2023/11/06

長野旅行

Category: 旅行・観光,,鉄道 — Annexia @ 23:21

GR001157

RICOH GR III

 9月も終わりになる頃に、長野まで出掛けてきました.

GR001159

RICOH GR III

 新幹線で長野に向かい、駅ビル構内にある蕎麦店「草笛」に.
 人気店らしく11時開店なのですが、開店前からウェイティングリストには結構な人数が入っており、待合室からあふれるほど人がいました.

100V2097

FUJIFILM X100V

100V2098

FUJIFILM X100V

 店名を冠した「草笛セット」を注文しました.
 結構なボリュームのざるそばに、「くるみだれ」「とろろだれ」の2つのつゆがついています.さらにデザートとしてくるみおはぎが.
 くるみはペースト状になったもので供されるので、そこに好みでつゆをかけて溶いて好みの味に調節します.甘味のあるくるみだれでいただく蕎麦は初めての味覚ですが、蕎麦自体の美味しさもあってするすると食べてしまいました.

100V2105

FUJIFILM X100V

 蕎麦をいただいたら長野電鉄の長野駅に.
 長野電鉄といえば、さまざまな鉄道会社から車両を購入することでも有名です.
 全面の帯こそ赤くなっていますが、日比谷線の車両ですね.

100V2106

FUJIFILM X100V

100V2112

FUJIFILM X100V

100V2113

FUJIFILM X100V

 ほかにも旧成田エクスプレス車両、旧東急8000系、旧小田急10000形ロマンスカー、さらに昔の日比谷線車両と、走る車両博物館のようにもなっています.

100V2132

FUJIFILM X100V

 小布施駅で下車し、小布施の街に向かいます.

100V2120

FUJIFILM X100V

 小布施駅から見えた果樹園.ここだけでも栗やりんごなど、さまざまな樹木があります.
 駅構内には売店があり、シャインマスカットや、最近長野県が売り込みを強化しているらしいクイーンルージュといったぶどうをはじめとしたいろいろなものが売られていました.

100V2155

FUJIFILM X100V

 小布施駅から数分ほど歩いたところに、栗菓子などを売る店舗や葛飾北斎の美術館が密集したエリアがあります.
 今回の旅行の最大の目的地といっていいのがここ、小布施堂の店舗「えんとつ」です.

100V2144

FUJIFILM X100V

 今回のお目当て、「朱雀」です.新栗を蒸して裏漉ししたものを栗餡の上に載せたもの.砂糖を加えていないので、まさに栗そのものの味がします.栗が取れるシーズンのみの限定品です.
 この朱雀、非常に人気で以前は明け方から店舗に並んで整理券を入手しないと食べられないものでしたが、コロナ禍の影響により密を避けるためにネット予約に変更されたことで遠方からでもネットの争奪戦さえクリアできれば食べる権利を得ることができるようになりました.

100V2152

FUJIFILM X100V

 上部の蒸した栗を裏漉しした部分は、まさに栗そのもの.なので一般に想像されるような栗菓子の甘みのようなものもなく、ややぼそぼそとした栗の風味がダイレクトに口の中に広がります.なので、口の中の水分を持っていかれますね.
 栗の品質がそのまま味に出るということで、毎年味がちょっとずつ違うといいます.チャンスがあればまた食べてみたいと思いました.

100V2149

FUJIFILM X100V

 内部には栗餡が入っています.こちらは小布施堂好きとしては食べたことのあるお馴染みの味ですね.

100V2171

FUJIFILM X100V

 小布施から長野駅に戻り、さらに特急で松本に移動して宿泊です.
 ホテルから松本城までは歩いて数分の距離なので、夕飯を食べに外出がてらライトアップされた松本城を眺めに行ってきました.
 改修工事が続いており、カラーで撮影するとブルーシートが目立ってしまうので.モノクロで撮影しました.黒白の濃淡が美しい城だと思います.

