2024/02/12

ND5REロードスター試乗

Category: 物欲, — Annexia @ 22:04

 NDロードスターを購入したのが2015年7月.気に入って乗り続けてきましたが今年で9年目となります.大きな不調もないのですが、買い替えのタイミングをそろそろ検討してもいいころ.
 というタイミングでNDロードスターが発売以来最大となるマイナーチェンジをしたとのことで試乗してみることにしました.

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RICOH GR III

 マイナーチェンジの発表は2023年秋でしたが、発売は2024年の1月下旬.生産の遅れなどもあってディーラーに回ってくる試乗車もかなり限られている状態でした.なのでお世話になっているディーラーにも試乗車がなく、営業の方の運転する車で片道1時間かけて東府中の店舗まで出向き、試乗させてもらいました.

 最大のマイナーチェンジといわれていますが、実際に形式までもが変更となっており、従来のND5RCからND5REになりました.なので製造番号もND5RC-1xxxxxから始まり細かな修正が入るたびに2xxxxx、3xxxxxと変更されてきたものがリセットされてND5RE-1xxxxxになったようです.
 マイナーチェンジされた理由はハッキング対策としての法規制に対応するため.昨今の自動車には自動ブレーキや自動追従運転などの機能が装備されていますが、懸念されるのが外部からの違法な制御が入って操られてしまうこと.その対策をする必要があるため、今回のND5REではすでに規制対応になっているCX-60の電装系を流用して内部の電気系が一新されています.一新されたことでライトやマツダコネクトなどの電装品が従来のものが全て使えなくなったため、そうしたパーツ類も更新されるとともに、電子制御などにも手を加えて様々な面を改良したというのが今回のマイナーチェンジの特徴です.

 試乗したのはS Leather Package V Selection.ボディカラーはソウルレッドクリスタルメタリック、幌と内装はV Selection限定カラーのタン色です.今回買い替えを検討したのは、このタン色の幌と内装のモデルが登場したためというのが最大の理由でもあったりします.なので購入するとしたらこのグレード一択となります.
 エンジンの始動音は自分が乗っているND5RCの初期型と比べてもかなり控えめ.ND5RCも年次改良などの仕様変更で始動時にエンジンを軽く吹かすときの音が控えめになったそうで、この辺りは騒音規制対策という面もあるそうです.
 ディーラーの敷地内でもはっきりわかるほどに違いを感じたのはステアリング.非常に滑らかです.滑らかというと路面の感覚が分からなさそうなイメージもありますが、そうした感覚を伝えつつも雑味がなくなったとでもいうか、洗練された印象を受けました.またステアリングだけでなくエンジンの回転など様々な面で上質になった感覚があり、9年間の進歩というのを感じました.そのためか不思議なことに同じサイズの車なのに自分の車と比べて車が小さく感じるというかタイトな感覚があり、言い方を変えると一体感が増したような雰囲気がありました.運転していて気になったのはMTの3速が非常に入りづらかったこと.おそらくは個体差であろうし、試乗車ゆえの不慣れな運転でダメージを受けているのかもしれません.

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RICOH GR III

 V Selection専用のタン色の幌.従来の限定車で赤や茶色系などの幌がありましたがすべて単色でした.今回は生成りのような雰囲気を出すためか少し色が混ざっています.これはいいですね.

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RICOH GR III

 従来も限定車などでシートカラーが異なるモデルがありましたが、センターコンソールまで色を変えてきたのは今回が初めてです.さらにセンターコンソール部分も合皮でカバーされており、上質な印象を受けました.
 こうした内装のデザインはNAロードスター時代にあったグレード『V-Special』を彷彿とさせるものであり、今回の『V Selection』という名称もそれを意識したものになっていそうです.

 ボディカラーとしては現在のブルーリフレックスマイカに続いて青系統のものを選ぶつもりでいましたが、かなり暗めの青で晴天下でも日当たりによっては黒と見分けがつかないほどの色調で、求めているものとちょっと違うし、それに黒系統は汚れも目立つので別の色を…… と考えた時に、この試乗車の赤はかなりタン内装とあっているなという印象を受けたので今回はソウルレッドクリスタルメタリックにしました.

