2016/09/22
iPhone SEをiOS 10にアップデートしたところ、「ヘルスケア」アプリの内容が以前にもまして詳細に記録が取れるようになりました.それに触発されて、体重等の管理をiPhoneでしたくなって新たな体組成計を購入しました.
FUJIFILM X70
今まで使っていた体組成計、オムロン HBF-354-W.2004年にamazonで購入しました.かれこれ12年も使っていたのも驚きではありますが、それ以上にamazonで買い物をしていたのがいつの間にか10年以上経過していたのも驚きです(最初の購入は2003年).
FUJIFILM X70
今となっては少なくなった、両手両足で計測タイプの体組成計なのですが、経年劣化で本体と手で持つ部分をつなぐカールコードの皮膜が破けてしまい、内部のケーブルがむき出しになってしまっています.単三電池4本を使いますが、ほぼ毎日使って電池の交換は一度だけという省電力.しかしながら、その1回が2011年の震災直後に起きて、単三電池の入手に苦労した覚えがあります.
FUJIFILM X70
今回購入したのはタニタのRD-900.スマートフォン対応機種はiPhoneのみ.iPhone/アンドロイド両対応としてRD-902が出ていますが、自分はiPhone対応のみで十分なので価格の安いRD-900を選びました.
ちなみに、オムロンからタニタに変えたのは、タニタの製品はデータをiOS 10の「ヘルスケア」アプリに自動転送できる(体重、体脂肪のみ自動、BMIは手動)が、オムロンの製品はiOS 10の「ヘルスケア」に転送できるかどうかが調べてもわからなかった、という理由です.
FUJIFILM X70
製品の入ったダンボールのふたを開けるとこのようなメッセージが.
Appleの製品に代表されるような海外の少しこじゃれた製品にはパッケージにメッセージ性を込めたものが見られますが、その流儀にならった感じでしょうか.
FUJIFILM X70
12年使い続けた体組成計と比べてずいぶんと洗練されたデザインです.薄く仕上げられており天板はガラスの一枚板のフルフラットです.ガラスを使っているせいか、見た目のわりにはずしっとくる重さです.
電源は単三電池4本.iPhoneとの接続はBluetoothで、専用アプリ「ヘルスプラネット」を使って通信を行います.アプリ上で必要項目を入力しておき、体組成計の「○」ボタンを3秒長押しして画面の指示通りに体組成を計測すれば設定完了です.逆に、iPhoneがない場合は本体の少ないボタンで設定をしなくてはならないので使い勝手は悪そうです.

計測方法は簡単で、まずは前述のiOSアプリ「ヘルスプラネット」を起動し、「データを入力」をタップ.すぐに体組成計の電源が入り、iPhoneの画面に「体組成計に乗ってください」と表示されたら乗り、数秒で計測完了.

「ヘルスプラネット」の設定で「ヘルスケア」とデータ連動するようにすることで、自動的に体重と体脂肪が「ヘルスケア」でも表示されるようになります.BMIについては自動では表示されないのですが、BMIのデータを手動で追加する画面を開くと、すでに数値が入力されているのでそのままボタンを押すだけで完了します.自動登録されないのはおそらく、BMIは身長と体重から産出される数値なので身長が同時に記録されていないためなのではないかと思われます.健康に気を使う人でもあんまり身長は毎日測らないと思うので、この辺は柔軟に対応していただいてもいいんじゃないかと思いますが.
今までの体組成計でも記録は残していたのですが、ただ記録していただけで推移をグラフにしてチェックしたりするわけでもなく、あんまり意味のないものでした.こうして数値をチェックし推移をグラフで確認できるようになると、多少は健康管理にも気を使うようになるかもしれません(願望).
2016/09/20
映画『エクス・マキナ』を観に行ってきました.
海外での公開は2015年1月からなのですが、なぜか日本ではなかなか公開されず、そのうち存在を忘れてしまっていました.しかし、今朝電車に乗っていて下高井戸駅のホームにある「下高井戸シネマ」の広告欄に「エクス・マキナ」のポスターが貼ってあったのを見て、さっそく観に行ったというわけです.あとで調べたら6月から各地の映画館で公開が始まっていたようです.チェックが甘いですね.
世界最大の検索サイト会社に勤務する主人公、ケイレブ.社内の抽選に当選し、社長であるネイサンの別荘に1週間滞在する権利を得る.しかし、そこは単なる別荘ではなく、研究施設でありAIの研究が行われており、女性型ロボット、エヴァが開発されていた.ケイレブにはエヴァが人間と同様の知能や感情を有するかのテストが任され…… というのが大まかなあらすじ.
