2023/07/11
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
どこかにビューーン!で行く、上越妙高から日本海方面への旅行.2日目です.
ホテルをチェックアウトし姫川駅から大糸線で糸魚川駅まで戻り、2日目の足として糸魚川駅でレンタカーを借りました.
行程を組むときにレンタカーを使うんだったら「えきねっと」で割引チケットを買っておこうと思ったものの、よくよく考えたら糸魚川駅はJR西日本のエリアなのですよね.なんとなく新潟県はJR東日本のエリアという印象があります.
駅レンタカーを借りるときはいつも小型車おまかせプラン的なものを申し込むのですが、今回は日産ノート(2代目)でした.走行距離は8万キロ以上と年季の入った車です.日産車はあんまり乗ったことがないせいか、アクセルもステアリングも自分の意図と挙動が異なり馴染めませんでした.自分のロードスターや実家のデミオなどのマツダ車の感覚でアクセルを踏むとガバッと急発進気味になってしまうし、カーブではアンダーステアになってしまいます.
レンタカーを借りたのは鉄道ではアクセスしづらい「フォッサマグナミュージアム」と「フォッサマグナパーク」に行くためだったのですが、カーナビの「最近の検索履歴」に「フォッサマグナミュージアム」が出ていて、ああみんな行き先は同じなのだなと思いました.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
糸魚川駅から10分程度でフォッサマグナミュージアムに到着.
結構な高台にあるので、歩きやレンタサイクルでは厳しいです.当初の計画では姫川のホテルから歩いて向かう予定でしたが、汗だくになって途中で挫折してしまったことでしょう.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
建物内は近隣の海岸で採取されたヒスイをはじめとした鉱物や化石などの展示を中心に、日本列島の発生とフォッサマグナの関わりなど、見応えのある展示です.
石の鑑定もしてくれるそうなので昨日海岸で拾った石をポケットに入れておいたのですが、予約券が必要だそうで案内が見当たらなかったのでどのようにすればよいかわかりませんでした.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
今年名称登録された「北海道石」も展示されていました.
北海道石の特徴である、紫外線を当てて蛍光がわかるよう展示されており、学芸員さん頑張ってるなという印象でした.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM
フォッサマグナについて理解を深めたところで、では実際に見にいってみようということでフォッサマグナパークに.
糸魚川-静岡構造線の糸魚川側の露頭を見ることができる場所です.静岡側ではこのような場所があるというのは話題にも出ないですね.他では山梨県でも見ることができるそうです.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM
近くに寄って見ると、東西で地面の色が明らかに異なります.
「西」が3-4億年前、「東」が1,600万年前だそうです.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM
「ブラタモリ」でも紹介されていた、フォッサマグナ上にある酒造会社の説明パネル.
地質によって水乗せ質が異なり、西の地質から流れる水の方が軟水でそちらを使っているとのことでした.
もちろんこうして眺めても、ここに糸魚川-静岡構造線が通っているなんてことはわからないですね.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
糸魚川駅に戻ってレンタカーを返却し、駅近くにある店にて海鮮丼をいただきました.
満席との案内でしたが聞いてみると空きがあるというので通してもらって注文を入れたものの、30分くらい経ってもやってこなく、結局は予定していた列車に乗り遅れる羽目に.とはいえ、帰りの新幹線まではそれなりに余裕をとってあったので次の列車でことなきを得ましたが.
待った甲斐があって海鮮丼はなかなかに美味しく、この旅行の食事を締めるのにふさわしいものでした.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
糸魚川近辺はフォッサマグナやジオパーク、そして算出されるヒスイを全面に押し出しており、駅前にもこうしてホテルや土産物店があります.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
直江津で乗り換えて上越妙高駅に.
本数の少ない路線ではあるのですが、こうしてその次の列車までホームで待機しているとどちらに乗ったらいいか、ちょっと迷ってしまいます.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
上越妙高駅でお土産やら帰りの新幹線で食べるお菓子などを買い込み、「どこかにビューーン!」の復路の新幹線にて帰りました.
上越妙高駅構内にある土産物店はそれほど大きくない店ではあるものの、その土地のものの魅力の詰まった土産物が多く取り揃えられており、ついついいろいろと買い込んでしまいました.
今回のようなランダム性のある旅行プランでもないと下車することはほぼなかったかのような旅先ですが、こうして訪ねてみると見るところも多々あり、また実際に訪れることでもう少し見てみたいところも出てくるなど、季節を変えて再訪してみるのもいいかなと思う旅でした.
2023/07/01
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
「どこかにビューーン!」を使った旅行第2弾に出かけてきました.
今回の行き先候補として提示されたのは、
・二戸駅(東北新幹線、岩手県)
・大曲駅(秋田新幹線、秋田県)
・高畠駅(山形新幹線、山形県)
・上越妙高駅(北陸新幹線、新潟県)
で、そこから選ばれたのは上越妙高駅でした.
4つの駅とも下車したことがないので、こうしてランダムで提示されてから行程を組むのは楽しいですね.
