GR DIGITAL III
「ネコを探して」を渋谷のシアター・イメージフォーラムまで見に行ってきました.
実はイメージフォーラムは会社のすぐ近所で、「ネコを探して」が上映されているのも前々から知っていてそのうち見に行こうと思っていたのですが、そのままずるずると先送りになってしまい、そしてついに今日で上映終了になるというので慌てて見に行ったという次第です.
2009年のフランス映画なのですが、半分くらいのロケは日本です.アニメと実写を織り交ぜて話が進んでいき、行方をくらましたネコ「クロ」を追いかけて世界中のネコをたずねて回る、というのが大ざっぱなストーリーです.
ネコを扱った映画というと、ありがちな娯楽映画でネコかわいー、的なものを想像しますがそういう映画ではありません.むしろ真逆といっていいかもしれません.なにしろ最初に登場する場所が水俣であり、有機水銀を含んだ魚を食べて中毒死したネコを扱っているくらいですし.日本ロケは他に、和歌山電鐵の「たま」駅長、過度に着飾られる飼い猫、行き場を失って保健所で処分されるネコ、そして猫カフェが出てきます.海外では、かつて国鉄職員として正式に雇われていたものの、分割民営化によって解雇されたイギリスの鉄道を守るネコや、アメリカの認知症患者を扱う病院で患者が死亡する数時間前から付き添って最期を看どるネコなどが登場します.
ネコをメインに据えた映画ではありますが、人間とネコの関係や、ネコを通じての人間の生き方とか、そういうものが主題となっている映画でした.
娯楽映画というよりはドキュメンタリーに近い映画ですし、ネコ好きでなければ同感しづらい面も多々あるかと思うので万人に勧められる映画ではありませんが、私はいい映画だと思いました.