IMG_1102

Apple iPhone 13mini

 翌日は松本駅でレンタカーを借りて大町方面へ.
 駅レンタカーはいつも小型車の一番下のランク、車種指定なしで借りていますが、今回割り当てられたのはフィット.以前に旧型フィットを青森にて借りたことがあり、そのときはエンジンを切るたびにエコモードがオンになって踏んでも踏んでも走らないイライラする車でしたが(エコモードを解除すれば普通に走ります)、今回のフィットは最初の1回だけエコモードをオフにすればその後は設定を覚えていてくれるらしく、普通に運転することができました.
 前回の旅行で糸魚川で借りた日産ノートよりは運転しやすく感じました.

100V2195

FUJIFILM X100V

 青木湖です.湖から足は出ていませんでした.
 この日はたまに雨がぱらつくような若干ぐずついた天候でしたが、そのせいもあってかやや幻想的な雰囲気でした.

100V2207

FUJIFILM X100V

 再び松本駅に戻り、レンタカーを返却後に駅近くの喫茶店、翁堂にて昼食とケーキをいただきました.
 以前にここを訪れた際に、近くのテーブルで盛りのいいスパゲティを食べている人を見て、「結構量があるから大盛りかな」と思って、普通盛りのナポリタンを注文したところ、以前に見かけたボリュームのスパゲティがやってきました.どうやらここはいわゆる『盛りのいい』喫茶店というやつのようでした.いままで何度かきたことがあるのですが、毎回「たぬきケーキ」しか食べたことがなかったので気づきませんでした.周りのお客さんも老若男女問わず食べていて、このボリュームが受け入れられているのだなと感じました(小盛りもあります).
 とはいえ、昔ながらのナポリタンといった雰囲気で食べるとこれが美味しくてぺろっと完食してしまいました.夕飯は入りませんでしたけど.

100V2215

FUJIFILM X100V

 一緒に注文したのがこれ.「大人のたぬきケーキ」です.
 ケーキなど甘味系で「大人の」という冠言葉がつくときはアルコールが使用されている製品であることが想像できますが、こちらも中身はラムボールです.

100V2217

FUJIFILM X100V

 ラムボールなので、サイズ比較としてコーヒーカップと並べて上から撮影するとこんな感じ.豆狸ですね.

100V2214

FUJIFILM X100V

 ラム酒を使ったサヴァランとかも好きなので、美味しくいただきました.この店の通常のたぬきケーキはバタークリームのロールケーキをベースとしたものですが、自分はこちらの方が好みですね.

100V2220

FUJIFILM X100V

 今回の旅行目的は「朱雀」を食べるためではあったのですが、それを除いても食べることが目的みたいな旅行になってしまいました.あれこれ食べ続けていた結果、旬の果物であるシャインマスカットやクイーンルージュをを食べられなかったのがちょっと反省点ですね.
 帰りの列車で信玄餅アイスを食べたところ、きな粉でむせてしまいました.アイスになっても信玄餅はきなこに要注意です.

2023/07/11

どこかにビューーン!で上越妙高へ(その2)

Category: 旅行・観光,鉄道 — Annexia @ 20:37

FXP32772

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 どこかにビューーン!で行く、上越妙高から日本海方面への旅行.2日目です.

 ホテルをチェックアウトし姫川駅から大糸線で糸魚川駅まで戻り、2日目の足として糸魚川駅でレンタカーを借りました.
 行程を組むときにレンタカーを使うんだったら「えきねっと」で割引チケットを買っておこうと思ったものの、よくよく考えたら糸魚川駅はJR西日本のエリアなのですよね.なんとなく新潟県はJR東日本のエリアという印象があります.

 駅レンタカーを借りるときはいつも小型車おまかせプラン的なものを申し込むのですが、今回は日産ノート(2代目)でした.走行距離は8万キロ以上と年季の入った車です.日産車はあんまり乗ったことがないせいか、アクセルもステアリングも自分の意図と挙動が異なり馴染めませんでした.自分のロードスターや実家のデミオなどのマツダ車の感覚でアクセルを踏むとガバッと急発進気味になってしまうし、カーブではアンダーステアになってしまいます.

 レンタカーを借りたのは鉄道ではアクセスしづらい「フォッサマグナミュージアム」と「フォッサマグナパーク」に行くためだったのですが、カーナビの「最近の検索履歴」に「フォッサマグナミュージアム」が出ていて、ああみんな行き先は同じなのだなと思いました.

