2011/06/13

週刊東洋経済 身を守る科学知識

Category: 書籍 — Annexia @ 22:38

週刊東洋経済 身を守る科学知識

RICOH GR DIGITAL III

 今週の週刊東洋経済は、最近話題によく出るような科学関係のニュースの真偽について検証をしています.テーマは放射能、がん、地球温暖化、電磁波など.
 が、よくありがちな「これはホント、これはウソ」という断定口調の記事ではありません.
 科学的なものの見方や考え方、そして科学的根拠とは何か、データだけで判断することの危険性などについて前口上でじっくりと説明をしています.それぞれの事情に関して「ベネフィット」と「リスク」について触れて、それぞれの可能性や影響を自分自身でしっかりと考えることの重要性を説いています.
 まだ途中までしか読んでいませんが、個別の事象の検証についてもプラスとマイナス、両方の観点からの説明がなされています.なので、それぞれの質問事項にキレのある明快な答えは出ていません.しかし、しっかりと本文を読んでいけば、おのずと自分で答えを見いだせるのではないでしょうか.

 それぞれの事項について知識を得ることができると同時に、自分自身としての考え方も養うことができる、オススメの記事です.

2011/06/04

毎日RT

Category: コンピュータ,書籍 — Annexia @ 21:55

 「朝日新聞デジタル」「日経新聞電子版」に続く、電子新聞として「毎日RT」をチェックしてみました.

 毎日RTの特徴は、
  ・通常の毎日新聞とは異なる「毎日RT」という新聞が週6回発行されている(首都圏のみ発売)
  ・電子書籍版のみの購読だと月額900円とリーズナブル(1号単位の購読は115円)
  ・iPad用アプリが用意されている
  ・誌面が毎日新聞のWebのアクセスランキングを主体に構成されており、Twitterの読者コメントが掲載されている
 というあたりでしょうか.

 iPad版がお試しで5回まで購読できるので読んでみました.誌面構成は縦書きで書体も紙媒体の新聞に近くて読みやすいです.字のサイズは変更できませんが、横画面表示だとちょうど読みやすい感じです.朝日新聞デジタルのiPadアプリのように続きを読むときはタップして別画面に切り替える必要もありません.Twitterのコメントは個人的にはいらないように思えました.そのぶん誌面を充実してくれた方がよいですね.それから、朝日新聞デジタルのように広告が出ないのは美点です.
 毎日新聞のニュースサイトのアクセスランキングを主体に誌面が構成されていることからもわかるように、デジタルならではの速報性というのはあまり重視されていないようです.夜21時から23時くらいに更新されているような感じなので(→購読申し込みをしたところ、18時前に配信の通知メールが届くようになりました)、今日1日を振り返ってニュースのおさらいをするような感じとしてはアリかなとも思います.

 まとめます.大手で新聞の有料サービスを行っているのは、日経、朝日、産経、毎日の4誌です.
  日経:月額4,000円.ニュースサイトのコンテンツ自体を有料化.アプリはiPhone用.
  朝日:月額3,800円.通常の朝日新聞サイトよりも記事の内容を充実.アプリはiPad、アンドロイド用.
  産経:月額iPad用は1,500円.iPhone用は無料.誌面そのものを配信.
  毎日:月額900円.アプリはiPhone、iPadに対応.
 日経と朝日は速報性を重視、産経と毎日は新聞誌面の体裁を重視といった感じでしょうか.とりあえず各紙の思想や立ち位置を無視して考えると、多少値段が張ってもニュースの速報性などネットの利便性を最大に活かすのであれば日経や朝日になります.産経や毎日はニュースをまとめて読みたい向きにはよいでしょう.産経はiPod touchとiPadの両方をずっと前に試しましたが、ダウンロードに非常に時間がかかるのが難点でした.
 まだまだ過渡期で試行錯誤の段階なので、各紙とも変化があることでしょうし、静観している読売新聞が参入する可能性もあることでしょう.個人的結論としては、iPadでの読みやすさや値段を考慮して毎日RTを購読してみようかと思います.

2011/05/20

日経新聞電子版

Category: コンピュータ,書籍 — Annexia @ 22:52

 昨日の朝日新聞デジタルに引き続き、日経新聞電子版もユーザ登録をしてみました.

 日経新聞電子版についてざっくりまとめると、
 ・サービスは朝日新聞デジタルよりも早く2010年3月から
 ・朝日新聞デジタルは従来のWeb版とは異なるサービスとして開始したが、日経は同一サービス内で非会員にはニュースを絞って表示(100文字程度で文章が切れてしまう)
 ・機能は制限されるが無料会員もあり
 ・有料会員は月額4,000円.紙媒体の購読者は+1,000円で電子版の登録が可能
 ・無料会員は会員限定記事を1ヶ月に20件まで読める(有料会員は制限なし)
 ・有料会員は過去5年の記事の検索と本文表示が可能(無料会員は過去半年の記事の見出しのみ)
 ・iPhone用アプリも用意されるが有料会員のみ使用可能
 ・携帯電話での閲覧は有料会員のみ可能
 ・メールによるニュース配信もあり(無料会員は一部制限あり)

 無料会員で登録してみました.無料会員なので登録時にクレジットカード番号を要求するような行為はありませんでしたが、強制的にお知らせメールなどのメールサービスがオンになってしまいます.確認画面でその手のメールを受信するようになっていたので画面を戻してオフにしようとしたのですがどこにも見つけられず、どうやらあとから設定画面で手動でオフにするしかないようです.ちょっとあこぎな仕様です.

