2016/11/28

『不思議惑星 キン・ザ・ザ』

Category: 映画 — Annexia @ 23:59

 映画『不思議惑星 キン・ザ・ザ』を観に行ってきました.
 『不思議惑星 キン・ザ・ザ』は最近の映画ではなく、ちょうど30年前、1986年のソ連映画です.映像がリマスタリングされたのを機に再上映されたというわけです.
 ジャンルとしては、SFであり、シュールなコメディであり、Wikipediaによるとディストピア・コメディなんて書かれていたりしますが、なんとも形容しがたい映画でした.自分がこの映画を知ったのも、SF映画でカルトとかマニアックと呼ばれるようなものを紹介した記事でこの映画が紹介されていたのがきっかけです.以前から一度観てみたいと思っていたところに、下高井戸シネマが1週間ほど上映するというので、この機を逃したら次はいつ見れるかわからないと、出かけてきました.

 主人公マシコフとゲデバンは、地球に迷い込んで街角に裸足で立っていた宇宙人の持っている機械のボタンを押してしまい、別の星に飛ばされてしまう.そこでは幾つかの言葉以外は罵倒を意味する「キュー!」とそれ以外のすべてを示す「クー!」という言葉しかなく、鼻に鈴をぶら下げて奇妙なポーズをとるばかりで何を言っているのかすらさっぱりわからない.ここからどうやって地球に帰るか…… というのがあらすじなのですが、話が珍妙すぎて理論的な思考では太刀打ちできません.ソ連では公開当時1,520万人もの人が見たといわれていますが、ソ連の人たちの感覚ではこういう映画が好きなのでしょうか.それとも他に娯楽映画が少ないのか……

 社会主義や管理社会を皮肉った作品という見方もあるようですが、社会主義国家に詳しくない自分としてはそもそもどこをどう皮肉っているのかもよくわからない感じではありました.ただ、身分証明書がないと旅行にすら出れなくて手ぶらなのをごまかすために「証明書はガイドに預けてしまって、はぐれたんだ」とか言ってみたり、丁重に扱って大使館に連れて行くようにとかいう台詞なんかはソ連っぽいなと思いました(自分の中の妄想するソ連ですが).

 ではこの映画、面白いかどうかというと、なんとも判断がつきづらいです.少なくとも万人には勧められないけど好きな人にはたまらない.まさにカルトそのものといった映画です.

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