今回の上越妙高駅の場合には冬場だとスキーなどでの需要が多そうですが、この時期はそれほど観光するところも見当たらず.なので、上越妙高駅を起点にして日本海側に足を伸ばすようなルートを組み立ててみました.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
新幹線を下車して乗り換えるのは信越本線から第三セクターに移行した、えちごトキめき鉄道.
列車案内の電光掲示板や番線案内表記にJR東日本の名残りが見受けられます.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
ここからは「えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン」に乗車します.新幹線の乗り換え駅で1両のディーゼル車がやってくるあたりにギャップを感じます.
路線は電化されているのですが、JR東日本で設計されたローカル線向けの電車は2両単位なので、乗客数が少なくてワンマン1両で走らせたいような場合にはディーゼル車を用意する必要があるとかそんな理由だったかと思います.
また、えちごトキめき鉄道に移管されたエリアには交流/直流の切り替えるセクションがあるので、交直両対応の電車を用意するのはコストがかかるという側面もあるとかなんとか.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
2駅ほど乗車して高田駅にて下車.
新幹線こそ停車しないものの、かつては高田藩として高田城もあった、この地域では中心となる街です.そのためか駅舎も立派な作りになっています.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
この辺りは豪雪地帯ということもあって、「雁木造り」と呼ばれる、各商店などが軒先を歩道まで伸ばして通行客が濡れたりしないようなアーケードのはしりのようなものが昔から発展していました.いまでも古い建物では昔ながらのものを見ることができるのですが、駅前から伸びる商店街などは現代風のものになっており便利な反面、風情はやや薄れてしまったかなという印象でした.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
東京駅を9時半くらいに出て、列車を乗り継いで高田に着いたのがちょうどお昼時なので昼食を.
海鮮丼と、おすすめという「タナカゲンゲ」を唐揚げで.
海鮮丼はカワハギやフグ、レンコダイ、チダイ、イシダイなど.日本海が近いだけあってさすがに美味しいです.
タナカゲンゲは深海魚なので、日本海界隈だと富山湾あたりで獲れたものでしょうか.柔らかく脂っこくてこってりしていて美味しいのに、もたれるような感じはないという不思議な感じでした.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
商店街からしばらく歩いて高田城址に.
近年再建された建物ですが、訪れた時期はちょうど紫陽花が見頃で、いい雰囲気でした.桜の名所として有名だそうなので、春も訪れてみたいものです.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
暑い中歩きっぱなしだったので、スタバにてフラペチーノを.
スタバでは夏場でも温かい飲み物ばかり頼んでいるので、フラペチーノをいただくのも久しぶりです.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
スタバでまったりしすぎて列車に乗り遅れそうになり慌てて駅に戻り、直江津駅に.列車の本数が少ないので、1本乗り遅れると次は1時間以上先だったりするので、旅行の行程上、乗り遅れはできません.
直江津駅はJR、さらに国鉄時代から信越本線と北陸本線が合流する要衝なので駅の規模が大きいです.いまもJR東日本とえちごトキめき鉄道の両方が乗り入れる駅となっており、留置線など広々としています.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
ホームには学生専用の自習室が用意されています.地元の高校生の利用が多いことからホームに2つある待合室のうちの1つを改築したそうです.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
直江津駅から乗車するのは国鉄時代から運行されている455系.これを急行列車として運行しているのです.
3両編成で1号車は日によっては指定席となるようですが、この日は全車自由席でした.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
「妙高はねうまライン」から「日本海ひすいライン」にそのまま乗り換えたこともあって急行券を買っていたなかったの車内で車掌さんから購入.
よくよく見ると、地紋(切符全面に薄く印刷されている模様のようなもの)が「こくてつ」「JNR」と、国鉄表記になっています.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
切符だけでなく車内の広告もすべて国鉄当時の広告です.こういうディテールへのこだわりが鉄道好きとしてはたまりません.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
この列車、急行列車とはいえ観光用、とくに鉄道好きな人にアピールした仕様だけあって、途中駅で10分程度の停車があります.
その間に乗客は車両を降りて反対側のホームなどから列車を撮影するわけです.
それだけではなく、途中にあるトンネル内の駅では通過駅であるものの速度を落として走行しつつ案内のアナウンスを流したり、さらにこれはイベントではないですが交流と直流の切り替えポイント(デッドセクション)を通過するので車内灯が一時的に一部照明のみ点灯となるなど、鉄道好きにはたまらない仕掛けがあれこれあります.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
列車は終点の市振駅に到着.
市振駅はターミナル的な駅ではないのですが、新潟県と富山県の境界になる駅で、第三セクターで新潟県内を走るえちごトキめき鉄道としては、観光列車はここで終了ということのようです.乗車してきた人たちのほとんどはそのまま折り返しの列車に乗車して去って行きました.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
市振駅は無人駅で周囲は民家があるくらいでこれといったものはありません.
