2021/09/02

YAMAHA TW-E3B

Category: 電化製品,音楽 — Annexia @ 10:52

 寝るときに音楽を聴いたりするために、枕元にいくつかイヤホンを置いてあります.
 有線のイヤホンはいい音で音楽を聴いたりするために、そして左右独立のワイヤレスイヤホンは音質よりもケーブルの煩わしさを避けるときのためにといった感じで使い分けています.
 現在使用しているワイヤレスイヤホンはagTWS03Rですが(以前のレビューはこちら)、agのサイトを見ていたら、TWS03Rの後継と称されるCOTSUBUが発売されているのを見つけました.粉雪塗装の凝った外見はそのままに軽量化やUSB Type-C対応などブラッシュアップされているようです.
 TWS03Rは外見は気に入っているのですが、音質が好みの分かれるところで、よくいえば角のとれたソフトな音色、悪くいえばもやっとした眠たい音色なのが個人的にやや不満です.COTSUBUはTWS03Rを「基本性能から使い心地まで大幅にグレードアップした」とのことなので音質面での改善を期待しましたが、レビューを見ると音質の傾向は変わらずで、低音が強調されているようです.低音の強さは求めていないし、わざわざ買い換えるほどのものでもなさそうだなということで購入は見送ることにしました.

 が、なんか手頃な価格で音のいいワイヤレスイヤホンがほしいという思いは収まらず、結局は別のものを購入しました.

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FUJIFILM X100V

 ヤマハTW-E3Bです.値段はヨドバシカメラで7,000円、他の通販サイトではポイント分差し引いて6,300円で売られているところが多かったです.
 ヤマハといえば楽器、そしてオーディオ、さらにはルータなどの電子機器で知られる会社です.ヘッドホンやイヤホンも昔から手掛けてはいますが、それほどメジャーではないですね.
 ちなみに、楽器等を手がける「ヤマハ」とバイクや船外機などを手がける「ヤマハ発動機」は別の会社で(「ヤマハ」から「ヤマハ発動機」が分離独立)、ロゴもだいたい同じですが音叉マークの尖った部分が外周の円に届いていないのが「ヤマハ」、届いているのが「ヤマハ発動機」です.

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FUJIFILM X100V

 付属品一式です.クイックスタートガイド、イヤホンケース兼充電器、イヤホン本体、イヤピース4種、USB Type-Cケーブル、あとは保証書です.
 クイックスタートガイド、とあるので詳しい説明書が別途付属しているのかと思いきや、詳しい機能を知りたいかたはWebから参照してくださいというスタイルです.

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FUJIFILM X100V

 ボディカラーは標準の6色に加えて、「ゆるキャン△」コラボモデルの計7色.自分は「スモーキーブルー」を選びましたが、ほかも落ち着いた色が多いですね.塗装はイヤホン本体のみされていて充電器はプラスティックそのままのようです.イヤホンの塗装も凝ったものではなく高級感はあまりないですね.外見にかけるコストより中身の音質を重視した、とポジティブに捉えるべきでしょうか.
 イヤホン本体のヤマハの音叉マークは物理ボタンになっており、再生/停止や曲送り/戻し、ボリュームなどひと通りのことができるようになっています.

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FUJIFILM X100V

 イヤホンケースが充電器になっており、4段階のバッテリ残量表示、充電はUSB Type-Cと、いまどきの一般的なワイヤレスイヤホンの仕様ですね.1回の充電で6時間再生、3回充電できるので合計24時間再生可能です.

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FUJIFILM X100V

 底面には型番やバッテリ容量、技適マークの表示があります.技適マークはあるものの、CEやFCCといった海外の承認ロゴはないので仕向地ごとにラベルを変えているのでしょうか.
 「ヤマハ」と「ヤマハ発動機」のロゴの違いについてもうひとつ.「YAMAHA」の「M」の真ん中が下についていないのが「ヤマハ」、ついているのが「ヤマハ発動機」です.もっとマニアックに見ると、各文字の左右バランスが非対称(たとえば「A」の右側が太い)のが「ヤマハ」、左右対称なのが「ヤマハ発動機」です.

