2012/01/21

特急「あさぎり」と岳南鉄道

Category: 鉄道 — Annexia @ 23:59

 今年に入って初めての鉄道旅行に行ってきました.

 行き先は沼津、そして吉原.
 3月でJR東海と小田急電鉄が運行する、新宿-沼津を結ぶ特急「あさぎり」が御殿場止まりになり、JR東海が運行から手を引き、そしてJR車両は定期運用から外され小田急車両は使用されなくなるというので、今のうちに乗っておくことにしたのです.
 吉原には岳南鉄道という貨物メインの鉄道会社があるのですが、こちらも貨物運用が終了になるとかで会社そのものが存亡の危機に立っているとのことなので、乗っておこうと思ったのです.
 車両や路線が廃止になったり存亡の危機になると乗りに行くのは鉄道マニアならではの習性ですね.普段から乗れば廃止や存亡の危機にもならないとは思うのですが・・・.

RICOH GR DIGITAL III

 「あさぎり」は実家に帰省するのに何度か使いました.新幹線、急行「東海」(途中から特急に格上げされ後に廃止)、東海道線各駅停車、小田原まで小田急あとは東海道線、そして東名高速バスと帰省手段はあれこれと使いましたが、約20年前にデビューした当時のあさぎりは指定席が売り切れてしまう人気の列車でなかなか乗りづらいものがありました.
 しかし、御殿場止まりになることからもわかるように以前ほどの人気はなく、自分が乗車した日も売り切れにはなっていないようでした.また、沼津まで乗る人も少なく、大半は御殿場で降りてしまいました.

RICOH GR DIGITAL III

 「次は終点「沼津」」の表記もあと2ヶ月たらずで見ることができなくなります.

RICOH GR DIGITAL III

 沼津駅にて.これはJR東海車両です.20年前の車両ですが、今見ても格好いいです.色合いも新幹線に通じるものがあり、会社のNさんも最初に見たときに「小田急に新幹線が走ってる!」と驚いたといっていました.中間の3-4号車が2階建てになっているなど、観光列車として手の込んだ作りになっています.これ1編成しかないため、検査などのときには代替品として小田急の車両が使われます.
 3月以降はリニューアルされてイベント用列車として利用されるそうです.

RICOH GR DIGITAL III

 新宿を10時過ぎに出たあさぎりは2時間をかけて沼津に到着します.ちょうどお昼時なので、駅から歩いて行ける範囲内で探して、「山正」に行きました.
 メニューに目移りして迷ったものの、こういうときは代表的なものをということで店の名前を冠した「山正丼」をいただきました.事前に味付けされたマグロやタコ、サーモンなどがたっぷりとのっていて満足の逸品でした.
 自分たちが入ったときには運良く待たずに済みましたが、店を出たときには数人の順番待ちのかたがいました.人気店なのですね.

RICOH GR DIGITAL III

 続いて向かったのが吉原駅.吉原や田子の浦界隈は工業地帯が密集しており、とくに紙パルプ関連の工場が多いのが特徴です.駅の跨線橋からもこんな感じで工場を眺めることができます.
 岳南鉄道はそうした工業地帯を縫うようにして走る私鉄で、貨物の取り扱いが非常に多かったのですが徐々に減少し、ついには貨物をやめてしまうことになったようです.
 乗ってみるとまるで工場の中に入っていくかのような感覚です.自分のような鉄道好き+工業地帯好きにはたまりません.

RICOH GR DIGITAL III

 1日乗車券も購入したし、それほど長い路線でもないので、とりあえず終点まで行くことにしました.終点の岳南江尾駅はなにもないようなところでぷつっと線路が途切れるような感じで終わっています.近くには工場がぽつぽつとあり、少し離れたところにショッピングセンターがありましたが、このショッピングセンターは鉄道との相乗効果を狙ったとかそういう感じでは全くないように見受けられました.
 車両は京王井の頭線の旧型車両です.通常は右側の1両のもので運行し、多客時のみ左の2両編成のものを使うようです.
 以前に訪れたときに途中駅に留置されていた、東急5000系電車はすでに解体されたそうで見ることはできませんでした.