舞台が自然に囲まれた別荘であり、別荘での登場人数(ロボット含む)はわずか4人.エンディングのスタッフロールを見てもキャストに名前が挙がっているのは10人だけと、ここまで登場人物の少ない映画は初めて見ました.
別荘はカード認証システムによって立ち入りが厳重に管理されており、人数の少なさも相まって密室的な要素もあります.
ケイレブとネイサンという人間同士、ケイレブとエヴァ、ネイサンとエヴァという人間とAIの対立、なにが正しいのか、そして主人公すらも自分がもしかして人間ではないのではないかと苛まれて変調をきたし始める、というような話は非常に好きなので楽しんで見ることができました.
高度にハイテクな技術がテーマとして扱われているわりには、各部屋のアクセス管理がカードキーのみで顔認証すらなかったりと(もちろんそこが要因となって話が展開するのですが)、ちぐはぐな部分がやや気になる面もありました.あと、あんまり書くとネタバレになりかねないですが、ロボット三原則はここには存在しないようです.
ところで、この映画のようなAIや機械、ロボットと人間との関係を扱った話になると、日本と欧米など諸外国では180度正反対ともいえるような展開になることが多いということが以前からよく指摘されていたりします.
日本ではわざわざ例を挙げるまでもないほど誰もが知っている鉄腕アトムやドラえもん、大型のものではマジンガーZやらガンダムなど、アニメや漫画で人間のパートナーとして描かれるキャラクタが非常に多いです.結果として、大学などの研究施設ではアトムを作りたい、というようなモチベーションで研究をする人が多いと聞いたことがあります.
翻って外国では侵略者や破壊者、もしくは仕事など自分たちの居場所を奪うもの、としてロボットが描かれることが多いです.「新スタートレック」にはアンドロイドとしてデータ少佐が登場しますが、ストーリーの最初のほうやゲストとして登場するキャラクタからは冷淡な扱いを受けているところが何度も出てきます(途中からは欠かせないパートナーとしてクルーの大切な一員として扱われますが).
こうした彼我のAIやロボットに対する見解の差異がこの映画でも感じられます.
別荘での登場人物の一人であるキョウコですが、ソノヤ・ミズノという日系イギリス人が演じており、ケミカル・ブラザーズのPVにも出演しています.その映像はモロにエクス・マキナの影響を受けているように見えます.
2016/09/15
(その1はこちら、その2はこちら)
高野山では宿坊に泊まったことはすでに書きましたが、宿坊、つまりお寺に泊まるということは朝から勤行があるわけでして.前日に部屋に入った時に、明日は本堂に朝6時半に来てくださいと伝えられました.しかも浴衣は不可.
正座はつらいですが、朝から勤行というのは身が引き締まる感じがしました.


FUJIFILM X100T
勤行が終わると、部屋に朝食が用意されていました.通常であれば、朝食は広間でいただくことになっているようですが、この日の宿泊者は自分だけでしたので、このような計らいをしていただけました.
見た目が牛肉の煮込みのようなもの、食べてみると肉とは違うのですが、かといってなにであるかわからないので尋ねてみたところ、大豆の加工品だそうです.
がんもどきは美味しい出汁がしみこんで満足な一品でした.
FUJIFILM X100T
ところでこの成福院の湯呑みはこのような紋が入っています.毛利家の紋ですね.戦国大名の庇護を受けているお寺が多いそうで、真田家の庇護を受けているお寺は大河ドラマの影響で今年は宿坊の引き合いも多いそうです.
FUJIFILM X100T
宿泊代を支払い、車と荷物を置かせてもらって、街に出ました.
まずは高野山の代表的寺院である金剛峯寺に.
FUJIFILM X100T
本来、高野山はすべてが金剛峯寺の敷地であり、それを象徴するかのように、非常に広大です.
これは「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」と呼ばれる石庭.2,340平方メートルもあり、国内でも最大級の石庭だそうです.
FUJIFILM X100T
広大な寺院内の途中でお茶とお茶菓子をふるまわれました.
FUJIFILM X100T
金剛峯寺を出て、ずっと東に進むと「奥の院」があります.ここは弘法大師を祀っているところであり、それと同時に広大な墓地でもあります.墓地なので写真は撮りませんでしたが、名だたる戦国武将の墓がそこかしこにありました.
宿泊のお会計をしている時に、10時半に弘法大師に食事を運ぶ儀式があるのでその時間に行くことを勧められたので、行ってみたところ、駕籠に食事を入れて運んでいる様子を見ることができました.一般的に仏教は死んだら極楽浄土に行けるというものではありますが、密教の場合は即身成仏といって肉体を持ったまま悟りを開いて仏になるという教えであり、弘法大師はいまも生きており、食事をこうして運んでいるのだそうです.
