2014/10/02
RICOH GR
早野龍五、糸井重里共著による、『知ろうとすること。』を読みました.
以前から読みたかったのですが、自宅近辺の書店では売り切れてしまっており入手困難であり、帰省ついでに静岡市内の書店に行ったところ入手することができました.
内容は早野先生と糸井氏による対談です.震災後から現在に至るまで、早野先生がツイートし、とってきた行動を糸井氏とともに振り返るという内容です.
早野先生は東京大学理学部の教授なので原子力発電所の専門家ではありませんが、原子核物理学を専門としていることもあって、原子力発電所の敷地内でセシウムが検出されたことに通常ではない事態であることを理解し、それにまつわるツイートを始めました.その後も福島の学校給食を調べる「陰膳検査」、赤ちゃんや小児を対象に内部被曝を調べるホールボディカウンタ「ベビースキャン」の開発など、めざましい活躍をしています.
その行動をTwitterを通じて目の当たりにしていた糸井氏が当時を振り返りながら、わかりやすく解説を行っています.
震災が発生した当時の自分の記憶と照らし合わせてみることで、原発事故に対する恐怖感が非常にリアルに思い起こされました.様々な憶測やデマが飛び交い、仕事中もテレビは付けっぱなしで、事故発生から数日すると自由出社となり、さらに計画停電になったことなど.
偶然ともいえるいくつかの不幸といくつかの幸運により、それ相応の放射性物質が拡散されながらも、日本は現在のような状況になっています.その拡散された放射性物質により、居住区域は制限され、農作物も厳しい環境下に置かれましたが、年数がたつにつれて当初想定されていたものよりも遙かに低い影響しか発生しないことも明らかになりました.
しかし、当初想定されていた「最悪の事態」から情報が更新されず、いつまでも必要以上に恐怖感を抱き続けている人も多いのもひとつの現実であり、この本はそうした不安を抱く人たちに早野先生が取り組んだひとつの記録でもあります.
単純に「被害がある/ない」もしくは「いい/悪い」という二元論ではなく、科学的にどこまで許容かを検証し、実際にはどのようになっているかを明らかにすることで安全性を提示する、早野先生の手法には感服します.と同時に「本来は必要のない」とされる「ベビースキャン」を開発し(乳幼児の場合は代謝が早いため、セシウムが排出されて体内に残りづらいので影響は小さい)、これにより小さな子供を持つお母さんを安心させるという、一見「非科学的」な手法で安心を提供する、その姿勢を尊敬します.
2014/09/18
RICOH GR
世田谷文学館で開催されている、「日本SF展・SFの国」を見に行ってきました.
ここにやってきたのは2度目.前回は星新一展のときでした.
RICOH GR
受付前のモニタではとり・みき氏が作成したオープニングアニメが流れており、日本SFの黎明期から現在までを凝縮したものを見ることができます.
日本のSFを語る上でよく出てくる「星新一が開拓し、小松左京がブルドーザで地ならしをし、口笛を吹きながらスポーツカーに乗って筒井康隆がやってくる」というネタもしっかり織り込まれていて、見ていてにやにやしてしまいました.
文学館の展示なので小説メインかと思っていましたが、手塚治虫の漫画やアニメ、ゴジラなどの特撮、SFを題材にした映画など、あらゆるものが展示されていました.
どの展示も興味深いのですが、生原稿には見入ってしまいますね.筒井康隆の癖がありつつも読みやすく字形の整った字体や、星新一のわりと子供っぽいよくいえばポップな字体.星新一の場合は原稿用紙だけでなく普通の紙(HOSHI PHARMACYって書いてあるような紙の裏に)に3mm程度の小さな文字でびっしりと書き込んでいたりするなど、性格を感じるとともに表現したい物事に満ちあふれていたのではという感覚も受けました.
ちなみに展示は一部(写真の場所)を除いてすべて撮影禁止です.
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ミュージアムショップで図録を買って帰宅.表紙の「きょうの想像力があすを築く」という星新一の言葉がいいですね.