FXP32773

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 糸魚川駅から10分程度でフォッサマグナミュージアムに到着.
 結構な高台にあるので、歩きやレンタサイクルでは厳しいです.当初の計画では姫川のホテルから歩いて向かう予定でしたが、汗だくになって途中で挫折してしまったことでしょう.

FXP32775

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 建物内は近隣の海岸で採取されたヒスイをはじめとした鉱物や化石などの展示を中心に、日本列島の発生とフォッサマグナの関わりなど、見応えのある展示です.
 石の鑑定もしてくれるそうなので昨日海岸で拾った石をポケットに入れておいたのですが、予約券が必要だそうで案内が見当たらなかったのでどのようにすればよいかわかりませんでした.

FXP32784

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 今年名称登録された「北海道石」も展示されていました.
 北海道石の特徴である、紫外線を当てて蛍光がわかるよう展示されており、学芸員さん頑張ってるなという印象でした.

FXP32789

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM

 フォッサマグナについて理解を深めたところで、では実際に見にいってみようということでフォッサマグナパークに.
 糸魚川-静岡構造線の糸魚川側の露頭を見ることができる場所です.静岡側ではこのような場所があるというのは話題にも出ないですね.他では山梨県でも見ることができるそうです.

FXP32794

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM

 近くに寄って見ると、東西で地面の色が明らかに異なります.
 「西」が3-4億年前、「東」が1,600万年前だそうです.

FXP32795

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM

FXP32797

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 VM

 「ブラタモリ」でも紹介されていた、フォッサマグナ上にある酒造会社の説明パネル.
 地質によって水乗せ質が異なり、西の地質から流れる水の方が軟水でそちらを使っているとのことでした.
 もちろんこうして眺めても、ここに糸魚川-静岡構造線が通っているなんてことはわからないですね.

FXP32807

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 糸魚川駅に戻ってレンタカーを返却し、駅近くにある店にて海鮮丼をいただきました.
 満席との案内でしたが聞いてみると空きがあるというので通してもらって注文を入れたものの、30分くらい経ってもやってこなく、結局は予定していた列車に乗り遅れる羽目に.とはいえ、帰りの新幹線まではそれなりに余裕をとってあったので次の列車でことなきを得ましたが.
 待った甲斐があって海鮮丼はなかなかに美味しく、この旅行の食事を締めるのにふさわしいものでした.

FXP32811

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 糸魚川近辺はフォッサマグナやジオパーク、そして算出されるヒスイを全面に押し出しており、駅前にもこうしてホテルや土産物店があります.

FXP32821

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 直江津で乗り換えて上越妙高駅に.
 本数の少ない路線ではあるのですが、こうしてその次の列車までホームで待機しているとどちらに乗ったらいいか、ちょっと迷ってしまいます.

FXP32824

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 上越妙高駅でお土産やら帰りの新幹線で食べるお菓子などを買い込み、「どこかにビューーン!」の復路の新幹線にて帰りました.
 上越妙高駅構内にある土産物店はそれほど大きくない店ではあるものの、その土地のものの魅力の詰まった土産物が多く取り揃えられており、ついついいろいろと買い込んでしまいました.

 今回のようなランダム性のある旅行プランでもないと下車することはほぼなかったかのような旅先ですが、こうして訪ねてみると見るところも多々あり、また実際に訪れることでもう少し見てみたいところも出てくるなど、季節を変えて再訪してみるのもいいかなと思う旅でした.

2023/07/01

どこかにビューーン!で上越妙高へ(その1)

Category: 旅行・観光,鉄道 — Annexia @ 22:44

FXP32629

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 「どこかにビューーン!」を使った旅行第2弾に出かけてきました.
 今回の行き先候補として提示されたのは、
・二戸駅(東北新幹線、岩手県)
・大曲駅(秋田新幹線、秋田県)
・高畠駅(山形新幹線、山形県)
・上越妙高駅(北陸新幹線、新潟県)
で、そこから選ばれたのは上越妙高駅でした.
 4つの駅とも下車したことがないので、こうしてランダムで提示されてから行程を組むのは楽しいですね.
 今回の上越妙高駅の場合には冬場だとスキーなどでの需要が多そうですが、この時期はそれほど観光するところも見当たらず.なので、上越妙高駅を起点にして日本海側に足を伸ばすようなルートを組み立ててみました.

