2011/12/19
iPhone 4Sの内蔵カメラはオマケレベルではなく、かなり優れています(→「iPhone 4Sのカメラ」).しかも当然の話ですがiPhone 4Sには通信機能があるので、撮った写真をその場でネットにアップすることもできます.さらにいうと、iCloudのフォトストリーム機能を使うことで、なにもしなくてもMacBookに画像がコピーされます.素晴らしいですね.
おかげでGR DIGITAL IIIの出番がめっきり減ってしまいました.
とはいえ、いくらiPhone 4Sのカメラが素晴らしいとはいっても餅は餅屋.画質はもちろん上ですし、カメラという単一の機能に絞り込んで作られたGRD3の機能を100%リプレースできるものではありません.
とくに、
・広角28mmでの撮影
・高感度撮影時の画質
・撮影時の細かな調節
・レンズ前1cmまで寄れるマクロ
などは捨てがたいものがあります.アスペクト比3:2で撮れるところも個人的には見逃せません.

RICOH GR DIGITAL III
そこで、GRD3をもっと便利に使いたい、撮ったその場でネットにアップしたり、カードリーダやケーブルを使わなくてもMacBookに画像を送りたい、ということでEye-Fiを購入することにしました.
導入自体は以前から検討というか迷っていたのですが、先日Fotografiaさんにお会いした際に、パナソニックGF1にEye-Fiを入れて使っていて便利とのお話をいただいたので、ようやく購入する決心がつきました.
Eye-Fiには「Connect X2」「Mobile X2」「Pro X2」の3種類があります.ConnectとMobileの違いは容量が4GBか8GBかということ.MobileとProの違いはRAW対応、ジオタグ対応、公衆無線LANの対応の有無.GRD3ではRAW撮影はしていませんし、公衆無線LANも必要ないし、ジオタグ対応はあれば便利くらいのものなので(旅行に持って行くときはGPSロガーがあるのでそちらでジオタグは記録しています)、Mobileにしようと思いました.が、価格を調べたら1,500円程度しか差がないことがわかったのでProを購入しました.

Apple iPhone 4S
パッケージを開けるとこんな感じ.上の写真でパッケージから見えているEye-Fiカードはハリボテで、現物はUSBカードリーダとともに収まっています.紙を折りたたんだだけの簡素な説明書も付属しているのですが、なぜかパッケージに両面テープで固定されていて糊が説明書に残ってべとつきます.この辺のパッケージはいかにもアメリカメーカーの製品らしいアバウトさを感じます.
使う前にもろもろの設定が必要になります.
Eye-Fi自体は見た目はただのSDメモリカードなので単体で設定をするようなことはできませんし、GRD3もファームウェアアップデートでEye-Fiに正式対応をしてはいますが、機能設定ができるようになったわけではありません.
ということで、まず最初に付属のUSBアダプタを使ってMacBookにEye-Fiをつないでアプリ(Eye-Fi Center)をインストールし、設定をします.主な設定事項は、写真(JPEG)、RAW、動画の転送の有無や転送先のフォルダ(またはiPhoto直接)、ネットワークの設定などです.
画像の転送先はコンピュータに転送する方法と、flickrなどのオンラインストレージに転送する方法が選べます.自分はオンラインストレージサービスは利用していないのでコンピュータ、というかiPhone 4Sに転送することにしました.iPhone 4Sへの転送はここでは設定できないので、また別途iOS用アプリをインストールしてそちらで設定する必要があります(後述).ちなみにiPhoneとMacBookといったように複数の転送先を指定することはできません.
ネットワークの設定ですが「プライベートモード」「ダイレクトモード」「公衆無線LAN」の3つがあります.プライベートモードは自宅などの無線LAN環境を使って転送する方法、ダイレクトモードはアドホックでEye-Fiとコンピュータが直接通信するモード、公衆無線LANモードはその名前どおりに公衆無線LANをつかって通信するモードです.公衆無線LANモードは自分は設定していないので詳細は不明ですが、どうやらその場合はサーバ経由の転送が自動的に適用されるようです.

プライベートネットワークモードの設定では、無線LANの登録をします.事前に無線LANアクセスポイントをEye-Fiに登録しておくことで、Eye-Fiが無線LANを自動認識して指定したコンピュータやiPhoneに画像を転送できるようになるわけです.

