
FUJIFILM X100F
夏休みに実家に帰省したついでに名古屋駅近くにある、トヨタ産業技術記念館に行ってきました.
トヨタ産業技術記念館はトヨタ発祥の地といえる豊田紡績の本社工場跡地に建てられています.

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展示施設は「繊維機械館」と「自動車館」の2つに分かれています.トヨタといえば自動車の会社なので自動車館はわかるのですが、繊維機械についてはトヨタの元々の産業がそうだったというくらいの知識しかなかったので、それほどスペースを割く必要があるのかなと思いながら見はじめました.
施設内には多くの説明員さんがいて、詳しく説明をしていただけます.
最初の説明は綿花から.綿花から綿を取り出してゴミを取っていく方法、昔の紡績の方法など詳しく説明していただけます.

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展示されている機械の多くは説明をしながら実際に動かして、どのような動きをするかを理解することができます.
金属と木材、それに革製のベルトなどでできた機械類は眺めているだけでも興味深いです.

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創業者である豊田佐吉が最初に作り出した木製の人力織機から最後に開発されたG型自動織機まで展示されており、その進歩を知ることができます.とくに感じるのが今のトヨタにも通じる「改善」の意識です.最初に作られた木製の自動織機では一人一人が機械を操っていたのに、複数の機械を一人で受け持つようになり、その効率が上昇し、さらに糸がなくなったり切れた時に自動停止したり自動補給するシステムを開発するなど、その進化には執念に似たものを感じました.紡績と自動車、ジャンルは違えど技術の改善と進歩という点については共通したものがあり、そこが繊維機械館として展示が充実している理由のひとつなのかもしれないなと思いました.

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続いては自動車館.
最初に展示されているのが試作されたトヨダAA型自動車のできるまで.金属の特性を調べるための計測器の開発や、木型からボディを起こす工程などを知ることができます.

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大きなホールで展示されている過去の自動車と部品の製造設備など.
過去の車に関しては台数は少なめですが、車自体の展示は長久手にあるトヨタ博物館のほうにどうぞっていうことなのでしょう.

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エンジンの展示もされており、試作品もありました.これはロータリーエンジンの試作.ヴァンケルエンジンの開発をめぐってはマツダだけでなく世界中の各社が取り組んだとされていますが、トヨタもここまで作っていたとは知りませんでした.

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自動車用部品の進化のコーナーにあったカーステレオ.8トラックのテープデッキに一緒に展示されていたカセットがいい味しています.たしかにこういうテープありました.

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製造設備の展示も実際に動かすことができます.これは600tプレス機.これだけ巨大なものを自分の操作で動かすことができたのは初めてですね.
興味深いのがその操作方法.動かすだけであれば単純にスイッチを押させればいいのですが、かなり大きめの2基のスイッチを両手で押さないと作動しません.プレス機に限らず作業員が手などに怪我をするリスクのあるものは両手を使って操作ボタンを押させるのが安全対策として有効ですが、そうかこういうことなのだなと実感できました.

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ミュージアムショップで購入したスプーンとフォーク.スパナをあしらったデザインがいいですね.
「工具ではなくあくまでもスプーン/フォークとしてご使用ください」とありますが、まあこれを工具にする人はいないでしょう.
内容がかなり充実した博物館で、3時間ほどかけて見学しましたが、パンフレットを見ると見落としていたものがいくつもありました.ひとつひとつをしっかり見ていくと朝から閉館の17時までかかりそうです.
できれば再訪して時間をかけて全部を見て回りたいと思いました.