FXP32640

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 新幹線を下車して乗り換えるのは信越本線から第三セクターに移行した、えちごトキめき鉄道
 列車案内の電光掲示板や番線案内表記にJR東日本の名残りが見受けられます.

FXP32642

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 ここからは「えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン」に乗車します.新幹線の乗り換え駅で1両のディーゼル車がやってくるあたりにギャップを感じます.
 路線は電化されているのですが、JR東日本で設計されたローカル線向けの電車は2両単位なので、乗客数が少なくてワンマン1両で走らせたいような場合にはディーゼル車を用意する必要があるとかそんな理由だったかと思います.
 また、えちごトキめき鉄道に移管されたエリアには交流/直流の切り替えるセクションがあるので、交直両対応の電車を用意するのはコストがかかるという側面もあるとかなんとか.

FXP32653

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 2駅ほど乗車して高田駅にて下車.
 新幹線こそ停車しないものの、かつては高田藩として高田城もあった、この地域では中心となる街です.そのためか駅舎も立派な作りになっています.

FXP32654

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 この辺りは豪雪地帯ということもあって、「雁木造り」と呼ばれる、各商店などが軒先を歩道まで伸ばして通行客が濡れたりしないようなアーケードのはしりのようなものが昔から発展していました.いまでも古い建物では昔ながらのものを見ることができるのですが、駅前から伸びる商店街などは現代風のものになっており便利な反面、風情はやや薄れてしまったかなという印象でした.

FXP32658

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

FXP32659

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 東京駅を9時半くらいに出て、列車を乗り継いで高田に着いたのがちょうどお昼時なので昼食を.
 海鮮丼と、おすすめという「タナカゲンゲ」を唐揚げで.
 海鮮丼はカワハギやフグ、レンコダイ、チダイ、イシダイなど.日本海が近いだけあってさすがに美味しいです.
 タナカゲンゲは深海魚なので、日本海界隈だと富山湾あたりで獲れたものでしょうか.柔らかく脂っこくてこってりしていて美味しいのに、もたれるような感じはないという不思議な感じでした.

FXP32667

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 商店街からしばらく歩いて高田城址に.
 近年再建された建物ですが、訪れた時期はちょうど紫陽花が見頃で、いい雰囲気でした.桜の名所として有名だそうなので、春も訪れてみたいものです.

FXP32675

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 暑い中歩きっぱなしだったので、スタバにてフラペチーノを.
 スタバでは夏場でも温かい飲み物ばかり頼んでいるので、フラペチーノをいただくのも久しぶりです.

FXP32682

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 スタバでまったりしすぎて列車に乗り遅れそうになり慌てて駅に戻り、直江津駅に.列車の本数が少ないので、1本乗り遅れると次は1時間以上先だったりするので、旅行の行程上、乗り遅れはできません.
 直江津駅はJR、さらに国鉄時代から信越本線と北陸本線が合流する要衝なので駅の規模が大きいです.いまもJR東日本とえちごトキめき鉄道の両方が乗り入れる駅となっており、留置線など広々としています.

FXP32684

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 ホームには学生専用の自習室が用意されています.地元の高校生の利用が多いことからホームに2つある待合室のうちの1つを改築したそうです.

FXP32689

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 直江津駅から乗車するのは国鉄時代から運行されている455系.これを急行列車として運行しているのです.
 3両編成で1号車は日によっては指定席となるようですが、この日は全車自由席でした.

FXP32701

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 「妙高はねうまライン」から「日本海ひすいライン」にそのまま乗り換えたこともあって急行券を買っていたなかったの車内で車掌さんから購入.
 よくよく見ると、地紋(切符全面に薄く印刷されている模様のようなもの)が「こくてつ」「JNR」と、国鉄表記になっています.

FXP32695

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 切符だけでなく車内の広告もすべて国鉄当時の広告です.こういうディテールへのこだわりが鉄道好きとしてはたまりません.

