2024/07/02

iPad Pro 12.9インチ(第5世代)を購入

Category: コンピュータ,物欲 — Annexia @ 22:44

 2024年5月にM4搭載の新型iPad ProとM2搭載のiPad Airが発表になりました.
 自分が使用しているiPad Proは2018年発売の11インチ、いわゆるiPad Pro 11インチ(第1世代)と呼ばれる製品です.発売から6年が経過し通常の使用用途には支障がないものの、次期iPad OSに搭載されるApple Intelligenceには非対応となります.
 日々使うものですし、年数的にもそこそこ使ったし、新機能も使えないのならそろそろ変えてもいいかな…… と思い、
・サイズ13インチ
・容量256GB
・Wi-Fi+Cellular
という条件で検討してみることにしました.
 ……が、新型iPad Proですと驚きの25万円オーバーです.昨今はデジタルカメラなどでも円安の影響で後継機が大きく値上がりするような事例がありますが、さすがにこれは買うのに勇気のいる価格です.
 同じ条件でiPad Airにしてみると17万円ちょっとになります.まだお高いですが多少現実味のある価格になりました.

 ではiPad Airを買うか…… とApple Storeに行って現物を触ってみると、悪くはないのですがいくつか引っかかる部分がありました.
 すぐ隣にiPad Proが展示されていたため交互に使ってみると、
・スクロールの滑らかさが違う(ProMotionテクノロジーの有無でディスプレイのリフレッシュレートに差がある)
・音がやや弱い(Proは4スピーカーで縦横どちらで持ってもステレオで聞こえるのに対し、Airは2スピーカーで横位置で持った場合にのみ左右から聞こえる)
 という2点が気になりました.いま使っているのが6年前の製品とはいえiPad Proなので、ProMotionや縦横対応の4スピーカーに対応しています.そこからiPad Airに変更するとなると、処理速度は速くなるもののディスプレイや音質では劣る部分が出るわけで、ちょっとこれは買う意欲を削がれます.
 んー、まあ再検討しますか、ということでその日は買わずに店を出ました.

 17万円出して新品のiPadを買うのに、6年前の製品より部分的とはいえ劣る製品を買うのはちょっと抵抗感がある、されど25万円出してオーバースペックすぎる製品を買うのもどうか…… と悩んだ末にたどり着いた結論が、旧型のiPad Proを買うということでした.
 AppleのWebサイトには「認定整備済製品」というページがあります.要は一度販売したものの何らかの理由により返品された製品をAppleが新品同様に仕上げて安く売るというものです.以前にも何度か購入したことがありますが、質素な外箱に入っているものの中身は傷ひとつない新品同様であり、型落ちの製品狙いですと悪くない選択です.その時々で在庫は変動しますが、自分が見たときには2世代前のiPad Pro、M1搭載の製品が15万円ほどで売られていました.
 現行のM4搭載のiPad Proはかなりのスペックアップがなされた製品ですが、1世代前のM2搭載の製品と2世代前のM1搭載の製品ではプロセッサの処理速度差が2割くらい、その他の部分ではWi-Fi 6か6Eかなど、細かな違いなので2世代前だからといってもすぐ使い物にならなくなるようなことはありません.それに次のiPad OSで搭載されるApple Intelligenceにももちろん対応しています.
 ということで購入に至りました.

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RICOH GR III

 シンプルな白い外箱は再整備品の証です.とはいえ、中身は新品と見分けがつきません.
 電源を入れると新品と同様に「ようこそ」画面が表示されてセットアップが始まるので、いつものようにデータ移行をすることで環境を移すことができました.

 データ移行はできたものの、多少作業が必要になるのがモバイル回線の移行です.iPad Pro 11インチ(第1世代)が4Gであるのに対して、iPad Pro 12.9インチ(第5世代)は5Gのため、若干の移行作業が必要となります.
 まず事前準備として旧iPad Proに入っている物理SIMをeSIMに切り替えます.自分はキャリアがauなので、auのWebにて申し込みました.その後、旧→新iPad ProへとeSIM環境を移行します.ここで4Gから5Gへのプラン切り替えが必要とある旨の表示が出たので、案内されるままに5G契約に切り替えを行いました.
 もし物理SIMのまま移行すると、新iPad Proで動作保証のない4G環境で使用するか、もしくは通信キャリアの店舗などに出かけて物理SIMを交換する必要があります.
 なお、eSIMでも物理SIMでも4Gから5Gへの移行には手数料がかかります.