が、この辺りの海辺は「ヒスイ海岸」などと呼ばれるように、浜にはヒスイなどの珍しい石が打ち上げられています.ということで浜に出ようとして歩き始めたのですが、線路がずっと行手を遮っており、なかなか海側に出ることができません.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
1kmほど歩いたところでようやく線路の下を抜ける道路があり浜に出ることができました.
様々な小石が打ち上げられており、海水に濡れて緑色っぽく見えるものもいくつかあって拾ってはみたのですが、乾くとそれほど緑でもなかったりして、素人判断でもヒスイかどうかは怪しい感じですね.
1km歩いて浜に出たということはまた1km歩かないと駅には戻れないということですので、列車の時間を気にしつつ慌てて駅に戻ってきました.
いつも旅行に出るたび思うのですが、自分の組んだ行程は徒歩移動が多い上に時間がタイトで、慌てることが多いですね.もう少し余裕のある予定を組みたいものです.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
えちごトキめき鉄道 日本海ひすいラインで糸魚川まで移動し、ここから大糸線に乗車.1駅だけ乗って姫川駅で下車して宿泊.
つづきます.
2023/06/08
3年ぶりくらいにカメラを購入しました.購入したのはRICOH GR IIIの特別色モデル、Diary Editionです.
GRシリーズは2009年にGR DIGITAL IIを購入し、その後もGR DIGITAL III、GR DIGITAL IV、APS-CになったGRと代々使い続けていました.
が、GRからGR IIになったときに、Wi-Fiが搭載された程度のマイナーチェンジのみで期待していたような機能アップではなく、わざわざ買い換えるほどではないな…… と思っていたタイミングで富士フイルムから対抗機種ともいえるX70が登場したので乗り換えて、GRは下取りに出して手放してしまいました.
その後、2019年にGR IIIが登場し、店頭で触ったところGRよりも小型軽量化されキビキビとした動きに魅了され「これは買いだな」と思いながらも引き続きX70を使い続けていました.しかし、X70も購入から7年が経過して精密機器かつ電化製品を使い続けることにやや不安もあり、値段がつくうちに売ってしまおうか…… と思い始めた矢先にGR III Diary Editionが発表されたので、乗り換えることにしたというわけです.
GR IIIは自分が買ったタイミングで登場からすでに4年が経過しており、一般的なデジカメであれば新型が出てもおかしくない頃ではありますが、焦点距離の異なるレンズを搭載したバリエーションモデルとして2021年にGR IIIxが登場しているので、これはまだしばらくは新型登場しないだろうという判断をし、購入に至りました.
Apple iPhone 13mini
GR III Diary Editionは当初、ケースやストラップがセットになった限定モデルが出たのですが、直販や一部の通販サイトのみの販売で下取り交換はできないこともあって(セットのケースやストラップに魅力を感じなかったというのもありましたが)見送り、本体のみの通常販売モデルが出てから予約を入れて購入しました.
上にも書いたように富士フイルム X70を下取りに出しての購入でしたが、驚きだったのはX70の下取り価格.7年前に87,000円くらいで購入した製品だというのに、下取り額が7万円くらいでした.後継機種が出ていないということに加えて、販売期間が短く、しかも発売時は人気機種とは言い難い製品だったので製造台数がかなり少なかったことによる希少性、さらに富士フイルムの現行機も中古品も全体的に品薄が続いているためだと思われますが、それにしてもずいぶんと高値で下取りされたものだと思いました.おかげで6万円弱の出費で購入することができました.
Apple iPhone 13mini
本体以外に購入したものたち.
ケース(非純正)、バッテリ、充電器、SDメモリカード、液晶保護ガラス、リングキャップ(純正、非純正)、フィンガーストラップ(ユリシーズ minimo)、外付けファインダとバッテリ用ケースなど.
Apple iPhone 13mini
GRといえばボディカラーはブラックのイメージが強いですが、Diary Editionはメタリックグレーの本体色にダークブラウンのグリップで、ややソフトなイメージがします.塗装の違いから手にした時の感触も通常のブラックに比べて滑らかな感触をしています.
GR III Diary Edition標準のリングキャップは明るめのシルバーなのですが、明るすぎて違和感を感じたので本体色に近いメタリックグレーのリングキャップを純正/非純正とも購入し、純正のプラスティック製よりも質感の良さを感じたアルミ製と思われる非純正のリングキャップを使用することにしました.
外付けファインダは以前に購入して保管しておいた純正品のGV-2を引っ張り出してきて使用.ニコン銘(製造はおそらくコシナ)の丸型の28mm外付けファインダも持っているのですが、そちらはGR IIIのサイズには大きすぎるうえに重量もあるので純正品のほうがしっくりきました.とはいえ普段使い時には携帯性を重視して使用していません.
また、小型化の影響としてGR IIIからフラッシュが非搭載となっています.
個人的にフラッシュはほぼ使っていなかったこと、持ち運び中になにかの拍子にレバーが押されてフラッシュがポップアップしてしまい、破損のリスクがあることを考えるとないほうがいいかなと思っています.
