2012/10/17

Apple iPhone 4S
iPhoneのカメラは素晴らしいです.以前にもGR DIGITAL IIIとの比較をしましたが、そのときの結論としては、GR DIGITAL IIIよりは落ちるものの、「携帯電話というか情報通信機器の隅に申し訳程度にくっついているカメラの画質とは思えないほど」「ポケットからiPhone 4Sを出してささっと撮影することのほうが多くなりそう」というものでした.
その後、やはりというかGR DIGITALを持っている状況でもiPhoneを使って撮ることのほうが多くなりました.GR DIGITAL IIIからIVにかわっても同じです.
さらにいうと、普段使いだけでなくちょっとした旅行なんかでもiPhoneで大半の撮影を済ませることも増えました.撮る→(ちょこっと編集)→Twitterにアップ、という一連の流れが1台でささっと出来るのはやはり快適なのです.多少は画質が劣っていても、細かな設定ができなくても、それを補ってあまりある利点があるのです.
しかし、これでは写真、カメラ、撮影を趣味をするものとしては、なんとなく落ち着きません.やはり撮影をするときはカメラできちんと撮りたい.でもかといって常にD700を持ち運ぶのは無理、コンパクトで高画質のものを常備したい、と.
そこで、iPhoneの欠点を補うような、補完関係のカメラはないものかと検討することにしました.
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2012/09/14
以前から噂が流れていた、ニコン D600が発表になりました.
D700を所有している者として、いちばん気になるのは軽量化.D700は本体のみで1kgほどあるので、Makro-Planar 50mm F2とかDistagon 25mm F.28のようなお気に入りのZeissのレンズとか使うと、1.5kgほどにもなってしまい気力も体力も要求されるのです.
バッテリ込みの重量が850gなので、ざっくり200gほどの軽量化にはなっているようです.この差は見逃せません.
性能等を比較すると…
・サイズ(W*H*D):141*113*82mm(D700:147*123*77mm)
・画素数:2,400万画素(D700:1,200万画素)
・視野率:100%(D700:95%)
・ISO感度:100-6400(D700:200-6400)
・AF測距点:39(D700:51)
・最高シャッター速度:1/4000秒(D700:1/8000秒)
・連続撮影速度:最高5.5コマ/秒(D700:5コマ/秒)
・フルHD動画撮影:あり(D700:なし)
・シーン撮影モード:あり(D700:なし)
というような感じです.
動画撮影は昨今の流れなのでわかるのですが、シーン撮影モードがついているとはちょっと驚きです.フルサイズ機が今まで以上に普及層におりてきたという感じでしょうか.
D600でうらやましいのは、視野率100%ですね.D700の95%は撮影後に意図しないものが写っていたりすることがあるので、100%が魅力的に見えます.
シャッター速度が1/4000秒に抑えられているのはちょっと残念です.D700は最低ISO感度が200なので1/8000秒でもNDフィルタが欲しくなることがあったりしましたが、D600のISO感度100と1/4000秒では同じことになります.
現状としては、D700からD600に買い替えるという必要性はさして感じられないという印象です.
個人的には画素数も撮影速度も低くてよいので、もっとコンパクトで軽量なモデルが欲しいですね.
2012/08/03

iOS用アプリで人気の高い画像加工ソフト「Snapseed」のMac版が通常価格1,700円のところを期間限定で半額の850円で売られていたため、購入しました.以前から欲しいアプリではあったのですが、1,700円は微妙だなと思っていたので(iOS版は450円とかだったような)、この値段であれば即決ですね.

Snapseedは画像にエフェクト等をかけるためのソフトです.単純な明るさ調整などだけでなく、ヴィンテージ風に加工したり、最近のミラーレスカメラなどによくあるミニチュア撮影風な加工なども簡単にできるようになっています.