 ということで購入に至りました.
 オプションをいくつかつけて税金など諸費用を加えると420万円弱.驚くべきことに下取り価格が160万円を超えたので支払額は255万円.ND5RCの価格からかなり高くなりましたが、支払額はほぼ同額です.
 注文が多く入っていることに加えて地震の影響で部品の供給が遅れているそうで、納車は早くて4月、おそらくは5月の連休明けになりそうとのことでした.納車されたら慣らしを兼ねてドライブですかね.でもその前に今の車でもどこかに出かけたいものです.

2023/11/19

熊野旅行

Category: 旅行・観光, — Annexia @ 17:56

 実家に帰省したタイミングで「旅行に行きたい」という両親とともに熊野三山に出かけてきました.今回は鉄道ではなく、すべて車での移動となり運転手ということもあり、撮影は控えめな感じになりました.

 実家のある静岡県中部から熊野、つまり和歌山県に向かうには途中で愛知・三重を通過する必要があります.
 ルート的には大きく分けて
・渥美半島の伊良湖岬から鳥羽までフェリーを使うルート
・新東名→伊勢湾岸道を使って名古屋を経由するルート
の2つのルートがあります.
 フェリーを使うルートは、運転者が楽をできる反面、フェリーの時間に合わせないといけないので行程がタイトになり、なおかつ車1台と大人3人分の船代が高くつきます.
 高速道路をひたすら走るルートは時間の自由度はある反面、長時間の運転となってしまいます.
 今回の旅行では親の車を自分が運転するので、できればフェリーを使って楽をしたいと思い時間に余裕を持って出発したのですが、残念ながら渋滞に巻き込まれてしまい、フェリーには間に合わず途中から高速道路ルートに変更するという、変則的かつ距離も疲労も多めという残念なルート取りとなってしまいました.


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RICOH GR III

 そうした経緯もあって、昼食を鳥羽でとる予定も若干遅くなってしまいました.
 昼食は三重らしくエビの乗った伊勢うどん.

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RICOH GR III

 宿に入る前にまずは街中にほど近いところにある熊野速玉大社に参拝.
 この辺りは年中柑橘類の取れる地域とのことで、神社を出たところにみかんを売る店があったので購入しました.

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RICOH GR III

 宿は紀伊勝浦の近くにある「ホテル浦島」に.半島が丸々ホテルになったような巨大ホテルなのですが、その中でも見晴らしのいい建物を選びました.
 チェックイン後、案内のままにロビーを進んでいくとエスカレータがあり、降りるとさらにエスカレータがあり、さらに…… と、4,5回くらい長めのエスカレータを乗り継ぐ、というより上った先に部屋がありました.
 ちなみに降りるときはエレベータが用意されているのでエスカレータを使う必要はありません.なんていうか、こうしたちょっとびっくりさせてやろう的な演出がバブル的でもあり、関西っぽいなとも感じました.
 写真の和室にさらにベッドのある洋室のついた広めの部屋を取り、食事も鮑つきのセットでバイキングつき、温泉は洞窟風呂など、なかなかの至れり尽くせりで1人3万円ちょっとという価格を考えると満足感がありました.

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RICOH GR III

 翌日はまずは熊野那智大社に.
 ホテルをチェックアウトするくらいまでは天気もよかったのですが、熊野古道の大門坂を見物していたあたりから徐々に雨がぱらつき始めてしまいました.どうもここしばらく、旅行のたびに雨に降られてしまう傾向にあります.

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RICOH GR III

 そういえば以前に那智の滝を訪れたときも天気が悪かったんだった、というのを那智の滝を眺めながら思い出しました.

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RICOH GR III

 続いて熊野本宮大社に.
 熊野三山のなかでも熊野本宮大社はかなり山奥にあり、海沿いの道から1時間くらい走った先にあります.
 その途中もかなり雨が厳しく、到着しても本降りでした.熊野本宮大社は階段を上った先にあるので、雨の日は気を使いますね.

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RICOH GR III

 帰りも高速道路を使い名古屋経由で帰宅しました.
 途中の道の駅で食べた、土地の名物である「めはり寿司」と「さんま寿司」.めはり寿司は高菜の漬物でくるんだおにぎりのようなもの.ごはんはおかかごはんでした.

