「夜」を名前に冠したレンズ、NOKTON.だったら夜景を撮ってみようじゃないか、ということで川崎の工業地帯まで出かけてきました.
Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4
工業地帯の撮影するのが好きです.
しかしながら工業地帯は薄暗く、点光源が多いこともあってレンズにとってはかなりシビアな環境です.
ホワイトバランスも非常にシビアなのですが、オートで満足のいくデジカメはたぶんないと思われるので、RAWで撮ってあとから修正を加えるのが現実的かもしれません.
絞りはF4.ここまで絞るとパープルフリンジは出ません.が、かなりシャッター速度が落ちて、ISO3200で1/25秒、さらに現像時に+2露出補正しています.さすがに焦点距離58mmでこの速度は厳しいので、何枚も撮影してマシなものを残す必要が出てきます.三脚で撮影するべきなのでしょうね.
Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4
絞りF1.4.これも実際にはもっと暗いので、かなり明るめに仕上げました.ただし、RAWで撮影してあるとはいっても、あんまり暗部を持ち上げるとノイズも派手に乗りますし、筋も出てしまいますので、加減が難しいところです.
Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4
絞りF4.柵があったのでそこに置くようにして撮影.
F1.4から2.8くらいまでは点光源を撮影するとパープルフリンジが派手に出ます.Aperture3で現像時に調整→クイックブラシ→ハロー除去、でパープルフリンジの除去はできるのですが、加減が難しくパラメータを高めに設定すると点光源の周囲が黒く沈んでしまいます.なので、軽くパープルフリンジが残るくらいのほうが自然な仕上がりになるかもしれません.
また、オートで全体にかけると、 どういうわけか青いものが黒くなるので要注意です.上の写真の場合でいうと、左の倉庫の扉やその右に見えるコンテナも黒くなってしまいます.逆に空などに出るラインノイズを消すこともできるので、ブラシで空にのみハロー除去をかけてあります.
Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4
絞りF1.4.ボケは綺麗だと思います.テールランプにパープルフリンジが出たのでそこだけ軽く処理.
ざっと撮ってみた感想としては、後処理でパープルフリンジを除去すれば、F2あたりで結構使えそうな感じです.F1.4でもよいのですが、工業地帯相手では多少締まった感じのほうが合うと思うので1段くらいは絞ったほうがよさそうです.
また、F2.8くらいまでは周辺部にコマ収差が出ます.なので、それなりの画質を得たいのであれば、F4まで絞るべきでしょう.とはいえ、ブレては意味がないので多少の後処理を覚悟でF2で撮るのが現実的なのかも.
CarlZeiss Planar 50mm F1.4とどちらがよいかですが・・・、工業地帯でPlanarを使ってないことに気付いたので、後日また比較してみたいところです.
【追加】
気になったので自宅で簡単にテストしてみました.
部屋を真っ暗にしてLED懐中電灯の光を露出一定で絞りを変えながら撮影.Planarは絞りが1/2段刻みなのでF1.7でも撮影しました.
CarlZeiss Planarはやっぱりすごい、というなんだか月並みな結果が出てしまいました.なんだかつまらないですが.
とはいえ、NOKTON 58mmの描写がダメなわけではなく、こうした極端な条件下で差が出ただけの話なので、必要に応じて使い分けていこうと思います.