2023/12/27
RICOH GR III
6月に買ったレンズですが、記事にするのをすっかり忘れていました.
RICOH GR III
Voigtlanderブランドの富士Xマウント用レンズ、ULTRON 27mm F2を購入しました.
最初にこのレンズが発表になったのは、2023年2月のCP+に参考出品されたとき.小型軽量で寄れるレンズが欲しい自分としては出たらすぐに買おうと決めていました.
それから4ヶ月ほどが経過し、予約受付開始と同時に予約を入れ、発売日に入手しました.
ボディカラーはブラックとシルバーが用意されており、個人的にブラックボディにシルバーレンズの組み合わせが好みなのでシルバーを選択しました.
RICOH GR III
マウント面から23.5mmという「パンケーキレンズ」などと称される薄型レンズで、絞り開放F2という明るさが魅力です.
27mmという焦点距離はフルフレーム換算で約40mmなので、昨今の40mmブームに乗っかったレンズともいえます.
個人的にはもう少し広角寄りの、28-35mmくらいの焦点距離が好みというか慣れているので、被写体との距離からフレームに収まるのはこのくらい…… と想定してからファインダを覗くと狭くて見切れてしまう部分があり、さらに数歩下がるようなことが多々発生してしまいます.この辺りは慣れでしょうか.
RICOH GR III
ドーム型フードが付属しています.
フードの先端にはねじ込み式のキャップが用意され、どちらも金属製で凝った作りです.
RICOH GR III
シルバーボディでもフードはブラックです.ボディ、レンズ本体、フードがブラックの方が統一感がありそうですが、ブラックの中にシルバーが混ざるデザインが自分は好きなのです.
レンズの薄さをスポイルしないよう、薄型設計なのがいいですね.
RICOH GR III
難点はこのフード用キャップ、とても小さいので落としたりして無くしてしまいそうです.
またねじ込み式で頻繁な着脱には向いていないので、外したら鞄の奥にでもしまうような運用が良さそうです.
RICOH GR III
そのため自分はフードは使わずにレンズキャップをつけて使用することにしました.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF4 1/350秒 ISO感度640
同じ焦点距離で富士フイルム純正の27mm F2.8を以前に所有していたことがあります.
今回のレンズと同様に富士純正も小型軽量なのはよかったのですが、最短撮影距離34cmともうひとつ寄れないのが難点でした.
寄れないことによる最大のストレスを感じるのが、旅行帰りです.帰りの列車に乗る前に大きなレンズをリュックなどに片付け、小型の27mmレンズをカメラにつけて車窓や弁当などを撮影することが多々あるのですが、最短撮影距離34cmだと新幹線や特急列車のテーブルに乗せたものが寄れなくて撮りづらいのです.地味な問題ではありますがこれがストレスなのと、自分が持っていた純正27mmレンズは絞りリングのついていないモデルだったので、撮影していてあんまり楽しくないこともあって売ってしまいました.
その点、このULTRON 27mm F2は最短撮影距離25cmと寄れるので、目の前にあるものを撮れないというストレスから解放されます.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF4 1/60秒 ISO感度1600
寄れるということで、こうした旅先での食べ物の撮影にも困りません.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF2 1/60秒 ISO感度800
絞り開放で寄った場合には収差でふんわりとした描写になります.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF4 1/60秒 ISO感度3200
F2.8でも若干収差が残るので、キリッとした画像が好みであれば2段絞ってF4にする必要があります.
まあこうした描写は好みが分かれるところではありますね.
昨今のレンズにしては珍しく非球面レンズを使っていないので、絞り値の違いによる描写の変化というのは設計者の狙ったものなのかもしれません.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF4 1/750秒 ISO感度640
年季の入った車両で窓ガラスが曇り気味ということもあってか、いい感じの車窓のボケ感が出た気がします.
拡大すると切符の地紋(下地に印刷してある小さな文字)もクリアに読み取れるシャープさと、そこからのなだらかなボケがレンズサイズからは想像できない画質の良さを感じさせます.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF5.6 1/400秒 ISO感度640
フードをつけた状態で撮影.モロに逆光のシチュエーションですがフレアなどは見当たりませんね.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF5.6 1/1100秒 ISO感度640
日本海に沈む夕陽.不得意なシチュエーションも見当たらず、なんにでも使えそうなレンズです.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 27mm F2 X-Mount
絞りF5.6 1/240秒 ISO感度640
旅先で建築物なども撮影しますが気になるような歪みもなく、パンケーキレンズだからなのを画質低下の言い訳にするような要素はないですね.
Apple iPhone 13mini
Voigtlanderブランドということで非純正のレンズではありますが、富士フイルムから情報開示を得て作られたレンズということもあって、Exif情報の記録やX-Pro3のハイブリッドファインダの光学パララックス補正にも対応するなど、純正と同等に使いやすいレンズです.
VoigtlanderブランドのXマウント対応レンズはNOKTON 23mm F1.2も所有していますが、どちらも使い勝手のよい魅力的なレンズですね.
2023/06/08
3年ぶりくらいにカメラを購入しました.購入したのはRICOH GR IIIの特別色モデル、Diary Editionです.