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RICOH GR III

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RICOH GR III

 お土産として買ってきた「もうで餅」.熊野三山、それぞれに売店があって売られているそうです.自分は熊野本宮大社で購入しました.賞味期限が3日程度しかなく、日が経ってしまうと固くなってしまいます.
 期限ぎりぎりの3日目に食べた感じでも柔らかかったですが、現地で試食したものがつきたての餅って感じの柔らかさで、なるほど早く食べなくてはダメだなと思いました.

2023/11/06

長野旅行

Category: 旅行・観光,,鉄道 — Annexia @ 23:21

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RICOH GR III

 9月も終わりになる頃に、長野まで出掛けてきました.

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RICOH GR III

 新幹線で長野に向かい、駅ビル構内にある蕎麦店「草笛」に.
 人気店らしく11時開店なのですが、開店前からウェイティングリストには結構な人数が入っており、待合室からあふれるほど人がいました.

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 店名を冠した「草笛セット」を注文しました.
 結構なボリュームのざるそばに、「くるみだれ」「とろろだれ」の2つのつゆがついています.さらにデザートとしてくるみおはぎが.
 くるみはペースト状になったもので供されるので、そこに好みでつゆをかけて溶いて好みの味に調節します.甘味のあるくるみだれでいただく蕎麦は初めての味覚ですが、蕎麦自体の美味しさもあってするすると食べてしまいました.

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FUJIFILM X100V

 蕎麦をいただいたら長野電鉄の長野駅に.
 長野電鉄といえば、さまざまな鉄道会社から車両を購入することでも有名です.
 全面の帯こそ赤くなっていますが、日比谷線の車両ですね.

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 ほかにも旧成田エクスプレス車両、旧東急8000系、旧小田急10000形ロマンスカー、さらに昔の日比谷線車両と、走る車両博物館のようにもなっています.

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 小布施駅で下車し、小布施の街に向かいます.

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 小布施駅から見えた果樹園.ここだけでも栗やりんごなど、さまざまな樹木があります.
 駅構内には売店があり、シャインマスカットや、最近長野県が売り込みを強化しているらしいクイーンルージュといったぶどうをはじめとしたいろいろなものが売られていました.

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 小布施駅から数分ほど歩いたところに、栗菓子などを売る店舗や葛飾北斎の美術館が密集したエリアがあります.
 今回の旅行の最大の目的地といっていいのがここ、小布施堂の店舗「えんとつ」です.

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 今回のお目当て、「朱雀」です.新栗を蒸して裏漉ししたものを栗餡の上に載せたもの.砂糖を加えていないので、まさに栗そのものの味がします.栗が取れるシーズンのみの限定品です.
 この朱雀、非常に人気で以前は明け方から店舗に並んで整理券を入手しないと食べられないものでしたが、コロナ禍の影響により密を避けるためにネット予約に変更されたことで遠方からでもネットの争奪戦さえクリアできれば食べる権利を得ることができるようになりました.

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 上部の蒸した栗を裏漉しした部分は、まさに栗そのもの.なので一般に想像されるような栗菓子の甘みのようなものもなく、ややぼそぼそとした栗の風味がダイレクトに口の中に広がります.なので、口の中の水分を持っていかれますね.
 栗の品質がそのまま味に出るということで、毎年味がちょっとずつ違うといいます.チャンスがあればまた食べてみたいと思いました.

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 内部には栗餡が入っています.こちらは小布施堂好きとしては食べたことのあるお馴染みの味ですね.

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 小布施から長野駅に戻り、さらに特急で松本に移動して宿泊です.
 ホテルから松本城までは歩いて数分の距離なので、夕飯を食べに外出がてらライトアップされた松本城を眺めに行ってきました.
 改修工事が続いており、カラーで撮影するとブルーシートが目立ってしまうので.モノクロで撮影しました.黒白の濃淡が美しい城だと思います.

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 翌日は松本駅でレンタカーを借りて大町方面へ.
 駅レンタカーはいつも小型車の一番下のランク、車種指定なしで借りていますが、今回割り当てられたのはフィット.以前に旧型フィットを青森にて借りたことがあり、そのときはエンジンを切るたびにエコモードがオンになって踏んでも踏んでも走らないイライラする車でしたが(エコモードを解除すれば普通に走ります)、今回のフィットは最初の1回だけエコモードをオフにすればその後は設定を覚えていてくれるらしく、普通に運転することができました.
 前回の旅行で糸魚川で借りた日産ノートよりは運転しやすく感じました.