ダイレクトモードは少し注意が必要です.ダイレクトモードよりもプライベートネットワークモードが優先扱いになっているため、「プライベートネットワークモードがない場合に」ダイレクトモードを使うという設定しかできないのです.しかも最短でも30秒は待たなくてはいけません.
つまり、デジカメ側はEye-Fiの無線LANプロセスが起動してから30秒経過し、さらに全部の画像を転送し終えるまでは電源を切ることができないのです.この辺は最近のEye-Fiを前提にしたデジカメだと多少は配慮した設計がなされているのかもしれませんが、GRD3の場合は電源が自動オフにならないように設定を変える必要があります.自分は5分に設定しました.
デジカメとコンピュータをつなぐだけであればこれで設定完了ですが、自分はiPhone 4Sを中継したいのでさらにiOSアプリのインストールや設定をしました.

iOSアプリ「Eye-Fi」は無料でダウンロードできます.
画面の指示通りに進めていけば簡単に完了・・・するはずなのですが、「ネットワークの追加」をタップしたところでエラーが出てしまいます.Safariが立ち上がってなんらかの処理をしようとするのですが、画面が文字化けしてしまい、サーバに接続できない旨のメッセージが表示されてしまいます.仕方がないので、Mac OS X上のEye-Fi Centerに表示されるネットワーク名とWPA2パスワードを「設定」の「Wi-Fi」に手動で入力して設定しました.このあたりは少し完成度が低い印象です.
【2011.12.22補足】
Ver.2.0.88で上記のエラーが出る問題が修正されたようで、自分の環境ではEye-Fiのネットワークプロファイルを追加することができました.
あとは、「アップロード設定」で、iPhoneで撮影した画像もアップロードするか、Eye-Fiカードの映像を自動的にコンピュータに転送するかといったところを設定すれば完了です.
iPhoneからMacBookへはiCloudの「フォトストリーム」を使えばEye-Fiの機能を使わなくても画像の転送はできるのですが、1つ厄介な問題が起きます.ファイル名がiPhoneで撮影した画像と連番になってしまうのです.具体的にいうと、リコーのデジカメは「R0000000.JPG」という形で連番が振られるのですが、これがiPhoneと同様の「IMG_0000.JPG」に変更されてしまうのです.EXIFを見れば撮影したカメラのデータは残ってはいるのですが、ファイル名を書き換えられるのは管理上厄介です.
なので自分はEye-Fiの画像転送機能を利用して、任意のフォルダに転送するようにしました.この機能をオンにしてもオフにしてもGRD3の画像はiPhone 4Sの画像に混ざってフォトストリームでMacBookに転送されるため重複してしまいますが、これはもう仕方がないのでMacBook側で削除しています.
使ってみての感想です.
・GRD3からiPhoneへの転送はアプリを立ち上げないと開始されないのがちょっと面倒.バックグラウンドで処理はしてくれないようです.iPhoneからMacBookへの転送はバックグラウンド処理されているようなのですが.→バックグラウンドでも動いてくれることもありました.この辺の挙動はイマイチ不明な感じです.
・GRD3のJPEGファイル(Fine、アスペクト比3:2)は約3MBありますが、1枚あたり数秒でコピーされるので大量でなければストレスを感じることはありません.
・Twitterへのアップなどを考慮して自分はiPhoneを間にはさんだ使い方をしていますが、直接コンピュータに転送するのであれば設定も簡単ですし、もっと快適に使えることでしょう.
・懸念していたバッテリの持ちですが、やはり悪くなります.それほど枚数を撮っていないので具体的な数値は出せませんが、バッテリ残量の減り方が早いです.この辺は便利さとのトレードオフでしょうか.
・Proモデルということでジオタグに対応しているのですが、プライベートネットワークモードやダイレクトモードではジオタグは付加されません.撮影時に近隣のWi-Fiアクセスポイントの情報が一緒に記録されており、そのデータをインターネット上のサービスにアップするときにEye-Fiのデータベースを経由してジオタグデータに変換する仕組みになっているからだそうです.でも、そういう仕組みだったらプライベートネットワークモードなどでもコンピュータにアップされたときにEye-Fiのデータベースにアクセスすれば済むだけの話のような気もするのですが.
・自分の使い方ではProではなくて価格の安いMobileで十分だったようです.
ちょっと癖の強い製品ではありますが、おおむね満足です.カードの出し入れやケーブルの抜き差しをしなくていいのは楽でイイですね.
つい気楽に撮影できるiPhone 4Sを選びがちですが、これで少しはGRD3の活躍の場が広げられそうです.
2011/12/15
無印良品でちょっと変わったテーブルタップが出ていたので買ってみました.