Apple iPhone 13mini
Apple iPhone 13mini
自分が使っているX-Pro3やX100V、それに入れ替えまで使っていたX70はモードダイヤルがなく、シャッターダイヤルや絞りリングを備えたアナログライクな操作系なので、GR IIIの操作に馴染めるかやや不安でしたが、多少スイッチ類が変わったとはいえ、以前に使っていたGRとほぼ同等の操作系ということもあって比較的すぐに馴染めました.
GRまでの機種とGR IIIの操作系で最大の違いは、右上に配置されていた露出補正用の上下のシーソースイッチがなくなり、背面上部のADJ.ダイヤルで兼用することになったところでしょうか.ほかにもタッチパネルの搭載や十字ボタン周囲のコントロールダイヤルの採用が大きな違いです.また上面のモードダイヤルの項目もフルオートのグリーンモードや動画モードなどがなくなり、すっきりと整理されています.どちらのモードもGRの頃は使った記憶がないので個人的には歓迎です.
富士のカメラの場合、前述したようにモードダイヤルが存在しなく、シャッターダイヤルをオート、絞りリングを手動設定すれば絞り優先オート、逆に絞りをオートにしてシャッターダイヤルを手動設定すればシャッター速度優先オート、両方ともオートにすればプログラムオートと、電源を切っていてもわかる操作系になっているのが特徴です(X-Sシリーズなどモードダイヤル搭載機もありますが).この操作系は個人的に気に入っているのですが、その反面弱点もあり、ダイヤル切り替えで操作するようなものをプリセットとして登録しておくことができません.なので例えば絞り優先オートの撮影設定を登録しておきたいと思ってもハードウェアの設定位置とずれが起きてしまうため登録できないわけです.そうした経緯もあって富士のカメラの場合は画質設定のみを登録しておくことができるようになっています.
それに対してGRシリーズの場合は絞り優先オートで絞り値を指定し、イメージコントロール(画質設定)のパラメータをセットし、露出補正まで変更した状態のものまですべて登録しておくことができます.撮影スタイルがある程度固まっているような場合、かつ複数の設定を瞬時に使い分けたいような場合には重宝する方式です.
富士のカメラのような方式がいいか、それともGRのようにすべてをセットとして登録しておく方式がいいかというのは好みの問題でもあり、どちらがいいといった優劣を簡単につけられるようなものではないですが、GRシリーズがこのような設定方法を採用しているのは、GRというカメラが速射性を重視したスナップメインのカメラという設定方針によるところが大きいような気がします.また、右手ですべての操作ができるというのも速射性を重視したスナップカメラとして重要なポイントだと思われます.
Apple iPhone 13mini
GRシリーズの伝統として、上部左右と左下の3カ所にストラップホールがあります.これにより縦吊りもできるようになっていますので、ストラップ(ユリシーズ クラシコ・セルペンテ)を購入してみました.普段使いはフィンガーストラップ、旅行のときには縦吊りネックストラップというような感じで使い分けしたいと思います.
RICOH GR III
F5.6 1/125秒 ISO200
RICOH GR III
F5.6 1/1000秒 ISO200
画質について.
GR IIIにはイメージコントロールと呼ばれる画質モードが用意されており、その中で自分がよく使うのは「ポジフィルム調」です.
基本的にはJPEGのみで撮影し、ホワイトバランスなどあとで調整する必要がありそうな時だけ、背面のFnボタンにRAW+JPEG撮影に切り替える機能を割り当てておきすぐにRAW撮影できるようにしています.
ポジフィルム調での撮影セッティングは次のような感じです.
・イメージコントロール:ポジフィルム調
・彩度:3
・色相:2
・キー:-1
・コントラスト:2
・コントラスト(明部):2
・コントラスト(暗部):-3
・シャープネス:1
・シェーディング:0
・明瞭度:2
・周辺光量補正:オン
・ダイナミックレンジ ハイライト補正:オン
・ダイナミックレンジ シャドー補正:弱
・ファイトバランス:マルチパターンオートM2/A3
・絞りF2.8
・露出補正:0
RICOH GR III
F5.6 1/200秒 ISO200
RICOH GR III
F2.8 1/8秒 ISO200
ポジフィルム調のセッティングが派手目に振ったものなので、その対極をなすセッティングとしてネガフィルム調をベースに設定したのがこちら.ポジ/ネガのどちらかをモードダイヤルのU1にセットしています.
・イメージコントロール:ネガフィルム調
・彩度:2
・色相:-2
・キー:1
・コントラスト:2
・コントラスト(明部):0
・コントラスト(暗部):3
・シャープネス:1
・シェーディング:0
・明瞭度:2
・周辺光量補正:オン
・ダイナミックレンジ ハイライト補正:オン
・ダイナミックレンジ シャドー補正:弱
・ファイトバランス:マルチパターンオートM2/A3
・絞りF2.8
・露出補正:0
RICOH GR III
F2.8 1/8秒 ISO200
普段使いするカメラとしてやはり多いのが食事の撮影.
食べ物専用に撮影モードをセッティングしています.