FXP32707

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 この列車、急行列車とはいえ観光用、とくに鉄道好きな人にアピールした仕様だけあって、途中駅で10分程度の停車があります.
 その間に乗客は車両を降りて反対側のホームなどから列車を撮影するわけです.
 それだけではなく、途中にあるトンネル内の駅では通過駅であるものの速度を落として走行しつつ案内のアナウンスを流したり、さらにこれはイベントではないですが交流と直流の切り替えポイント(デッドセクション)を通過するので車内灯が一時的に一部照明のみ点灯となるなど、鉄道好きにはたまらない仕掛けがあれこれあります.

FXP32720

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 列車は終点の市振駅に到着.
 市振駅はターミナル的な駅ではないのですが、新潟県と富山県の境界になる駅で、第三セクターで新潟県内を走るえちごトキめき鉄道としては、観光列車はここで終了ということのようです.乗車してきた人たちのほとんどはそのまま折り返しの列車に乗車して去って行きました.

FXP32728

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 市振駅は無人駅で周囲は民家があるくらいでこれといったものはありません.
 が、この辺りの海辺は「ヒスイ海岸」などと呼ばれるように、浜にはヒスイなどの珍しい石が打ち上げられています.ということで浜に出ようとして歩き始めたのですが、線路がずっと行手を遮っており、なかなか海側に出ることができません.

FXP32732

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 1kmほど歩いたところでようやく線路の下を抜ける道路があり浜に出ることができました.
 様々な小石が打ち上げられており、海水に濡れて緑色っぽく見えるものもいくつかあって拾ってはみたのですが、乾くとそれほど緑でもなかったりして、素人判断でもヒスイかどうかは怪しい感じですね.
 1km歩いて浜に出たということはまた1km歩かないと駅には戻れないということですので、列車の時間を気にしつつ慌てて駅に戻ってきました.
 いつも旅行に出るたび思うのですが、自分の組んだ行程は徒歩移動が多い上に時間がタイトで、慌てることが多いですね.もう少し余裕のある予定を組みたいものです.

FXP32744

FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount

 えちごトキめき鉄道 日本海ひすいラインで糸魚川まで移動し、ここから大糸線に乗車.1駅だけ乗って姫川駅で下車して宿泊.
 つづきます.

2023/05/05

銚子旅行

Category: 旅行・観光,鉄道 — Annexia @ 10:58

GR000230

RICOH GR III

 毎年出かけていた銚子旅行ですが、3年ほどブランクがあり、ようやくひさびさに出かけることができるようになりました.
 旅行を我慢していたのは他の方々も同様だったということで、東京駅から銚子駅へと向かう特急列車「さざなみ」も座席が埋まるのが早く、臨時列車も設定されていましたので今回はそちらを選びました.そのため、定期列車であれば255系が充当されるところをE257系の車両が使用されていました.もっとも、以前はこの時間帯の定期列車が運行されていたので、減便されていた列車が復活しただけという見方もできますが.

GR000240

RICOH GR III

 銚子駅に到着するとホームの降り口にはこのような大漁旗を模した歓迎がありました.

GR000245

RICOH GR III

 到着したのが11:20と、ちょうど昼食にはちょうどいい時間帯だったので、そのまま駅から歩いて5分くらいの距離にある寿司店「大久保」に.
 連休ということもあって混雑も予想されたので事前に予約を入れていたのですが、到着してみると順番待ちの方がおり、予約しておいて正解でした.

GR000247

RICOH GR III

 おまかせにぎりを注文.伊達巻を入れるか入れないかを尋ねられたので、もちろん入れてもらいました.
 銚子の伊達巻といえば、このようにプリンと見間違うかのような分厚く身の詰まったものになります.そしてここ「大久保」は銚子独特の伊達巻発祥の店とされています.
 寿司自体もさすが漁港の街だけあってどのネタも美味しいです.

GR000249

RICOH GR III

 寿司のあとで歩いてすぐ近くにある「銚子セレクト市場」にてしょうゆソフトクリームをいただきました.
 しょうゆ味のソフトクリームはほんのりあまじょっぱく、銚子を訪れた10年以上前に最初に食べたときには奇妙に感じられたものですが、いまとなっては訪れたら必ず食べています.
 しょうゆソフトクリームの食べられる店としては他にヤマサ醤油の工場があるのですが、そちらは現在も飲食は営業再開されていませんが、再開したらまた訪れたいと思っています.