 機能や音質について.

 ■機能
 「音を出す」「通話する」といった最低限のスペック以外でカタログスペックを飾れるようなものはIPX5の防水対応と、「リスニングケア」(ボリュームに応じて低音/高音のゲイン調整をして小ボリュームでもしっかりした低音が聴こえる機能)くらいでしょうか.ノイズキャンセリングや外部音取り込み機能などは備わっていません.また、スマホ用アプリが用意されていますが、前述した「リスニングケア」のオンオフと、オートパワーオフの時間設定くらいしか機能的に用意されていません.個人的にはアプリでイコライジングしたり機能をあれこれいじる必然性はとくに感じないので、これで十分です.
 このTW-E3Bには上位機種としてTW-E5AとTW-E7Aがあり、ノイズキャンセリングなどの機能を備えていました.が、バッテリ充電に失敗したりノイズキャンセリングの効果が低いなどクレームが多く、早々に発売中止、回収して返金という状況になっていましました.そういう経緯もあって、ベーシックモデルのTW-E3Aだけが残り、マイナーチェンジでTW-E3Bになって存続しているという状況です.
 ワイヤレスやノイズキャンセリングといった機能はオーディオメーカーが本来持っている技術とはまた違う世界の話で、ソニーやAppleをはじめとした数社は自前でチップやシステムを組むことができますが、そうじゃないメーカーはQualcommなどのチップを積んで、出来合いのアンプやノイズキャンセリング機能を使うことになるので、なかなか差別化も難しいうえに慣れない設計で不具合の多い製品を作ってしまいがちだったりするのですよね.ヤマハには音を打ち消して声が漏れないようにする技術(会議室や病院の診察室で使用されています)や、ルータなど電子機器の技術も持っているので技術的にはできそうですが、諸事情(イヤホン市場における自社シェアの少なさから開発費が回収できないとか、イヤホンのサイズにまで持っている技術をコンパクトにまとめることが難しいとか)で自社開発は厳しいのでしょう.

 ワイヤレスイヤホンの宿命ともいえる音の途切れですが、自宅環境で聴いていてもごくまれに一瞬途切れることがあります.自宅外では使っていないので、混雑した状況では不明です.

 少し気になったのがサイズ.ag TWS03Rが耳にすっぽり収まるサイズ感だったのに対して、やや耳からはみ出します.なので寝ながら使うときに耳にあたる感覚があります.

 ■音質
 期待以上ですね.7,000円のワイヤレスイヤホンとしては十分すぎる音質に感じられました.
 ヤマハらしいというか、生楽器系の音がよいというレビューをよく見かけますが、個人的にはシンセサイザーの音、とくにいにしえの名機であるDX7のエレピ系の音色が綺麗に聴こえて、ああさすがヤマハだなと思いました.
 解像度についても価格を考えたら十分すぎるほどで細かな音まではっきりと聴こえてきます.高価なイヤホンを評価するのによく使われる言い回し「いままで聴こえなかった音が聴こえる」というのがこのイヤホンにもいえます.
 価格なりの限界かなと感じるのは、音に量感というか力強さがちょっとないかなという点です.自分の手持ちの左右独立ワイヤレスイヤホンで比較すると、SHUREのAONIC TW1(ワイヤレス部分のみのモジュール)とAONIC 4(1DD+1BA)の組み合わせだとチップセット内蔵アンプではなく外部に専用アンプを搭載していることもあってパワー感の差が大きいです.

 ■まとめ
 左右独立ワイヤレスイヤホンでこの音質という点でこのお値段というのはお買い得感ありますね.付加価値はとくに求めないので音質がいいものを、というかたにはおすすめできる製品だと思います.
 ヤマハにはもう一度奮起して、上位機であるE5AやE7Aのパワーアップ版(個人的にはノイズキャンセリングとかいらないので音質を追求したもので)を期待したいところです.

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