 外出時はiPad miniを使うので基本的に外に持ち出すことはなくWi-Fiモデルでもなんとかなるのですが、やはり旅行などに持って行くときに単体で通信できるのは便利です.それに、自分の場合はiPad ProとiPhoneともにau回線での契約ですので、通信量をシェアすることが可能です.なのでiPad Pro分の通信料金も無駄にはなりません.

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RICOH GR III

 ケースはいつものようにDODOcaseにて注文しました.
 アメリカはテキサスから発送なのに、注文から5日程度で届くのは驚きです.ただし、送料込みで$135くらいかかるので、円安のご時世だとiPadのケースにかける金額とは思えない請求がきます.まあ見なかったことにしておきましょう.

 今回は「EXECUTIVE LEATHER IPAD CASE」というレザー張りのものを選びましたが、素晴らしいクオリティです.iPad自体が大きいこともあってか重さもあって公式サイトによると12.6オンス、つまり357g程度ありますのでiPad本体と合わせると1kgを超えてしまいます.見た目、感触、重さも含めて図鑑でも見ているかのような感覚にさせられます.寝ながら使って寝落ちして顔の上に落とさないよう注意せねば.

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RICOH GR III

 カメラ部分もきちんとくり抜かれています.もっとも、室内利用メインですしカメラを使うこともほとんどないでしょう.せっかくのRiDARスキャナが宝の持ち腐れです.

 2週間ほど使ってみましたが、やはり画面が大きいというのはいいものです.電子書籍で漫画を読むときも11インチでは1ページずつ読んでいたため見開きで1コマのページが見づらかったですが、このサイズにもなると2ページを1画面で表示しても読むことができます.
 従来のiPad Pro11インチ初代でも大半の利用に支障はなかったのですが、プロセッサがM1になると同時に搭載メモリが8GBになったことが効いているのか、処理速度がまったくのストレスフリーになっただけでなく、アプリケーションを切り替えても地図アプリの閲覧位置がリセットされて現在地に戻ってしまうようなことも少なくなり、調べ物などがやりやすくなりました.
 ネックなのはやはり重さ.ケースを外したりもっと軽いケースを使えば多少は軽減できるのはわかっているのですが、そこはやはり気に入ったケースを使いたいもの.とくにDODOcaseは初代iPadから10個以上使い続けていますので、そこは外せません.

2024/06/15

『マッドマックス フュリオサ』

Category: 映画 — Annexia @ 21:37

 映画『マッドマックス フュリオサ』を観てきました.
 作品としては『マッドマックス 怒りのデスロード』の前日譚となり、登場人物のフュリオサの幼少期から『怒りのデスロード』につながっていく話となります.
 (以下、ネタバレを含みます)
(more…)

2024/06/10

親知らずを抜く(3年ぶり2度目)

Category: 日記・雑記 — Annexia @ 20:38

 親知らずを抜きました.前回は3年前に右上で、今回は右下です.
 今回抜いた親知らずは完全に横向きに生えており、しかも虫歯が進行しており、さらに横向きに生えているために隣の奥歯を圧迫するなど問題点が多く、ずっと前から抜いた方がいいと歯医者に行くたびに指摘されていました.
 ただ、横向きに生えた親知らずというのは抜くのに難易度が高いようで街中にある歯科医院では対処できなく、抜くのであれば紹介状を書くので大学病院に行ってほしいと言われてしまい、億劫さと抜歯するという怖さにより先延ばしにしていました.しかし、そろそろ先延ばしも限界になり、隣の奥歯との隙間が狭くなって虫歯が発生している可能性があるとのことでようやく思い腰を上げ、普段診てもらっている歯科医院から大学病院に予約を取ってもらい、紹介状を手に大学病院に向かいました.

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Apple iPhone 13mini

 信濃町駅周辺の2大スポットは国立競技場と慶應義塾大学病院らしく、床にはこのような行き先案内が.改札を出て右手に向かうと慶應病院、左手に向かうと国立競技場です.