シャープめのセッティングかつ卵のふんわり感を出してみたくてF2.8解放で撮影しました.
RICOH GR III
F4 1/8秒 ISO400
初期値でF4まで絞っていますが、丼ものなんかを寄って撮影すると前後のボケが強めに出ますね.
ホワイトバランスはオートで暖色系に振ったりはしていませんがなかなか美味しそうな色合いが出てきます.
RICOH GR III
F4 1/8秒 ISO640
バニラアイスクリームにエスプレッソをかけたアフォガート.
この手の被写体はピントが迷うかなと思いましたが案外すんなりと合焦します.
・イメージコントロール:スタンダード
・彩度:2
・色相:-2
・キー:1
・コントラスト:2
・コントラスト(明部):0
・コントラスト(暗部):0
・シャープネス:3
・シェーディング:0
・明瞭度:3
・周辺光量補正:オン
・ダイナミックレンジ ハイライト補正:オート
・ダイナミックレンジ シャドー補正:オフ
・ファイトバランス:マルチパターンオート
・絞りF4
・露出補正:+0.7
RICOH GR III
F2.8 1/1250秒 ISO200
モノクローム撮影セッティング.光の明暗がはっきりしている時や、フレーム内に余計な色合いがあるような場合にはモノクローム撮影をしています.
この時は岩のゴツゴツした感触を強調しつつ、波の動きを止めるために絞り開放で撮影しました.
RICOH GR III
F2.8 1/1000秒 ISO200
波打ち際の岩場を迂回するためのトンネル.トンネルを覆うようにして生い茂った樹木が荒れ果てた雰囲気と人工的な施設の組み合わせで廃墟や世紀末感が出ていると感じ、モノクロとネガフィルム調で撮影しましたがモノクロの方が好みでした.
・イメージコントロール:モノトーン
・キー:3
・コントラスト:3
・コントラスト(明部):-4
・コントラスト(暗部):-4
・シャープネス:1
・調色:オフ
・フィルタ効果:2
・シェーディング:-1
・明瞭度:2
・粒状感:3
・周辺光量補正:オフ
・ダイナミックレンジ ハイライト補正:オン
・ダイナミックレンジ シャドー補正:弱
・ファイトバランス:マルチパターンオート
・露出補正:-0.7
RICOH GR III
F4 1/8秒 ISO800
通常の撮影モードでも10cmまで寄れますが、マクロモードに切り替えるとレンズ前6cmまで寄れるようになります.
個人的にはマクロモードに切り替えて使うよりも自動で6cmまでピントを合わせてくれるほうが使い勝手がいいのにと感じました.
また、マクロ領域で特に気になる問題としてブリージング(ピントを合わせるとフレーム領域が変化してしまう問題)があります.なのでフレーミングしてからピントを合わせるとフレームが変化してしまい、再フレーミングが必要となるのが地味に厄介です.
RICOH GR III
F5.6 1/8秒 ISO200
こうした構図で撮影すると湾曲が気になったりするものですが、ほとんど気にならないレベルですね.
また、フルフレーム換算28mm相当とはいえ、実際には18.3mmのレンズなのでパースのつきかたに超広角レンズらしさを感じます.
RICOH GR III
F2.8 1/15秒 ISO200
シャッター速度の下限とISO感度の上限を設定できるので、当初はシャッター速度を1/8秒まで粘らせ、ISO感度は12800に設定しました.その後、1/8秒だとマクロ域で手ブレになることがあったので1/15秒を下限に設定しました.マージンをとって1/15秒を下限に設定しましたが、1/8秒でもほぼ手ブレは防げているのでGR IIIの手ぶれ補正機能は優秀だと思いました.
GR DIGITAL IVの時も手ぶれ補正機能は搭載されていましたが、自分との相性が悪いのかシャッターを切るタイミングでわずかにセンサーが動いてしまい、オフにしたほうがブレが少ない写真が撮れるのが困りものでした.それと比べるとペンタックスの手ぶれ補正技術「SR」が導入されたGR IIIは段違いに進化しており、水平が取れるようにセンサーが回転し自動補正してくれる機能まで搭載されているなど、使える機能は限界まで使うというのはペンタックス譲りだなと感じます.
RICOH GR III
F2.8 1/1250秒 ISO200
街中を歩いていて何の気なしに撮影した写真が案外よく撮れていたりすると嬉しいものですが、GR IIIは気軽に撮影する気にさせる敷居の低さと画質の良さがなんといっても魅力です.
AFモードは中央部分のオートAFに設定してカメラ任せにし、明確にピントを合わせたい場合には画面タッチで位置指定するようにしています.オートAFは意図した部分にピントが合わない時も多々ありますが、スナップ撮影で中央エリアのどこかにとりあえずピントを合わせたい的な撮影には悪くないですね.
RICOH GR III
F2.8 1/400秒 ISO200
ピントの合焦している部分からすっと溶けるようにぼけていく描写は個人的にかなり好みです.
Apple iPhone 13mini
まとめです.