GRシリーズは2009年にGR DIGITAL IIを購入し、その後もGR DIGITAL III、GR DIGITAL IV、APS-CになったGRと代々使い続けていました.
が、GRからGR IIになったときに、Wi-Fiが搭載された程度のマイナーチェンジのみで期待していたような機能アップではなく、わざわざ買い換えるほどではないな…… と思っていたタイミングで富士フイルムから対抗機種ともいえるX70が登場したので乗り換えて、GRは下取りに出して手放してしまいました.
その後、2019年にGR IIIが登場し、店頭で触ったところGRよりも小型軽量化されキビキビとした動きに魅了され「これは買いだな」と思いながらも引き続きX70を使い続けていました.しかし、X70も購入から7年が経過して精密機器かつ電化製品を使い続けることにやや不安もあり、値段がつくうちに売ってしまおうか…… と思い始めた矢先にGR III Diary Editionが発表されたので、乗り換えることにしたというわけです.
GR IIIは自分が買ったタイミングで登場からすでに4年が経過しており、一般的なデジカメであれば新型が出てもおかしくない頃ではありますが、焦点距離の異なるレンズを搭載したバリエーションモデルとして2021年にGR IIIxが登場しているので、これはまだしばらくは新型登場しないだろうという判断をし、購入に至りました.
Apple iPhone 13mini
GR III Diary Editionは当初、ケースやストラップがセットになった限定モデルが出たのですが、直販や一部の通販サイトのみの販売で下取り交換はできないこともあって(セットのケースやストラップに魅力を感じなかったというのもありましたが)見送り、本体のみの通常販売モデルが出てから予約を入れて購入しました.
上にも書いたように富士フイルム X70を下取りに出しての購入でしたが、驚きだったのはX70の下取り価格.7年前に87,000円くらいで購入した製品だというのに、下取り額が7万円くらいでした.後継機種が出ていないということに加えて、販売期間が短く、しかも発売時は人気機種とは言い難い製品だったので製造台数がかなり少なかったことによる希少性、さらに富士フイルムの現行機も中古品も全体的に品薄が続いているためだと思われますが、それにしてもずいぶんと高値で下取りされたものだと思いました.おかげで6万円弱の出費で購入することができました.
Apple iPhone 13mini
本体以外に購入したものたち.
ケース(非純正)、バッテリ、充電器、SDメモリカード、液晶保護ガラス、リングキャップ(純正、非純正)、フィンガーストラップ(ユリシーズ minimo)、外付けファインダとバッテリ用ケースなど.
Apple iPhone 13mini
GRといえばボディカラーはブラックのイメージが強いですが、Diary Editionはメタリックグレーの本体色にダークブラウンのグリップで、ややソフトなイメージがします.塗装の違いから手にした時の感触も通常のブラックに比べて滑らかな感触をしています.
GR III Diary Edition標準のリングキャップは明るめのシルバーなのですが、明るすぎて違和感を感じたので本体色に近いメタリックグレーのリングキャップを純正/非純正とも購入し、純正のプラスティック製よりも質感の良さを感じたアルミ製と思われる非純正のリングキャップを使用することにしました.
外付けファインダは以前に購入して保管しておいた純正品のGV-2を引っ張り出してきて使用.ニコン銘(製造はおそらくコシナ)の丸型の28mm外付けファインダも持っているのですが、そちらはGR IIIのサイズには大きすぎるうえに重量もあるので純正品のほうがしっくりきました.とはいえ普段使い時には携帯性を重視して使用していません.
また、小型化の影響としてGR IIIからフラッシュが非搭載となっています.
個人的にフラッシュはほぼ使っていなかったこと、持ち運び中になにかの拍子にレバーが押されてフラッシュがポップアップしてしまい、破損のリスクがあることを考えるとないほうがいいかなと思っています.
Apple iPhone 13mini
Apple iPhone 13mini
自分が使っているX-Pro3やX100V、それに入れ替えまで使っていたX70はモードダイヤルがなく、シャッターダイヤルや絞りリングを備えたアナログライクな操作系なので、GR IIIの操作に馴染めるかやや不安でしたが、多少スイッチ類が変わったとはいえ、以前に使っていたGRとほぼ同等の操作系ということもあって比較的すぐに馴染めました.
GRまでの機種とGR IIIの操作系で最大の違いは、右上に配置されていた露出補正用の上下のシーソースイッチがなくなり、背面上部のADJ.ダイヤルで兼用することになったところでしょうか.ほかにもタッチパネルの搭載や十字ボタン周囲のコントロールダイヤルの採用が大きな違いです.また上面のモードダイヤルの項目もフルオートのグリーンモードや動画モードなどがなくなり、すっきりと整理されています.どちらのモードもGRの頃は使った記憶がないので個人的には歓迎です.
富士のカメラの場合、前述したようにモードダイヤルが存在しなく、シャッターダイヤルをオート、絞りリングを手動設定すれば絞り優先オート、逆に絞りをオートにしてシャッターダイヤルを手動設定すればシャッター速度優先オート、両方ともオートにすればプログラムオートと、電源を切っていてもわかる操作系になっているのが特徴です(X-Sシリーズなどモードダイヤル搭載機もありますが).この操作系は個人的に気に入っているのですが、その反面弱点もあり、ダイヤル切り替えで操作するようなものをプリセットとして登録しておくことができません.なので例えば絞り優先オートの撮影設定を登録しておきたいと思ってもハードウェアの設定位置とずれが起きてしまうため登録できないわけです.そうした経緯もあって富士のカメラの場合は画質設定のみを登録しておくことができるようになっています.
