2015/08/22
NDロードスターの納車から約1ヶ月立ったので、1ヶ月点検をしてもらいにディーラーに行ってきました.
点検ついでに要望というかチェックしてもらいたい点として、
・高速道路走行中にBSM(ブラインド・スポット・モニタリング、車両後方の物体を検知するセンサー)が自動的にOFFになってONにすることができなくなってしまった件の確認(説明書には高温下で上り坂で発生する可能性があるという症状に合致するけど念のため)
・助手席座面に接着剤のような白っぽいものが付着しているのでそれの除去
をお願いし、あとはエンジンオイルとミッションオイルの交換を依頼しました.
点検による車両の不具合はなし.
BSMは確認できないため今後の様子を見て判断、助手席の白っぽいものはとれないのでこれもまたちょっと考えさせてほしい、とのこと.エンジンオイルは純正の0W-20に交換したものの、ミッションオイルは専用品が未入荷のため後日、ということになりました.
と、点検にまつわる話はここまで.
ディーラーにマツダ本社から開発の方が来られていて、マツダのことや技術的な話をさせて欲しいのと、同時に車やメーカーに関してインタビューしたいとのことでしたので、点検してもらっているあいだ、いろいろと説明を受けたりしていました.実際に開発に携わっている方(車体担当)で、非常に興味深い話をたっぷりと伺うことができました.
印象に残っている話から順番にざっくりまとめると、こんな感じ.
・SKYACTIVを全面採用したCX-5以降はエンジンブロックの作り方自体をまったく変えた.以前は金型にアルミを流し込んで作っていたが、そうすると金型の温度の関係で途中で固まりやすく奥まで綺麗にアルミが流れ込まないので流れ込みやすいようマージンを取って厚みのあるエンジンブロックになっていたため重たかった.今は砂型で作るので温度による固まりやすいといった影響がないため耐久性のある範囲で薄くすることができ、軽量化できた(実際にNCの2LエンジンとNDのアメリカ向け2Lエンジンの1気筒ぶんの現物を見て触ることができました)
・気筒あたりの排気量を厳密にあわせることで性能を引き出せるよう、砂型で鋳造した全てのエンジンブロックを検査して少しでもズレのあるエンジンは削って調整している
・部品にすべて個別にQRコードを貼り付けてデータを保管している.コンロッドひとつとってもコンロッド本体と部品取り付け部分など数ヶ所にQRコードが付けられていた
・NCロードスターと比べてもアルミの採用範囲が格段に増えて、前フェンダーや車体先端部分、乗員後部の頭部保護部品もアルミで軽量化された.アルミでフェンダーのような複雑な形状ものを作るのは本当に大変で、鉄で作るのと同じようにプレスするとしわがよって使い物にならなくなる.なので一定以上形を曲げたらそれ以上変形しないように部分的に固定してあの形状を作っている
・RX-8のフロントフェンダー(こっちは鉄)を作るときにやはり単純なプレスでは作れなくて、そのときのノウハウがNDロードスターのフロントフェンダーに生きている.RX-8のフロントフェンダーは他社からこんなの金属で作れるはずがないから樹脂で作ったんじゃないかと思われたそうです
・NCに比べても高張力鋼板の使用率が高い.パーツによっては1000MPaを超える超高張力鋼も使われており、ここまでくるとプレスしても思った通りの形状にならないため(同じサイズの200MPa台の板と700MPa台の板を実際に曲げさせてもらいましたが、700MPa台のものは固く、そして手を離すとある程度形が戻ってしまう)、高温に熱して形を作っている
・長年作っているだけあってオープンカーや幌の扱いのノウハウがあるため、NC時代には(まだ資本関係のあった)フォードの工場でマスタングのピラー部分の設計を手伝ったこともある
・デザインに非常にこだわっており、車体設計担当としては苦労することも多い.サイドのプレスラインなどで徐々に消えていく部分は「消える」のではない、あれは内部に「沈み込んでいく」のだ、といわれてしまうのだとか
などなど.雑誌などでのインタビュー記事で知っている部分もありましたが知らないこともほうが多く、実際に開発に携わっている方から聞けたのは非常に貴重な体験でした.
一方で開発者としてユーザに尋ねたいところも多々あったようで、細かな部分の使い勝手についていくつか聞かれました.
RHTについてどう思うかを聞かれたので、NCのRHTは閉じたときのデザインが好きではない(のと、幌が好き)ので選ばなかったと伝えたら、あの形状は開発する側としても納得がいっていない、しかもRHTを収納するのにトランクなどのリア部分をほとんど全部専用設計で作り直したので(それでいてほとんど見分けがつかない)非常に大変だったとのことでした.
自分からも要望点として、ドアのストッパーが非常に緩いのでちょっと強めに開けるとすぐ全開になってドアパンチを食らわせそうになるのでなんとかしてほしいことや、幌を開けたときのロックが非常に固いといったことを伝えました.