■いいところ
・コンパクトで軽量なボディは持ち運びに重宝
・画質がとてもいい、描写が好みのレンズ
・カスタマイズで好みの画質に設定できる
・モノクロームも粒状性の設定もできて好みの描写に設定できる
・特別色のメタリックグレーのボディカラーは個人的に好み
・コンパクトなのにしっかり効く手ぶれ補正
・操作系も含めたレスポンスの良さ
■いまいちなところ
・バッテリのもちがもう少し良くなってくれたらいいのに
・オートエリアAFのピント合焦位置が自分の意図しているところにあってくれたらいいのに
・マクロモードの切り替えが面倒なのでマクロモードまでシームレスに切り替わる設定がほしい
・RAW撮影した画像をUSERモードに登録したプリセットで現像処理できるようにしてほしい
・沈胴式レンズなので難しいとは思うけど、防塵防滴構造にしてほしい
・サイズ的に難しいのはわかるけどファインダが内蔵されていたらいいのに
・BluetoothやWi-Fiを使ったiPhoneやiPadとの接続がやや安定性に欠ける
GRシリーズは使用者の声などによりファームウェアアップデートで機能が徐々に充実するのが売りの1つで、いうなれば使用者が「育てる」ともいえる側面を兼ね備えたカメラでもあります.前回購入のGRのときは発売と同時に購入し、徐々に機能アップしていく楽しさを感じていましたが、今回のGR IIIについては発売から4年が経過していることもあって逆に熟成された状態のものを使えるというのはありがたいものの、発売当時に買って機能アップを楽しむのもよかったかなとも思います.
操作性も含めてほぼ満足しており、細かな不満はあれど小型軽量でしかも高画質ながら気軽に持ち運べるカメラとしては、ライバルはいないのかなと思います.最大のライバルはスマホではあるのですが、撮影する楽しさという点では比べるべくもないですし.
コロナ禍もあって久々に買ったカメラではありますが、いいもの買った感があって満足しています.
2023/05/05
RICOH GR III
毎年出かけていた銚子旅行ですが、3年ほどブランクがあり、ようやくひさびさに出かけることができるようになりました.
旅行を我慢していたのは他の方々も同様だったということで、東京駅から銚子駅へと向かう特急列車「さざなみ」も座席が埋まるのが早く、臨時列車も設定されていましたので今回はそちらを選びました.そのため、定期列車であれば255系が充当されるところをE257系の車両が使用されていました.もっとも、以前はこの時間帯の定期列車が運行されていたので、減便されていた列車が復活しただけという見方もできますが.
RICOH GR III
銚子駅に到着するとホームの降り口にはこのような大漁旗を模した歓迎がありました.
RICOH GR III
到着したのが11:20と、ちょうど昼食にはちょうどいい時間帯だったので、そのまま駅から歩いて5分くらいの距離にある寿司店「大久保」に.
連休ということもあって混雑も予想されたので事前に予約を入れていたのですが、到着してみると順番待ちの方がおり、予約しておいて正解でした.
RICOH GR III
おまかせにぎりを注文.伊達巻を入れるか入れないかを尋ねられたので、もちろん入れてもらいました.
銚子の伊達巻といえば、このようにプリンと見間違うかのような分厚く身の詰まったものになります.そしてここ「大久保」は銚子独特の伊達巻発祥の店とされています.
寿司自体もさすが漁港の街だけあってどのネタも美味しいです.
RICOH GR III
寿司のあとで歩いてすぐ近くにある「銚子セレクト市場」にてしょうゆソフトクリームをいただきました.
しょうゆ味のソフトクリームはほんのりあまじょっぱく、銚子を訪れた10年以上前に最初に食べたときには奇妙に感じられたものですが、いまとなっては訪れたら必ず食べています.
しょうゆソフトクリームの食べられる店としては他にヤマサ醤油の工場があるのですが、そちらは現在も飲食は営業再開されていませんが、再開したらまた訪れたいと思っています.
RICOH GR III
銚子駅まで戻り各駅停車に乗って数駅、猿田駅にて下車します.
RICOH GR III
駅からしばらく歩いたところに猿田神社がありますので、そちらにて参拝してきました.
RICOH GR III
これは猿田神社の参道にある「先神橋」.下を川と総武本線の線路が通っています.
橋の開通は明治30年となっており、あとで調べてみたらこの地に総武本線が開通したのが明治30年なので、開通当時に建てられたもののようです.
RICOH GR III
再び総武本線で銚子駅に戻り、銚子電鉄に乗り換えます.10年以上前、銚子を訪れるきっかけをくれたのが銚子電鉄なので、やはり銚子に来たら銚子電鉄に乗るという選択肢は外せません.
連休中ということもあって乗客も多く、通常時よりもかなり増便されており、30分に1本くらいのペースで列車が運行されていました.このくらいの本数があると時刻表をそれほど気にせず気軽に利用できます.
RICOH GR III
犬吠駅で下車し、犬吠埼方面へ.灯台に登っている人も多く、磯に降りて磯遊びに興じる人も多くて賑わっていました.ここまで賑わっているのは以前にもあんまりなかったような気もします.