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 青木湖です.湖から足は出ていませんでした.
 この日はたまに雨がぱらつくような若干ぐずついた天候でしたが、そのせいもあってかやや幻想的な雰囲気でした.

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 再び松本駅に戻り、レンタカーを返却後に駅近くの喫茶店、翁堂にて昼食とケーキをいただきました.
 以前にここを訪れた際に、近くのテーブルで盛りのいいスパゲティを食べている人を見て、「結構量があるから大盛りかな」と思って、普通盛りのナポリタンを注文したところ、以前に見かけたボリュームのスパゲティがやってきました.どうやらここはいわゆる『盛りのいい』喫茶店というやつのようでした.いままで何度かきたことがあるのですが、毎回「たぬきケーキ」しか食べたことがなかったので気づきませんでした.周りのお客さんも老若男女問わず食べていて、このボリュームが受け入れられているのだなと感じました(小盛りもあります).
 とはいえ、昔ながらのナポリタンといった雰囲気で食べるとこれが美味しくてぺろっと完食してしまいました.夕飯は入りませんでしたけど.

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 一緒に注文したのがこれ.「大人のたぬきケーキ」です.
 ケーキなど甘味系で「大人の」という冠言葉がつくときはアルコールが使用されている製品であることが想像できますが、こちらも中身はラムボールです.

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 ラムボールなので、サイズ比較としてコーヒーカップと並べて上から撮影するとこんな感じ.豆狸ですね.

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 ラム酒を使ったサヴァランとかも好きなので、美味しくいただきました.この店の通常のたぬきケーキはバタークリームのロールケーキをベースとしたものですが、自分はこちらの方が好みですね.

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 今回の旅行目的は「朱雀」を食べるためではあったのですが、それを除いても食べることが目的みたいな旅行になってしまいました.あれこれ食べ続けていた結果、旬の果物であるシャインマスカットやクイーンルージュをを食べられなかったのがちょっと反省点ですね.
 帰りの列車で信玄餅アイスを食べたところ、きな粉でむせてしまいました.アイスになっても信玄餅はきなこに要注意です.

2023/10/15

遠野旅行(その3)

Category: 旅行・観光, — Annexia @ 09:22

 遠野旅行、その3です.

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RICOH GR III

 遠野市博物館を出たのは15時過ぎ.まだ暗くなるには時間もあるし…… ということで、駅までの1km弱の距離を散策してみることにしました.
 遠野駅はクラシックな雰囲気かつ風格があって好きですね.以前はこの2階にJR経営の宿泊施設があったのですが、建物の老朽化に伴って今は閉館してしまいました.また駅舎自体も建て替えの予定があるのだとか.
 駅舎の面積に応じて税金も上がるので、駅ナカなどの物販が見込めないような地方の駅舎については建て替えられるとその大半が縮小されてしまう昨今、遠野駅も建て直されたら現在のような風格のある駅にはならなさそうでちょっと不安です.

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 駅に貼られていた、「カッパを探しています」のポスター.内容もさることながら、なんともいえないイラストが味わい深いです.

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 街中にあった、老舗の菓子店.
 旅行に出る前に、その土地の名物のお菓子(お土産として買えるようなもの)を検索したりするのですが、遠野の名物というと「明がらす(あけがらす)」が有名なようです.
 店内では、その明がらすを試食させていただき、どのようなお菓子であるかを説明いただきました.他では食べたことのないような不思議な食感というか、お餅と落雁の中間のような感じです.棒状に作ったものを切ったときに、その断面にあるクルミがカラスの飛ぶような形をしていることから「明がらす」と命名されたそうです.
 その明がらすと、山葡萄の果汁を使用した「ぶどう飴(こちらは飴というよりはゼリーのようなもの)」を購入しました.

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 パッケージや紙袋がモダンクラシックな雰囲気でいいですね.

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 この日も夕飯はジンギスカン.

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RICOH GR III

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RICOH GR III

 今回注文したのは「生ラム食べくらべ5種盛り定食」.食べ比べの味の違いはさておき、どれも美味しいですね.なかなか普段の生活でジンギスカンを食べることもないので次に食べられるのはいつかな、と思いつつ食べました.

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 翌日はどんよりとした天気であるものの、雨は止みました.
 ホテルをチェックアウトし、「遠野伝承園」に.