さらに、簡易的ながらも「コントロールポイント」機能を装備しています.
ニコン純正のRAW現像ソフト「Capture NX2」にもライセンスを受けて搭載されている機能で、画像の一部分を指定してコントラストや輝度などを調整できます.

ミニチュア機能.カリカリにシャープをかけて、TILT-SHIFTを設定することで簡単に作成できます.ピントの中心とぼかしをかける範囲などを画面で確認しながらできるので楽々です.

ヴィンテージ.モノクロ処理をかけたのちにヴィンテージを設定し、最後にフレームを追加.

ドラマティック.ヴィンテージ処理で色調をいじってから、DRAMAを選んでHDR風味に.
メインで使っているApertureはこの手の機能はほとんどありませんので、現像処理後にアクセントを加えるのにちょうどいいアプリですね.
2012/07/24
「キヤノン、同社初のミラーレスカメラ「EOS M」。APS-Cセンサー採用」
キヤノンから「ミラーレス」と呼ばれるジャンルのデジタルカメラが発表されました.
「一眼レフ」と呼ばれるカメラは、内部に可動式のミラーが装着されており、「ミラーレス」カメラは、このミラー構造を取り外したものです.まあ、構造的には一眼レフよりもコンパクトデジタルカメラのレンズを交換可能にしたものというほうが近いといえます.わざわざ「一眼」という言葉を使うメーカーがあるのは、一眼レフが高性能・高画質の証であるために、それにあやかろうとしているのでしょう.
それはさておきとして.
EOS Mについて.撮像素子のサイズはキヤノンの一眼レフの普及型モデルに採用されているAPS-Cサイズ.コンパクトデジカメ、略してコンデジに比べたらはるかに大きなサイズなので、画質的には期待できそうです.
レンズマウントはEF-Mマウントと呼ばれる新しいもの.従来のEFマウント用のレンズが使えるようにとアダプタが用意されます.この辺は各社とも当然のように用意してくる製品ですね.新マウントではありがちなレンズの少なさを補うという点でも欠かせないところでしょう.
操作系はシンプルそのもの.一眼レフ、とくに高級機ではボディのあちこちに単一機能を割り振ったボタンが用意されていて瞬時に設定を変更できたりしますが、そのような使い方は想定していないようです.また、液晶/光学ファインダは装備されていなく、外付けオプションもなし.つまり、カメラに小うるさいマニア層をターゲットにした製品ではないということです.
キヤノンの製品ラインナップとしてはコンデジのIXYとPowerShot、一眼レフのEOSがあり、今回の製品はその中間に位置します.その辺もあって、性能的にEOSを超えるような突出したところもなく、「落ち着いた」スペックになっていると感じました.自社の製品ラインナップを考慮した、マーケティングよりの製品作りとでもいうか.
このあたり、同様にコンデジ「CoolPix」と一眼レフ「Dシリーズ」との間に「Nikon 1」をリリースしたニコンにも通じるものがあります.
ミラーレスの製品はすでにカメラメーカー各社から出されていますが、一眼レフのシェアが低いメーカーのほうが起死回生を狙って意欲的な製品を出している傾向にあります.なので、そうしたメーカー(具体的にはオリンパスやパナソニック、あとはソニー)のほうが惹かれる製品が多いですね.
自社のヒエラルキーに足を引っ張られた製品を作り続けるのか、それとも自社の一眼レフのシェアを食いつぶすほどの製品を作るのか、はたまた一眼レフとは方向性の異なる斬新なジャンルを開拓するのか、キヤノンやニコンの動向は興味深いです.
2012/06/10
GR DIGITAL IV購入から2週間弱ですが、もろもろ撮影したものを見ての感想など.

RICOH GR DIGITAL IV
ISO160 F1.9 1/1520秒 ダイナミックレンジ補正:中 画像設定:ポジフィルム調
GR DIGITALシリーズで素晴らしいと思うのがやはりレンズのよさ.単焦点レンズということもあって、歪みの少ない描写は魅力的です.

