2013/09/16

車で東北旅行(その2)

Category: 旅行・観光 — Annexia @ 19:16

 つづきです.

 前日は満腹のあまり温泉にも入らず眠ってしまったので、6時に起きて温泉へ.
 木造の旅館なので、もちろん脱衣所も湯船もすべて木製で風情のある温泉でした.

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 夕食は部屋食でしたが、朝食は広間で.
 旅館の朝食に焼き魚が出てくるのは定番ではありますが、ここは三陸.サンマが一匹まるごとです.朝食前に部屋にいて、焼き魚の匂いがするなと思っていたら宿泊客の人数分のサンマを焼いていたわけなのですね.

 旅館を出たところでちょっとしたトラブルが.エンジンをかけようとしたところ、スターターノブが回りません.
 ロードスターのキーは無線通信式になっていて、鞄の中にでもキーがあればエンジンをかけることができるのですが、どうやら電池切れなのか通信がうまくいかずにロックがかかってしまったようです.なので、非常用手段としてスターターノブを外してキーを直接差し込んでエンジンを始動しました.それ以降は旅行中にエンジンがかからなくなったことがないので、原因は不明です.1年くらいで電池切れになるようなのでそろそろキーの電池を交換したほうが良さそうです.

 旅館を出て、きたときとは反対方向の山道を数キロ走ったところで国道45号線に出ました.
 この国道45号線は三陸沿いに仙台から青森までをつなぐ主要道です.

 しばらく走ったところで海が見えてきました.そして道路標識に「ここから過去の津波浸水区間」なる表示が.この看板、三陸沿いに移動している間に無数に出てきました.道路は段差もあり、ダンプカーなどの輸送車両もたくさん走っています.
 一般道とは違うところに綺麗な舗装がされているところがあるなと思ったら、それはJR東日本が運行している「BRT」でした.気仙沼線の路線は橋脚などの多くが流されてしまい、復旧まではかなりの年月を要します.そこで代替輸送手段として、使用可能な鉄道路線部分やトンネルを舗装して専用路線としてバスを走らせているのです.

 最初に見えてきた街は南三陸町でした.平地にたっていたであろう建築物はそのほとんどが焼失し、雑草の生えたがらんとした土地だけが広がっていました.あるのは復興商店街の建物や仮設住宅、そしてコンビニ.どれもがプレハブです.
 国道45号線から少し離れたところに、映像で見覚えのある南三陸町の庁舎の鉄筋だけが見えました.テレビの映像で見たあの建物が現実として視線の先にあり、2年半前にここで起きた出来事のことを考えるといたたまれない気持ちになりました.

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 南三陸町を抜けて気仙沼市に入り、国道45号線をはずれて市街地をしばらく走った先、鹿折唐桑駅近くには打ち上げられた漁船がありました.このまま震災を象徴するものとして遺すかどうかが検討されていましたが、辛い記憶を呼び戻してしまうとのことで解体が決定した漁船です.すでに船の周りにはフェンスが設置され解体工事が始まっていました.
 震災を象徴するものの一つとして知られており、また解体が始まったのがニュースになったこともあってか、ひっきりなしに人が訪れていました.

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 道路を挟んだ反対側には仮設店舗のセブンイレブンがありました.

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 再び国道45号線に戻り、北上すると陸前高田市に到着.
 かつては高田松原として松林が見事な景観を誇っていた海岸も、あの1本の松を残して様変わりしてしまいました.
 駐車場が用意されているのですが、一本松まではしばらく歩きます.そしてその歩いている周囲はすべて防潮堤の再建など復興工事現場なのです.

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 正直なところ、訪れるまでは「奇跡の一本松」を残すということにやや懐疑的でした.
 松の木として残るのであればそれは手放しで喜ぶのですが、すでに壊死したものを特殊加工して設置するなんて、と.
 しかし、実際に現地を訪れてみて認識が変わりました.津波ですべてを持って行かれたなか、一本だけ残った松が住民にもたらした希望や復興への想いを.周囲はまだ荒涼とした土地が広がり、重機がせわしなく動いている状況ですが、いずれ復興を果たしたときにその記憶を遺す存在として重要なのだと.