それに対してGRシリーズの場合は絞り優先オートで絞り値を指定し、イメージコントロール(画質設定)のパラメータをセットし、露出補正まで変更した状態のものまですべて登録しておくことができます.撮影スタイルがある程度固まっているような場合、かつ複数の設定を瞬時に使い分けたいような場合には重宝する方式です.
富士のカメラのような方式がいいか、それともGRのようにすべてをセットとして登録しておく方式がいいかというのは好みの問題でもあり、どちらがいいといった優劣を簡単につけられるようなものではないですが、GRシリーズがこのような設定方法を採用しているのは、GRというカメラが速射性を重視したスナップメインのカメラという設定方針によるところが大きいような気がします.また、右手ですべての操作ができるというのも速射性を重視したスナップカメラとして重要なポイントだと思われます.
Apple iPhone 13mini
GRシリーズの伝統として、上部左右と左下の3カ所にストラップホールがあります.これにより縦吊りもできるようになっていますので、ストラップ(ユリシーズ クラシコ・セルペンテ)を購入してみました.普段使いはフィンガーストラップ、旅行のときには縦吊りネックストラップというような感じで使い分けしたいと思います.
RICOH GR III
F5.6 1/125秒 ISO200
RICOH GR III
F5.6 1/1000秒 ISO200
画質について.
GR IIIにはイメージコントロールと呼ばれる画質モードが用意されており、その中で自分がよく使うのは「ポジフィルム調」です.
基本的にはJPEGのみで撮影し、ホワイトバランスなどあとで調整する必要がありそうな時だけ、背面のFnボタンにRAW+JPEG撮影に切り替える機能を割り当てておきすぐにRAW撮影できるようにしています.
ポジフィルム調での撮影セッティングは次のような感じです.
・イメージコントロール:ポジフィルム調
・彩度:3
・色相:2
・キー:-1
・コントラスト:2
・コントラスト(明部):2
・コントラスト(暗部):-3
・シャープネス:1
・シェーディング:0
・明瞭度:2
・周辺光量補正:オン
・ダイナミックレンジ ハイライト補正:オン
・ダイナミックレンジ シャドー補正:弱
・ファイトバランス:マルチパターンオートM2/A3
・絞りF2.8
・露出補正:0
RICOH GR III
F5.6 1/200秒 ISO200
RICOH GR III
F2.8 1/8秒 ISO200
ポジフィルム調のセッティングが派手目に振ったものなので、その対極をなすセッティングとしてネガフィルム調をベースに設定したのがこちら.ポジ/ネガのどちらかをモードダイヤルのU1にセットしています.
・イメージコントロール:ネガフィルム調
・彩度:2
・色相:-2
・キー:1
・コントラスト:2
・コントラスト(明部):0
・コントラスト(暗部):3
・シャープネス:1
・シェーディング:0
・明瞭度:2
・周辺光量補正:オン
・ダイナミックレンジ ハイライト補正:オン
・ダイナミックレンジ シャドー補正:弱
・ファイトバランス:マルチパターンオートM2/A3
・絞りF2.8
・露出補正:0
RICOH GR III
F2.8 1/8秒 ISO200
普段使いするカメラとしてやはり多いのが食事の撮影.
食べ物専用に撮影モードをセッティングしています.
シャープめのセッティングかつ卵のふんわり感を出してみたくてF2.8解放で撮影しました.
RICOH GR III
F4 1/8秒 ISO400
初期値でF4まで絞っていますが、丼ものなんかを寄って撮影すると前後のボケが強めに出ますね.
ホワイトバランスはオートで暖色系に振ったりはしていませんがなかなか美味しそうな色合いが出てきます.
RICOH GR III
F4 1/8秒 ISO640
バニラアイスクリームにエスプレッソをかけたアフォガート.
この手の被写体はピントが迷うかなと思いましたが案外すんなりと合焦します.
・イメージコントロール:スタンダード
・彩度:2
・色相:-2
・キー:1
・コントラスト:2
・コントラスト(明部):0
・コントラスト(暗部):0
・シャープネス:3
・シェーディング:0
・明瞭度:3
・周辺光量補正:オン
・ダイナミックレンジ ハイライト補正:オート
・ダイナミックレンジ シャドー補正:オフ
・ファイトバランス:マルチパターンオート
・絞りF4
・露出補正:+0.7
RICOH GR III
F2.8 1/1250秒 ISO200
モノクローム撮影セッティング.光の明暗がはっきりしている時や、フレーム内に余計な色合いがあるような場合にはモノクローム撮影をしています.
この時は岩のゴツゴツした感触を強調しつつ、波の動きを止めるために絞り開放で撮影しました.