RICOH GR III
RICOH GR III
天気もよく、風もそれほど強くもないこともあって打ち付ける波も比較的穏やかでした.
磯だまりには貝やらイソギンチャクがいました.
RICOH GR III
18時半くらいが最終の特急なので、それに乗って帰宅しました.これは定期運行の列車なので255系です.
旅行需要が復活してきたこともあってか、犬吠埼をはじめとしてわりと混雑していました.
年々と観光客が減っている感のあった銚子ですが、普段もこのくらい旅行客が来ているといいのですが.自分もまた訪れたいと思います.
2023/04/27
年度が変わって業務もひと段落したタイミングで旅行に出かけてきました.
今回の行き先は角館と田沢湖です.とはいえ、自分の意思で行き先を決めたというよりは、半ばおまかせのような形で行き先が決まりました.
JR東日本の企画に「どこかにビューーン!」というものがあります.これはJREポイントなる、Suicaなどで電車に乗ったり買い物したりすると溜まるJR東日本のポイントサービスを6,000ポイント使うことで、ランダムにどこかの新幹線駅まで往復できるというものです.
選び方も少々変わっており、まず出発日時と到着日時を指定して検索すると、4つの候補地が出てきます.この4つの候補地でよければ申し込みを行い、気にいらない場合には再検索すると別の候補が出てきます(ただし1日に候補地を検索する回数には上限あり).そして申し込みの翌日に4つの候補地のどれになったかがメールで通知されます.
自分の場合は最初に検索した時の候補が、飯山(長野県)、かみのやま温泉(山形県)、田沢湖(秋田県)、いわて沼宮内(岩手県)でした.どこも下車したことのない駅なのでそのまま申し込みしたところ、田沢湖が選ばれたというわけです.
田沢湖かー、行ったことないなー、楽しみだなーと思って観光地などを調べてみたものの、駅周辺には田沢湖以外はとくになく、しかも到着時刻(列車はおまかせで変更不可)は10時半.ついでに天気も良くなさそう、ということで自分で田沢湖から1つ先の角館までの切符を買い、足を伸ばすことにしました.
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出発時刻は東京駅に7時半、ということで普段よりもかなり早起きして東京駅に.平日ということもあって新幹線のホームはそれほど混雑していませんでした.
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「どこかにビューーン!」は田沢湖駅までですが、前述したように追加の切符を購入したので角館駅で下車しました.
「どこかにビューーン!」も追加の切符もeチケットなので改札でスマホの画面を見せて事情を伝えたところ、スマホを駅事務所内に持って行かれてなにやら手続きをされることに.こういうところは紙のチケットに比べて不便なところではあります.
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駅から1km弱ほど歩くと、武家屋敷エリアに到着します.このあたりは昔ながらの風情を残す建物が多いことに加えて春は枝垂れ桜、秋は紅葉と人気のある場所ですが、枝垂れ桜の見頃まであと1週間程度、しかも雨ということで観光客もまばらでした.
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場所によっては満開一歩手前くらいまで咲いているところもあるのですが、なにぶん悪天候なので写真を撮るのも一苦労です.
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角館の滞在時間を3時間くらいとっていたのですが、時間をやや持て余してしまい、しかも雨なので雨宿りついでくらいの気軽な気持ちで武家屋敷を訪れてみることにしました.
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建物は立派だけど、ほかに見るものはないのでは…… くらいにみくびっていたのですが、展示物の凄さに圧倒されてしまいました.
武家屋敷なので当たり前といえば当たり前なのですが、武器や鎧など大量のものが展示されていました.
これは実際に手に取れるように柄の部分がケースから出ている刀.刀って実物を手にするのはこれが初めてなのですが、こんな重たいものを手に戦をするのは大変だっただろうと思いました.同様に槍もありましたがさらに重たかったです.
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ここと明治神宮の2挺しかないという火縄式三回転銃(銃口が3つある)や鎧、「解体新書」の付図(描いたのが角館出身の武士だった)、さらに明治初期の写真や初期の筒状をしたレコードや蓄音機など、広々とした敷地に様々なものが展示されており、見入ってしまいました.
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お昼は武家屋敷のエリア内にある店舗で比内地鶏の親子丼と稲庭うどんのセットをいただきました.
比内地鶏の親子丼は噛みごたえが強く旨みが濃縮された鶏肉と濃厚な卵、稲庭うどんは細めの麺がツルッとした食感でどちらも美味しかったです.
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角館駅から本来の「どこかにビューーン!」の目的地である田沢湖駅に戻り、バスに乗り換えて宿泊先に向かいます.
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バスに揺られて山中を走ること45分.今日の宿に到着しました.
乳頭温泉郷の「妙乃湯」です.乳頭温泉は秘境として自分も存在を知ってはいましたが、どこにあるかまでは知りませんでした.が、田沢湖から行ける温泉宿を探していたところ、乳頭温泉に向かうバスが出ていることを知ったので、すぐに予約を入れました.
