
GR DIGITAL III
浅虫温泉みやげとして名高い「久慈良餅」と「板かりんとう」です.
・・・いや、自分も今回の旅行の下調べで初めて存在を知ったのですが.
久慈良餅は「くじらもち」と読みますが、鯨肉は使われていません.「久しく慈しまれる良い餅」であるようにという願いを込めて久慈良餅としたようです.餅米とこしあんを混ぜ合わせて作り、上にクルミがのっています.ういろうとかに近い感じでしょうか.おいしいです.会社に持っていったのですが、もっとないのかと言われるほどでした.
板かりんとうは小麦粉と砂糖などを練ってごまを入れて油で揚げたもの.
かなり堅いです.旅行初日に買って、割れたりしないようにと気を遣って持ち運んでいたのですが、実際に食べてみてそんな必要はなかったと思えるほどでした.煎餅とかの比ではありません.でも甘さも控えめでこちらも好評でした.両方あわせて1,000円くらいだったと思います.
金曜に休暇を取って、日曜の朝にかけて津軽を旅行してきました.
今回津軽旅行を思い立ったのは、
・どこか寒いところに出かけたい
・ストーブ列車に乗ってみたい
・現在の年齢が太宰治の享年と同じなのでいい機会なのではないか
・五能線にも乗りたい
・どうせなら寝台特急も
というような理由によるもので、それほどの深い意味はありません.フツーの観光ですね.
当初は1月21日の出発を予定していたのですが、年明けになって宿泊先を探したところどういうわけか埋まっていたので2週先送りにしました.1週先送りにしていたら大雪のために鉄道が麻痺してしまった日にあたっていたのであぶないところでした.

Nikon D700 + AiAF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)
普段よりも早い時刻に自宅を出て新宿で中央線に乗り換えて東京駅に向かいます.ぼんやりと外を眺めていたところ、1ヶ月後にデビューする「はやぶさ」こと新幹線E5系が東京駅のホームに入っていくところが見えました.
モバイルSuica特急券を使って携帯電話で改札を抜け、ホームに上がってみるとそのE5系が停車していました.試験走行のようです.さすがに人気で撮影をする人が後を絶ちませんでした.

Nikon D700 + AiAF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)
いつかは乗りたいグランクラス.3月5日デビュー当日のグランクラスはわずか10秒で完売、一般座席も40秒で完売と大人気です.せめて中の様子だけでも見たかったのですが、残念ながらブラインドが下ろされていて見ることができませんでした.
そんなE5系が出発し、次に入線してきた新幹線に乗り込みます.「はやて・こまち」ということで前方に秋田行きの「こまち」が、後方に新青森行きの「はやて」が接続されています.
速達タイプなので大宮を出ると仙台まで停車しません.ぐんぐんと北上していきますが沿線にそれほど雪が見えてきません.山間部は雪化粧していたりするのですが道路に雪が残っているようなところはほとんどなく、思ったよりも雪が少ないのだろうかと思っていたところ突如変化が起きました.

GR DIGITAL III
一ノ関駅の過ぎた先にある長いトンネルを通過している最中に冷気を感じたかと思うと窓が曇り始めました.そしてトンネルを抜けると一気に雪景色に.旅情気分が出てきてなんだかちょっと嬉しくなってきました.

GR DIGITAL III
盛岡を過ぎたあたりからトンネルが非常に多くなり、車窓がつまらなくなります.
途中八戸に止まり、そして次はようやく新青森に到着です.距離にして東京から700km以上、所要時間3時間半くらい.仙台が中間地点といった感じでしょうか.

Nikon D700 + AiAF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)
20分ちょっと待って各駅停車で青森に向かいます.新青森の駅前にはほとんどなにもありません.駅構内に売店や食事処はありますが、それはこれから新幹線に乗る人たちのためのものでしょう.団体さんなんかは広大な駅前ロータリーに駐車してある観光バスに乗り込んでどこかに向かっていきますが、個人客の多くは在来線に乗り換えます.新幹線の本数も少ないのですから、もうちょっと青森行きの列車との接続時間を短くしてくれてもいいんじゃないかと思います.

Nikon D700 + AiAF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)
青森駅に着きました.駅構内の構造などは、青函連絡船が現役だった当時のつくりのままです.対岸の函館駅は駅舎を建て直してすっかり姿を変えてしまったようですが(建て替えてからは行ったことがないので詳細はわかりません)、新幹線の駅が別になってしまったのでしばらくはこのままなのでしょうか.

Nikon D700 + AiAF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)
夕方に浅虫温泉に向かうまでは特に予定もないのでぶらぶらと歩いて過ごします.
が、雪ならぬ雨が降ってきてしまったこともあって、八甲田丸に逃げ込むことにしました.
かつての青函連絡船であった八甲田丸は今は資料館として使われています.自分が最初に北海道旅行をしたとき(飛行機ではなくて鉄道を乗り継いで行きました)にはすでに青函トンネルが完成していたため青函連絡船は利用したことがなく、展示物を見てもさしたる郷愁も感じませんでした.が、やはりというか、例のあの曲がスピーカーから流されており、独特の雰囲気の片鱗を味わうことができました.
歴史のある青函連絡船らしく、資料も多く、さらには船倉にまで入って鉄道車両まで見ることができました.

GR DIGITAL III
続いて青森県観光物産館アスパムへ.ここで昼食を取ろうと思っていたのですが、どうやら終わってしまっていたようなので売店でアップルパイを購入しました.
焼きリンゴを使ったものとジャムを使ったものがあるとのことなので焼きリンゴのほうをいただきました.リンゴならではの食感を期待していたのですが、かなり柔らかめでした.酸味が強く(たしか紅玉を使用しているとのこと)、リンゴの持ち味をきちんと活かしているのが本場ならではのこだわりなのでしょう.

Nikon D700 + AiAF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)
青森駅のレストランで海鮮丼を食べ(JR系のレストランでイマイチでした)、宿泊先である浅虫温泉に向かいます.
新幹線が新青森まで開業したため、従来の東北本線は盛岡から青森まではJR東日本に代わって第三セクターが運営しています.第三セクターなので県で運営会社も異なり、青森県エリアは青い森鉄道が運営を行っています.

Nikon D700 + AiAF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)
今回お世話になったのは「ヘルシーインあさむし」です.駅から近く(手前の雪をかぶっているところが駅)、こじんまりとした宿で料理が期待できそうなのでここを選びました.

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楽天トラベルからすき焼きコースを申し込んだのですが、すき焼きのおいしさはいうまでもなく、刺身や焼き物などボリュームもあって満足でした.
右下の写真の茶碗蒸しですが、ぎんなんの代わりに栗の甘露煮が入っており、甘めの味付けでした.このあたりでは茶碗蒸しはこういうものなのだそうです.
屋上には貸し切り露天風呂があり、1人あたり30分利用できるようになっています.自分は暗くなってから利用したので海を見ることはできませんでしたが、眼下に浅虫温泉駅を見下ろすことができ、鉄道好きにはたまらないかもしれません.寒いですが.
夜には近くのホテルで開催される津軽三味線の演奏会も見に行けるとのことでしたが、ちょっと疲れもあり明日も早いので部屋でゆっくりと過ごすことにしました.
ふだんはテレビとかまったく見ないのですが、夕方のローカル情報番組が面白くて見続けてしまいました.スーパーの社長とおぼしき人が登場してきて、結構なサイズの真鱈が1匹まるごとで580円とか、白子がこの特価でとかとお買い得情報を紹介していたり、天気予報ではあすの朝の水道管の凍結予報があったりと目新しくて見飽きません.
(2日目(前編)はこちら)