GR000267

RICOH GR III

 銚子駅まで戻り各駅停車に乗って数駅、猿田駅にて下車します.

GR000277

RICOH GR III

 駅からしばらく歩いたところに猿田神社がありますので、そちらにて参拝してきました.

GR000281

RICOH GR III

 これは猿田神社の参道にある「先神橋」.下を川と総武本線の線路が通っています.
 橋の開通は明治30年となっており、あとで調べてみたらこの地に総武本線が開通したのが明治30年なので、開通当時に建てられたもののようです.

GR000289

RICOH GR III

 再び総武本線で銚子駅に戻り、銚子電鉄に乗り換えます.10年以上前、銚子を訪れるきっかけをくれたのが銚子電鉄なので、やはり銚子に来たら銚子電鉄に乗るという選択肢は外せません.
 連休中ということもあって乗客も多く、通常時よりもかなり増便されており、30分に1本くらいのペースで列車が運行されていました.このくらいの本数があると時刻表をそれほど気にせず気軽に利用できます.

GR000316

RICOH GR III

 犬吠駅で下車し、犬吠埼方面へ.灯台に登っている人も多く、磯に降りて磯遊びに興じる人も多くて賑わっていました.ここまで賑わっているのは以前にもあんまりなかったような気もします.

GR000326

RICOH GR III

GR000324

RICOH GR III

 天気もよく、風もそれほど強くもないこともあって打ち付ける波も比較的穏やかでした.
 磯だまりには貝やらイソギンチャクがいました.

GR000347

RICOH GR III

 18時半くらいが最終の特急なので、それに乗って帰宅しました.これは定期運行の列車なので255系です.

 旅行需要が復活してきたこともあってか、犬吠埼をはじめとしてわりと混雑していました.
 年々と観光客が減っている感のあった銚子ですが、普段もこのくらい旅行客が来ているといいのですが.自分もまた訪れたいと思います.

2023/04/27

どこかにビューーン!で秋田へ

Category: 旅行・観光,鉄道 — Annexia @ 21:47

 年度が変わって業務もひと段落したタイミングで旅行に出かけてきました.
 今回の行き先は角館と田沢湖です.とはいえ、自分の意思で行き先を決めたというよりは、半ばおまかせのような形で行き先が決まりました.
 JR東日本の企画に「どこかにビューーン!」というものがあります.これはJREポイントなる、Suicaなどで電車に乗ったり買い物したりすると溜まるJR東日本のポイントサービスを6,000ポイント使うことで、ランダムにどこかの新幹線駅まで往復できるというものです.
 選び方も少々変わっており、まず出発日時と到着日時を指定して検索すると、4つの候補地が出てきます.この4つの候補地でよければ申し込みを行い、気にいらない場合には再検索すると別の候補が出てきます(ただし1日に候補地を検索する回数には上限あり).そして申し込みの翌日に4つの候補地のどれになったかがメールで通知されます.
 自分の場合は最初に検索した時の候補が、飯山(長野県)、かみのやま温泉(山形県)、田沢湖(秋田県)、いわて沼宮内(岩手県)でした.どこも下車したことのない駅なのでそのまま申し込みしたところ、田沢湖が選ばれたというわけです.
 田沢湖かー、行ったことないなー、楽しみだなーと思って観光地などを調べてみたものの、駅周辺には田沢湖以外はとくになく、しかも到着時刻(列車はおまかせで変更不可)は10時半.ついでに天気も良くなさそう、ということで自分で田沢湖から1つ先の角館までの切符を買い、足を伸ばすことにしました.

100V1719

FUJIFILM X100V

 出発時刻は東京駅に7時半、ということで普段よりもかなり早起きして東京駅に.平日ということもあって新幹線のホームはそれほど混雑していませんでした.

100V1727

FUJIFILM X100V

 「どこかにビューーン!」は田沢湖駅までですが、前述したように追加の切符を購入したので角館駅で下車しました.
 「どこかにビューーン!」も追加の切符もeチケットなので改札でスマホの画面を見せて事情を伝えたところ、スマホを駅事務所内に持って行かれてなにやら手続きをされることに.こういうところは紙のチケットに比べて不便なところではあります.

