2023/04/23
Apple iPhone13 mini
イヤホンを2個買いました.どちらもfinalの製品でE4000とMAKE4です.
価格はどちらも15,000円前後.片方だけで十分だろうとか、両方合わせれば3万円くらいのもっといいイヤホンも買えただろうという考えもあるのですが、「MAKE4」という、やや特殊ともいえるイヤホンを購入したかったこと、またその比較対象として同じような価格帯の定評のあるイヤホンが欲しかったという理由によりこの2つを購入するに至りました.
FUJIFILM X70
先に購入したのはE4000.MMCX対応でリケーブルができるのが特徴です.
finalのEシリーズはE500/1000/2000/3000/4000/5000とバリエーションが多く、4000と5000がリケーブル対応です.E4000を選んだのは音の傾向(試聴はせずにレビュー記事等を参照)が自分の好みに近いであろうこと、予算額に近かったというのが理由です.
FUJIFILM X70
FUJIFILM X70
アルミ筐体でコンパクトな作りになっています.
付属品はイヤーピースのほかにSHURE掛けするためのフック、MMCX端子を取り外ししやすくするMMCX ASSIST、シリコン製ケース(カラビナつき)など豊富です.
聴いてみた印象はクリアで低音から高音までバランスのいい、はっきりとした音.硬めの音が好きな自分としては好みの音です.が、もう少し低音が強い方がいいかなと感じました.
Apple iPhone13 mini
そこで、リケーブルできる利点を活かして低音が出ると評判のケーブルに交換してみました.Nobunaga Labsの「ほのか」です.銅線を編み込んだ形状がなかなか派手な感じではありますが、エントリークラスの製品なので5,000円ちょっとでした.
期待どおり、低音が強くなり好みの音質に近づいた感もある反面、標準のケーブルで感じたバランスの良さのようなものはやや崩れたような印象も受けました.こうなると他のケーブルも気になってしまいます.比較的安価な製品に手をつけただけとはいえ、オーディオという沼の片鱗を見せつけられたような感じです.
Apple iPhone13 mini
もう1つのイヤホン、MAKE4です.自分はfinal直販で「MAKE4 スターターキット」を購入したのですが、段ボール箱を開けると5個の缶が出てきました.どうやらパッケージはないようです.
Apple iPhone13 mini
それぞれの缶を開けていくと、イヤホン本体などのパーツが出てきます.5個の缶の中身は、イヤホン本体、ケーブル、チューニング用のパーツ、イヤーピース、そして1つは空っぽ(ケース)です.
Apple iPhone13 mini
Apple iPhone13 mini
MAKE4の最大の特徴は、自分でパーツを交換するなどして好みの音質を作り出せることです.
調整できるポイントは、
・イヤホン後端のダイヤル回して低音-高音の調整(約30段階)
・音導管(イヤーピースを取り付ける部分)の外側、内側のフィルタ(10種+フィルタなし)
・音導管内部に入れるスポンジ(6種+スポンジなし)
・外部へ音圧を逃すベントフィルタ(10種+フィルタなし)
と多岐にわたります.
フィルタはシール状になっており、精密作業用のピンセット(別売)で貼り付けます.始めるまではこんなシールみたいなものでそんなに音が変わるものかなと半信半疑でしたが、試しに低音に振ったフィルタを貼ってみるとボコボコの低音になり、逆に高温よりにするとスカスカになります.
出荷時の状態でも十分クリアでいい音がするのですが、そこから手を加えていく過程がとにかく楽しいです.低音のこもりは減らしたいけど存在感のある硬めの低音は出したい、高音の伸びがもっとほしい…… とあれこれいじりながら好みの音質に仕上げていき、好きな曲が生き生きとした感じで聞こえるかと思えばクラシック音楽を聴くと派手すぎてバランスがとれていない…… なんてこともあり、ここまできてE4000のような出荷時から基本的に音のいじれないイヤホンのバランスのよさというものを思い知らされたりもします.
一般的にはイヤホンを分解したりフィルタ等のパーツを交換したりする行為は保証の対象外となりメーカー推奨ではないと思われますが、それを許容し遊べるように設計したfinalはユニークな会社だと感じました.
またMAKE4、という名称から想像できるようにMAKE1から3もあり、そちらはイヤホン本体をドライバーで分解してパーツ交換しなくてはなりません.音導管内部をいじるのにレンチで取り外すという工程があるものの、比較的簡単にいじれるのはMAKE4の利点です.
