
FUJIFILM X100VI
自分が生まれ育った地域はまったくといっていいほど雪が降らなく、うっすらと地面が白くなる程度でも日常生活が滞るような場所でした.雪が珍しいので幼稚園児などは「雪見遠足」と称して富士山の麓にわざわざ出かけるほどです.
今年は日本海側などは大量の降雪に苦しめられている反面、都内は雪が降っておらず、物見遊山で訪れるのも忍びないなと思いつつも北陸新幹線に乗り込んで降雪地域に出かけてきました.
2月のこの時期はJR東日本管内は「キュンパス」と呼ばれる乗り放題きっぷの利用期間になっています.そのためか朝の時間帯の新幹線は普通席が混んでおり、行きはグリーン席を利用しました.

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新幹線を長野駅で下車し、「しなの鉄道」に乗り換えます.
本来であればしなの鉄道とえちごトキめき鉄道を乗り継いで新潟県内に入る予定でしたが、この日は雪の影響でしなの鉄道の黒姫-妙高高原駅間が運休になっていました.なので予定を変更することにしました.

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ひとまずはしなの鉄道のホームに.停車していた車両はJR東日本の「おいこっと」です.この列車は豊野まではしなの鉄道線を走行し、そこから先は飯山線に入るのですが、飯山線も雪の影響でこの日は途中までの運行になるというアナウンスでした.

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豊野駅で下車し、最初の目的地である小林製菓舗に向かいます.

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お目当ては牛乳パンです.牛乳パンとは、ふわっとしたパンの間にミルクリームをサンドしたパンのことです.長野県は県内のあちこちのパン屋で牛乳パンが売られており、店によってクリームなどのバリエーションが様々です.
小林製菓舗のパンは牛乳パンの中でも知名度もあり、一度食べてみたかったのです.牛乳パンを2個、コーヒー牛乳パンを1個購入し、1個を会社でシェアしましたが好評でした.

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特徴的な絵柄をあしらった帆布のバッグも売られていたのでそちらも購入しました.

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前述したように本来ならば新潟方面に向かう予定でしたが、いったん長野駅まで戻り、上越妙高駅まで新幹線で向かうことにしました.
長野駅に向かう列車が115系でした.JR東日本やJR東海では111系から115系の車両はすでに引退しているので、久しぶりの乗車となります.寒冷地仕様で半自動ドア(開けるのは手動で、出発時は自動で閉まる)なのも懐かしさがあります.
長野駅に戻る途中で、今度は新幹線が遅延しているとの情報が入ってきました.東北新幹線での車両故障なので雪の影響ではないのですが、遅延情報を確認すると自分が乗車する列車も15分ほど遅れており、上越妙高駅でのえちごトキめき鉄道への乗り換えが微妙です.

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長野駅に着き、改札口の駅員に上越妙高駅での列車接続は可能かを確認したところ、情報が入ってきていないらしくわからないとの返答でした.
まあ長野駅にずっといても仕方がないし、とりあえず行ってみるか…… と思いホームに降りてしばらくすると、反対側のホームに回送列車がやってくるとのアナウンスがあり、見ていたらやってきたのがEast iでした.在来線用のEast i-Eは見たことがありますが、新幹線のものは初めて見ました.この日はどうやら鉄道の運行には振り回されるものの、珍しい車両に乗ったり遭遇するという面では運がよいようでした.

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20分ほど遅延してやってきた新幹線に乗り込み2駅先の上越妙高駅を目指します.2駅程度だったら自由席でもいいかなと思っていたのですが、200円程度しか変わらないので指定席を取ったところ、遅延の影響なのかキュンパスの影響なのか自由席車両に並ぶ列がそこそこあったので指定席にして正解でした.
長野駅を出たあとの車窓は山々にうっすらと雪があり平地に雪がありませんでしたが……

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飯山駅手前の長いトンネルを抜けた先は真っ白で、空もどんよりとしていました.

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新幹線は途中の飯山駅でも乗降に時間がかかり(乗降に不慣れな海外からの観光客がスキー道具など大量の荷物を持っているので仕方がないところですが)、上越妙高駅には25分くらいの遅延で到着しました.到着前の車内アナウンスでは50分後の次の列車が案内され、接続どころではない状況であったので、鉄道はあきらめてバスに乗り換えました.バスも1時間に1本程度しかないのですが、10分程度の待ち時間で乗車することができました.

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バスを待っている間も冷たい風とともに雪が降っていましたが、さらに強くなってきました.
車窓にはこの地域特有の「雁木造」が見えています.

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時間は13時を過ぎてしまいましたが、ここで昼食を取ることにしました.
注文したのは天丼にアンコウの唐揚げです.天丼の味噌汁を追加料金でかに汁やあら汁、生あおさ汁に変更できるというので、生あおさ汁をお願いしました.鉄道で10分もしない距離に日本海に面した直江津がありますので、魚介類の鮮度はさすがです.
お店の方いわく、この辺りの降雪は例年に比べたら少ないとのことでした.2月の上旬にまとまった量の雪が降り、それが残っているところに少し降っただけなのだとか.

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満腹になったところで高田の街を散策します.
ここ高田は「雁木造」と呼ばれる、店舗や民家の軒先が伸びて歩行者が雪や雨に降られないようになっている建物が有名です.以前にも一度、高田に来たことがありますが、そのときは初夏の暑い頃で雁木造のありがたみはまったく感じられませんでした.やはり冬に来なくてはダメだなと思い、こうしてやってきたというわけです.

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それぞれ別々の建物なのに軒先が連なっている様は見慣れていない者にとっては新鮮に見えます.
そして実際に雪に降られずに歩けることにその価値を感じることができました.

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ちなみにこの歩いている場所ですが、自治体などの作った歩道ではなく私有地のようです.つまり各建物が1階のスペースを削って歩行者用に整備しているというわけです.

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高田駅にやってきました.帰りは鉄道にて上越妙高駅まで戻ります.

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自動改札ではなくクラシカルな木製の改札口です.
とはいえ、3セク化される前のJR時代には自動改札が導入されていたそうなので(自動改札は3セク化時に維持管理コスト軽減のために廃止)、駅舎の雰囲気にあわせて作られたもののようです.なんていうか、わかってる感があっていいですね.

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帰りの新幹線は定刻通りに上越妙高駅にやってきました.
乗り換え時間が10分程度しかないので、ここはちょっと遅延してくれたほうが土産物売り場を冷やかすことができてよかったのですが.
その後再び東北新幹線で車両点検があったとかで遅延が発生し、自分が乗った車両も東京駅混雑のため上野駅で10分ほど待たされてしまいました.
日程の都合で日帰り、そして運休やダイヤの乱れに振り回される旅行でしたが雪に不慣れな自分としてはほどよく雪見ができたのではないかと思っています.