2013/05/19

いのちを守る気象情報

Category: 書籍 — Annexia @ 22:38

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 NHK NEWSWEBなどに出演されている、斉田季実治さんの書かれた『いのちを守る気象情報』を読みました.

 ジャンルごとに8章にわけて書かれており、
 ・台風
 ・大雨
 ・雷
 ・竜巻
 ・大雪
 ・熱中症
 ・地震
 ・火山
 について触れられています.

 それぞれのジャンルに対して、予防方法(天気予報や気象情報から事前に察知する)と、実際にその状況に遭遇したときの対処方法が記されており、どのページも覚えておいて損はない情報が詰まっています.

 興味深いのは波について.地震における津波もそうですが、台風時の高潮での波の高さがあなどれないということ.気象情報で伝えられる「波高」は、一定時間に観測された波のうち、大きい方から1/3までの波の高さまでを平均したものだそうで、100回に1回はその1.5倍、1,000回に1回はその2倍もの大波がやってくるのだとか.つまり、海辺にいて波が来ないから平気とか思っているとたまにやってくる大波でさらわれてしまう危険があるそうです.

 また、これから暑くなってくると話題になる熱中症.大震災などを除けば、自然災害で年間でもっとも多い死者が出るというのが意外でした.消防庁の発表だと2010年に167人の死者が出たそうですが、搬送後に治療を受けても助からなかった人の数はその10倍、1,731人にもなるそうです.いちどダメージを受けた身体は、治療を受けてもなかなか戻らないということを示しています.
 気温だけでなく、湿度や輻射熱、風といった要素が関係して発生するそうで、「水分を摂る」「暑さを避ける」、この2つの対策をしてこれからの季節に臨みたいものです.

 気象情報のキャスターらしく、わかりやすい文章で具体的例を挙げて書かれているため読みやすく、とても参考になります.誰にでもお勧めできる本ですが、とくに屋外での監督業務に携わるような人は是非読まれたほうがよいかと思います.

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