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宿のすぐそばを川が流れているのですが、雨が降っていたことに加えて雪解けの季節ということもあって、結構な勢いで水量が増しています.白黒で撮影したわけではないのですが、モノクロームの世界です.
温泉の写真は撮影禁止ということもあり撮っていませんが、金の湯(濁り湯)と銀の湯(透明)の2種があり、内風呂と露天風呂、それに混浴と、いくつもの湯船が用意されており、また時間帯によって男女で入れる湯が入れ替わったりと堪能することができました.
また乳頭温泉郷には7軒の温泉宿があり別の宿にはまた違うタイプの温泉が湧いているそうで、宿泊者はチケットを購入することで他の温泉宿にも入れるそうです.
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温泉宿の楽しみといえば食事です.地のものをふんだんに生かした料理が出てきました.
右にある黄色いものは「ひろっこの酢味噌和え」、中央のものは「蕨の醤油漬け」、その上の小皿に入っているものは「ばっけ味噌」.「ひろっこ」はあさつきの新芽、「ばっけ」はふきのとうのこと.
今回の旅行まで「ふきのとう」というものはちょっと珍しいものという認識でいたのですが、新幹線に乗っている最中から沿線のあちこちにふきのとうがあるのを見かけ、さらには夕食のときには箸置きとして使われているのを見て、秋田ではこの時期には珍しくもないものなのだなと思い知りました.
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そのふきのとうの天ぷら、そして丸いキノコの入った稲庭うどん.
ふきのとうといえば天ぷらにしていただくものという知識はあったものの、こうして食べるのは初めてでした.
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岩魚(イワナ)の山椒味噌、朴葉焼き.岩魚も食べるのはこれが初めて.川魚から連想されるような癖はなく、山椒味噌との相性もよく美味しくいただきました.
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言わずと知れた、きりたんぽ.予約時にきりたんぽか牛肉鍋のいずれかを選べたのですが、迷うことなくきりたんぽを選びました.
比内地鶏やキノコの出汁のきいたつゆを吸ったきりたんぽが美味しくないわけがなく、鍋で少しほろほろに崩れたところをいただくのは至福でした.
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宿の名物というキノコ汁、ご飯(もちろん「あきたこまち」)、そしていぶりがっこ.
個人的に漬物の中ではいぶりがっこが一番好きですね.そしてキノコ汁も美味しく、宿の方のお言葉に甘えておかわりしてしまいました.
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翌日の朝食です.
夕飯もかなりのボリュームだったことに加えて、普段は朝は軽めなのでこんなに出されても…… と思いつつも、不思議と食べられるものです.
湯豆腐やベーコンと野菜を焼いたもの、温泉卵に梅干し、納豆などの朝食のお供が揃っています.
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若竹煮がいい感じの浅炊き感でみずみずしさを感じる美味しさでした.
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ハタハタと紅鮭の焼き物.
今回の旅行では、稲庭うどん、比内地鶏、きりたんぽ、ハタハタ、ふきのとう、とんぶり(納豆の薬味)と、秋田の名物といえるものをほぼ食べることができました.残るはじゅんさいと熊肉くらいでしょうか.
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宿の外には「ふきのとう」というよりすでに「ふき」になったものが.
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田沢湖駅行きのバスに乗り、途中の田沢湖でバスを降りて田沢湖一周観光バスに乗り換えました.
田沢湖一周バスは通常の路線バスとして運行されていますが、田沢湖駅を出発して田沢湖を一周し、途中の「たつこ像」などの観光地では10-20分ほど停車するなど、観光に特化したバス路線です.
前日の田沢湖は対岸の山々も見れないくらい悪天候だったので、これでもまだ景色のいい方でした.前日の角館もそうですが、できれば天候のいい日を狙って再訪したいものだと思いました.
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宿を出たのが10時くらいで、田沢湖を一周して田沢湖駅に戻ってきたのが12時すぎ.帰りの新幹線が14時過ぎなので2時間ほどぶらぶらと時間をつぶし、駅の売店で昼食の駅弁とお土産を買い込んで帰宅しました.
余談ですが、駅の売店は店員さんが一人で切り盛りしてるらしく、13時少し前くらいから店を閉めて昼休みに入ってしまうので、買い物をしようとしたら閉まっていて焦ってしまいました.
今回は「どこかにビューーン!」を利用し、行き先をおまかせにした旅行をしたわけですが、JREポイント6,000ポイント分(買い物をすると6,000円分)で往復33,440円分の旅行ができたというのはなかなかに破格のサービスだと思いました.
おそらく売れ残りの発生するであろう座席を空席のまま走らせるよりは、ポイントとはいえ一定額をもらい、しかもランダム性で予期しない行き先に飛ばされるという楽しさを加味した、JR東日本にとっても自分のような旅行好きにも、そして旅先の観光業者にもメリットをもたらすいい企画なので、今後も続けてほしいですね.あと2回分は利用できるだけのポイントが溜まっているので、自分もまた利用したいと考えています.