RICOH GR DIGITAL IV
GRD4から搭載されたのがダイナミックレンジ補正.GRD3でも似たような機能が装備されていましたが、そちらは2枚撮影して明暗を調整するものでした.それだと動きのある被写体や構図に少しでもズレがあると違和感のある写真ができてしまいます.1枚だとそうした不自然さがない写真ができあがります.
左上、右上、左下、右下の順で「補正なし」「補正:小」「補正:中」「補正:大」.
右側のビルや中央のガード下などに効果が出ています.

RICOH GR DIGITAL IV
ただし、デメリットもあります.ダイナミックレンジ補正をかけることでISO最低感度が125、160、200と上がり、また最高感度も2500、1600、1250と下がってしまいます(ダイナミックレンジ補正オフの場合、最低80、最高3200).
最低感度が上がることでややざらついた画質になることもさることながら、日射しのある日中だと絞り込まないと露出が合わなくなります.
GRD4のような撮像素子が小さなカメラで絞りすぎると、回折してぼやけた画像になってしまいます.上の写真の一部を切り出したものですが、左上から順にF3.5、F4.5、F5、F5.6です.F5.6までくると顕著にぼやけます.
便利な機能ではありますが、常時オンで使うのは避けたほうがよいかもしれません.

RICOH GR DIGITAL IV
ISO80 F5.6 1/2000秒 画像設定:ポジフィルム調
GRD4になって改善されたといわれているのが空の青さ.初代GR DIGITALで好評だったものを再現したとかいう話をどこかで読みましたが、たしかにいい色が出ると感じました.
が、前述のように絞りすぎによる回折が出るのでなんらかの対策がほしかったところです.GRD4にはNDフィルタが内蔵されていますが、F8以上絞り込んだときに補助的に使っているだけなので、もっとユーザ側で積極的に使えるようにできればいいのにと思いました.

RICOH GR DIGITAL IV
ISO192 F2.5 1/32秒 画像設定:ポジフィルム調
GRD3から導入されたオートホワイトバランスの強化版「マルチパターンAUTOホワイトバランス」.さらに改善されているような印象です.
窓からは夕陽が入り、店内の照明もある複雑な状況ですが、絶妙な色調になりました.もちろんイマイチなこともありますが、ホワイトバランスを手動で取らないとダメな状況は減っていると思います.

RICOH GR DIGITAL IV
ISO766 F1.9 1/15秒 画像設定:ブリーチバイパス
GRD4から追加された画像設定に「ポジフィルム調」と「ブリーチバイパス」があります.また、GRD3ではSCENEダイアルでしか撮影できなかった「クロスプロセス」「ハイコントラスト白黒」も通常の撮影モードで使えるようになりました.
素晴らしいのは、「画像設定ブラケット」ができること.1枚撮影するだけで3つの画像設定の撮影ができます.
自分はポジフィルム調は通常撮影モードとして使用し、画像設定ブラケットには「ブリーチバイパス」と「クロスプロセス」をセットしてあります.
ブリーチバイパスは人工物を撮ると、いい感じでドライさが出てよく馴染みます.

RICOH GR DIGITAL IV
ISO160 F1.9 1/1070秒 ダイナミックレンジ補正:中 画像設定:クロスプロセス

RICOH GR DIGITAL IV
ISO80 F2.5 1/104秒 画像設定:クロスプロセス
クロスプロセスは癖がよくつかみ切れてないので扱いが難しく感じられます.
植物を撮ると案外よく合うような気がしました.
画像には表れない違いですが、GRD3からGRD4になって最大の進歩を感じたのはAF速度です.GRD2、GRD3での最大の不満が解決されました.
GR DIGITALシリーズもこれで4代目.めざましい進歩というわけではないですが、ユーザの希望をくみ取って、かゆいところに手が届くような着実な進歩をしています.日々持ち歩く1台としては、個人的には他は考えられないですね.