無印良品のテーブルタップは延長コードとテーブルタップ部分が別売になっており、好きな長さの延長コードと好きな個数口のテーブルタップを組み合わせて使うようになっています.いかにも無印良品らしい製品です.

もちろん延長コードなのでテーブルタップを使わずにそのまま使うこともできます.自分は延長コードだけをしばらく前に購入し、会社の机の上で臨時電源用として使っていました.ここしばらくはこうやってiPhone 4SのACアダプタをつないだままにしていました.

今回購入したのがこの「ジョイントタップ・コンセント2個口/USBポート1個付」という製品です.
少し前に家電Watchでコンセント4個口/USB2個付のものが紹介されていて、おおこれはいい、ということでさっそく購入してみました.

まあ、ひとことで言うならば5V変換のACアダプタが内蔵されたテーブルタップですね.USBポート部分がずいぶんとスペースがあいていますが、これはテーブルタップ内に5V変換のACアダプタが内蔵されているからでしょう.
100VコンセントにACアダプタを刺したものと同じではあるのですが、あの無粋でごてっとしたACアダプタがなくなるだけでずいぶんとスッキリとしますし、それに昨今のUSBを電源として充電などを行う製品の多さを考えるとこれはなかなかいいアイディアの製品ではないかと思います.
ちなみに出力は1Aなので充電時間は月並みな感じです.
2011/12/13
土曜日に続いて、日曜も撮影の集いです.銀座から丸の内、そして再び原宿でディナーという流れです.
まずは銀座から.

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4
続いて丸の内に移動.

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4
ディナーは原宿でメキシカン.
以前から気になっていた店で、こういう機会なのでせっかくだからということで選んでみたのですが雰囲気がすごくよくて、とくにランプなど照明の光の感じが素晴らしくて撮影していて楽しい店でした.しかも生演奏もあり、大当たりでした.もちろん料理も美味しくて、いうことなしです.

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4

Nikon D700 + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4
余談ですが、この日使ったレンズ、Voigtlander NOKTON 58mm F1.4は先日の旅行で雨に濡れてレンズの中にまで水が入ってしまったものです.しばらくの間はレンズが曇ったままになってしまい、絞り羽根を動かすと水が出てくるような有様だったのですが、乾いたのをいいことに持ち出してみました.レンズはよく見ると水濡れの痕が残ってしまっていますが、レンズ情報も正常に機能していますし、撮影したものを見ても水濡れの痕跡は確認できませんでした.このバーカウンターの写真も絞り開放で撮影していますが、この画質ならば文句はありません.
中古として売りに出すようなことはできないレンズになってしまいましたが、気に入っているので末永く使っていこうと思います.
先日の週末はBatochinさんに誘われて、Fotografiaさんと、さらに日曜は静岡散歩さんも加わって、D700を使う4人で撮影をしてきました.

Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
土曜日は原宿集合で写真展を見に行きました.今回のようなセミプロの有志が集って開くような写真展は初めて見に行ったので、ちょっとした衝撃を受けました.きちんと主題をとらえて構図を定めた作品たちはどれも素晴らしく、彼我の差に愕然すると同時に精進せねばダメだなと痛感しました.
とりあえず今後の課題は、もう一歩主題に踏み込んで撮影意図がしっかり伝わる写真を目指したいです.
その後は、原宿から表参道を周り、再び原宿に戻るルートで撮り歩き.

Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF

Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF

Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
ディナーは「kurkku kitchen」で.

Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF

Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
オーガニックフードがウリで女性向けの雰囲気が漂う店なのですが、料理はボリュームたっぷりでした.前菜の段階で山盛り状態でやってきて、自分の注文したウィンナーは武器にでもなるんじゃないかっていうサイズでした.これがメインでも十分満足できるレベルです.もちろん、メインのサーロインステーキはそれをさらに上回る満足感でした.

2011/12/05
(その1、宮古編のつづきです)

Nikon D700 + CarlZeiss Distagon 25mm F2.8
盛岡を出て平泉に向かいます.ちょうど盛岡駅始発の「平泉世界遺産号」という快速列車があるので、それに乗り込みました.
昨日の荒天がウソのようにいい天気です.が、乗車後に不吉なアナウンスが.「本日は強風のため列車が遅れることがあります」.でも盛岡は風もほとんど吹いてないし問題ないだろうと判断してそのまま平泉に向かうことにしました.