RICOH GR III
F2.8 1/1000秒 ISO200
波打ち際の岩場を迂回するためのトンネル.トンネルを覆うようにして生い茂った樹木が荒れ果てた雰囲気と人工的な施設の組み合わせで廃墟や世紀末感が出ていると感じ、モノクロとネガフィルム調で撮影しましたがモノクロの方が好みでした.
・イメージコントロール:モノトーン
・キー:3
・コントラスト:3
・コントラスト(明部):-4
・コントラスト(暗部):-4
・シャープネス:1
・調色:オフ
・フィルタ効果:2
・シェーディング:-1
・明瞭度:2
・粒状感:3
・周辺光量補正:オフ
・ダイナミックレンジ ハイライト補正:オン
・ダイナミックレンジ シャドー補正:弱
・ファイトバランス:マルチパターンオート
・露出補正:-0.7
RICOH GR III
F4 1/8秒 ISO800
通常の撮影モードでも10cmまで寄れますが、マクロモードに切り替えるとレンズ前6cmまで寄れるようになります.
個人的にはマクロモードに切り替えて使うよりも自動で6cmまでピントを合わせてくれるほうが使い勝手がいいのにと感じました.
また、マクロ領域で特に気になる問題としてブリージング(ピントを合わせるとフレーム領域が変化してしまう問題)があります.なのでフレーミングしてからピントを合わせるとフレームが変化してしまい、再フレーミングが必要となるのが地味に厄介です.
RICOH GR III
F5.6 1/8秒 ISO200
こうした構図で撮影すると湾曲が気になったりするものですが、ほとんど気にならないレベルですね.
また、フルフレーム換算28mm相当とはいえ、実際には18.3mmのレンズなのでパースのつきかたに超広角レンズらしさを感じます.
RICOH GR III
F2.8 1/15秒 ISO200
シャッター速度の下限とISO感度の上限を設定できるので、当初はシャッター速度を1/8秒まで粘らせ、ISO感度は12800に設定しました.その後、1/8秒だとマクロ域で手ブレになることがあったので1/15秒を下限に設定しました.マージンをとって1/15秒を下限に設定しましたが、1/8秒でもほぼ手ブレは防げているのでGR IIIの手ぶれ補正機能は優秀だと思いました.
GR DIGITAL IVの時も手ぶれ補正機能は搭載されていましたが、自分との相性が悪いのかシャッターを切るタイミングでわずかにセンサーが動いてしまい、オフにしたほうがブレが少ない写真が撮れるのが困りものでした.それと比べるとペンタックスの手ぶれ補正技術「SR」が導入されたGR IIIは段違いに進化しており、水平が取れるようにセンサーが回転し自動補正してくれる機能まで搭載されているなど、使える機能は限界まで使うというのはペンタックス譲りだなと感じます.
RICOH GR III
F2.8 1/1250秒 ISO200
街中を歩いていて何の気なしに撮影した写真が案外よく撮れていたりすると嬉しいものですが、GR IIIは気軽に撮影する気にさせる敷居の低さと画質の良さがなんといっても魅力です.
AFモードは中央部分のオートAFに設定してカメラ任せにし、明確にピントを合わせたい場合には画面タッチで位置指定するようにしています.オートAFは意図した部分にピントが合わない時も多々ありますが、スナップ撮影で中央エリアのどこかにとりあえずピントを合わせたい的な撮影には悪くないですね.
RICOH GR III
F2.8 1/400秒 ISO200
ピントの合焦している部分からすっと溶けるようにぼけていく描写は個人的にかなり好みです.
Apple iPhone 13mini
まとめです.
■いいところ
・コンパクトで軽量なボディは持ち運びに重宝
・画質がとてもいい、描写が好みのレンズ
・カスタマイズで好みの画質に設定できる
・モノクロームも粒状性の設定もできて好みの描写に設定できる
・特別色のメタリックグレーのボディカラーは個人的に好み
・コンパクトなのにしっかり効く手ぶれ補正
・操作系も含めたレスポンスの良さ
■いまいちなところ
・バッテリのもちがもう少し良くなってくれたらいいのに
・オートエリアAFのピント合焦位置が自分の意図しているところにあってくれたらいいのに
・マクロモードの切り替えが面倒なのでマクロモードまでシームレスに切り替わる設定がほしい
・RAW撮影した画像をUSERモードに登録したプリセットで現像処理できるようにしてほしい
・沈胴式レンズなので難しいとは思うけど、防塵防滴構造にしてほしい
・サイズ的に難しいのはわかるけどファインダが内蔵されていたらいいのに
・BluetoothやWi-Fiを使ったiPhoneやiPadとの接続がやや安定性に欠ける
GRシリーズは使用者の声などによりファームウェアアップデートで機能が徐々に充実するのが売りの1つで、いうなれば使用者が「育てる」ともいえる側面を兼ね備えたカメラでもあります.前回購入のGRのときは発売と同時に購入し、徐々に機能アップしていく楽しさを感じていましたが、今回のGR IIIについては発売から4年が経過していることもあって逆に熟成された状態のものを使えるというのはありがたいものの、発売当時に買って機能アップを楽しむのもよかったかなとも思います.