 自分の場合は過去記事の検索などもしないので、無料で十分な気がしました.
 朝日新聞デジタルもそうですが、日経も電子版の料金が高すぎるような気がします.紙媒体のビジネスを圧迫しないようにという配慮(もしくは社内からの圧力)からこうした値付けになっていると思われますが、ビジネスとしてはなかなか成立しないのではないでしょうか.

 朝日新聞デジタルのほうは「電子新聞「朝日新聞デジタル」、創刊3日目で購読申込者1万人達成」なんていうニュースが出ていましたが、私のように無料期間だけ試してやめてしまう人もそこそこいるような気がします.

2011/05/19

朝日新聞デジタル

Category: コンピュータ,書籍 — Annexia @ 21:50

 昨日から「朝日新聞デジタル」なる新サービスがスタートしました.
 これは、月額3,800円(紙媒体の朝日新聞の購読者は購読料+1,000円)の有料サービスで、コンピュータおよびiPad/iPhone、そしてAndroidで朝日新聞の記事が読めるというものです.
 Web上での新聞記事の有料化は日経新聞がすでに開始しており、こちらは月額4,000円です(iPadやスマートフォン向けのアプリは用意されていません).

 7月末まで無料ということなのでiPad用アプリをインストールしてみることにしました.
 驚いたのは「無料」だというのに会員登録時にクレジットカード番号の登録を求められること.いちおう名の知れた新聞社なので不正行為には用いられないだろうと思って登録しましたが、気分がよいものではありません.もちろん住所や電話番号も入力必須です.無料期間でお試しで使うにはあまりにもハードルが高すぎます.おそらくこの登録画面を前にして試すのをやめた人も多いのではないでしょうか.

 メールによる認証手続きなど、さらに登録作業が続いてようやく誌面を見ることができました.
 最初に驚いたのは、画面下に広告が出ていること.月額3,800円支払っていても広告を出すというのはちょっとどうかなと思います.さらにページをめくっていくと、今度は画面いっぱいに使った広告が出てきました.たしかに紙媒体の新聞には全面広告がありますが、電子書籍でそれをやられると違和感が大きいです.
 画面レイアウトは横組み、フォントはサイズ可変ですが見出しはゴシック、本文は明朝固定です.新聞っぽく多段組のレイアウト構成になっているのですが、横組みなので違和感ありまくりです.また画面サイズとの兼ね合いもあって本文はすべては表示されていません.なので全文を読むには記事をタップするのですが、そうするとやけに緩慢なスクロールとともに記事本文が表示されます.ページ移動も非常に待たされますし、アプリの出来がイマイチなのかたまに画面が白いままなにも表示されないなんてこともありました.
 それから、細かいことで気になったのはiPadの画面いっぱいにレイアウトするように設計されていながら、どういうわけか1行ほど見切れていてスクロールさせないと文章が読めません.
 Macからも見てみました.こちらもログインしないとトップページしか見れません.しかもログインしてしばらくたってから再びアクセスするとまたログインを要求してきます.新聞を読むのにいちいちログインしなくてはいけないなんて面倒なことこの上ありません.

 結論からいうと、現状でこのクオリティで3,800円の価値はありません.1,000円でも悩むかもしれません.そもそも紙媒体のものが朝夕刊あわせて4,000円弱なのに、紙代、印刷費、輸送コストなどがかからない電子書籍のほうがほぼ同じ価格ということがおかしいです.少し前にアメリカで創刊された、ニューズコーポレーションのiPad向け電子新聞は1週間で99セント、1年間で39.99ドルです.誌面のクオリティやボリュームはわかりませんが、価格で比べると朝日新聞デジタル1ヶ月分の価格で1年分購読できてしまいます.
 あと2ヶ月半ほど無料期間がありますので、その間に改善されるかどうかを見たいと思いますが、こんな状態では間違いなく8月の有料サービスが始まる前に解約手続きをとることでしょう.

2011/04/18

週刊東洋経済 東京電力特集

Category: 書籍,社会・政治・世情一般 — Annexia @ 23:04

週刊東洋経済 東京電力特集

RICOH GR DIGITAL III

 週刊東洋経済が「迷走する巨大企業の正体 東京電力」なる特集を組んでいたので買ってきました.

 今さら東京電力がどうなろうと原発が急速に改善されるわけでもないし、正直いってどうでもいいことです.
 が、今回の一連の原発事故が「人災」といわれるゆえんや、東電がこれからどうなるかという予測やその裏で蠢く団体や政府系機関などを知ることで、この国の電力事情が今後どうなるかが見えてくるのではないかと思い、その辺を知る一助になるのではないかと思って購入してみました.
 経済誌なので企業寄りの記事が書かれているのかと少し心配でしたが、社内の学閥や社長の出身組織、取引や出資のある社外企業、いわゆる「原子力村」と揶揄される政府系機関や業界団体の相関図、原発を受け入れた地方自治体の現状など、かなりハードな中身でした.

 個人的にはゆるやかに原発は縮小の方向に向かって欲しいと考えているのですが、残念ながらここまで強固に組織が形成されて政府とも密接に絡み合っている原子力ビジネス・利権が急速に方向転換するようには見えません.
 考え得る今後のパターンとしては、
 ・現状維持→老朽化した原発を延命措置→なんらかのトラブルで破損→再び事故
 ・老朽化した原発を廃止→新規原発を建築→利権ウハウハ&日本の沿岸部にさらに原発が立ち並ぶ
 というようなところでしょうか.ゆるやかに原発廃止&次世代エネルギーへの移行、というパターンは悲しいかな、可能性が低いような気がしてきました.