映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』を観てきました.
近い将来、人類は痛みの概念を失い、技術的発展も放棄して退廃的な生活を送るようになっていった.
体内では新たな臓器が生成されるようになり、その臓器を登録する政府機関が現れ、それと同時に臓器を取り出すことをショービジネスとする人たちがいた.またプラスティックを主食とすることに進化を見出す人々が出現していた……
と、ストーリーを書いてもなにを言っているのか全然わからないですよね.自分も見ていて理解が追いつかない部分が多々ありました.世界観の説明というものがほぼなく始まったので、冒頭で客船が横倒しになったまま放置されているのも理解不能でしたし.
もっとも、そうした根底にあるストーリーを理解せずとも、独特の映像センスを楽しむことがデヴィッド・クローネンバーグ作品を楽しむ方法のひとつであるような気もします.臓物系とでもいうか、体内をまさぐられるかのような感覚は、自分が過去に見てきたクローネンバーグ作品に一貫してあるものだと感じました.
万人に勧められる映画だとはまったくいえない作品ですが、好きな人にはたまらない作品なのだと思います.そしてそのたまらない人には自分も含まれています.