引き続き、RX1.
私が衝撃を受けたボディ外装について.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
RX1のボディ外装は金属製で、文字はほとんどすべて彫り込みでホワイトが入れられています.
一眼レフカメラでも、ペンタ部分のメーカーロゴがそうした仕上げになっているのは一般的ですが、他の部分は通常はプリントです.いかに手の込んだ作りになっているか、ソニーとしての意気込みのようなものを感じます.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
ボディ上面、いわゆる軍艦部分.
2つのダイヤルとシャッターボタン&電源スイッチ、そして「C」ボタンが配置されています.
左のダイヤルは撮影モード.一般的なM/S/A/Pに加えて、オート、シーンモード、パノラマ、動画、そして撮影者の好みをセットする1,2,3が用意されています.
右のダイヤルは露出補正.
シャッターボタンは同軸上に電源スイッチが配されており、このあたりはニコンの一眼レフと同じなので自分には使いやすいですね.シャッターボタンはケーブルレリーズ対応のねじ穴付きのものですが、感触が好きではなかったのでマップカメラ製のレリーズボタンをつけています.
Cボタンはカスタマイズ可能なボタンで、標準ではISO感度がセットされています.自分もそのままISO感度設定のまま使用しています.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
レンズ鏡筒.3つのリングが組み込まれており、レンズ先端から順に、MFリング、マクロ切り替えリング、絞りリングです.
MFリングは、ボディ正面右下のフォーカスモードをMFまたはDMFにセットしておくことで機能し、とくにDMFでは通常はAFで使いつつ、ピントを追い込む場合に使用します.AFでシャッター半押しでピントを合わせた後にそのままMFリングを回すと液晶モニタが拡大表示に切り替わり、さらにピントの合っている場所をピーキング表示までしてくれるのでとても使いやすいです.ちなみにこのMFリング、グリスのねっとりとした重みを感じる操作感がとてもイイ感じです.
絞りリングは1/3段刻み.ニコンの一眼レフ向けのツァイスレンズは1/2段刻み、そしてニコンのMFレンズは1段刻みと、メーカーごとにまちまちなところですが、個人的にはシンプルで素早く切り替えできる1段が好みです.
また、この鏡筒部にあるオレンジメタリックのリングは、ソニー製カメラでフルサイズの撮像素子を搭載したカメラであることを示すもののようです.デザインアクセントとしてなかなかよいのですが、「35mm FULL-FRAME CMOS IMAGE SENSOR」の表記は煩雑な感じがしていらなく感じます.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
レンズはCarlZeiss Sonnar 35mm F2.もちろんT*コーティング.
35mmクラスの焦点域のレンズだと一眼レフだとDistagon、レンジファインダーだとPlanarかBiogonあたりが使われるものですが、中望遠のイメージのあるSonnarです.個人的にはフィルムカメラとしてCONTAX T2を愛用していて、そのレンズがSonnar 38mm F2.8だったので、ちょっとした懐かしさを感じるところでもあります.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
レンズキャップも金属製.金属製のキャップは珍しいですね.裏面はプラスティック製で二層構造です.そうでないと、キャップを閉めるときにレンズに当たったりしたらレンズを傷つけてしまいそうですからね.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
レンズ側面にはツァイスのロゴが.プレート埋め込みのようです.
ニコンの一眼レフ用レンズだと、この青いロゴは入らないのでちょっと目新しさを感じます.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
ボディ正面右下にはフォーカスモードの切り替えダイヤルがあります.
AFとAF後に撮影者がMF調整できるDMF、そしてMFの3種類.発表段階ではコレに加えて「CAF」つまりコンティニュアスAFがあったのですが、結局途中の仕様変更でなくなりました.一眼レフカメラに比べてもAFがそれほど速いカメラではないので、CAFがあっても性能的に厳しかったのかもしれません.
