FUJIFILM X100F
世田谷文学館で開催されている、『筒井康隆展』に行ってきました.
FUJIFILM X100F
世田谷文学館にやってきたのは、星新一展と日本SF展に続いて3回目です.
自分が筒井康隆を知るきっかけとなったのは中学生の頃、当時住んでいた地元の市立図書館に新潮社から出版された、筒井康隆全集が置かれていたためです.最初にどの巻に手を出したかは記憶がありませんが(恐らくは一巻の「東海道戦争/幻想の未来」だったと思いますが)、ずるずるとのめり込んで、結局は全巻読んだはずです(「虚構船団」のような長篇は飽きてその当時は挫折し、のちに文庫本を買って読みました).
まあ、なんていうか、多感な時期にこのような本を読みふけってしまったことによる影響は、のちのち、たぶん今に至るまで続いているような気がします.
展示については、年表とともにたくさんの写真や生原稿、さらにその当時の出版物やポスターなど、非常に詳しく展示されています.以前に訪れたときも感じましたが、巡業するわけでもない一つの会場での展示にしては中身が濃いです.
また、展示の中でも自分が目を惹いたのが「筒井康隆作品マップ」.SFをベースとしつつも、それぞれの作品ごとにブラックユーモアや少年少女向け、歴史、音楽、ナンセンスと様々な要素が込められており、どの作品がどのジャンルに含まれるかを図にまとめられています.それによると自分の好きな作品はスラップスティックなものが多いようです.
それから生原稿は見入ってしまいますね.『関節話法』とか懐かしくてつい途中まで読んでしましました.
FUJIFILM X100F
展示は基本的に撮影禁止なのですが、一部のみ撮影可となっていました.「筒井書店」は筒井康隆の蔵書の一部を展示したもの.この展示されている書籍は自分が行った翌週末に即売会で販売されるものだそうです.手にとって読んでも問題ないとのことだったので2冊ほど手にとってみましたが、蔵書印が押されており、また「訳者献本」という紙が入っていたりと、ファンであれば垂涎ものではないでしょうか.それに今となっては手に入らないような書籍もあることでしょう.
FUJIFILM X100F
会場を出るときに図録を買って帰りました.
会期は2018年12月9日までとまだ1ヶ月以上ありますので、愛読者だったかたは会場にぜひ.
FUJIFILM X70
今年もシャイニーから『シャイニー2018初しぼり つがる』新発売のメールが届きましたので、さっそく注文しました.
冷蔵庫でしばらく冷やして飲んでみましたが、さすがの美味しさです.
ここしばらくは、先日の東北旅行のときに八戸のスーパーでケース買いしてきた「青のねぶた」を飲んでおり、こちらも美味しいのですが、搾りたてのものにはかないませんね.
Apple iPhone 8
国立映画アーカイブにて製作50周年記念『2001年宇宙の旅』70mm版特別上映を観てきました.
『2001年宇宙の旅』は1968年の公開なので、今年で50周年です.それを記念して、オリジナルのネガから新たなフィルムを起こし、70mmフィルムとして再現したものを上映するとのことでかなり貴重なものです.
上映回数が6日間で各2回、合計12回しかなく、しかも日本での上映が終わるとフィルムは海外に運ばれることに加え、前売り券が各回200枚しかないこともあり、前売り券は数分で売り切れてしまうなどかなりの争奪戦でした.
Apple iPhone 8
上映開始が18時30分で、18時から入場とのことなので17時45分ごろに到着したのですが、すでに結構な混雑でした.
Apple iPhone 8
右寄りですが、前よりの映像がしっかり見えそうな場所に座ることができて一安心.
上映前に国立映画アーカイブの職員のかたから挨拶がありました.
上映回数が少ないのでチケットが争奪戦になり、転売などの騒ぎを起こしてしまい申し訳ないとのことと、なぜ上映回数が少ないかの理由の説明がありました.こちらの記事やこちらの記事に説明がありますが、70mmフィルムは1巻で15kgほどもあり、しかもそれが今回の上映では10巻.さらに映像と音の同期が取れなくなると音が出なくなるというトラブル(実際に、今回の上映でもピーという音が出てしまったことがあるとの説明がありました)が起きるなど、映写技師側にも集中力と体力が要求されるものであるので、数をこなすのは難しいとのことです.
また、今回の上映では映像を重視するため、字幕はスクリーンの下に字幕用のスクリーンを設置し、そちらに投影するようになっていました.字幕が下にあるので席によっては見づらい/見えない場合があるとのことで、入場前に配布された資料に大まかな会話の略筋が記載されていました.ですが「140分ほどの映画のうち、会話のシーンは40分ほどですので、字幕を見たいかたはあとでDVDでご覧になってください」の説明で笑いが出るなど、観にきている側も「わかってる」人が多い感じでした.
Apple iPhone 8
長い映画なので、途中でIntermission(幕間)として15分の休憩が入ります.これはその時に撮影したもの.休むことなく作業をしている様子が見えました.
始まって感じたのはスクラッチノイズの多さ.今回のフィルムは新規にプリントしたものとはいえ、プリント作業に携わったクリストファー・ノーランいわく「アンレストア版」とのことで、プリントはしたものの、ノイズ除去などの作業は全くしていないとのことで、ノイズまでを含めて作品として楽しむという趣向でした.
不思議なことに、集中して観入っているとスクラッチノイズとか気にならなくなるのですよね.
上映後は拍手が起こり、また後ろを向いて映写技師にも拍手をするかたが多数いました(自分もしました).
多分これが最初で最後の70mmフィルムの映画を観る機会だったのではないかと思われます.映画自体も素晴らしいのですが、それ以上に貴重な体験をしました.