2025/12/21

final TONALITE

Category: 物欲,電化製品,音楽 — Annexia @ 21:19

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FUJIFILM X100VI

 ワイヤレスイヤホン、final TONALITEを購入しました.
 前回購入したワイヤレスイヤホンが2022年12月の同じくfinalのZE8000でしたので3年ぶりとなります.有線イヤホンはあれこれ購入していますが、同じワイヤレスイヤホンを3年も使い続けていたというのはそれだけ気に入っていたということでもあります.
 今回購入したのは、finalがワイヤレスイヤホンとして新たなるフラッグシップ製品を位置付けていること、そして後述するカスタマイズ機能に興味を惹かれたからです.
 購入にあたってはクラウドファンディングでの早期割引を利用しました.そもそもクラウドファンディングというのは、製品として世に出したいけれど資金調達的に厳しいのを支援するというような位置付けだったような気がしますが、昨今では単なる早割サービス的なものもあるようです.

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FUJIFILM X100VI

 ケースのサイズは昨今の製品としてはやや大きめ、充電はUSB Type-Cの他にワイヤレス充電にも対応しています.
 個体差なのかイヤホンを収納した状態では蓋の締まりがやや甘いですが(蓋を押さえると少しぐらつく)、実用上は問題ありません.

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FUJIFILM X100VI

 ZE8000は棒状というか直方体のような外見をしていましたが、TONALITEは楕円形のような形をしています.
 イヤーピースは「FUSION-G」と呼ばれる製品で遮音性と圧迫感低減を狙った製品です.ややデリケートな作りで雑に扱うと破けやすく、またメーカーとしては3ヶ月ごとの交換を推奨しています.とはいえ、S4000/S5000で1年ほど使っていますが、今のところ交換の必要性は感じていません.

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FUJIFILM X100VI

 パッケージの中には「DTAS」と書かれた箱が入っています.
 これこそがTONALITE最大のセールスポイントであるカスタマイズ機能です.

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FUJIFILM X100VI

 箱の中にはヘッドバンド、ARマーカーの印刷されたステッカーが入っています.
 ヘッドバンドにARマーカー入りのステッカーを貼り付け、頭部や耳の形状を計測することで使用者に合わせて音色を調整することを可能にしています.
 finalではZE8000の使用者を対象にした「JDH」(自分ダミーヘッド)というカスタマイズサービスを行なっています.final本社まで出向いて頭の形状を計測してZE8000の音質を最適化してくれるというものなのですが、費用が55,000円と高額であること、川崎にあるfinal本社に2回行く必要があること、そしてなにより抽選制ということもあって敷居が高いサービスなのです.
 TONALITEはこれを自宅にいながら行おうという、かなり意欲的というか無謀な製品なのです.

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FUJIFILM X100VI

 設定にかかる時間は約40分ほど.複数のステップに分かれており、途中で中断も可能です.
 大まかには、ARマーカーを貼り付けたヘッドバンドを頭につけた状態の写真をスマホのインカメラで撮影し、TONALITEを耳につけた状態で計測用の音を出してその反響をサンプリングしたデータを送信してfinal側のサーバで解析し、最後に実際に普段聴いている曲を聴きながら違和感のない音色設定を選ぶ、という流れになります.こうして設定を行った情報を「Personalized」としてTONALITEに書き込むことで設定完了です.
 カスタマイズを行わない「General」というモードも最初から用意されており、これでも十分高音質だと感じるのですが、「Personalized」した音を聴いたのちに「General」を聴くと違いを感じます.
 違いを感じる…… のですが、明らかに「Personalized」の方がよく感じられるものの、その違いを言葉にして表現するのがとても難しいです.「しっくりくる」「馴染む」というような抽象的な表現でしか言い表せないもどかしさを感じます.
 高音質なイヤホンをレビューした記事でよく見かける「いままでのイヤホンでは聞こえなかった音が聞こえる」というのは確かにあって、ボーカルが歌い出す前の息を吸い込む音や細かなニュアンスを感じ取ることはできると思いました.また、音の濁りのようなものがかなり軽減されているのも「いい音」の要因に感じました.

 ZE8000に比較してノイズキャンセリング性能も向上しており、ワイヤレスイヤホンという「言い訳」を必要としないほどの高音質で、不満のまったくない製品です.当面はこれが外出時の必需品となりそうです.