ちなみに一気にシャッターを押しきっても、AFやDMFの場合はピントが合うまでシャッターは切れません.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
左側面の端子.端子カバーは一般的にはゴムやプラスティックの弾性を利用したフタですが、RX1は独立したパーツを使い、バネで開きます.
端子は上から順に、microUSB、HDMI、マイク入力です.
RX1は本体充電のため、ここに付属のUSB電源アダプタとUSBケーブルをつないで充電します.個人的に本体充電はあんまり好きではないので、別売の充電器を購入しました.充電時間は本体充電が約2時間半、充電器だと2時間とちょっと.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
ボディ底面.左側にメモリカード(SD、メモリスティック)とバッテリの装着部があります.
三脚穴は当然のようにレンズ同軸.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
外付けファインダはフォクトレンダー製の光学ファインダを選択.
純正で電子式と光学式がそれぞれ用意されていますが、電子式は接点の問題でサムグリップとの併用ができず、光学式はサイズが大きく角張っているので、デザイン的に好みであるこちらにしました.
一眼レフや電子式のファインダのようにレンズからの映像を表示するものではないので、パララックス(視差)があるのはどうしようもないところです.メリットとしては、両手に加えて目のくぼみの3点でカメラをホールドできるのでブレにくくなること、そして快晴下で液晶モニタが見づらい場合でも構図を決められるあたりでしょうか.まあ、見た目の格好良さが最大のメリットかもしれません.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
オプションのサムグリップ.アクセサリシューに取り付けて使用します.
アクセサリシューに差し込んでロックレバーを押し込むことで固定します.レバーを押し込まないと緩いままなので、脱落しやすくなります.
使わないときは左に倒しておくとカメラボディの曲面に沿うようにして邪魔になりません.右に倒すとその曲面がちょうど親指がかかるグリップとして機能するわけです.よくできたギミックです.右に倒した状態、つまり撮影時には再生ボタンとコントロールダイヤルが隠れます.このコントロールダイヤルはそれほど使用頻度の高いものではないのですが、半分ほど隠れた状態なので操作にはさして問題はありません.
なお、ソニー製カメラのアクセサリシューには奥に電子接点がありますが、サムグリップには接点のスルー機能がないので電子式ファインダは使用できません.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
背面のボタン類.上から順にAEロック、ファンクション、コントロールホイール、メニュー、削除.
右斜め上に動画撮影用録画ボタンがあります.使用頻度を考えてか、誤操作しないように他のボタンから離されている感じです.設定メニューから動画撮影モード以外ではボタンを無効にすることもできます.
これらのボタンのうち、AEロック、コントロールホイールの左、右、下にそれぞれ好みの機能を割り当てることができます.自分はAEロックはそのままAEロック、コントロールホイールの左にホワイトバランス、下にクリエイティブスタイル(画像の色調選択)、右にD-レンジオプティマイザー(ダイナミックレンジの補正機能)を割り当てています.
ファンクションボタンを押すと、画面の左右に各撮影機能が表示されるので、操作性はかなりよいと思います.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
液晶モニタ全面に設定情報や撮影情報を表示する、クイックナビ機能も搭載されています.電子式ファインダや光学式ファインダを使用する場合には画面をこれにセットしておけば便利そうです.
液晶モニタはRGB3原色にホワイトを入れた123万画素の高精細なもので、かなり見やすいです.スペック的なものから推測するに、GR DIGITAL IVと同じ液晶だと思われます.
ダイヤルやリングが多く、オートで撮るよりも撮影者の好みや意思をカメラに設定できるような仕組みになっており、またAFがそれほど速くないこともあり、実際に撮ってみると速射性よりも一枚一枚を丁寧に撮るカメラという設計者の思想のようなものが伝わってくる感じがします.
Webの開発者メッセージによると「究極のセカンドカメラ」を目指したとのことですが、35mmという画角が気に入れば、RX1は十分メインカメラとして使える印象です.これ一台だけ持って旅行に出かけてみたいものです.