さらに新しいタイプの音導管が直営店ではお試しできるようになっているとか、新たなパーツの追加も予定されているようで、なんか楽しいおもちゃを手に入れたような感じですね.もちろんおもちゃの域にとどまらず、好みの音質を奏でるイヤホンとしての実用性も兼ね備えています.
2022/12/29
今年も残すところあとわずか.
1年を振り返る恒例の企画.まずは音楽や映画について.
音楽についてはApple Musicに依存するような形が定着して好きなものを聴けるようになったというのに、新しいものに手を出さなくなっているあたりが老化というものなのかなという気がしています.
■映画
2月:『キングスマン:ファースト・エージェント』
5月:『シン・ウルトラマン』
7月:『トップガン マーヴェリック』
11月:『王立宇宙軍 オネアミスの翼』
今年映画館に行って観た映画はこの4本.
『キングスマン:ファースト・エージェント』は2019年公開の予定がCOVID-19の影響などで伸び伸びになってしまい、ようやくの公開でした.キングスマンが結成される当時の様子を描いた前日譚で内容的にもややバランス性を欠いた作品のような印象もありました.新作が作られるのを心待ちにしたいと思います.
『シン・ウルトラマン』は外星人の視点や立場から人間の内面などを描いたという点では、『シン・ゴジラ』とはまた違った観点から作品を仕上げている感じがありました.『シン』シリーズとしては『シン・仮面ライダー』が控えているわけですが、次はどのような見せ方をしてくるか、楽しみです.
『トップガン マーヴェリック』は前作『トップガン』の正当な続編というか、王道を行く娯楽作という仕上がりでさすがでした.前作から36年、登場人物は年齢を重ねており後継者たちとの世代交代などをどのように描くのか、ややもすればそれが不安ではあったのですが杞憂でした.
『王立宇宙軍 オネアミスの翼』は1987年公開の作品で10年後の1997年にドルビーサラウンド対応になって再度映画館で上映され、さらにその25年後、4Kリマスタリングされたものが再度上映されました.最初の公開当時は観に行くことができませんでしたが、1997年と2022年は映画館で、それも両方とも立川シネマシティで鑑賞できました.正義は勝つ、的な単純な話ではなくどちらかといえばもやっとしたものが心に残る作品ではあるのですが、それがこの作品の持ち味なのではないかと思います.
2022/12/25
今年はYAMAHA TW-E7Bを購入し、左右独立式のワイヤレスイヤホンはこれで十分…… というつもりでいたのですが、12月に入ってfinalからZE8000が発売になり、従来のイヤホンとは異なった製品であるらしいのが気になって購入してみました.
前述したようにYAMAHA TW-E7Bでそれなりに満足しており、ただ単に高級なパーツを使いましたというような高音質をうたった製品であれば購入には至らなかったと思われます.音質やノイズキャンセリング等が上質なもの、という観点であれば他にも定評のある選択肢もありますし.
しかしながら、ZE8000はメーカーいわく「新しい物理特性」をもとに開発された製品であること、またメーカーであるfinalが型番に「8000」を付けるのは何らかのブレイクスルーを起こしたと認識する製品であること(例:A8000、D8000)からメーカーとしての自信作であることが伝わってきて、興味を惹いたというわけです.
Apple iPhone 13 mini
予約を入れたのが11月25日、発売日が12月16日と約20日間あり、その間に直営店などで試聴をした人から賛否両論が巻き起こっているのをネットで見かけました.興味深いのは人によって言っていることがまちまちなこと.人によっては真逆の感想を述べていたりもします.大部分の人が同様のことを言っているのであればそういう製品なのだなという判断になるのですが、ここまで多種多様な意見が多いとどこまで参考にしていいのかすらわからない状況でした.
また、メーカー自身も短時間の試聴で判断をしないでほしいということを言っており、なんだか癖の強い製品なのだなということだけはなんとなく伝わってきました.
試聴をしてから判断するという選択肢もあったのですが、上記のように短時間の試聴で判断しないでほしい(のちにこの発言の意味がよくわかることになりますが)ということから、だったら買ってみて判断するしかなかろうということで試聴はせず予約キャンセルもしないでそのまま購入することにしました.
発売日に届いたパッケージは昨年末に購入した、ZE3000と同様のもの.ただし充電ケースの大きさや付属品の違いによってパッケージが大きめです.
FUJIFILM X70
充電ケースのスライド式の蓋を開けてペアリングしたのちに行うのはファームウェアアップデート.購入時のファームウェアはVer.1.7.1でしたがアップデートしたところ ver.1.7.8になり、数時間後に試したらさらにVer.1.8.0に更新されました.
