2013/08/27

まんがサイエンス14

Category: 書籍 — Annexia @ 23:59

RICOH GR

 あさりよしとお氏の科学まんが「まんがサイエンス」の最新刊であるところの14巻が発売されたので入手しました.
 前作が2011年の夏なので2年ぶりの新作となります.
 …本棚を見たら買ったつもりでいた13巻がなかったので、あとで注文しなくては.

 今回のサブタイトルは「科学とつきあう方法」.
 震災による原発事故をふまえてか、「放射線ってナニモノ?」「原子の火 核分裂」といった作品が収録されています.両方とも初出は電子書籍版のまんがサイエンスで、そちらですでに読んではいるのですが改めて読み直すと理解しづらい放射線、放射能、放射性物質、ベクレル、グレイ、シーベルトといった言葉のもつ意味がわかりやすく書かれているという印象です.
 原子力関係は現状としてデリケートな話題でもあるのですが、メリットデメリットがきちんと書かれているところに好感が持てます.まんがのオチに微妙な含みがあるような感じも受けました.

 ほかには天の川や太陽などの天体から、刃物はなぜ切れるのかといった身近なものまで、特定のテーマにこだわらず収録されています.

2013/08/24

カメラマガジン2013年9月号

Category: カメラ・写真,書籍 — Annexia @ 21:55

RICOH GR(ブリーチバイパス)

 カメラマガジンが高級コンパクトカメラ特集をやっているので購入してきました.

 高級コンパクトカメラ.なにをもって「高級」とするのかはよくわかりませんが、とりあえずセンサーサイズでいうと1/1.7インチ以上の機種が掲載されていました.
 値段的には最も高いのはライカX VARIOの約34万円.キヤノン、ニコンあたりのセミプロ向けのフルフレーム一眼レフボディを買ってお釣りが来る金額ですね.カメラの性格や位置づけ、サイズ、レンズが交換できるか否かなど、まったく違う土俵の製品なので比べること自体に意味がないですが、なかなかいいお値段であることは確かです.

 「コンパクトデジタルカメラ」、略して「コンデジ」という表記について.
 以前はレンズの交換できないセンサーサイズの小さい「コンパクト」と、レンズが交換できてセンサーサイズの大きな「一眼レフ」という明確な二極分化ができていたのですが、技術の進歩によって「一眼レフ」の「レフ」を持たないマイクロフォーサーズに代表される製品が登場し、そしてコンパクトもAPS-Cやフルフレームといった大型のセンサーを積んだ機種が登場するなど、両者の境界は曖昧なものとなりつつあります.
 もはや、かつてのような「コンパクト」「一眼レフ」という名称での区別は無理であり、「レンズが交換できるか否か」という点でしか区別できないのが現状です.なので、「レンズ固定式デジカメ」「レンズ交換式デジカメ」といった呼び方が妥当なのかもしれません.フジヤカメラのWeb通販の商品区分もいつの間にかそういう区分けになっていました.


 それはさておき.
 個人的にはソニーDSC-RX1RリコーGRの記事が多かったのがよかったです.
 RX1とRX1Rの比較が出ていましたが、ローパスフィルタの有無による違いは確かにあるものの、「ただし、大伸ばしプリントでもしない限り、判別は難しい」との文章もあり、もはや高次元すぎて重箱の隅レベルなのかもしれません.

 それから、興味を惹いたのが「INSTANT LAB」.iPhoneで撮影した画像をポラロイドで「再撮影」する装置という、説明しても意味が伝わりづらい製品です.iPhoneで撮影した画像を紙で残すのであればプリンタで印刷すればいいだけのことではありますが、そこをあえてポラロイドでもう一度撮影して味わいのある画質にするというところがミソでしょうか.

2013/08/10

GR PERFECT GUIDE

Category: カメラ・写真,書籍 — Annexia @ 23:59

RICOH GR

 GRの解説本「GR PERFECT GUIDE」を購入しました.

 カメラの解説本は以前にもいくつか購入したことがありますが、内容はだいたい同じような感じでこの本も
・著名カメラマンの作例写真
・ボディ外観やメニュー、各種機能の説明
・シチュエーション別撮影ガイド
・開発者インタビュー
といった感じで構成されています.

 購入から2ヶ月半が経過した今となってはボディ外観やメニューの説明は必要ありませんが、それでもこの本を買ったのは、やはり自分の使っていないような使い方や細かな設定の見落としなど、有用な情報があるのではないかと思ったからです.とくにGRはコンパクトカメラとしては異例なほどに設定項目が多く、機能割り付けができるボタンがいくつもあるので他の人の使い方がかなり参考になるのです.

 シチュエーション別の撮影ガイドは、カメラマンの方々のカスタマイズに興味深いものがありました.
 GRからボディ左側面に「EFFECT」ボタンが新設されましたが、右手だけで機能を完結したいのでエフェクトをADJ.レバーに割り当てたり、フォーカスの切替を素早くするためにボタンに割り振るなど、なるほどと思うところが多いです.