100V1733

FUJIFILM X100V

 駅から1km弱ほど歩くと、武家屋敷エリアに到着します.このあたりは昔ながらの風情を残す建物が多いことに加えて春は枝垂れ桜、秋は紅葉と人気のある場所ですが、枝垂れ桜の見頃まであと1週間程度、しかも雨ということで観光客もまばらでした.

100V1749

FUJIFILM X100V

 場所によっては満開一歩手前くらいまで咲いているところもあるのですが、なにぶん悪天候なので写真を撮るのも一苦労です.

100V1753

FUJIFILM X100V

 角館の滞在時間を3時間くらいとっていたのですが、時間をやや持て余してしまい、しかも雨なので雨宿りついでくらいの気軽な気持ちで武家屋敷を訪れてみることにしました.

100V1756

FUJIFILM X100V

 建物は立派だけど、ほかに見るものはないのでは…… くらいにみくびっていたのですが、展示物の凄さに圧倒されてしまいました.
 武家屋敷なので当たり前といえば当たり前なのですが、武器や鎧など大量のものが展示されていました.
 これは実際に手に取れるように柄の部分がケースから出ている刀.刀って実物を手にするのはこれが初めてなのですが、こんな重たいものを手に戦をするのは大変だっただろうと思いました.同様に槍もありましたがさらに重たかったです.

100V1761

FUJIFILM X100V

100V1765

FUJIFILM X100V

 ここと明治神宮の2挺しかないという火縄式三回転銃(銃口が3つある)や鎧、「解体新書」の付図(描いたのが角館出身の武士だった)、さらに明治初期の写真や初期の筒状をしたレコードや蓄音機など、広々とした敷地に様々なものが展示されており、見入ってしまいました.

100V1770

FUJIFILM X100V

 お昼は武家屋敷のエリア内にある店舗で比内地鶏の親子丼と稲庭うどんのセットをいただきました.
 比内地鶏の親子丼は噛みごたえが強く旨みが濃縮された鶏肉と濃厚な卵、稲庭うどんは細めの麺がツルッとした食感でどちらも美味しかったです.

100V1779

FUJIFILM X100V

 角館駅から本来の「どこかにビューーン!」の目的地である田沢湖駅に戻り、バスに乗り換えて宿泊先に向かいます.

100V1784

FUJIFILM X100V

 バスに揺られて山中を走ること45分.今日の宿に到着しました.
 乳頭温泉郷の「妙乃湯」です.乳頭温泉は秘境として自分も存在を知ってはいましたが、どこにあるかまでは知りませんでした.が、田沢湖から行ける温泉宿を探していたところ、乳頭温泉に向かうバスが出ていることを知ったので、すぐに予約を入れました.

100V1786

FUJIFILM X100V

 宿のすぐそばを川が流れているのですが、雨が降っていたことに加えて雪解けの季節ということもあって、結構な勢いで水量が増しています.白黒で撮影したわけではないのですが、モノクロームの世界です.

 温泉の写真は撮影禁止ということもあり撮っていませんが、金の湯(濁り湯)と銀の湯(透明)の2種があり、内風呂と露天風呂、それに混浴と、いくつもの湯船が用意されており、また時間帯によって男女で入れる湯が入れ替わったりと堪能することができました.
 また乳頭温泉郷には7軒の温泉宿があり別の宿にはまた違うタイプの温泉が湧いているそうで、宿泊者はチケットを購入することで他の温泉宿にも入れるそうです.

100V1795

FUJIFILM X100V

 温泉宿の楽しみといえば食事です.地のものをふんだんに生かした料理が出てきました.
 右にある黄色いものは「ひろっこの酢味噌和え」、中央のものは「蕨の醤油漬け」、その上の小皿に入っているものは「ばっけ味噌」.「ひろっこ」はあさつきの新芽、「ばっけ」はふきのとうのこと.
 今回の旅行まで「ふきのとう」というものはちょっと珍しいものという認識でいたのですが、新幹線に乗っている最中から沿線のあちこちにふきのとうがあるのを見かけ、さらには夕食のときには箸置きとして使われているのを見て、秋田ではこの時期には珍しくもないものなのだなと思い知りました.