 さらに北上すると大船渡市に入りました.
 大船渡といえば「かもめの玉子」というお菓子.震災の時、ここのかたが撮影した、大船渡の街が津波にのまれている映像が非常にインパクトがあったことが思い出されます.
 国道45号線沿いに、そのさいとう製菓のお店があったので、会社土産用に期間限定の栗のかもめの玉子と、自分で食べるためのゆべしや単品売りのかもめの玉子を購入しました.綺麗な店舗だったのですが、あとから調べたら仮店舗なのだとか.

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 釜石に向かう途中、「道の駅さんりく」で「浜どこラーメン」をいただきました.塩ラーメンにホタテやカニ、エビ、貝や海藻などの海産物が入った塩ラーメンです.出汁がきいてて美味しかったです.

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 釜石からは内陸に向かって移動.
 途中、「道の駅 遠野 風の丘」でごまとバニラのミックスソフトクリームをいただきました.デッキに出てみると、景色の良さに感動しました.
 遠野は河童伝説のあるところですが、それもなるほどと頷けるほど自然が残されているところでした.

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 展望デッキのすぐ近くに線路があり、時刻表を見ると数分で釜石行きの列車がくるので少し粘って撮影してみました.
 海沿いの路線は大きな被害を受け、暫定措置としてBRTで運行されたりしていますが、内陸部から三陸に向かう路線はこの釜石線や、盛岡から宮古に向かう山田線が運行されています(山田線は宮古からの三陸沿いは運休中).

 この日は北上で宿泊しました.

 さらにつづきます

2013/09/15

車で東北旅行(その1)

Category: 旅行・観光 — Annexia @ 23:16

 遅い夏休みを利用して、3泊4日で東北に旅行に行ってきました.
 実際には2泊3日、行程を詰めれば1泊2日でも行ってこれそうな旅行ではあるのですが、せっかく遠くに出かけるのだしと思って余裕を持った行程で移動することにしました.

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 1日目は仕事が終わってから出かけたので基本的には100kmほど移動して首都圏脱出したのみ.
 今回の移動手段はロードスター.行き先を考えると鉄道では移動が困難だったりすることもあり、ドライブ旅行をしたいという思いもあって車移動を選びました.
 東北道の佐野サービスエリアにある「旅籠屋」に宿泊.以前に福島旅行をしたときにも利用したホテルですが、平日だと素泊まり5,000円という低価格でしかも高速道路を出ることなく宿泊できるのでETC深夜割引も適用されてお得度が高いのです.

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 朝食はサービスエリアの売店で焼きそばパンと「レモン」.この「レモン」なる飲み物、以前から気になってはいたのですが飲むのはこれが初めて.予想では酸っぱい乳酸菌飲料的なものだと勝手に想像していたのですが、思ったより酸味が少なくレモンの風味のある甘めの飲み物でした.

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 途中の那須高原サービスエリアでバニラソフトクリームをいただきました.
 さすがは那須高原といえる濃厚なクリームの味わいで満足の一品です.

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 東北道を仙台で降りて仙台駅へ.
 車移動で仙台駅へわざわざ行く必要があるのかと思うかもしれませんが、ここでスターバックスコーヒーに立ち寄って水筒にコーヒーを補給するのです.そして昼食に駅ビル内の店舗で牛タンをいただきました.
 牛タンというと塩で焼くのが一般的ですが、塩と味噌が選べて、しかもミックスもできるというのでミックスでお願いしました.
 塩は定番のおいしさですが、味噌が意外とよくあい次もミックスか味噌でいこうと思いました.

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 仙台を出て、向かった先は松島.
 以前にも出張のついでにちょっとだけ来たことはあるのですが、今回はもうちょっとゆっくりと見て回ることができました.
 が、遊覧船には乗れなかったので次に来たときには遊覧船に乗って海から島々を眺めたいものだと思いました.

