2014/06/03
GRのファームウェアアップデートが発表され、Ver.4.00になりました.
機能が追加されたのは以下の5点.
・[撮影設定]の[エフェクト]に[シフトクロップ]が追加されます。
・[セットアップ]に、[AFモード]が追加されます。[ノーマル][高速]から選択できます。
・[セットアップ]に、[カード連続 No.]が追加されます。[ON][OFF]から選択できます。
・[セットアップ]に、[再生アニメーション]が追加されます。[ON][OFF]から選択できます。
・再生モードで”RAW +”画像を削除する際、[1ファイル削除]は[RAW+JPEG削除][JPEGのみ削除][RAWのみ削除]になります。
また、同時に不具合の修正もされています.
GRシリーズの素晴らしい点は、こうしてファームウェアアップデートにより機能追加されることです.
不具合の修正でしかファームウェアアップデートを行わないメーカーも多いなか、きちんとフォローアップされているようで好感が持てます.
機能追加で面白いと思ったのは「シフトクロップ」なるエフェクト.
写真を撮ると、遠くのものは小さく写ります.遠近感が出るのは当然のことですが、建築物などを遠近感のないように撮りたいこともあります.一眼レフの場合だと「シフトレンズ」と呼ばれる特殊なレンズを使うことで撮影できますが、コンパクトデジカメにはそのようなレンズをもつ製品はありません.そこで疑似的な処理として、被写体の建物などと傾きをなくした状態で撮影し、遠近感の出た部分をカットすることで直線的な写真を作成する、それがこの「シフトクロップ」エフェクトです.
この撮影手法、すでに実践されている方がおり、塩澤一洋氏のWeb「shiology」の「2541-111027 「擬似シフト写真」で遊ぼう」というエントリーなどで紹介されています.
GRの「シフトクロップ」エフェクトは、縦位置で撮影して画面の上下いずれかを(手動指定可能)カットしてスクエアフォーマットで残すという機能です.
実際に撮ってみました.
RICOH GR
シフトレンズで撮影したような雰囲気の写真が撮れました.
コツとしては、水準器の水平と垂直をきちんとあわせること.
RICOH GR
同じ場所で3:2で撮ったもの.比べるとわかるように、画像の下1/3をカットしています.
写真としての新しい楽しみ方を提案してくれるようで、素晴らしいファームウェアアップデートです.
神社などでの撮影にも役立ちそうです.
2014/05/05
実家でデジカメ画像を保存するために、バッファローの「おもいでばこ」を購入しました.
今まではWindows XPを搭載したThinkPadを使っていたのですが、Windows XPがサポート終了のために使えなくなりました.
代替品として新たなPCを買うことも考えたのですが、使用用途がデジカメ画像の保存とWebの閲覧程度とのことだったので、iPad(これは今までもあった)とおもいでばこで代用することとしたのです.
購入したのはPD-100S/Wという500GBのモデル.
箱の内容物は、
・「おもいでばこ」本体
・ACアダプタ
・リモコン
・リモコン用電池
・TV接続用HDMIケーブル
・USB無線LANアダプタ
・説明書(セットアップシート)の入った封筒
というシンプルなもの.余計なものはなく、かといってあとから購入する必要もない、過不足のない付属品です.
自分はこれに追加して、500GBのUSB接続のバックアップ用ハードディスクを用意しました.
セットアップは簡単… なはずですが少しつまずきました.
配線自体はTVにつないでコンセントを差せばできるので手間要らずですが、無線LANに接続しようとしてWPS機能を使おうとしたところでなぜかおもいでばこがフリーズ.強制的に電源を切ったりしたものの復旧しなかったため壊れたかと思いましたが、電源やバックアップ用のハードディスクを外して起動し直したら復旧しました.その後はWPSを使わずに手動で無線LANにつないで設定完了.
肝心の使い方ですが、極めてシンプル.
1. おもいでばこの電源を入れる
2. 電源ランプが緑色になったところでSDカードを接続
3. SDカードスロット横の「とりこみ」ボタンを押す
4. SDカード内の画像がすべて取り込まれる
5. SDカードを外す
以上で完了です.重複した画像は取り込まれないので、すでに取り込まれた画像がSDカードに残っていてもOK.
余計な確認画面が出てこない操作性は良くできています.
あとは電源を切れば、自動的に外付けハードディスクにバックアップされるので安心です.
また、取り込んだ画像を見るには、
・テレビの画面で見る
・iOSやAndroid用アプリで見る
の2つがあります.
iPadでの設定を行いましたが、AppStoreからダウンロードしてアプリを起動すると無線LAN内を検索しておもいでばこを検出し、あとはおもいでばこの設定画面で承認をすれば接続完了です.なお、おもいでばこの電源をオフにしていてもiPadから閲覧できるそうです.
購入にあたってはネット上での評判を参考にしましたが総じて評判がよく、実際に使ってみてもよくできていると思いました.
気になった点としては、
・最初からインストールされているBGMの音量が大きく、BGMを鳴らさないという設定が見つけられなかったこと.なので個別の曲再生設定で1曲ずつオフにして鳴らさないようにする必要がありました.
・撮影ミスした画像を消すのにやや煩雑な手順が必要.ただ、これは誤操作防止という観点からするとこれでよいのかもしれません.
というくらいでしょうか.
2014/05/03
RICOH GR
「富士フイルム X-T1 FANBOOK」を読みました.紙の書籍を買うと1,900円ほどですが、今回は電子書籍版を購入したので1,400円くらいでした.
内容的には先日読んだ「FUJIFILM X-T1&X Series パーフェクトブック」と同じような感じですが、「FUJIFILM X-T1&X Series パーフェクトブック」がメーカーインタビューなどを取り上げているのに対して、「富士フイルム X-T1 FANBOOK」はX-T1本体の使い方をカメラとしての基本的な部分とからめて説明しているような感じでした.なので、コンパクトデジカメからのステップアップとしてX-T1を買った人や、マニュアルの副読本的な使い方をしたい人にはうってつけの内容です.
いちおうカメラとしての基礎は理解しているつもりなのでおさらい的になるところは多々あったのですが、作例として掲載されている写真がどれも美しく、こうした写真を撮るにはこのモードを使ってこうして撮ればよいという説明は非常に参考になりました.
2014/04/24