操作性も含めてほぼ満足しており、細かな不満はあれど小型軽量でしかも高画質ながら気軽に持ち運べるカメラとしては、ライバルはいないのかなと思います.最大のライバルはスマホではあるのですが、撮影する楽しさという点では比べるべくもないですし.
コロナ禍もあって久々に買ったカメラではありますが、いいもの買った感があって満足しています.
2022/12/31
1年を振り返る、最後は物欲篇です.外出が少なかったこと、後述しますが予期せぬ収入があったりしてあれこれと買っています.
1月、2月:コート2着
2月:Astell&Kern PEE51
3月:Apple iPhone 13 mini
4月:SONY REON POCKET RNP-3
6月:YAMAHA TW-E7B
7月:Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical
8月:HAMILTON Jazzmaster Open Heart
8月:【番外編】M2 MacBook Air
10月:Keychron K8 Pro
12月:BALMUDA The Gohan
12月:final ZE8000
1月、2月:コート2着
FUJIFILM X100V
衣類にはわりと無頓着な方ですが、この冬はコートを2着購入しました.
1着は以前に着ていたものの色違いでこれは最初から買うつもりだったのですが、もう1着については以前から使っていたものがリュックと擦れて穴が空いてしまったので急遽購入したものです.
どちらも気に入って着用しています.
2月:Astell&Kern PEE51
FUJIFILM X100V
USB-Cポートに接続して使用する、3.5mmイヤホン端子変換オーディオアダプタです.
使用しているiPad Pro 11inch(初代)とiPad mini 6がどちらもイヤホン端子がないというのもあるのですが、このアダプタを使用することでハイレゾ音源についても高音質で出力することが可能になるので購入しました.
3月:Apple iPhone 13 mini
FUJIFILM X100V
iPhone SE2からの買い替え.
iPhone 12から始まったminiシリーズが売れ行き不振で、iPhone 14シリーズの後継機は出ないという噂が流れ始めてきたので小型機好きとしては買えるうちに買っておこうということで購入しました.
SE2も13 miniもどちらもPRODUCT REDですが、13 miniの方が赤の色味がダーク気味で深みのある赤なのが気に入っています.
4月:SONY REON POCKET RNP-3
FUJIFILM X70
自転車に乗るときの暑さ対策として購入したのですが、夏の暑い時期には通勤時などにも使用していました.バッテリ容量が少ないのか消費電力が高いのか、出力を上げると短時間でバッテリが切れてしまうので、長時間使用するような場合にはモバイルバッテリを接続していました.
また冬場も暖房器具として使用できるので重宝しています.
6月:YAMAHA TW-E7B
FUJIFILM X70
ヤマハのワイヤレスイヤホン.登場後すぐに電源等の不具合によって回収・販売終了になったTW-E7Aの後継機です.
ヤマハにとってはリベンジとも言える製品なのでいいものを作ってくるだろうと期待して購入しましたが、期待を裏切らない音質です.
7月:Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical X-Mount
Apple iPhone 13 mini
Voigtlanderブランドの富士フイルムXマウント用レンズとして登場した35mm F1.2に次ぐ2台目のレンズです..
好みの焦点距離、明るいレンズ、そして最短撮影距離の短さと、撮影場所を選ばない使い勝手のよさもあって、自分の理想に近いレンズです.また、Xマウント専用レンズということで、カメラ本体と通信機能が備わっており、EXIFデータとして撮影データが記録されるだけでなく、X-Pro3で使用した場合には焦点距離に応じて光学ファインダーのパララックスが自動補正されるのも気に入っています.
撮影に出かけてサンプルとなるような写真をある程度集めてからブログのネタにしようと思っていて、そのままになっていますので、いずれまとめようかなと思っています.
8月:HAMILTON Jazzmaster Open Heart
FUJIFILM X-Pro3 + XF60mm F2.4 R Macro
以前からほしい時計だったのものの価格面のネックもあり先送りにしていたのですが、COVID-19感染による保険金という棚ぼた的な収入があったのでつい購入してしまいました.
文字盤の大胆なカットによるスケルトンデザインが気に入って購入しましたが、80時間動き続けるパワーリザーブ、ずれの少ない時計本来の性能も相まって気に入っています.
8月:【番外編】M2 MacBook Air
FUJIFILM X100V
業務での使用機材として会社経費で購入したのでこれは番外編扱いで.
以前に使用していたMacBook(12inch, 2017)が使用開始から5年ほど経過し、処理速度的にもSSD 512GBという容量的にも業務的に支障が出ている状況でしたのでM2 MacBook Airを導入しました.
M1 MacBook AirではなくM2 MacBook Airを選んだのは、電源アダプタにMagSafeが復活したこと、それからRAM容量が24GBになったことでしょうか.業務上、Windowsも使うことがあるので、ParallelsがARMベースのWindowsに対応するようになったタイミングでRAM24GBまで搭載できる製品が出たというのも買うきっかけとして大きかったです.
10月:Keychron K8 Pro
Apple iPhone 13 mini
MacBook(12inch, 2017)のキーボードが非常に使いづらいため、会社では外付けのキーボードとしてFILCOのMajestouch 2を使用していました.ただBluetooth Ver.3.0という仕様のせいかBluetooth接続ですとキーがリピート入力されてしまうことが多々発生しストレスだったので、別の製品としてKeychron K8 PROを導入しました.