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 そのままさらに三陸方面に進み、石巻市の山中にある「追分温泉」に泊まりました.
 この旅館、インターネットで宿泊先を探していてたまたま見つけたのですが、ネットでの予約はいっさいできず、電話のみの受付のようです.しかも携帯電話の電波状況を見るとauは圏外との表示が.さらにいうと、地図で確認するとこの旅館の周囲数キロには他の住居や建物もないという秘境っぷり.
 旅行に出るんだし、たまにはこうして俗世間と隔絶されたところもいいんじゃないかと思って宿泊してみました.
 実際、すれ違いも難しい人里離れた道を延々と走らないと着くことができず、なかなかに秘境感のあるところでした.

 通信状況はauの電波は途切れ途切れでほぼ圏外.ですが、なぜかフレッツスポットが用意されており無線LANサービスが用意されていました.フレッツの会員になると1日15分を2回だけ無料でネット接続ができるというので利用しましたが、15分では翌日の行程を確認するくらいが精一杯です.

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 旅館主の趣味なのか、玄関先にはトヨタスポーツ800とダットサンフェアレディがありました.写真ではナンバーを消してありますが、どちらもナンバーつき.館内にも車の写真が貼ってあり、どうやら車好きのようです.

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 夕食は部屋まで運んできてくれました.
 予約をするときに5,700円から1,000円刻みで9,700円まで(8,700円だったかも)という値段設定とのことで、7,700円からちょっといいお刺身がつくとの話なので7,700円で申し込んだところ、大量の料理が運ばれてきました.
 別に盛られている鯨、サザエ、かに、ウニ、貝がどうやらちょっといいお刺身のようです.
 ここには写っていませんがご飯が小さいお釜で用意され、さらにあとから天ぷらが運ばれてきました.
 どうにか完食しましたが、もはやまったく動けず.ぐったりと横になったままいつの間にか眠ってしまい、はっと気づいたら風呂の時間を過ぎているというていたらく.

 つづきます

2013/09/11

iPhone 5s / iPhone 5c

Category: コンピュータ — Annexia @ 20:00

 昨晩というか今朝の発表会でiPhone 5sとiPhone 5cという2種類のiPhoneが発表になりました.

 5sが最新の64ビットプロセッサ「A7」や指紋認証などを備えた製品で、5cはポリカーボネート製のカラフルなボディを採用し性能面で従来のiPhone 5とほぼ同等というコストを抑えた製品です.
 事前にリークされていた情報どおりでもあり、ややサプライズに欠ける感じではありました.しかしながらこれはAppleが悪いことではなく、話題性の高い製品を需要に応えるため事前に大量生産しなくてはならないため多くの目に触れる機会が多く、その中に含まれるモラルにやや欠けた人たちがいることから起きることなので、情報が漏れるのは仕方のないことなのでしょう.

 そして日本独自の大きなニュースとしては、やはりドコモでもiPhoneを販売するようになるということでしょう.何年も前から日経新聞が「狼少年」のそしりを受けながら次こそ出る、今度こそ出ると言い続けてきたのがようやく現実のものとなったのです.
 また、au(KDDI)でもメインのLTE周波数帯である800MHz帯に対応するようになったというのも魅力的なニュースであります.
 今回のドコモ参入によって大手3キャリアがすべてiPhoneを扱うようになり、新たな競争が展開されるのではないでしょうか.とりあえず予想される展開としては、
 ・ドコモ内でのAndroidユーザのある程度はiPhoneに流れる
 ・それによりAndroid機をドコモに納入しているメーカーの再編や撤退の可能性も
 ・現在、ドコモのガラケーとau/ソフトバンクのiPhoneの2台持ちをしている人がドコモのiPhoneに一本化
 ・iPhoneが使いたくてau/ソフトバンクにMNPした人がドコモに帰ってくる
 なんていうことがあるのかもしれません.現状、ドコモはMNPで一人負けが続いていますが、iPhone導入によってその流れも終息するのかもしれません.

 自分はauのiPhone 4S、5と使ってきましたが、5sに機種変更するかどうかは迷っています.800MHz帯に対応するようになったという電波面でのメリットはありますが、通信がどうしようもなく遅いと感じられるのは自分の生活圏では渋谷の駅前くらいですし、そもそもそれだって1日に30分もいないので決定的な理由にはなりません.

 どちらかといえば、今回発表されなかった、そして近い将来出るであろうiPadの新機種のために資金を温存しておくのがよさそうです.