100V1797

FUJIFILM X100V

 そのふきのとうの天ぷら、そして丸いキノコの入った稲庭うどん.
 ふきのとうといえば天ぷらにしていただくものという知識はあったものの、こうして食べるのは初めてでした.

100V1798

FUJIFILM X100V

 岩魚(イワナ)の山椒味噌、朴葉焼き.岩魚も食べるのはこれが初めて.川魚から連想されるような癖はなく、山椒味噌との相性もよく美味しくいただきました.

100V1804

FUJIFILM X100V

 言わずと知れた、きりたんぽ.予約時にきりたんぽか牛肉鍋のいずれかを選べたのですが、迷うことなくきりたんぽを選びました.
 比内地鶏やキノコの出汁のきいたつゆを吸ったきりたんぽが美味しくないわけがなく、鍋で少しほろほろに崩れたところをいただくのは至福でした.

100V1807

FUJIFILM X100V

 宿の名物というキノコ汁、ご飯(もちろん「あきたこまち」)、そしていぶりがっこ.
 個人的に漬物の中ではいぶりがっこが一番好きですね.そしてキノコ汁も美味しく、宿の方のお言葉に甘えておかわりしてしまいました.

100V1814

FUJIFILM X100V

 翌日の朝食です.
 夕飯もかなりのボリュームだったことに加えて、普段は朝は軽めなのでこんなに出されても…… と思いつつも、不思議と食べられるものです.
 湯豆腐やベーコンと野菜を焼いたもの、温泉卵に梅干し、納豆などの朝食のお供が揃っています.

100V1816

FUJIFILM X100V

 若竹煮がいい感じの浅炊き感でみずみずしさを感じる美味しさでした.

100V1819

FUJIFILM X100V

 ハタハタと紅鮭の焼き物.
 今回の旅行では、稲庭うどん、比内地鶏、きりたんぽ、ハタハタ、ふきのとう、とんぶり(納豆の薬味)と、秋田の名物といえるものをほぼ食べることができました.残るはじゅんさいと熊肉くらいでしょうか.

100V1823

FUJIFILM X100V

 宿の外には「ふきのとう」というよりすでに「ふき」になったものが.

100V1832

FUJIFILM X100V

 田沢湖駅行きのバスに乗り、途中の田沢湖でバスを降りて田沢湖一周観光バスに乗り換えました.
 田沢湖一周バスは通常の路線バスとして運行されていますが、田沢湖駅を出発して田沢湖を一周し、途中の「たつこ像」などの観光地では10-20分ほど停車するなど、観光に特化したバス路線です.
 前日の田沢湖は対岸の山々も見れないくらい悪天候だったので、これでもまだ景色のいい方でした.前日の角館もそうですが、できれば天候のいい日を狙って再訪したいものだと思いました.

100V1862

FUJIFILM X100V

 宿を出たのが10時くらいで、田沢湖を一周して田沢湖駅に戻ってきたのが12時すぎ.帰りの新幹線が14時過ぎなので2時間ほどぶらぶらと時間をつぶし、駅の売店で昼食の駅弁とお土産を買い込んで帰宅しました.
 余談ですが、駅の売店は店員さんが一人で切り盛りしてるらしく、13時少し前くらいから店を閉めて昼休みに入ってしまうので、買い物をしようとしたら閉まっていて焦ってしまいました.

 今回は「どこかにビューーン!」を利用し、行き先をおまかせにした旅行をしたわけですが、JREポイント6,000ポイント分(買い物をすると6,000円分)で往復33,440円分の旅行ができたというのはなかなかに破格のサービスだと思いました.
 おそらく売れ残りの発生するであろう座席を空席のまま走らせるよりは、ポイントとはいえ一定額をもらい、しかもランダム性で予期しない行き先に飛ばされるという楽しさを加味した、JR東日本にとっても自分のような旅行好きにも、そして旅先の観光業者にもメリットをもたらすいい企画なので、今後も続けてほしいですね.あと2回分は利用できるだけのポイントが溜まっているので、自分もまた利用したいと考えています.