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 遠野伝承園は前日に訪れた遠野ふるさと村と同様の曲がり屋をはじめとした建物などがコンパクトにまとめられています.
 また、初日に訪れた「カッパ淵」も歩いて行ける距離にあり、遠野を短時間で楽しむのに向いた施設といえます.

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 建物のひとつの奥には「オシラサマ」と呼ばれる場所があり……

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 昨日訪れた遠野ふるさと村や遠野市博物館でも見かけたオシラサマが祀られています.
 周囲にあるものは願い事を書いた布.部屋にある布に願い事を書いて、オシラサマにかけるのです.

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 遠野の街を出て北上方面に向かう途中で立ち寄った「道の駅 遠野 風の丘」でソフトクリームをいただきました.
 ふだんはアイスを食べることって自分はそれほど多くはないのですが、旅行に出てソフトクリームが売られているのをみるとつい買ってしまいます.
 建物のすぐ横を釜石線が通っており、その向こうには田園風景の広がる、見晴らしのいい場所です.

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 遠野から都内まで600km近くあるのと、まだ日程に余裕があるので途中の郡山で一泊することに.
 以前から訪れてみたいと思っていた「フルーツピークス」の本店に.
 都内にもテイクアウトで出店していますが、ここはイートインができるのです.

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 どのメニューも魅力的で迷ってしまい、結局は季節のメニューであるシャインマスカットパフェに.
 店舗の中央が入り口となっており、右手が果物店、左手がパフェやタルトなどの店舗であることからもわかるように、フルーツの品質はさすがです.一緒に注文した紅茶も美味しく、人気があるのも納得だと感じました.

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 翌日は移動するだけという感じで、途中で那須高原のサービスエリアに立ち寄ってまたソフトクリームをいただき、さらに産直店舗で新米を買って昼過ぎには帰宅しました.

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 走行距離は1,200km弱.この距離だと一般的には鉄道を利用して現地に向かい、レンタカーを借りるパターンが多いかと思われます.
 とはいえ自分の車でドライブしたいもの.それから地方の交通量の少ない道路を走るのはやはり楽しい、という点を考えると自分の車で出かける方を選んでしまいます.一時期あったような「カートレイン」のようなものがあれば喜んでそれを使うのですが、まあ復活はしないでしょうね……

2023/10/09

遠野旅行(その2)

Category: 旅行・観光, — Annexia @ 18:51

 遠野旅行、続きです.

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RICOH GR III

 翌日、ホテルからの眺め.山々を覆うかのように雲が立ち込め、道路は濡れています.
 まだこの段階では小雨レベルでしたが、昼くらいから本降りになるという予報でした.

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 気になっていて見に行きたかったスポット、茅葺き屋根のバス停待合所.
 遠野にはこうして一般の建物でも茅葺き屋根の建物があったりします.茅葺き屋根の技術や素材を残すという目的もあるようです.
 田んぼの真ん中に茅葺き屋根の小屋があるところもあってそちらも見たかったのですが、悪天候なこともあって今回は見送りました.

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 田んぼは借り入れの時期で晴れたいたら日差しに映える黄金色の稲穂を見ることができたのでしょうけど、この天候なので仕方ありません.
 とはいえ、これはこれで風情があると思いました.

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 続いて訪れたのは「遠野ふるさと村」
 古民家などを移築した施設で、遠野のかつての姿を残しています.

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 遠野の古民家の特徴は、「曲がり家」と呼ばれる建物がL字型をした構造にあります.
 この写真の左側が馬を飼う厩舎、右側が人が住む母屋となっています.

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 いくつかの建物ではこうして実際に馬が飼われていました.

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 内陸から釜石や宮古などに荷物を運ぶときに馬が利用されており、遠野の人たちはその運搬で稼いでいたそうです.
 母屋からもこうして馬の姿を見ることができ、かつての遠野が馬を大事にしていたことを感じさせられます.
 また現在もJRAなどによる「遠野 馬の里」という施設があり、馬市場として馬の競りも行われています.

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 建物の中は自由に入れるようになっています.
 かまどでは火が起こされています.これは煙で茅葺き屋根を燻して防虫対策をしているのだと以前に聞いたことがあります.

