半年ほど前ですが、Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Asphericalを購入しました.

Nikon Zf + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z-Mount
F1.2 1/80秒 ISO100
きっかけは今年3月に行った、CP+のコシナブースでこのレンズを試したことでした.
当時、メインのレンズとして同じVoigtlanderのAPO-LANTHAR 35mm F2を使用していました.解放からキレのいいレンズでII型になって最短撮影距離が27cmまで寄れるようになるなど、焦点距離含め自分にとっては理想のレンズです.
が、このNOKTON 40mm F1.2は絞り開放時の「ユルさ」「柔らかさ」がAPO-LANTHARにはない魅力でした.それでいて絞ればキレのよさもあり、絞り値によって描写を変えられるのが気に入り、購入することにしました.
少し気になったのは焦点距離.個人的に好みの焦点距離は28mmから35mmくらいなので40mmだと望遠寄りかなと思いましたが、CP+で触った時もそれほど違和感がなかったので購入に踏み切りました.

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F1.2という明るいレンズながら前玉はそれほど大きくないですね.フィルタ径は58mmでAPO-LANTHAR 35mm F2と同じです.Voigtlanderのレンズキャップはバネが弱いのと引っ掛かりがよくなくて外れやすいので予備を常備しているのですが、使い回しできるので助かります.
モダンクラシックなデザインのレンズで、Zfとの組み合わせで違和感がありません.絞りリングは先端寄りにあり、細めですが操作しやすいです.

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フードはねじ込み式で、内側にネジが切ってあって58mmフィルタが取り付けできるようになっています.なのでフィルタをつけても全長が伸びません.ただし、つけ外しはしづらいので一時的に使うようなフィルタはレンズとフードの間につけたほうがよさそうです.
自分は日中の屋外でも絞りF1.2解放で使えるようにND8フィルタをつけています.室内や屋外でも暗くなって光量の低い環境ではフードごと外して撮影しています.

Nikon Zf + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z-Mount
F1.2 1/200秒 ISO100
絞り解放、最短撮影距離で撮影.収差で霧がかかったかのようにふわっとボケています.しかしながらピントの合っている部分はしっかりと描写されています.昔の単焦点大口径レンズは絞り解放で撮影距離が短いとピントの合っているところも収差がありすぎてユルく、2段くらい絞らないと使えなかったりしたものですが、これであれば解放から使っていけます.ただし、ピントの合っている範囲が狭すぎるので必要に応じて絞った方がいいでしょうね.

Nikon Zf + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z-Mount
F5.6 1/800秒 ISO100
屋外でF5.6まで絞って撮影.同じレンズとは思えないほどキレのいい描写です.

Nikon Zf + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z-Mount
F1.2 1/1600秒 ISO100

Nikon Zf + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z-Mount
F2 1/800秒 ISO100
絞り解放ですと周辺減光が強めに出ます.F2まで絞るとほぼ気にならなくなります.
周辺減光も描写表現として変化がつけられて気に入っているところです.

Nikon Zf + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z-Mount
F1.2 1/1250秒 ISO100
絞り解放で撮影.こうした花の撮影などでは収差がプラスに働きますね.
ピントの合っているところもふわっとしていますが、ピントの芯はしっかり出ているのがいいですね.

Nikon Zf + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z-Mount
F1.2 1/1600秒 ISO100
同じく絞り開放ながら、やや離れたところにピントを合わせると収差も抑えられた描写になります.

Nikon Zf + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z-Mount
F7.1 1/40秒 ISO1400
画角40mmなのと、最短撮影距離30cmなので新幹線などでテーブルのものを撮影するのにちょっと引きが足りないかなと感じる部分はあります.

Nikon Zf + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z-Mount
F2 1/40秒 ISO360
F2まで絞って撮影.1段半絞ることで周辺減光も控えめになり、近接域でも安定した画質になります.

Nikon Zf + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z-Mount
F1.2 1/125秒 ISO250
ふわっとした収差、ピントの合っている場所の存在感、周辺減光が相まって立体的な描写を感じます.

Nikon Zf + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z-Mount
F1.2 1/2000秒 ISO250
ややノスタルジックな色味で撮影したら、ジオラマを撮影したかのような雰囲気が出ました.

Nikon Zf + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z-Mount
F1.2 1/40秒 ISO2000
夜を意味するNoktから名付けられたNOKTONだけあって、夜の撮影でも絞り解放F1.2が威力を発揮します.
夜間の神社の薄暗い照明でも絞り解放、1/焦点距離のシャッター速度でもISO2000で撮影できるのは明るいレンズならではです.
同じVoigtlanderでもAPO-LANTHAR 35mm F2は絞り解放からシャープな画質で、絞りはシンプルにボケ具合を加減するものという性質なのに対し、このNOKTON 40mm F1.2は画質のユルさやシャープさ、周辺減光による空気感のようなものまで絞りで調節できる自由度を感じます.