Apple iPhone 13 mini
イヤホン本体はなかなか特徴的なデザインをしています.耳穴に近い位置から順に、音響パーツ、バッテリ、アンプやアンテナなど、とそれぞれが分離した構造でデザインされており、そのためにこのような形状をしているそうです.
充電ケースやイヤホン本体はざらついたシボ塗装が施されており、イヤホン本体の棒状のデザインと相まって、箸置きやお菓子の「小枝」のようにも見えます.
肝心の音質について.
初期状態で取り付けられているイヤーピースはMサイズ(そのほかSS/S/L/LLサイズが付属)なのですが、このまま聴いてみたところモコモコとした低音で高音も出ず、なんだこれ…… と思うような音でした.試聴した人にも同様の感想を言っている人がいたのを思い出しました.
他のサイズを試してもみたのですがあんまり印象も変わらず、奥までしっかり入っておらずフィットしていないのではないかと思って小さめのサイズを押し込んでみても違和感しかありませんでした.結局到着したその日はメーカーの意図もわからず、どうしたものかと思いつつさまざまな曲を試聴し続けていました.
翌日も状況としてはさして変わらず、自分の耳と合っていないのかなと思っていたところTwitterかなにかで重要な情報を見つけました.ZE8000のイヤーピースは一般的な形状ではなく、耳穴以外にもイヤホン本体が耳と触れる部分を覆うようにしてシリコンが形成されている特殊な形状をしているのですが、ずっと一般的なカナル型と同様の装着方法だと思い込んで耳穴に深く入れていたわけですが、実はそれは間違いで耳穴に軽く入るくらいの位置で装着する必要があるとのこと.その方法でイヤーピースのサイズを交換しつつ試したところ、いままでのこもった音とは別物の音が聴こえてきました.なるほど、試聴段階で多様な意見が出ていたのはイヤーピースの取り付けかたによるところなのだと気づきました.
取り付けのコツを掴んだのか、はたまたイヤホンがエージングなどにより本来の性能を発揮するようになったのか、はたまた自分の感覚が馴染んできたのか判断がつきませんが、聴いていくにつれて当初とは異なる量感を伴った音質の高さを実感できるようになりました.なのでいままで聴いてきた様々な曲を改めて聴き返したくなります.
また、解像度が高く細かな音まで聞こえつつも、音のエッジがそれほど立っていないので柔らかい印象を受けました.音のエッジを立たせると解像度が高く感じられたりするものだと思いますが、ある程度の柔らかな音を出しつつも高いレベルの解像度があるというのはなかなかすごいものだと思いました.しばらく聴いたのちに比較しようとTW-E7Bに切り替えたところ痩せた音に聴こえてしまいちょっと驚きました.「一度その感覚を受け止めることができた後ではもう引き返せなくなります」とメーカーがいうその意味を思い知らされた格好です.
1年前に発売されたZE3000でも感じられた音の広がり感は健在で、なおかつZE3000ではちょっと弱く感じられた解像感が改善されているので、個人的にも好みの音質や音の出し方をするイヤホンだと感じました.
問題点なのかどうかはわかりませんが、録音状態の良し悪しがはっきりと出てしまう傾向にあるのか、曲によってはやはりこもった印象を受けるものもありました.
Apple iPhone 13 mini
Apple iPhone 13 mini
昨年末に購入したZE3000以降、TW-E7B、そしてこのZE8000もaptX Adaptiveに対応しているので、対応するアダプタを購入しました.クリエイティブラボのBT-W4です.aptX Adaptiveの性能上限である96KHz/24bitではなく、48KHz/24bitまでの対応となります.
Apple製品標準のAACよりは情報量も多くなるので音質向上を期待していたのですが、ZE8000ではそれほどの違いは感じられませんでした.TW-E7Bですと音の情報量が上がったような感覚はあったのですが錯覚かもしれません.
音質以外のことについて.
カナル型のイヤーピースのように耳に奥まで入れて耳栓のような役割を果たす、パッシブノイズキャンセリングではないこともあってか、ノイズキャンセリングの効果は控えめです.また、ノイズキャンセリングと切り替えて動作するモードとして、「ウィンドカットモード」「ながら聴きモード」「ボイススルーモード」があります.イヤホンが縦長でやや角張った形状をしていることもあってか、屋外で風の強い時にはかなり盛大に風切りノイズが聞こえてしまいますので、そうした場合にはウィンドカットモードが重宝します.買い物などで一時的に外部の音を取り込みたい場合にはボイススルーモードを使用しますが、曲は小さいながらも流れ続けます.個人的には曲は止まる方が好みかなと思いました.