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 奥座敷には「オシラサマ」が飾られていました.
 オシラサマは、自分の娘と飼っていた馬が結ばれたことに怒った父親が馬を殺してしまい、泣く娘の前で馬の首を切り落としてしまったところ、その馬の首と一緒に娘が天に昇ってしまったという言い伝えの像です.なのでよく見ると左の夫の頭が馬になっています.
 「遠野物語」にはこうした言い伝えがたくさん残されています.おそらくそうした民話のたぐいは昔はどの地域にもあったのではないかと思いますが、明治末期という絶妙な時期に口承にて記録されたことで遠野の街が民話の里として有名になったのだと思われます.

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 見ているうちに雨はどんどん本降りになってきてしまいました.
 平日の悪天候ということもあって、自分の他は観光客や海外から来たと思われる2人組以外はおらず、ほぼ貸切状態でした.
 入り口で「全部見て回るにのに40分くらいかかります」という説明を受けたのですが、じっくり見て回っていたら2時間ほどが経過していました.

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 午後になり、昼食を食べた後も相変わらず雨が降り続けているのでホテルの駐車場に車を停めて、ホテル横にある遠野市立博物館に.日本初の民俗専門博物館だそうです.

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 展示内容は遠野の歴史や人々の生活、そしてやはり遠野物語の世界を中心に展示されています.
 これは遊びに来ていた天狗の遺品とされるもの.現実と空想というか伝説的なものとの境界線ともいえるような展示というのは、見ていてあれこれ想像を掻き立てられます

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 遠野の民家で祀られていたオシラサマやオシメサマなどと呼ばれるもの.
 祭日には1枚服を着せるとか、火事になっても焼けずに残ったとか身体の悪いところを撫でると治るとか言い伝えがあれこれあるそうです.

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 特別展「遠野物語と呪術」.
 当初旅行の計画を立てていたときには開催は知らなかったのですが、ちょうど自分が滞在する期間が会期末期ということもあって、タイミングよく見ることができました.
 呪術、といっても呪うものだけに限らず、玄関に貼るお札のようなものやおまじないなど多岐にわたる展示です.

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 展示は撮影可能、ただし撮影することで『写り込んでしまった不可解な”何か”についての責任は、当館では一切負いません』とのこと.

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 民家などに貼られた、魔除けのお札.
 なんか西洋の悪魔っぽい雰囲気も感じられますが、これは鬼.高名なお坊さんが邪悪なものを祓うために自らが鬼となった姿を弟子に描かせたものなのだとか.

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 いろいろなものが描かれたお札.
 疫病よけ、作物を猪や鹿から守る、火事を防ぐなどいろいろ.こうしてみると、昔も今も怖いもの、忌避したいものは変わらないという感じがします.

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 熊の掌.熊のお産は軽いことにあやかって、妊婦をこれでさすったり、削って飲むことで陣痛促進の効能を期待したのだとか.
 これを削って飲むのはなかなか勇気がいるものだと思いました.

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 呪術といえば真っ先に連想されるであろう、藁人形も展示されていました.
 藁人形のように相手の髪などを入れて呪術を行うのは「感染呪術」と呼ばれるものの一種とされ、同様の手法として鹿の足跡に矢を射ることで鹿の動きを鈍くさせたりもするそうです.
 相手を呪うだけでなく、人の形をした紙で人間の患部などを撫でることで、紙に災いを移して回復する、というような行為もあるのだとか.

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 会場ではアンケートも行われていたのですが、そのアンケート回収箱がいかにもなアレでしたので、なんだかアンケートに答えないと災が降りかかりそうな気がして、自分も回答しておきました.

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 この遠野市立博物館、遊び心があってこの呪術展に関連してなのかわかりませんが、展示会場とかとはまったく関係のない場所に唐突にこのようなものが貼られていたりします.自分は2ヶ所見つけましたが、もしかしたら他にもあるのかもしれません.
 「遠野物語と呪術」の図録を購入して博物館をあとにしました.この図録、かなりの人気なようで博物館でも通販をやっているのですが売り切れてしまっては再販して、また売り切れて…… の繰り返しのようでした.自分が訪れたタイミングでは再販がなされて在庫があったので購入することができましたが、自分が見ている間にも2,3冊ほどが売れるほどの人気ぶりでした.数日後、会期終了後に通販が再開されましたが即座に完売となってしまい、これにて増刷もせず販売終了となったので購入できなかった人も多そうです.

 つづきます.