【大学病院訪問1回目】
 病院側から指定された時間が朝8時過ぎだったので、普段の出社よりも早く起きて家を出て、信濃町駅前にある慶應義塾大学病院に向かいました.
 慶應病院に行くのは初めてで、当然ながら病棟の作りやレイアウトもわからないのですが、建物が3つに分かれているあたりから老舗の旅館のように増設に次ぐ増設がされたことがうかがえます.正面の入り口や受付は2号館で、口腔外科の診察を行うのが3号館4階の「4X」で、「2号館を2階に上がり、ファミマの前を通過して左折し、3号館に入ったら4階に向かってください」と案内されました.床には各建物に向かうための線が引かれているのですが、診察を行う場所が細い廊下の先を曲がったところにあったりとちょっとした迷路のようです.
 3号館4階の4Xと書かれた場所に着いたのですがそれらしき受付がありません.隣では4Wが受付しているのですが、4Wは眼科なのでさすがに受付は違うであろうことが想像できます.しばらく待っていると奥の扉が開いて4Xの受付が開始となりました.同じ病院なのに科目によって開始時間が違うというのが謎です.
 4Xで受付をすると、今度は1号館1階に行ってレントゲン写真を撮ってくるようにと言われます.これがまた難解で、今いる3号館を1階まで降りると1号館には行けないので、2階で1号館に向かってから1階に降りるように案内されます.最初に受付をしたのは2号館では?と思ったら、1号館と2号館は渡り廊下などではなくそのまま繋がっているようです.老舗の旅館ライクとでもいうか、一種のロールプレイングゲームっぽさがあるなと感じました.
 レントゲン撮影を終えて再び4Xに戻り、検査終了の旨を受付にて伝え、待合室でしばらく待った後に1回目の診察.状況を伝えて他に罹患している病気や服用している薬を伝え、再び待合室に.またしばらく待ったのちに再度呼ばれて2回目の診察.診察の結果、やはり親知らずを抜いた方がいいですねという結論になり、3人目の医師と抜歯の日程調整を行ってこの日は終了.結局3時間ほどかかりました.

【大学病院訪問2回目】
 病院側の抜歯可能なスケジュールに空きがなくて、2週間ほど経過してようやく抜歯手術を受けました.
 今回抜歯する親知らずですが、かれこれ20年以上も凸凹の虫歯然とした状況が続いていたものの痛みはありませんでした.ところが診察を受けて「この状態で痛くないんですか?」とか「痛むかもしれませんが抜歯まで我慢していてください」などと言われることで意識が集中してしまったのか、じんわりと痛みのような違和感を感じるようになってきました.まったく、人の感覚などいい加減なものです.

 13時から抜歯手術を行うので15分前に受付に来てくださいと言われたので定刻に訪れたところ、さすがに予約済みだけあって、すぐに血圧と体温を測られ診察室の歯医者のあの椅子に通されました.椅子横のテーブルには何かを覆い隠すかのような紙がかけられており、やがて助手らしき方が来ると手で触らないようにしてさらに追加の器具類(抜歯、というか人間の口内に突っ込むにしては随分と大きくてゴツい工具っぽいもの)やら削るためのドリル状のものなどを設置していきました.平然を装ってはいましたが、さすがにこれはちょっと怖いなと感じましたね.

 抜歯自体は自分の知識の範囲内といった感じ.といって仕舞えばそれまでですが、複数回の麻酔注射ののちに埋没箇所の歯茎を切り、引き抜こうとするもうまく抜けず(なんせ横向きですからね)、焼け焦げるような香ばしい匂いがするほどにドリルで歯を削り、3つほどに分解した状態でようやく抜けました.抜いたあとは縫合していただいたのですが、縫合時の糸が口元で擦れて切れてしまい、どちらかというと抜歯箇所よりも口元のほうが後々まで痛く、口を開いたり食事の妨げとなってしまいました.
 痛み止めの鎮痛剤と化膿対策として抗生物質を処方されたのですが、一般的な病院ですと処方箋が出たら近隣の調剤薬局で購入という流れになるかと思いますが、この病院では「手術(抜歯)」→「支払い」→「支払いのレシートに薬引換券が印刷」→「同じ建物内の薬局で受領」という昔ながらの方式でした.内部で情報が共有されているらしく、規模の大きな病院ながらも支払い完了時にはすでに薬が用意されており待ち時間はゼロでした.

 手術直後はそれほど腫れてはいなかったのですが、やはりその後腫れが酷くなり、見た目でわかるほどに左右で頬の形状が違う事態に.術後の状況が読めなかったので手術当日と翌日は有給休暇を申請していたので、平日に2連休するの久しぶりだなと思いつつおとなしく静養することにしました.
 術後でつらいのはやはり食事.抜歯した右側は手術当日は血が止まらず、翌日も唾液にうっすらと血が混じる状況でしたので、怖くて右側では噛めません.というよりも、咀嚼すると痛み止めを飲んでいても痛みというか違和感があり、結果として柔らかい食べ物(おかゆ、雑炊、伊勢うどん、菓子パン)といったものばかりの食事となります.おかゆや雑炊は「美味しい」とパッケージに書かれていても食感含めて味気なく感じられるのですが、救いとなったのは何気なく購入しておいた、電子レンジで調理する骨抜き魚のセットでした.歯に負担を与えない程度に柔らかく、しかもしっかりとした味付けでおかゆのサポートとして頼もしい存在でした.白ごはんのお供としても十分いけるので、これからも冷凍庫に常備してもいいかなと思えるほどに気に入りました.