また専用アプリも用意されており、昨今の流行なのかあれこれと設定が変更できるようになっています.
アプリでイコライザの設定もできますが、イヤホン本体かアプリ側の不具合か設定が消えてしまうことが多く、現状は使っていません.
音質をさらに上昇させるモードも用意されていますが、イヤホン本体の動作時間が30分から1時間ほど減少してしまうこと、また自分の耳では大きな違いは感じられなかったので、このモードはオフにして使用しています.
結論としては、非常に気に入って使用しています.他にも気に入って使ってきたイヤホンはありますが、例えば出勤時に使用していて「このまま曲を聴き続けたいのでイヤホン外したくない」とまで思う製品は初めて、といえばわかるでしょうか.
2022/07/03
FUJIFILM X70
ワイヤレスイヤホンヤマハのTW-E7Bを購入しました.
この機種の先代としてTW-E7Aという製品があり、ヤマハ製品好きの自分としては購入を検討していました.
が、評価が散々で、ケースに入れても充電されない、混んでいる場所で通信が途切れる、ノイズキャンセリングがほとんど効かないなどの問題を抱えており、発売からしばらくした段階で回収・返金となってしまいました.
それからしばらくの年月が経ち、新型としてTW-E7Bが出るというので予約して購入してみました.
先代が回収されたような製品なので、いくらなんでも同じミスはしないだろう、汚名返上のために力を入れてくるのではないか、という期待値もあって実機も見ないで予約を入れて発売日に入手したのですが、正直ちょっと不安ではありましたね.
FUJIFILM X70
付属品は昨今のワイヤレスイヤホンとしては一般的な構成.
イヤホン本体+充電ケース、交換用イヤーピース(XS/S/M/L/XL)、USB-A to C充電ケーブル、説明書等の書類.
外箱のデザインは下位機種のTW-E3Bなどと共通ですね.中身の収納方法は違いましたが.
FUJIFILM X70
安価なイヤホンだとカラーバリエーションの多さを売りにしていることが多いですが、3万円くらいのイヤホンにしては珍しくカラーバリエーションがダークブルー、ベージュ、ブラック、ホワイトの4色もあり、今回はダークブルーを選択しました.ダークブルーに差し色のブラウンが入って、好みの配色です.
FUJIFILM X70
サイズは結構大きめ.イヤーピースが差し色のブラウンなところにこだわりを感じますが、安定させるためにしっかりと耳に押し込んだ状態で長時間使うと右耳が痛むので(かといってイヤーピースのサイズを小さくすると安定性が損なわれる)、手持ちのイヤーピースをあれこれ試してみました.
・final イヤホン用イヤーピース TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様:しっかり奥までフィットするものの、遮音性が低下してしまう.
・Spinfit CP360:ソフトな装着感で耳への負担は少ないものの、遮音性の低下と低音が減ってしまう.
・コンプライ Tsシリーズ(たぶんTs-200だと思われる):遮音性はかなりいい、音質も変化なし.
ということで、コンプライを使うことにしました.後述するように、遮音性が重要なのがコンプライを選んだ大きな理由です.
イヤホン本体の特徴として、耳に取り付けた状態で側面上部に物理ボタンが用意されています.左は1つ、右は2つで、左は再生/停止、外音取り込み/ノイズキャンセリングの切り替えを、右やボリュームと早送りを操作できるようになっています.タッチセンサーのような誤作動もなく、また側面にあることで操作してもイヤホンが耳にめり込むこともないので使いやすいです.
また、近接センサーを搭載しており、耳から取り外すと自動的に一時停止、再び耳に付けると再生開始、というのは便利です.ただしコンプライを使った場合には装着した状態でも取り外したとご認識されることが多いのでオフにしています.
FUJIFILM X70
手持ちの左右独立ワイヤレスイヤホンとのサイズ比較.
左から、ag TWS03R、YAMAHA TW-E3B、final ZE3000、YAMAHA TW-E7B.こうして比べるとやはり大きいですね.
肝心の音質や使い勝手など.
音質について.極めて解像度の高い、クリアな音質です.他のイヤホンでは潰れがちな細かな音までしっかりと表現され、ピアノや管弦楽器などアコースティック系の音が伸びやかに綺麗に聞こえます.