PROがつかないK8は触ったことがないので詳しくはわからないのですが、YouTubeの映像を見ているとタイプ音が筐体で反響したり、キートップがABS素材のせいで反響音がうるさく感じられますが、K8 PROはキートップがPBT素材だったり内部に反響を抑える素材が入っているため落ち着いたキータイプ音がします.
キースイッチやキートップが交換可能な機種ということもあり、購入後にあれこれとパーツ交換をした結果、外見は全く違うものになってしまいました.そうしたカスタマイズできる点も含めて気に入っています.
12月:BALMUDA The Gohan
FUJIFILM X100V
白物家電には興味がなく、壊れるまで使う自分としては珍しく、炊飯器を買い替えました.
バルミューダ製の炊飯器ということで一般的な炊飯器とは異なり、蒸気の熱で炊飯する構造のため外釜と内釜の二層構造となっており、外釜には水を入れて内釜に米と炊飯用の水を入れるようになっています.
IHの炊飯器のように米を動かして炊くのではないので、粒だった炊きあがりになるのが特徴であり、もちもちとした炊きあがりよりも米の一粒一粒の存在感があってそこが好みです.
12月:final ZE8000
Apple iPhone 13 mini
finalのワイヤレスイヤホンは昨年末にZE3000を購入していますが、それに続いて上位モデルとしてZE8000が発売されたのでそちらも購入しました.
購入当初は音のこもりが感じられてどうしたものかと思っていましたが、しばらく聴いているうちにエージングなのか自分の耳が慣れたのか、それとも別の要因かわかりませんが非常に好みの音質になりました.音の広がり、描写などに非常に癖というか特徴がはっきりしており、好みの分かれるイヤホンかもしれません.final独自の音響理論をもとに作られた製品とのことで、高音質のアンプを搭載しさらにDSPによる音質チューニングが施されているという点で、電源を使用しない有線イヤホンではなしえない音を実現した、というのがこの製品の最大の特徴です.
来年はどうでしょうか.カメラ関係はX-Pro3とX100Vの後継機が出たら買い替えを検討したいのですが、どちらも現状では出る見込みはそれほどなさそうです.他にもほしいものはいくつかあるものの、決定には至らずといったところでしょうか.
2020/12/31
2020年を振り返る、最後は物欲篇です.
■カメラ
1月 Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM
正直いうと、あんまり深く考えずに買ったレンズです.程度のいい中古がネットで出ていたのでつい食いついてしまったとでもいうか.
APS-Cフォーマットのカメラで使用すると42mm程度になるので自分が好みとする28-35mmくらいの画角よりやや狭く、その点でも微妙かなと思っていたレンズではあるのですが、使ってみると画質が好みで画角的にも操作性的にもすんなり馴染み、お気に入りレンズになりました.そこそこ明るいので絞りで撮りかたに変化をつけられるのはいいですね.
あんまりレンズの性能云々とか詳しくないのですが、非球面レンズを使用していないので、特有の切削痕とおぼしき玉葱ボケなどと呼ばれる同心円状のボケが出ないのが気に入っています.非球面レンズを使用していないということは画質面でのマイナスがありそうな気もしますが、とくに不満もないですね.
2月 FUJIFILM X100V
X100T、X100Fに続いて購入した、X100シリーズの最新型.
近接域でソフトフォーカスレンズかと見間違うような描写を改めた新型レンズを搭載し、背面液晶がチルト対応になるなど、単焦点レンズであることを許容するならば欠点らしい欠点のないカメラに仕上がっています.あとはしいていえば手ぶれ補正機能が非搭載なことくらいですが、レンズシャッターでレリーズショックも皆無なので自分はそれほど大きな欠点だとは思ってないです.
X100シリーズは国内だけでなく世界中にファンがいるからかアクセサリも豊富で、専用のフードやサムレスト、ボディカバーなどを装着しています.
6月 FUJIFILM XF16-80mm F4 R WR OIS
個人的にはズームレンズは好んで使わないのですが、頼まれごとなどで撮影する際に単焦点では難しい面もあるので、汎用性の高いズームレンズを1本持っておこうということで購入しました.
XF18-55mm F2.8-4 R OISを下取りに出しての購入となります.XF18-55mmはX-T1のキットレンズとして購入したものでそこそこ古いのですが、描写は悪くなく信頼のおけるレンズでした.ただ、防塵防滴構造になっていないことと、広角端/望遠端ともにもう少し余裕がほしいという印象がありましたので買い換えたというわけです.XF18-55mmに比べると大きくて重たいレンズですが、悪天候でも多少の水濡れにも気を使わなくていいのは助かります.
■オーディオ
4月 SHURE AONIC 215
SHURE初の左右独立ワイヤレスイヤホン.SHUREのイヤホンはMMCXと呼ばれる規格によりケーブル部とイヤホン部が分離できる構造になっており、この「AONIC 215」もAONIC TW1と呼ばれるワイヤレス部分とSE215と呼ばれるイヤホン(ただし有線ケーブルは付属せず)のセットのような製品になっています.
