です.日産車はあんまり乗ったことがないせいか、アクセルもステアリングも自分の意図と挙動が異なり馴染めませんでした.自分のロードスターや実家のデミオなどのマツダ車の感覚でアクセルを踏むとガバッと急発進気味になってしまうし、カーブではアンダーステアになってしまいます.

 レンタカーを借りたのは鉄道ではアクセスしづらい「フォッサマグナミュージアム」と「フォッサマグナパーク」に行くためだったのですが、カーナビの「最近の検索履歴」に「フォッサマグナミュージアム」が出ていて、ああみんな行き先は同じなのだなと思いました.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 糸魚川駅から10分程度でフォッサマグナミュージアムに到着.
 結構な高台にあるので、歩きやレンタサイクルでは厳しいです.当初の計画では姫川のホテルから歩いて向かう予定でしたが、汗だくになって途中で挫折してしまったことでしょう.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 建物内は近隣の海岸で採取されたヒスイをはじめとした鉱物や化石などの展示を中心に、日本列島の発生とフォッサマグナの関わりなど、見応えのある展示です.
 石の鑑定もしてくれるそうなので昨日海岸で拾った石をポケットに入れておいたのですが、予約券が必要だそうで案内が見当たらなかったのでどのようにすればよいかわかりませんでした.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 今年名称登録された「北海道石」も展示されていました.
 北海道石の特徴である、紫外線を当てて蛍光がわかるよう展示されており、学芸員さん頑張ってるなという印象でした.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM

 フォッサマグナについて理解を深めたところで、では実際に見にいってみようということでフォッサマグナパークに.
 糸魚川-静岡構造線の糸魚川側の露頭を見ることができる場所です.静岡側ではこのような場所があるというのは話題にも出ないですね.他では山梨県でも見ることができるそうです.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM

 近くに寄って見ると、東西で地面の色が明らかに異なります.
 「西」が3-4億年前、「東」が1,600万年前だそうです.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM

 「ブラタモリ」でも紹介されていた、フォッサマグナ上にある酒造会社の説明パネル.
 地質によって水乗せ質が異なり、西の地質から流れる水の方が軟水でそちらを使っているとのことでした.
 もちろんこうして眺めても、ここに糸魚川-静岡構造線が通っているなんてことはわからないですね.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 糸魚川駅に戻ってレンタカーを返却し、駅近くにある店にて海鮮丼をいただきました.
 満席との案内でしたが聞いてみると空きがあるというので通してもらって注文を入れたものの、30分くらい経ってもやってこなく、結局は予定していた列車に乗り遅れる羽目に.とはいえ、帰りの新幹線まではそれなりに余裕をとってあったので次の列車でことなきを得ましたが.
 待った甲斐があって海鮮丼はなかなかに美味しく、この旅行の食事を締めるのにふさわしいものでした.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 糸魚川近辺はフォッサマグナやジオパーク、そして算出されるヒスイを全面に押し出しており、駅前にもこうしてホテルや土産物店があります.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 直江津で乗り換えて上越妙高駅に.
 本数の少ない路線ではあるのですが、こうしてその次の列車までホームで待機しているとどちらに乗ったらいいか、ちょっと迷ってしまいます.

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FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 上越妙高駅でお土産やら帰りの新幹線で食べるお菓子などを買い込み、「どこかにビューーン!」の復路の新幹線にて帰りました.
 上越妙高駅構内にある土産物店はそれほど大きくない店ではあるものの、その土地のものの魅力の詰まった土産物が多く取り揃えられており、ついついいろいろと買い込んでしまいました.

 今回のようなランダム性のある旅行プランでもないと下車することはほぼなかったかのような旅先ですが、こうして訪ねてみると見るところも多々あり、また実際に訪れることでもう少し見てみたいところも出てくるなど、季節を変えて再訪してみるのもいいかなと思う旅でした.