ロック系の音も悪くはないのですが、勢いで聴かせるというよりは落ち着いた感じなので自分の手持ちのイヤホンではZE3000のほうが合う感じがしました.
解像度の高い音色というのが災いしてか、クラシックなどで録音状態のそれほどよくないもの(ライブ盤など)を聴くとそれなりにしか聞こえないです.
付加価値的機能として、
・リスニングケア(アドバンスド):小音量で聞こえづらくなる低音/高音域を自動補正し、小音量でも聴きごたえのあるように自動補正する、ヤマハ独自の機能.オフにするとおとなしめの音質になってしまい、ついボリュームを上げてしまうので、聴覚保護には一定の効果を発揮するようです.
・アドバンスドアクティブノイズキャンセリング:自分はここ数年ノイズキャンセリング付きのイヤホンを使用していないので(Shure AONIC 50は持っていますが、家の外では使わないのでノイズキャンセリング機能はほとんど使ってない)他機種と比べることができないのですが、効きはかなり弱めです.ヤマハの説明によると音質重視のノイズキャンセリングだそうですが、周囲のノイズのせいで肝心の音楽が聴きづらい部分があるので、やや本末転倒な気もします.そのため、遮音性の高いコンプライを使用してイヤーピースからのノイズの侵入をある程度防ぐことで、ようやくノイズキャンセリング効果を発揮できる感じです.
・リスニングオプティマイザー:耳内部の音響特性を測定し、自動補正する機能.どのくらいの効果があるのかは不明.
・アンビエントサウンド:外音取込機能.違和感なく外部の音を再現してくれるので便利なのですが、個人的には買い物でレジで精算するときに使いたいので、アンビエントサウンドオンで同時に曲を一時停止する機能がほしかったですね.
・ゲームモード:低遅延伝達モード.自分は使わないかな.
といった機能を備えています.
発売時の価格3万円(+消費税)という、ワイヤレスイヤホンとして高額な製品ですが、ノイズキャンセリングなどの付加価値的な部分では同価格帯の他社のほうがいいのではないかという面は否めないかもしれません.
しかしながら音質のよさという点では、音響メーカーだけでなく楽器メーカーとしての矜持を感じさせられました.とくにアコースティック楽器や女性ボーカルについては誇張はせずリアリティのある音質を追求している印象で、その点では選ぶ価値のある音質ではないかと思います.
2022/02/13
FUJIFILM X100V
iPad mini6を購入したときに、イヤホン端子がないということでAnkerのUSB-Cをイヤホン端子に変換するAnker USB-C & 3.5 mm オーディオアダプタを購入しました.
USB-C端子からの音声データ出力はアナログではなくデジタルで出されるので、デジタルからアナログへの変換(D/A変換)を行うチップを搭載した変換アダプタが必要となります.従来、イヤホン端子がついていたモデルは本体内にD/Aコンバータが内蔵されていましたが、単なる端子形状の変換だけでなくデジタル-アナログ処理も必要となるわけです.
Ankerの製品も音質はそれほど悪くはないのですが、若干音にざらつきを感じるのと、ハイレゾ対応とはいえ24bit 96kHzまでの対応なので、もう少し高音質なものが欲しいと思い、Astell&KernのPEE51を購入しました.
FUJIFILM X100V
Ankerのアダプタが24bit 96kHzまで対応なのに対し、PEE51は32bit 384kHzまでの対応となっています.手持ちの製品としてはShureのAONIC 50が同じく32bit 384kHzまで対応しています.
FUJIFILM X100V
左右独立のD/Aコンバータ搭載など音質重視の設計のためか、Ankerの製品に比べてサイズがあります.また使用中は若干熱を持つのと消費電力が大きいのかiPad mini6のバッテリ消費も早くなります.デザインは色合いも含めてなかなか格好よく見えますね.
音質はAnkerの製品と比べても、滑らかで細かな音まで出ている印象です.またクリアな音質というか線の細い印象で、低音が弱いようにも感じられます.イヤホンはShureのSE425を使っていましたが、これをAONIC 4に交換してみると低音がやや強調されてバランスがいい音に感じられるようになりました.
Ankerと比べて価格差が約10倍あるのですが、10倍音が良くなったかといえばさすがにそこまでの差はないですね.もし差があったとしても自分の耳では聴き分けられないでしょう.イヤホン(というかオーディオ全般)が沼なので、こだわるとこの先にはリケーブル、バランス出力、ヘッドホンアンプ…… と続いていってしまうので、そこそこのレベルで満足するという観点では妥当な選択かなと思います.