【補足】
 見送るつもりでいたのですが、800MHz帯のLTEに対応というのは無視できないほど重要なことのようです.
 3Gでもまあ使えるしと思っていたのですが、先日旅行に行ったときに、急いで地図を見ようとしていつまでたっても表示されなかったときに機種変するべきだと確信しました.

2013/09/09

『ミナミコアリクイ』

Category: 書籍 — Annexia @ 22:43

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 松原卓二氏の写真集『ミナミコアリクイ』を購入しました.
 アリクイというと、結構大きな動物で、蟻塚に長い舌を差し込んでアリを食う的なイメージを持っていたのですが、巻末の説明によるとこのミナミコアリクイは南米の森林で暮らす、体重2-8kg程度の小型のアリクイだそうです.もちろんアリを食べるので細長い顔や長い舌をしています.

 かわいらしいのは、赤ちゃんが産まれると背中に背負って育てるということ.産まれたときから筋肉質な前足をしていて母親にがっしりとしがみつくのだとか.

 伊豆アニマルキングダムや池袋のサンシャイン水族館など、数カ所で飼育されているそうなので(表紙の親子は伊豆アニマルキングダム)、見に行ってみたいと思いました.でも赤ちゃんもすぐ大きくなってしまうのでしょうか.

2013/09/07

PostalBag

Category: コンピュータ,物欲 — Annexia @ 23:05

 昨日書いたように、通勤に使っている鞄のストラップがちぎれてダメになってしまいました.
 新しい鞄を調達しないと月曜から困ってしまうので、いくつかのWebサイトを巡回して検討した結果、Bluerounge「PostalBag」にすることにしました.第二候補としては、同じくBlueroungeのLarge & Small Tote Bagを検討することに.

 鞄はWebだと感触や色、サイズ感などを確認しづらいので、最終的な判断は現物を見てから決めようと原宿にある「AssistOn」に出かけてきました.
 両方とも展示があり、実際にお店のMacBookを入れさせてもらって感触を確認し、PostalBagのほうを選択しました.
 PostalBag、Large & Small Tote Bagともにコンピュータを入れることを前提とした設計になっており、クッションのついたコンピュータ収納エリアが用意されているので、耐荷重の面でも心配はいらなさそうです.
 PostalBagは折りたたんだ状態で13インチまでのMacBookを収納可能で、折り畳み部分を開いて縦型のトートバッグ状態にすると15インチのMacBookが収納可能ですが、クッションのついたスペースは折りたたんで13インチのMacBookを収納する部分にしかないので、15インチのMacBookを入れる場合にはインナーケースを用意したほうが良さそうです.

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 実際にMacBook Pro Rerina 13inchや、インナーケースなど、通勤用の荷物を入れてみたところです.
 今まで使ってきた鞄に比べてやや小さいので、収納には少し苦労しましたが問題なく収納できて必要十分な感じです.荷物が増えた場合には折りたたんでいる部分を開けばスペースを確保できます.
 折りたたんだときのフタ部分に横向きのポケットが、折りたたみを開いたときにポケットが2つあります.また自分の身体が接する側にもベルクロのついたポケットがありますが、あんまりここに凹凸のあるものを入れると身体にあたって邪魔なので書類を入れるくらいがせいぜいでしょうか.

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 内部の様子.内側(自分の身体と接する側)にMacBookが入り、クッションの入った間仕切りをはさんで収納スペースがあります.ポケットはこのスペースにはなし.
 自分は今までと同様にデルサットを使っています.

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 鞄の素材ですが、「CYCLEPET」という生地が使われています.
 ペットボトルを砕いてチップ状ににして繊維にしたものです.ペットボトルがベースというと、テカテカの化学繊維っぽい素材が思い浮かびがちですが、化繊らしくない艶消しの落ち着いた素材でできています.耐水性にもすぐれていて水を弾くので、折りたたんでいれば中身が水濡れすることは防げそうです.
 生地の色は「Rust」(錆び、赤褐色)という、暗めのオレンジ色.PostalBagはこの色のみ、Large & Small Tote Bagは黒のみのようです.