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Apple iPhone 13mini

【大学病院訪問3回目】
 抜歯から1週間後、縫合箇所の抜糸と経過観察のために3度目の通院をしました.
 抜糸も痛むのかなと想像していましたが、まったく痛み(というよりも糸を抜かれた感覚すらも)なく、経過も問題なしということでこれにて終了となりました.鎮痛剤や抗生物質は4,5日分を処方されていたので抜糸時にはすでにどちらも飲み切ってしまっていましたが、追加の必要性は感じられなかったので処方はしてもらいませんでした.
 抜歯1週間で口の中がどうなったかというと、親知らずを抜いた部分は穴が空いた状態になっており、その周囲には抜歯時に切った頬や歯茎部分と思われるものは柔らかな肉のようになって残っています.いずれは親知らずのあった場所は埋まっていくのでしょうけど、食べ物のカスが入って炎症など起こさないようにしばらくは注意が必要そうです.
 怖いのは抜歯した隣の奥歯が虫歯になっていないかということ.親知らずが奥歯を圧迫するようにして生えていたので、歯ブラシなどが届かない部分があったのです.そちらは普段から診てもらっている歯科医院のお世話になることになります.

2024/05/26

『ソイレント・グリーン』

Category: 映画 — Annexia @ 12:23

 映画『ソイレント・グリーン』を観に行ってきました.
 公開は1973年で、今回の上映はデジタル・リマスター版での上映となります.

 舞台は2022年のニューヨーク.人口が増加しすぎて自然環境が破壊され資源が枯渇した世界.人類は富裕層と仕事のない貧困層に二分されて貧困層は海水のプランクトンから生成されたとされる「ソイレント・グリーン」の配給に頼って生きている、という世界で、殺人事件が起きて刑事が犯人を追ううちに「ソイレント・グリーン」の正体を知り事件に巻き込まれていく…… というストーリーです.
(以下、ネタバレが含まれます)

(more…)

2024/05/13

Keychron Q2 Pro購入

Category: コンピュータ,物欲 — Annexia @ 22:57

 勤務先で使用しているキーボードはKeychron K8 Proです.「TKL(Ten Key Lessの略)」とか「80%」と呼ばれるタイプのキーボードで、一般的なサイズのキーボードからテンキー部分をカットしたものです.これをベースにキースイッチをGateronNorth Pole(Ver.1)に交換し、キーキャップをDropDROP + BIIP MT3 EXTENDED 2048 CUSTOM KEYCAP SETに交換しています.
 これはこれで気に入っているのですが、たまには気分を変えたくなるのに加えて、自分の使い方ではファンクションキーとか使わないなーと思ったので、もっとキー数の少ないキーボードでいいか…… と思っていたところに、Keychronが7周年記念で20%引きセールをやっていたので、Q2 Proを購入しました.

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RICOH GR III

 注文から約2週間.中国から送られてきました.パッケージを手にした段階でずっしりとした重みが伝わってきます.

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RICOH GR III

 付属品はUSBケーブル(USB-C to C、A変換アダプタつき)、Windows用キーキャップ、キーキャッププラー(引き抜き道具)、分解用工具や予備のゴム足などの補修部品など.完成品であるものの、分解を前提としたパーツが付属してくるあたりがマニアックです.公式サイトでも改造用パーツとして「音響アップグレードキット」やパーツ固定用の「プレート」などを売っており、それらを取り付けるための分解解説動画まで用意されています.

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RICOH GR III

 通常のキーボードと比べてかなりシンプルに見えます.テンキー、ファンクションキー、そしてROLL UP/DOWNなどの特殊キーが省かれており、キーの減少率から「65%」と呼ばれたりします.右上にあるのは回転式のノブで初期状態では回転で音量調節、押し込むとミュートです.K8 Pro同様にすべてのキーがカスタマイズ可能ですので、たとえばこのノブに拡大/縮小を割り当てる、なんてことも可能です.
 重量は約1.5kg.MacBook Airよりも重たいですね.K8 Proよりキー数は減っているのに300g以上重たくなっています.社内で同僚に持たせたら「鈍器だね」と言われる始末です.
 今回選んだのはボディカラーがシェルホワイト、キースイッチがKeychron K Pro バナナ軸です.K8 Proが本体色ブラックなので、白を選んでみました.