販売開始直後に充電できない、通信がおかしいなどのクレームが頻発し、不具合のおきたモデルについては回収する旨の告知が出されましたが、自分のものはほぼ問題なく使えているので(たまに充電部分が接触不良になるものの端子を擦れば解決する)、返品せずそのまま使用しています.結局、いったん販売中止になって再発売されるの半年くらいかかったので、返品して新しいものを待ち続けるよりよかったかなと思っています.
当初はSE425を接続して使用し、途中からAONIC 4にて使用しています.左右独立のBluetoothイヤホンは音の途切れなどが起きやすいのが難点ですが、ほとんど気にならないレベルで使用できています.また、外部の音を取り込むモードも付いており、かなり実用的なので重宝しています.難点としては、ワイヤレス部分にボリュームも曲送りもスイッチがついていないことでしょうか.できるのは電源のON/OFFと再生/一時停止、外部音取り込みのON/OFFのみです.まあその辺は次のモデルに期待でしょう.
6月 SHURE AONIC 4
SHURE SE425を気に入って使用していましたが、もうちょっと低音がほしいかなと思っていたところに発売された後継機.
SE425は2基のBAを搭載したモデルですが、AONIC 4は低音部をダイナミック型に置き換えた、1DD+1BAモデルです.SE425のモニタリング寄りの音質に比べてリスニング寄りになったという評判でしたが、購入してみると低音に力強さがあるものの過度の味付けはなくバランスのよい音で気に入りました.電車の騒音などで低音が失われがちな通勤用としてAONIC TW1との組み合わせで使用し、SE425は有線接続で自宅用に使うことにしました.
11月 SHURE AONIC 50
COVID-19の影響で自宅にこもることが多くなり、周囲の騒音から隔絶されたいときなどのために購入しました.
当初の価格が5万円近くして、ちょっとその値段では様子見だなと思っていたところ、11月に新色のホワイトが発売され、そのタイミングで期間限定の値下げがあり、さらにヨドバシで限定特価的な値付けで販売されたので35,000円ほどで購入できました.
音質はSHUREらしい上から下まで綺麗に出るモニタリング寄りの音質で聴き疲れしない音です.重量はあるもののバランスがいいのか長時間つけていても痛みなどはないのも美点です.
Bluetoothの音質がかなりいいことに加えて、USB-Cケーブルで有線接続するとさらに高音質になり、アナログオーディオケーブルも使える(ただしヘッドホン側は2.5mm端子)など、汎用性も高く、バッテリの問題さえなんとかなれば長く使えそうです.
■そのほか
5月 Apple iPhone SE2
iPhone 8からの買い替えです.8もSE2も『PRODUCT RED』ですが、赤の色味が結構違います.個人的には深みのある8の赤のほうが好みです.
8の使用開始から2年たち、そろそろバッテリが心配になってくる頃かなと思ったのと、当時発売されていた11より小型のものがほしいと思ったこと、あとはCOVID-19の影響で顔認証よりも指紋認証のほうがよかろうという判断でSE2を選びました.
マスク必須の状況ではやはり顔認証よりも指紋認証のほうが便利というか、店舗でパスコードを打ったり、マスクを外さなくてはならないことを考えるとスマートです.マスクが必要ない世の中になったら顔認証の使える12 miniなどを検討したいと思います.
6月 ロードスター車検+CarPlay取り付け
純正ナビの地図更新が終了し、また地図データを更新するためだけに5万円(3年分、しかも年に1回だけ更新)支払うのももったいないなと思い、だったらもうちょっと費用がかかってもいいからということでCarPlayを接続するためのレトロフィットキットを申し込んで取り付けてもらいました.
取り付け後、Apple MapsやGoogle Mapsを使ってナビをテストしてみましたが、これを常用するのは無理というレベルのナビしかしてくれないことがわかり、結局は有料のカーナビタイムを使用することに.
取り付け後、iOS13からiOS14になり、カーナビタイム側の性能も上がって手放せない存在になりました.
7月 犬印鞄 スクエアトートA4(仕事用鞄)
荷物がちょっと多くなってきたこともあって、悪天候のときに使用する帆布製の鞄を新調しました.天気がよいときは革製の鞄を使うのですが、濡れるとシミや汚れなどの原因になってしまいますし.
帆布製で口の部分がジッパーで開閉できることもあって天候を気にせずMacBookなどを持ち運べるのは便利です.
8月 SEIKO PRESAGE SRRY039
限定モデルの腕時計です.文字盤のハニカム模様が気に入ったのと、レディスサイズで34mmのものが用意されており、デザイン的にそちらのほうがバランスが取れているのが魅力で購入しました.昔の腕時計とか見ていると、男性向けでも35mm近辺のものが多いのですよね.あまり腕の太くない自分としては昨今の40mmを超えるサイズは持て余し気味なのであえてレディスサイズを選びましたが、しっくりきます.バンドだけ男性が使うには細すぎだったのでDバックルともども交換しました.