 シチュエーション別撮影ガイドと並んで参考になったのが、開発者インタビュー.
 たとえば、4つあるAFモードのうち、AFの測距速度が速くてオススメなのはスポットAFであることや、画像設定のうち固定で用意されているスタンダードやビビッドはパラメータ上はいくつになっているか、ローパスレスになって発生しやすくなったモアレを設定で回避する方法など、開発者でないと知り得ない情報を入手することができました.

RICOH GR(ハイコントラスト白黒)

 また、特別付録のリコー制作による「GR STORY」がよかったです.開発者インタビューでは「やや暑苦しいかもしれませんけど」と申されているものの、リコーがGRに込めた想い、コンセプト、ポリシーが書かれており、手元にあるGRを作り出した人たちの情熱を感じるものとなっています.

 つい先日も、旧モデルであるGR DIGITAL IVにファームウェアアップデートがされて機能が追加されましたが、同様にGRもファームウェアアップデートで斬新な機能追加がされることを期待しています.

2013/07/04

『チェルノブイリダークツーリズムガイド』

Category: 書籍 — Annexia @ 22:57

RICOH GR

 東浩紀氏らが発行した『チェルノブイリダークツーリズムガイド』という本を購入しました.

 簡潔に一言でまとめると、チェルノブイリの観光ガイドです.

 表題にも含まれている「ダークツーリズム」とは、負の遺産を観光するという意味です.たとえば広島の原爆ドーム、ポーランドのアウシュヴィッツ強制収容所など、日本にも世界にもそうした「観光地」はたくさんあります.
 27年前に原発事故を起こしたチェルノブイリも、そうした観光の側面を持つようになっており、現地スタッフによる観光ツアーが組まれているのです.

 そして、2年前に地震と津波によって事故を起こした、福島第一原子力発電所.
 現在は燃料の除去や廃炉に向けて日々作業が行われている最中ですが、数十年後に廃炉が完了し、除染が完了したからといって、そのまま闇に葬り、「なかったこと」にしてしまうわけにはいかない、多くの人を巻き込んで生活を奪った事故を記憶にとどめておくためにも「観光地」として残すべきだ.そのためにはチェルノブイリの現状を調べ、なにをどう見せるか.そうした観点のもとにこの本は作られています.

 「観光地」というと、どうしても風光明媚であったり遊び場所のイメージがあるため、廃炉となった原子力発電所とは相容れないように感じられる印象を持つかたがいると思いますが、「ダークツーリズム」という言葉に込められた負の遺産としての観光地の存在も忘れてはならないのではないでしょうか.

 豊富な写真とともにガイドブックとしての体裁をとった誌面は引き込まれるものがあります.

RICOH GR

 表紙をめくるとそこには、建造中のチェルノブイリの写真が.

2013/05/19

いのちを守る気象情報

Category: 書籍 — Annexia @ 22:38

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 NHK NEWSWEBなどに出演されている、斉田季実治さんの書かれた『いのちを守る気象情報』を読みました.

 ジャンルごとに8章にわけて書かれており、
 ・台風
 ・大雨
 ・雷
 ・竜巻
 ・大雪
 ・熱中症
 ・地震
 ・火山
 について触れられています.

 それぞれのジャンルに対して、予防方法(天気予報や気象情報から事前に察知する)と、実際にその状況に遭遇したときの対処方法が記されており、どのページも覚えておいて損はない情報が詰まっています.

 興味深いのは波について.地震における津波もそうですが、台風時の高潮での波の高さがあなどれないということ.気象情報で伝えられる「波高」は、一定時間に観測された波のうち、大きい方から1/3までの波の高さまでを平均したものだそうで、100回に1回はその1.5倍、1,000回に1回はその2倍もの大波がやってくるのだとか.つまり、海辺にいて波が来ないから平気とか思っているとたまにやってくる大波でさらわれてしまう危険があるそうです.

 また、これから暑くなってくると話題になる熱中症.大震災などを除けば、自然災害で年間でもっとも多い死者が出るというのが意外でした.消防庁の発表だと2010年に167人の死者が出たそうですが、搬送後に治療を受けても助からなかった人の数はその10倍、1,731人にもなるそうです.いちどダメージを受けた身体は、治療を受けてもなかなか戻らないということを示しています.
 気温だけでなく、湿度や輻射熱、風といった要素が関係して発生するそうで、「水分を摂る」「暑さを避ける」、この2つの対策をしてこれからの季節に臨みたいものです.

 気象情報のキャスターらしく、わかりやすい文章で具体的例を挙げて書かれているため読みやすく、とても参考になります.誰にでもお勧めできる本ですが、とくに屋外での監督業務に携わるような人は是非読まれたほうがよいかと思います.