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 K8 Proと比較.キーの数が減っているわりには幅はそれほど縮まっていません.Q2 Proのほうが余白が大きいのが影響していそうです.

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RICOH GR III

 Keychron K Pro バナナ軸はタクタイル(キーを押す途中で軽く引っかかりがあるタイプ)で、その中でも「Holy Panda」タイプと呼ばれる、強めの引っかかりがキータイプの初期の段階にあるキースイッチです.
 荷重57±8gでタイプされる、通常のもの(一般的なメカニカルスイッチは45g程度)よりやや重めのキーなのですが、使ってみるともうちょっと重い方が好みだなと感じて、さらに重い67±8gのミント軸も購入してみました.しかしさすがにこれは重すぎで、数字やアルファベットキーはバナナ軸、スペースバーやEnterキーなど一部にミント軸を使うという方法に落ち着きました.バナナ/ミント軸ともに同じメーカー製でHoly Panda系なので重さ以外は同傾向のため違和感なく使えます.

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RICOH GR III

 Q2 Pro標準のキーキャップは「KSAダブルショットPBT」と呼ばれるものです.
 KSAはキーの形状や配列の角度を意味し、一般的なものよりも傾斜がつけられています.
 ダブルショットはキーキャップが二重構造になっており、キー本体とキーの文字が別素材で作られていることを示します.なので構造上、文字が消えることはありません.
 PBTはプラスティック素材の樹脂の種別です.一般的なキーボードに使用されているABS樹脂よりも耐油性(皮脂によるテカリを防げる)や耐摩耗性(表面がツルツルになりづらい)に優れています.
 高価格帯のキーボードらしく比較的いいパーツを使ってはいるのですが、キー形状の好みや、同じPBT樹脂でももっと厚みのあるものを使いたいということで、DropからDROP + ZAMBUMON MT3 SERIKA R2 KEYCAP SETを取り寄せました.アメリカから発送され、配送会社がDHLだからか、途中なぜかドイツを経由して2週間以上かけて届きました.せっかくQ2 Proが20%引きで安く買えたというのに、この円安の時期に海外からキーキャップなんぞを取り寄せたせいもあってトータルで5万円以上かかってしまいました.
 テンキー部分などを含めたフルセットでの発売なので、Q2 Proに使用すると結構な量のキーが余ります.Macで使うのでCOMMANDとOPTIONの追加キーも注文しました.

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RICOH GR III

 キーキャップを交換すると雰囲気がかなり変わりますね.特殊キーが黄色いこともあってポップかつややレトロな印象です.
 ちなみに製品名につく「ZAMBUMON」とはデザイナの名前のようです.世の中には「キーキャップデザイナ」と呼ばれる人がいるということを、キーボード沼に片足を突っ込むようになってから知りました.

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RICOH GR III

 キーキャップの書体は「IBMビームスプリング端末とオリベッティタイプライターに触発されたオーダーメイドの書体、Audacia」を使用しているとのこと.思えばいにしえのコンピュータ、PC-8001や9800シリーズ付属のキーボードはこんな書体だったような記憶があります.
 前述したようにすべてのキーがカスタマイズ可能なので、「LOCK」というキーを押すとスリープになるよう設定したので離席時に便利です.また、「SYS」キーとカーソルキーのコンビネーションでROLL UP/DOWNやHOME/ENDを割り当てています.あんまり使いませんが.

 Q2 Pro、さすがにKeychronの上位モデルだけあって(この上にQ2 Maxというさらに上位機もある)購入時の状態でもかなりの高品質さを感じましたが、カスタマイズしたことで好みの仕様に仕上がり、満足しています.変わり者扱いされそうなのであまり社内でも喧伝しませんが、キータイプしていて楽しいと感じるキーボードは仕事にもプラスになりそうです.物書きなどの職種がペンにこだわるのと同じです.
 今後の目論見として、キースイッチにGateron Baby Kangaroo 2.0なんてのもいいなとか考えたりもしています.キースイッチは多種多様な種類があるものの、あまりレビューも多くなく、スイッチテスターのようなものを触っても通常のタイプとは違うので限度もあるし…… ということで判断が難しいところです.

【追記】

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Apple iPhone 13mini

 キースイッチはその後、手元にストックのあったMOON DROPのアーリータクタイルタイプのTESSENCEに交換しました.Keychron K Proバナナ軸と同様のHoly Pandaライクなアーリータクタイルスイッチでバナナ軸と比べてもタイプ初期の遊びが少なくかっちりとした感覚が指に伝わってくるのが気に入っています.オーディオメーカーの作ったスイッチだけあって、タイプ音が歯切れのよいクリアな音であることも好みですね.