RICOH GR DIGITAL III

 途中駅の比奈駅で下車.この古めかしい電気機関車、未だに現役だそうです.
 「501」という文字の書体からわかる人はわかるかと思いますが、名古屋鉄道から入手したものです.こういう時代を感じさせる機関車、大好きです.

Apple iPhone 4S + Hipstamatic(Lens:Libatique 73, Film:Float)

 雰囲気的にはこんな感じの時代感がありますね.いつまでも現役張っていてもらいたいものです.

Apple iPhone 4S

 沼津に戻り、雨降るなかを駅前商店街から横にそれたところにある謎の甘味店(甘味じゃないものもありますが)、どんぐりへ.沼津にいるとTwitterでつぶやいたら、どんぐりに行けと謎の指令が出ましたので.
 どんぐりの最大の特徴は、カウンターの前に川が流れていること.というか、川といっていいのかよくわかりませんが.そこに桶が流れていて、注文の食券や、食べ物や、食べ終えたものをすべて桶に入れて流すというフシギなシステムになっているのです.
 一見合理的に見えるのですが、食券は店の入り口で手売りだったりと、ビミョウなところも多々あります.

Apple iPhone 4S + Hipstamatic(Lens:Lucifer VI, Film:DC)

 メニューの大部分はパフェが占めているのですが、寒かったのでお汁粉をいただきました.あんことか餅とかあんまり得意じゃないんですけど、寒いときのお汁粉だけは別格です.

RICOH GR DIGITAL III

 帰りもあさぎりで.これは小田急車両のもの.JR同様に3-4号車が2階建てになっており、小さいながらもグリーン車のプレートも貼られています.

 1日の大半が雨というイマイチな天候でしたが、「乗り鉄」として楽しい時間を過ごすことができました.天気がよければ富士川の河川敷に行って富士山と新幹線をからめた、定番の写真を撮ろうと思っていたのでそれが心残りではありますが、それはまた後々の楽しみにとっておくことにします.

2012/01/19

コダック経営破綻

Category: カメラ・写真,ニュース — Annexia @ 23:59

「コダックが経営破綻、破産法11条による事業再編を申請」

 少し前から噂が流れていましたが、ついにコダックが経営破綻しました.

 デジカメの急激な普及という流れについていけなかったのが最大の要因ですが、同じようにフィルムを販売していた富士フイルムがデジカメビジネスで一定の実績をあげ、なおかつ化粧品などの経営多角化に成功しているのと比べてあまりにも対照的な結果となってしまいました.
 経営破綻したものの、再建を目指して活動をする予定でフィルムの生産も継続されるようです.が、フィルムはどうがんばってもジリ貧で、かといってデジカメでは出遅れてしまい挽回も難しく、状況の打開は厳しそうです.



 ちょうどよい機会なのでコダックの思い出をいくつか.

 フィルムカメラを使っていた頃は富士よりもコダックを好んで使っていました.特にお気に入りはポジだとエクタクロームプロプラス100(EPP)、ネガだとエクター25が好きでした.コダックならではのフィルムというとコダクローム64(PKR)があげられますが、何度か使ってみたものの個人的にはあんまり気に入ることはありませんでした.

 デジカメは2機種買いました.
 1機種目は「mc3」(←まだオフィシャルページがあるのが驚きです).これはデジカメというよりも、MP3プレーヤーと動画撮影(QVGA)、デジカメを一体化したような製品でした.当時はまだ動画撮影できる製品は珍しかったような記憶があります.

 もう1機種は「EasyShare V705」

Nikon E4500

 レンズを2つのせた製品で、それぞれにCCDがついています.3Dとかそういうのではなく、片方が23mmの超広角単焦点、そしてもう1つが39-117mmの3倍ズームレンズという使い分けになっています.操作系も癖が強くてお世辞にも使いやすいカメラではなかったですが、広角好きの自分にはたまらないカメラでした.外見も凹凸を極力廃したスクエアな形状でそれも好みでした.他のカメラを買うときに下取りに出してしまいましたが、残しておけばよかったかなとちょっと後悔しています.

