2011/08/11

NHKスペシャル「原爆投下 活かされなかった極秘情報」

Category: 社会・政治・世情一般 — Annexia @ 22:35

 先日NHKで放送された「NHKスペシャル「原爆投下 活かされなかった極秘情報」」を見ました.

 当時の実際に情報を扱っていたかたや、零戦に乗っていたかたの証言を交えた放送で、あらゆる面で非常に驚きの内容でした.

 内容を要約すると、
 ・戦争末期の日本軍は米軍のB29が出す無線を傍受していた(ただし最初のコールサイン部分のみ認識可能で、他は暗号化されており解読不能)
 ・その無線のコールサイン(V4xx、V5xx、V7xx)から、どの基地を離陸したB29がどれだけ空襲にきているか、おおよそどこに向かっているかまで解析しており、事前に各地の拠点に注意を出していた
 ・日本軍はアメリカが原爆を開発していることを知っていた
 ・日本軍も国内でウランを採掘して開発に着手するも、すでに開発の余力がなく断念していた
 ・ある日、今までにない「V6xx」という600番台のB29の編成が無線に登場する.しかし数が妙に少ない
 ・テニアン島を基地としているその編成がなんらかの訓練をしていることもわかっていた
 ・8月6日直前まで兵庫、愛媛、山口が空襲されており、これらの地域には空襲に向けて注意するよう指示が出されていた.
 ・周囲の空爆されている状況から広島が次の標的になり得ることが想定できていた
 ・8月6日早朝にB29が気象偵察目的に広島近辺に飛来していたことも知っていた
 ・それに続いてコールサインV6xxのB29が広島方面に向かっていることも察知していたものの、警報を出さなかった.結果として平時の無防備な状況のまま被爆
 ・ここまでわかっていて警報を出さなかったのは、日本が原爆開発を諦めたので、アメリカも開発できていないはず、という極めていい加減な推測によるものであった
 ・8月9日もV6xx編成が九州に飛来していたことも、長崎に原爆を投下する5時間前に判明していた
 ・九州の防御を担っている零戦のパイロットが迎撃準備をしていたにも関わらず、命令は出なかった
 ・当時東京では降伏するかどうかの会議を行っており、結果として長崎への原爆投下は放置された格好に

 ここまで情報を入手していながら、対策をなにも打たず国民を護ることすらしないという姿勢は、原爆投下から66年たった2011年でも変わりません.まったく同じことが繰り返され、同様に放射能の脅威にさらされています.隠蔽してやり過ごそうという姿勢はもううんざりです.