FUJIFILM X100T
こうして奥の院にも参拝してから、お土産を買ったり、さらに近くの和菓子店でお茶をいただきながら一息ついたりして高野山をあとにしました.行きは紀伊半島側から上ってきましたので、帰りは反対側の奈良方面に下り、名阪国道や東名阪道、伊勢湾岸道、新東名を使って帰りました.
昼ごろ高野山を出て、途中の天理PAに立ち寄ったところ松屋があったので牛丼をいただきましたが、やっぱり肉って旨いなとしみじみ思いました.まだまだ精進が足りないようです.
GPSロガーのデータをマッピングしたもの.走行距離は約1,200kmほどでした.
2016/09/13
(その1はこちら)
FUJIFILM X100T
早めに宿泊先を出て、最初の目的地である熊野那智大社に.熊野那智大社といえば、すぐ近くにある那智滝が有名ですが、もう一つ、「大門坂」という熊野古道を通って参拝できるのも大きなポイントです.熊野古道自体は旅行中にも案内の看板を様々な場所で見ましたが、こうして参拝とからめて歩くことができるのは貴重です.
大門坂から参拝する場合には無料の駐車場が利用できます.熊野那智大社近くの駐車場を使う場合には有料となりますが、お土産店などの駐車場も他にありました.
FUJIFILM X100T
杉並木の石段を登っていきます.
平日の朝8時過ぎだからでしょうか、誰とも会いませんでした.
前日までの雨の湿気が残り蒸し暑かったせいもあって、全身汗だくです.とはいえ、昔から残る古道を歩くことなど滅多にないので貴重な体験でした.
FUJIFILM X100T
熊野古道の石段を登りきり、これで到着かと思いきや、お土産店の並ぶ石段をさらに登り、そしてさらに石段を登らなくてはなりません.日頃の運動不足がこういうときに露呈されます.
FUJIFILM X100T
ようやく境内に.手水が冷たくて気持ちよかったです.参拝を済ませ、隣の青岸渡寺に向かうと遠くに那智滝が見えました.足がガクガクしますが、ここまできたらと滝のほうに向かいます.
FUJIFILM X100T
案内板に従って坂を下ると、飛瀧神社の入り口が.飛瀧神社は那智滝をご神体とする神社です.
FUJIFILM X100T
鬱蒼とした石段を下りていくと、目の前に巨大な滝が現れて圧倒されます.
写真では白とびして見えないですが、滝の上にはしめ縄があります.あんなところにどうやってかけたのかと、かける時のことを考えると寒気がします.
ガクガクする足で雨に濡れた熊野古道の石段を降りるのはあまりにも危険そうだったので、うねうねとした車道を歩いて駐車場まで戻りました.
FUJIFILM X100T
約50km、1時間ほどかけて熊野本宮大社に.
FUJIFILM X100T
これまでに訪れた、熊野速玉大社、熊野那智大社、そしてこの熊野本宮大社をあわせて「熊野三山」と称します.
FUJIFILM X100T
熊野本宮大社を出て高野山へ.
実は今回の旅行を熊野と高野山に決めた理由の一つがこの移動でした.距離にして約100km、交通量の少ない追い越し可能なほどよく整備された山岳路.まさにロードスターで走るのにうってつけの道路です.登っていくにつれて気温も下がり、オープンにしても暑さを感じず最高の気分でドライブしていたのですが…… 途中から霧が立ち込めてきて、ついにはこんな状態に.もはやオープンで走るどころか、速度を落としておそるおそる様子を見ながら走るしかありません.
FUJIFILM X100T
霧がようやく晴れてきて、坂を登りきったと思ったら、いきなり街が開けていたので驚きました.標高800mもの高さにあって、周囲は山道なのに、高野山一帯だけはほとんど坂らしい坂もない平野が開けています.
こちらがお世話になった成福院(じょうふくいん).見てのとおりお寺ですが、こちらの宿坊にお世話になったというわけです.
FUJIFILM X100T
部屋に荷物を置き、まだ夕飯や門限(18時には正面の門は閉まるので、その場合は横の小さな入り口からどうぞ、と言われましたが)まで時間もあったので、まずは西端にある高野山の表玄関ともいえる大門に.大門の先は麓に降りる山道が続いており、ここも霧が立ち込めていました.
熊野では30度くらいあった気温も800m登って20度ほどまで下がっています.宿坊には冷房がなく、避暑地として使われていたというのも納得です.