RICOH GR
XFマウントレンズとして5本目のレンズである、XF27mm F2.8を購入しました.
近い焦点域のレンズとしてXF23mm F1.4 Rをすでに所有しており、非常に高画質で操作性もよく気に入っているものの、サイズや重量感もあって(F1.4レンズとしてはこれでも軽量なのですが)、対極ともいえる27mmにも手を出してしまったというわけです.

RICOH GR
見てのとおり、23mmと27mmでかなりサイズが異なります.単純に焦点域が異なるだけでなく、
・明るさ:23mm: F1.4 / 27mm: F2.8
・絞り環:23mm: あり / 27mm: なし
・AF/距離指標MF切替機構:23mm: あり / 27mm: なし
といった機能的な違いもあります.しかしながら、最大の違いはサイズと重量.23mmが長さ63mm重量300gであるのに対して、27mmは長さ23mm重量78gしかありません.
絞り環がないので、カメラボディのダイアルを使って絞りをセットします.

RICOH GR
X-T1に装着.この手の薄型レンズは「パンケーキレンズ」などと呼ばれますが、以前に使っていたニコンD700にVoigtlanderのULTRON40mm F2をつけたものに雰囲気が似ています.
通常はレンズには保護フィルタをつけますが、このレンズに限っては薄さを最優先とするため保護フィルタはつけていません.またフードは付属もオプションもないため、それもなし.

画質には定評があるものの、「寄れない」つまり最短撮影距離がやや長いのがXFマウントレンズのやや気になるところ.27mmも最短撮影距離34cmと物足りなさを感じます.
左は23mm、右は27mmでの最短撮影距離での画像.どちらも撮影倍率0.1倍なので同じサイズで写ります.

アップで.どちらも絞りはF2.8.23mm(左)はF1.4を2段絞っていることもあってシャープです.27mm(右)はF2.8開放なのでややゆるさを感じますが、開放からでも十分使える画質です.

FUJIFILM X-T1 + XF27mm F2.8
F2.8 1/60秒 ISO640
絞り開放でも遜色のない画質です.

FUJIFILM X-T1 + XF27mm F2.8
F2.8 1/60秒 ISO640
こちらも絞り開放で.この手の料理写真は寄って撮りたいものですが、最短撮影距離よりも寄ってしまって、あれAF合わないと思いながらじりじりと後退してピントの合う位置を探るという状況に陥りがちでした.
カメラ本体とあわせても530gの重量、そしてボディグリップよりもわずかに出ている程度に収まっているレンズ長というのは、気軽にカメラを持って出ようという気分になります.逆に、今日はしっかり撮影しようというときには、絞りリングがなかったり幅がなくMFしづらいこともあるというマイナス面もあるため、23mmと27mmは相互補完な関係になりそうです.
2014/04/19
SONY DSC-RX1
所有しているカメラのムックが出ていると、つい買ってしまいます.X-T1とXシリーズのムックが出たというのを知ってさっそく買ってきました.
内容はこの手のムックでは定番ともいえる、カメラマンによる作例写真、カメラの外観や機能の紹介、開発者インタビュー、交換レンズの紹介、サードパーティも含めたアクセサリの紹介など.
こうした記事の中でも自分が楽しみにしているのが開発者のインタビュー.このX-T1のムックは技術者に「EVF、AF、ファームウェア」「外装設計、アクセサリ設計」「画質設計」「商品企画、技術まとめ」といった機能ごとのインタビューを行ない、さらにデザインセンターでのインタビューも掲載されるなど、内容が豊富なのが嬉しいところでした.
X-T1の売りである大型で遅延の少ないEVFはどのようにして作られたか、画質チューニングの方針、ボディデザインに込められたカメラのデザイン方針など興味深い内容が多かったです.なかでも、発売から2ヶ月程度しかたっていないX-T1でも140項目もの要改善項目があがっており、これからファームアップで修正されていくということなので、これから先も機能アップが期待できそうです.