Apple iPhone 4S
車窓を眺めていると、虹が見えました.あとから思えば、天候不良の前触れだったのかもしれません.
車窓を眺めていてもはっきりわかるほどに風が強くなってきました.
途中、花巻駅に到着したところで列車が動かなくなりました.ときどきアナウンスが入って、強風の影響で運行予定は未定ですと言われてしまいます.
そして花巻到着から約1時間後、東北本線の運行のめどが立たないので急ぎの人は釜石線に乗り換えて新花巻で東北新幹線に乗り換えるようにとのアナウンスが流れました.まあ時間には余裕があるしと待っていたら、それから程なくして駅員がやってきて「この列車はここで打ち切りなので、代行タクシーで目的地までお送りします」と言われてしまいました.

Nikon D700 + CarlZeiss Distagon 25mm F2.8
花巻から平泉までタクシーで約1時間.結局、当初予定より2時間遅れでようやく平泉に到着しました.
写真の左のほうにのぼりが見えますが、風で巻き上げられてしまっています.天気はよいのですが、歩くのも躊躇するような風の強さです.少し迷ったのですがとりあえず駅から数百メートルの距離にある毛越寺に向かいました.

Nikon D700 + CarlZeiss Distagon 25mm F2.8
世界遺産に認定されたためか、それとも認定されるための準備段階からそうしていたのかはわかりませんが、駅からの道路がきちんと整備され複数の言語で案内が出ていました.

Apple iPhone 4S + AutoStitch Panorama
毛越寺といえば浄土庭園です.仏の世界をイメージしたという庭園はかなりの広さに及びます.
広角レンズでも全景を収められないので、iPhone 4Sのパノラマ撮影アプリを使ってみました.クリックで幅2,000ピクセルの画像が表示されます.こうやって全景を無理矢理撮影しようと欲張ること自体が俗世間のしがらみを感じさせますね.しかし、毛越寺のオフィシャルWebでも似たようなことをしているので、まあ免じてもらうことにしましょうw
元々は庭園の周囲に建築物があったのですが、年月の経過とともに失われて、いまは土台くらいしか残っていません.なので往時の姿は想像図を見るしかありません.
続いて中尊寺に向かいます.中尊寺までは1km以上距離があるのでバスに乗ります.歩いても行けなくはないのですが、時間的にも強風的にもシビアなので楽な手段を選びました.

Apple iPhone 4S
すでに時刻も14時くらいになってしまったので、さきにふもとのレストランで昼食をいただきました.
「平泉もち御膳」なるもので、お椀に餅料理が入ったもの6種類とサラダのセットです.食べる順番があるとのことで、「あんこ」「しょうが」「ずんだ」「辛味(大根)」「白胡麻」「雑煮」の順番にどうぞといわれました.つまり、甘いものとしょっぱいものを交互に食べる仕掛けです.
餅は軟らかくて美味しいのですが、さすがに6種類もあるとなかなか苦労します.さすがに腹持ちがよく夕飯も軽くつまんで済ませるほどでした.
中尊寺までは結構急な坂道というか山道を進むのですが、餅で腹がふくれた状態で歩くのは難儀しました.

Nikon D700 + CarlZeiss Distagon 25mm F2.8
中尊寺といえば誰もが思い浮かべる、金色堂です.金色堂自体が「覆堂(おおいどう)」と呼ばれる建築物に収められています.内部は撮影禁止です.
藤原氏の勢力を物語る象徴として語られる金色堂ですが、さすがに圧巻でした.単に金箔を貼り付けているだけでなく、細かな貝細工などが施されています.
中尊寺を出て再びバスに乗って平泉駅に戻ってみると、未だに東北本線はほとんど動いていない状態でした.切符の自販機は販売中止の紙が貼られており、駅員にもいつ次の列車がやってくるかわからないという状況です.1時間後の一ノ関からの新幹線の指定席を持っている身としては気が気ではありません.
結局、在来線は諦めて路線バスで一ノ関に向かって無事に新幹線に乗ることができました.
今回は旅行全体が天候に振り回された感じでした.行程を組むときにはさすがに天候のことまでは想像できないので苦労しましたが、それもまた旅行の醍醐味ですね.それにこうやって予定通りにいかなければ、その部分は次の旅行にとっておけばよいのです.