12月 Amazon Kindle Oasis
年末も近くなり、外出もままならない状況が続いていることをふまえ、読書環境を充実させようと思って購入しました.Kindleの読書端末はすでにPaperwhiteを所有していますが、夜間など薄暗いところで読むとバックライトの青味が目に厳しいのでバックライトの色味が調節でき、なおかつページ送り/戻しのハードウェアボタンがついたOasisを選んでみたというわけです.Paperwhiteと比べて同じスペック(容量、4G回線や広告の有無)で2倍くらいしますので買うのをしばらく悩んでいましたが、実際に買ってみると価格差ほどの違いはないものの「いいもの」感が伝わってくる製品でした.目に優しいのも魅力ですが、画面をタッチせずともページ送り/戻しができるのは地味ながら便利です.
去年の物欲まとめを振り返ると、
・車検があるのでお金がかかる、CarPlayは取り付けたい→取り付けた
・X100Fの後継が出るらしい、防塵防滴に期待→条件付きで防塵防滴になったX100Vが出たので買った
・XF16-80mmの買い替えはまだしていない→買い換えた
・GR IIIを買うか迷っている→いまだに迷っている
・時計は打ち止め→1個買っちゃった
というような感じで、順当な出費をしている感じでしょうか.
残念なのは、カメラ関連としてボディ1台とレンズ2本を買っているのに、外出機会がほとんどなかったことです.ちょこっと散歩に出たりして撮影すればいいのですが、なんかそういう気分にならない1年だったんですよね.
来年はどうでしょうか.2020年は自分としても(そして世間一般でも似たようなものかもしれませんが)なんか無為に過ごして棒に振った1年だったような気がします.早いところ、気兼ねなく旅行に出られるようになることを願っております.
財政面では今年の影響が時間差で来そうで、あんまり派手な出費は望めないかもしれないですが.
2020/11/05
今年の始めくらいですが、VoigtlanderのULTRON 28mm F2 VMを購入しました.
自分の好みの画角は35mm換算で28-35mmくらいなので、35mm換算で42mmとなるこのレンズは購入対象としてはあんまり考えていなかったのですが、たまたま程度のいい中古の出物があったのを見てしまい、つい勢いで購入してしまいました.
FUJIFILM X-Pro3 + XF23mm F2 R WR
全長51.2mm、重量244gとレンズとしては小型軽量な部類に含まれるサイズです.X-Pro3に取り付けて使う場合にはマウントアダプタが挟まるので、全長はもう少し長くなります.
Voigtlanderブランドのレンズ全般にいえることですが、丁寧な仕上げでクラシカルかつかっこいい外見をしています.
Apple iPhone 8
細身なのでなおさら長く見えてしまいます.
フードは丸型でねじ込み式のものが付属しています.フィルタネジとは別に取り付けるようになっており、フィルタをつけても全長や見た目に影響はありません.もうちょっと人気のあるレンズだったら、別タイプのフードが発売されたりしそうですが、Voigtlander銘のレンズの中でもちょっと地味な1本なので純正の付属品しかありません.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM
届いたその日にちょうど飲みに行く予定になっており、酔っ払いながら薄暗い店内で撮影したもの.絞り開放(のはず).
あんまり期待せずに購入したレンズだったので写りを見てちょっと驚きました.ピントのあっているところがシャープなのはもちろんとしてボケがなだらかで2線ボケのような汚いボケではありません.非球面レンズを使用していないのもなにか関係あるのでしょうか.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM
撮影テストも兼ねて旅行に持って行きましたが、絞ればシャープでキリッとした写りになります.
また、レンジファインダ用レンズにありがちな盛大な周辺減光も少なく、気になるようなレベルではありません.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM
ヘリコイド付きのマウントアダプタを使うことでテーブルフォトにも使えます.近距離でピントが浅く、ボケに癖もないので料理(とくに付け合わせのクレソン)が立体的に見えます.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM
歪曲が少ないのはレンジファインダ用レンズの長所ですが、このレンズもまったく気になりません.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM
色味はレンズの性能よりもカメラ側の味付けによるところが大きいですが、夏の終わりのやや物寂しげな雰囲気が出せたかなと思います.
ピントのあっているひまわりの花びらの重なりのシャープさと、後ろの雲のややボケた柔らかさが気に入っています.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM
溶けるようなボケとまではいきませんが、癖のない柔らかくなっていくボケは魅力です.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM
絞りF2開放で撮影.拡大やピントピーク等のアシストがあっても、老眼の始まった眼でこの手のものを撮影するのは大変です.少し後ピンですね.
光の反射がボケていますが、こうしたものは非球面レンズだと研磨の跡が同心円状に出て、「玉ねぎボケ」なんていわれてしまいますが、このレンズは非球面レンズを使用していないので、そうした癖のあるボケは出ていません.
FUJIFILM X-Pro3 + Voigtlander ULTRON 28mm F2 VM
レンズとヘリコイド付きマウントアダプタの最短撮影距離で撮影.ピントの合った芯が見えつつも柔らかな収差が出ています.レンズの設計上想定された撮影距離ではないのですが、うまくまとまった描写です.
好みの画角よりやや望遠よりで扱いにくいかなと思っていましたが、これくらいであればファインダを覗いても狭さを感じるほどではありません.また絞り開放では開放値F2を活かした綺麗なボケを、絞ればシャープな描写と、万能感があるのも魅力です.おかげですっかりお気に入りの1本となっています.