2012/01/17

情報の呼吸法 / 津田大介

Category: 書籍 — Annexia @ 23:43

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 津田大介氏の「情報の呼吸法」を読みました.
 津田氏はジャーナリスト/メディア・アクティビスト.自分が最初に名前を知ったのは音楽の著作権がらみで国の審議会に出席していたことから.国の審議会などというお堅い場なのに金髪の人がいる!と不思議に思ったのが記憶に残っています.個人的に音楽業界の著作権等に対する方針には疑問を感じていたこともあり、津田氏が孤軍奮闘して主張する姿には共感を覚えたものです.
 その後もMIAU(インターネットユーザー協会)を立ち上げたりするなど、活動の様子はネットのニュースなどでちょくちょく名前が出ていましたが、存在感がもっとも感じられたのは東日本大震災以降でしょう.Twitterを主軸に情報を捌く技量には感服しました.

 この本は、津田氏が今までにしてきた行動を振り返りつつ、どのように情報を取り扱い、つきあってきた/いくかを解説したものです.が、少しつかみどころのない内容になっています.内容がないというのではなく、むしろ逆で、テーマを細かく切って過去の経験を織り交ぜながらノウハウを提供しているのでコンスタントに濃い内容が続いている、そんな感じです.

内容をかいつまんで紹介すると、
・ネット(ソーシャルメディア)の登場によって情報の流れが変化してきている.象徴的な事例として、TVや新聞よりも先にYouTubeで尖閣諸島の中国船衝突事件は流された
・震災のときの状況分析は1-2名の専門家しか出ないTVよりも、各分野の専門家がネット上で情報を提供し分析することで幅広く情報を得ることができた.しかしその反面、情報が錯綜して整理役が求められるようになった
・Twitterは自分が求める情報以外の「誤配」される情報があるからおもしろい
・自分と同意見の人だけをフォローし、他をノイズ扱いして除外していくと情報のタコ壺化が発生し、視野が狭くなる
・TwitterのTLを楽しく追えるのは300-500人くらいまで
・TwitterやFacebookなど多々あるソーシャルメディアから自分に合ったものを選ぶべき
・ソーシャルメディアでの人とのつながりはソーシャルキャピタルである.相手から見れば自分自身も他人の資本である
・情報発信をしないことにはリターンがない

 共感するところが多々あると同時に、自分のネットや情報に対する姿勢やものの見方があながち間違ってなかったことを認識できたことも大きな収穫でした.
 文体が柔らかく、細かくテーマが切られていることもあって内容の充実度のわりに読みやすいです.オススメです.

2012/01/14

にょにょっ記

Category: 書籍 — Annexia @ 20:06

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 穂村弘氏の「にょにょっ記」が文庫本で発売されたので読んでみました.「にょっ記」の続編です.挿絵は前作同様にフジモトマサル氏です.

 日記の体裁をした、穂村氏の妄想というかもやっとした考えが次々に現れる、地に足のついていない感覚のする、不思議な作品です.

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 1月17日 ハチミツ

 駅前のスーパーマーケットのドアに広告が貼ってあった。

  太陽印の純粋ハチミツは栄養満点です!
  パンに!
  ケーキに!
  ヨーグルトに!
  お子さまたちに!

 ぎょっとする。

2012/01/13

スパイシーチーズまぜ麺

Category: 食べ物 — Annexia @ 23:04

Apple iPhone 4S + Hipstamatic(Lens:Loftus, Film:DC, Flash:off)

 週に1回くらいのペースで通っているアイバンラーメンプラス
 限定メニューとして「スパイシー東京タンメン」と「スパイシーチーズまぜ麺」が出ていたので、今日はスパイシーチーズまぜ麺のほうをいただきました.

 辛味の効いたチーズまぜ麺は以前にも期間限定であったのですが、今回のはまた違った感じのものになっています.
 通常のチーズまぜ麺の上にのっている酸味のきいたもやしが唐辛子で辛く仕立てたもやしになっており、スライスしたガーリックものっています.チーズで多少中和されるとはいえ結構辛いですが、辛さだけでなくチーズのコクやスープ(魚系?)の旨味などが絶妙な感じでバランスがとれています.この寒い時期には辛味系のメニューは体が温まっていいですね.