どうしてこのような説明をユーザに対して行っているのかも尋ねたのですが、マツダの方針として、これからなにを改善してよくしていけばいいのかを調査しているとのことでした.それは車そのものだけでなく、ブランド価値や販売やサポートの体制や姿勢などあらゆるものすべてに対してどうすべきかを考えているとのことでした.
SKYACTIV技術としての最初のステップはロードスターでひとまず一段落つくようですが、次のSKYACTIV Ver.2とでもいうものに対する開発はすでに動いているそうですし、マツダ全体としてもまだまだ大きく変化していきそうです.
2015/08/12
Apple iPhone 5s
納車から約20日.NDロードスターの走行距離が1,000kmに到達しました.
そのうちの700kmほどは納車翌日の長野県往復によるものなのですが、夜間などについちょっとその辺にドライブに、みたいな感じで出かけたりもしていました.この時期は日中は屋根を開けるのは論外、閉じてエアコンをかければ快適なのですがそもそも外に出る気力が低下しているので、もっぱら夜のドライブばかりです.
さて.1,000km走った上での感想を箇条書きで.
・まだ3,000回転をめどに、加速時やエンジンブレーキで4,000回転くらいを上限にしか回していないのだけど、この領域ではスムースに周り、エンジンにさしたる不満はない
・幌はまだ馴染んでいないせいか乗ったまま開けてロックするのに力がいる
・幌を開けてロックするところが手の汚れなのかすぐに白っぽくなる.試乗車もそんな感じだった.濡れタオルで拭けばきれいになる
・あれこれと批判に晒されているマツダコネクトはナビも含めて大きな不満はなし.ロードスターより前、アクセラやデミオで使用されていたバージョンのものは酷かったようだけど、ロードスターに使われているものは改修が進み、ナビソフトも国産に切り替わって十分使えるものになっている気がする
・とはいえ不満がゼロというわけでもなく、USB端子にiPod touchをつないだ状態でiPhoneをBluetooth接続し、NaviConアプリで目的地を転送しようとするとオフラインになって転送できないという不具合が.iPod touchをUSB端子から外すと認識するので、ここはいずれ改修していただきたいところ
・SレザーパッケージなのでオーディオはBOSE+9スピーカー.以前のRX-8のBOSEが全然好みの音ではなくて、NCロードスターのときはBOSEを選ばなかったのだけど、今回は試乗してBOSEいいじゃんって感じたので選択.ノーマルだと若干メリハリが足りないような気がするけど、かといってイコライザ(とはいっても低音/高音しかいじれない)をいじるとなんか不自然な音質に.iPod touch側でイコライザを「Jazz」にしたところ好みの音になった
・RX-8のときのBOSE AUDIOPILOT(周囲の騒音にあわせて自動的にボリュームやイコライジングを変化させる機能)はボリュームの上げ方が大きすぎて使い物にならなかったけど、NDロードスターのAUDIOPILOT2はさりげなく音量調節されていて便利
・グローブボックスがなくて困るかなと思ったけど、中央部後方の収納部に荷物が入るので問題はなし
・助手席横に設置したドリンクホルダーはわりと使いやすい.あるていど大きめのものも入るようになっているので、ケースに入れた水筒もそのまま収まるのは嬉しいところ
・ETCをETC 2.0ことDSRCにしたところ、助手席側ダッシュボードに光ビーコンの受信機が結構大きめのが設置されてしまい、ちょっと目障り
・車高が低いので背後の車のヘッドライトがまぶしいため、標準装備の自動防眩ルームミラーはありがたい.オプションでつけたドアミラーのブルーミラーもまぶしさを抑えるのに効果的.どちらかというと、正面からくるミニバンやSUVのヘッドライトのほうがまぶしくて……
・シフトの感触は素晴らしいけれど、まだ1速や2速に入れるときに渋さを感じる
・オルガンペダルは慣れるか不安だったけど、すでにもう慣れた
・ステアリングは軽すぎな気もする
・ステアリングを切る量と車の動きが意図したとおりであり素晴らしい
・燃費は現状としては高速道路で19km/L、街乗りでも15km/Lときわめて優秀.ガソリンタンクが40Lしか入らないので不安だったけど、燃費がNCロードスターより5割増しくらいよいので、航続距離はNCロードスター(タンク容量50L)よりはるかに長い
・デザインは純粋にカッコイイ
・ボディカラー(ブルーリフレックスマイカ)は気に入っている.室内にも同じ色のパーツが使われているのもいい
いろいろ思うところはありますが、総評としては「素晴らしい!」ということになります.
2015/07/31
FUJIFILM X100T
NDロードスターの鍵はNCとまったく同じ外見をしています.
NCのときに使っていたキーホルダーを付けてみたのですが、あまりにも同じすぎて味気ないのでキーケースを新調することにしました.
FUJIFILM X100T
いつも鞄を愛用しているHERZの「Organ」ブランドのファスナーキーケースです.色はアンバーを選びました.下調べ時にはギボシ留め縦型キーケースがいいなと思っていたのですが、実際に現物をあわせてみるとサイズが小さすぎました.
FUJIFILM X100T
取り付けは金属リングに固定するだけ.金属リングが固いのと鍵の形状から取り付けには力がいります.