FUJIFILM X100T
壇上伽藍の金堂と大塔です.高野山には自分が泊まった成福院などたくさんのお寺がありますが、高野山のすべての土地は「高野山 金剛峰寺」というお寺の敷地ということになっています.その巨大なお寺の中心部と位置付けられているのが壇上伽藍です.
金堂も大塔もあまりにも巨大すぎて、X100Tの35mm換算35mmのレンズでは全体が収まりきりません.いくつものカメラをぶら下げたり、レンズを交換するのを嫌って今回はX100Tのみ持って行きましたが、あまりの建物の巨大さにX70やX-T1に14mmをつけたものを持って行くべきだったかと後悔しました.
大塔の前にいるのは高野山のマスコットキャラの「こうやくん」.このあと訪れた高野山の宝物を集めた「霊宝館」では、通常の説明の横にこうやくんのややくだけた説明があったりと、高野山や密教といった、とっつきにくいものをフレンドリーに紹介する存在のようです.






FUJIFILM X100T
戻って少ししたら夕食の時刻.もちろん精進料理です.
料理素材に肉や魚を使っていないのが精進料理の特徴ですが、調味料やだしも野菜由来のものを使っており、鍋の出汁も昆布からとっているそうです.
どの料理も美味しかったのですが、なかでも胡麻豆腐は絶品でした.今まで食べたことのある胡麻豆腐はなめらかな中にざらっとしたゴマの外皮の食感が残っているものでしたが、外皮の存在がまったく感じられずクリーミーといっていい食感.
また、デザートの生麩にこしあんが入ったものが気に入って、翌日店で買ったほどでした.
(その3につづく)
2016/09/11
遅い夏休みを利用して、熊野三山と高野山に旅行に行ってきました.
FUJIFILM X100T
今回の移動手段はロードスター.昨年ほどではないですが、そこそこの長距離移動です.
前日に静岡の実家に宿泊し、まずは愛知県の渥美半島の先端にある伊良湖岬からフェリーに乗船して三重県の鳥羽に移動.台風の予報が出ていて天候的に不安でしたが、この段階ではまだ晴天で台風の兆しは感じられませんでした.
FUJIFILM X100T
伊良湖-鳥羽間を車を乗せてフェリー移動するのはRX-8以来2度目です.
フェリーの自動車料金は全長に応じて値段が変化するのですが、NDロードスターは4mを切っているのでRX-8と比べて1,000円ほど安くなっています.
FUJIFILM X100T
乗船.3列に車は並んで入るのですが、中心に重量と幅のある観光バスを、両側に左右順番に乗用車が並びます.出発する時は中央の観光バスがまずは出発し、左右順番に乗用車が続きます.左右の重量バランスをとっているのでしょうか.
FUJIFILM X100T
鳥羽を出発して、伊勢自動車道から紀勢自動車道に入り、まずは熊野速玉大社に.
紀勢自動車道は未成中のようで、途中で海沿いの国道42号線を走りましたが、徐々に海が荒れて天候がどんよりとしてきました.熊野速玉大社に着く少し前には雨も降り始めたものの、参拝中はなんとか小雨でしのぐことができました.
FUJIFILM X100T
熊野速玉大社の境内.周囲の山に霧が立ち込めており、厳かな雰囲気を感じます.天気が悪いのも案外いいものであったりします.
ちょうど観光バスの一行様と鉢合わせしてしまい、参拝しようにも建物内に一行様がいるので、まるでその人たちに参拝しているかのようになってしまうので、境内をうろうろとしていました.
FUJIFILM X100T
手持ちの御朱印帳がそろそろ使い切りそうだったので、今回の旅行の分として熊野速玉大社で新しい御朱印帳を購入.
世界遺産記念の杉でできた御朱印帳です.この御朱印帳の存在は知っていたのですが、中身まで杉でできているとは知りませんでした.
FUJIFILM X100T
参拝も済ませ、宿泊先に.南紀勝浦の湯快リゾート越之湯に.
那智勝浦新宮道路で移動中に凄まじい豪雨にあい、しかもカーナビの地図が古くて降りる場所を超えてしまい、やや遠回りに.豪雨で周囲の状況把握もしづらく、鯨漁で有名な太地町を通る時に「落合博満野球記念館」なんて案内板があったりして、なかなか奇妙な感覚でした.
宿泊先をカーナビで指定したところ、路地のようなところに案内されて、こんなところに宿はないだろ…… と思ったら小さなトンネルがあって、その先がちょっとだけ開けていて宿泊先がある、という奇妙な立地でした.正面は海(漁港)、背面は山、宿泊先に通じる道路はトンネルという、台風襲来時に泊まるにはややスリリングな環境.とはいえ雨は強かったものの、風はそれほどでもなく、快適にすごせました.
(その2につづく)