この図録がまたすごくて、昔の少年誌的な雰囲気の2色刷になっていて100ページくらいですが、ぎっしり詰まった情報量に圧倒されます.巻末にはSF年表がつき、ふろくにサンダーバードの秘密基地(裏面はジェットモグラ戦車とペネロープ号の完全大図解!)もついてます.
もう一つ、ミュージアムショップでは星新一の描いた鶴、いわゆる「ホシヅル」のマグカップもあり、これも最後まで買おうか迷ったのですが見送ってしまいました.買っておけばよかったかな.でも買ってももったいなくて使えなさそう…….
2014/06/09
RICOH GR
鉄道写真家、中井精也氏の写真集「夢と希望の三陸鉄道」を購入しました.
セゾンカード会員向けの特別バージョンの表紙のもので、通常版は1,800円+消費税ですが、これは5,000円で書籍の売上と消費税以外は義援金となります.
中井氏と三陸鉄道社長である望月氏のサインとメッセージが入っており、そのためか書籍は三陸鉄道から宅急便で送られてきました.
写真は1984年4月に三陸鉄道が開業したときの様子から始まっています.かつて、国鉄が細切れに敷設し、赤字路線として廃線にする予定であった盛線、宮古線、久慈線を全線開業させて第三セクターに移行させたのが三陸鉄道です.鉄道が開業し、喜んでいる写真はまさに「あまちゃん」のそれと同じように見えました.
そして震災.わずか5日後に運航を再開したときの様子から3年後の春、つまり今年2014年の全線運航再開までを美しい写真で記録されています.
自分も小本から田野畑まで代行バスで運行されていた頃に三陸鉄道北リアス線に乗りに行ったことがあり、南リアス線には先月乗ったばかりなので、見覚えのある光景に懐かしさを感じました.
しかし、全線運航再開したからこれでめでたしめでたし… というものではないのです.
車窓から見た風景は、復興にはまだほど遠いのも事実.自分にできることとして、またこの地を訪れて観光したいと思います.
2014/05/03
RICOH GR
「富士フイルム X-T1 FANBOOK」を読みました.紙の書籍を買うと1,900円ほどですが、今回は電子書籍版を購入したので1,400円くらいでした.
内容的には先日読んだ「FUJIFILM X-T1&X Series パーフェクトブック」と同じような感じですが、「FUJIFILM X-T1&X Series パーフェクトブック」がメーカーインタビューなどを取り上げているのに対して、「富士フイルム X-T1 FANBOOK」はX-T1本体の使い方をカメラとしての基本的な部分とからめて説明しているような感じでした.なので、コンパクトデジカメからのステップアップとしてX-T1を買った人や、マニュアルの副読本的な使い方をしたい人にはうってつけの内容です.
いちおうカメラとしての基礎は理解しているつもりなのでおさらい的になるところは多々あったのですが、作例として掲載されている写真がどれも美しく、こうした写真を撮るにはこのモードを使ってこうして撮ればよいという説明は非常に参考になりました.
2014/04/19
SONY DSC-RX1
所有しているカメラのムックが出ていると、つい買ってしまいます.X-T1とXシリーズのムックが出たというのを知ってさっそく買ってきました.
内容はこの手のムックでは定番ともいえる、カメラマンによる作例写真、カメラの外観や機能の紹介、開発者インタビュー、交換レンズの紹介、サードパーティも含めたアクセサリの紹介など.
こうした記事の中でも自分が楽しみにしているのが開発者のインタビュー.このX-T1のムックは技術者に「EVF、AF、ファームウェア」「外装設計、アクセサリ設計」「画質設計」「商品企画、技術まとめ」といった機能ごとのインタビューを行ない、さらにデザインセンターでのインタビューも掲載されるなど、内容が豊富なのが嬉しいところでした.
X-T1の売りである大型で遅延の少ないEVFはどのようにして作られたか、画質チューニングの方針、ボディデザインに込められたカメラのデザイン方針など興味深い内容が多かったです.なかでも、発売から2ヶ月程度しかたっていないX-T1でも140項目もの要改善項目があがっており、これからファームアップで修正されていくということなので、これから先も機能アップが期待できそうです.