FUJIFILM X100T
あつらえたかのようにぴったりです.この鍵はマツダ車であれば他にも共通のものが多いと思いますので、他の車にも使えそうです.
2015/07/25
5月末に注文し、7月9日にラインに乗ったNDロードスター.
バックカメラのパーツ不足という、思いも寄らない理由により納車が遅れていましたがようやく納車されました.
FUJIFILM X100T
ディーラーにて.トランクの荷物を移し替えるということで、新旧ロードスターが顔合わせ.
FUJIFILM X100T
たまたま隣に同色のアテンザが止まっていて、見比べるとロードスターのコンパクトさが際立ちます.アテンザが大きいのかもしれませんが.
荷物を移し替えて、ひととおりの説明を受けてサインして受領完了.
帰宅がてらガソリンを満タンにしたところ、22Lほどしか入りませんでした.NDロードスターの燃料タンクは40Lなので、あらかじめ半分近くガソリンが入っていたようです.細かなことですがちょっと嬉しいです.
購入したロードスターの概要はこんな感じ.
・Sレザーパッケージ (6MT)
・ボディカラー:ブルーリフレックスマイカ
・オプション:マツダコネクト用ナビゲーションSDカードPLUS、DSRC対応車載器、バックカメラ、ハーフボディカバー、フロアマット(プレミアム)
・納車時に自分で追加したもの:ショートアンテナ(ホンダ S2000用)、レーダー探知機(コムテック ZEROV200)
FUJIFILM X100T
翌日は土曜なのでさっそく慣らしをかねてドライブに.行き先はRX-8を買ったときに慣らしドライブに出かけた先と同じ、長野県中野市のぽんぽこの湯.RX-8のときは長距離を走るべく、夜中に出発して関越をひた走って北陸道経由で大回りしましたが、いまはもうそんな気力もなく、朝6時に出発して若干の渋滞にまみれつつ上信越道で中野入り.
ぽんぽこの湯のいいところは、高台にあるので眺めがとてもよいこと.露天風呂に浸かりながら眼下の街並みを走る長野電鉄の電車や遠くに見える妙高山などを眺めつつのんびりするのは格別です.風呂上がりのコーヒー牛乳、そして大広間で食べる昼食まで黄金パターンといえましょう.
そのぽんぽこの湯に向かう途中の林檎畑の前で写真撮影.NDロードスターのボディカラーは有彩色がソウルレッドプレミアムメタリックとブルーリフレックスマイカの2色しかなくかなり迷ったのですが、この色かなり気に入りました.
都内と長野を往復して580kmほど走行しても無給油なのは驚異的です.今回は慣らしということもあって3,000回転以下に極力とどめて運転し、多少の渋滞があったとはいえ高速道路メインだったせいか燃費も18.7L/kmでした.排気量が2Lから1.5Lに減少しているとはいえ、NCロードスターの1.5倍の燃費です.軽量化とSKYACTIV技術のたまものでしょうか.
2015/05/31
昨日のつづきです.
RICOH GR
NDロードスター、なんかペダルとか馴染めないなー、ということで普段から走っているところを試乗させて欲しいとお願いして、翌日に再び試乗させてもらうことに.
昨日試乗したときにはアクセルペダルが遠く感じられたわけなのですが、ブレーキペダルに比べてアクセルペダルがやや奥まっているのはNCロードスターも同じこと.ではなぜ違和感があったのかと考えたら、ひとつはペダルがつり下げ式からオルガン式になったこと、そしてもう一つはシートポジションがやや後ろ寄りになっていてアクセルペダルを踏み切れてなかったのではないかという結論に至りました.
そこで今回は試乗する前にアクセルペダルをきちんと床まで踏める位置にきっちりシートをあわせました.たぶん昨日よりも1ノッチ前にずらした感じでしょうか.
すると、昨日の違和感がウソのように消えて、おお、いいじゃんいいじゃんって感じで気持ちよく走らせることができました.
今日は30度くらいにまで達するいい天気なので幌を閉じて走ったわけなのですが、そうすると普通の車と変わらないですね.NDの幌は内部にアルミプレートを仕込んでいたりして、今までよりも堅牢性や静粛性が改善されています.
RICOH GR
このメーターもいいですね.NCのメーターも書体に「Futura」を使っていて計器然とした雰囲気で非常によかったですが、今回は「Frutiger」とおぼしきものが使われていて視認性もよく好感が持てます.
さて.
結論としては、NCロードスターはいい車だけど、NDロードスターはさらにいい車、ということで購入することにしました.
お値段はS Leather Packageにオプションや諸経費込みでざっくり350万円.NCロードスターの下取りが140万円でローン残債が40万円なので充当額は100万円.残りは250万円で頭金100万円+150万円は銀行のオートローンで.というなんだかとてもきれいさっぱりした支払額となりました.端数はオマケしてねってことでちょっとだけ値切りましたが.
納期は7月下旬ごろ.楽しみです.と同時に、NCロードスターでもっと今のうちにどこかに出かけたいなという気分でもあります.