2014/10/12

『松本瑠樹コレクション ユートピアを求めて』

Category: 旅行・観光 — Annexia @ 16:56

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FUJIFILM X-A1 + XF14mm F2.8 R

 世田谷美術館で開催されている「松本瑠樹コレクション ユートピアを求めて ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム」を見に行ってきました.

 ロシア革命からソヴィエト初期までの、ポスターアートを集めたものです.

 20世紀初頭というとどの国も過剰なまでのスローガンなどが踊るポスターが多かったりするイメージがありますが、ロシアそしてソヴィエトのような社会主義国家の場合はさらにその傾向が強い気がします.実際、そうしたポスターの展示もありましたが、それよりも目についたのがステンベルグ兄弟の描いた多くの映画ポスターです.有名な映画「戦艦ポチョムキン」はもちろん、数多くの映画ポスターを手がけ、さらにはアメリカなどから輸入された映画のポスターまで描いており、その質と量には圧倒されます.大胆な構図とタイポグラフィー、そして写真をコラージュした、これらの膨大な作品をコンピュータもない時代に次々と作り上げていった技量には驚かされます.展示されているポスターの量は膨大であり、展示会場いっぱいに2段3段と上下に展示されており、画の迫力と相まって見るものを圧倒します.
 しかし、残念なことに国家がソヴィエトになり、スターリンが最高指導者となるとアヴァンギャルドな芸術作品は冷遇されるようになり影を潜めてしまいます.ステンベルグ兄弟も弟が若くして事故死してしまい、新しい作品は発表されなくなってしまったそうです.

 ロシア、ソヴィエト、そしてまたロシアという歴史の移り変わり、またポスターという大衆的な存在のせいもあってか、系統だったコレクションも本国にはないようで、日本の松本瑠樹氏が収集したものが世界でも類を見ないコレクションになるそうで、MoMAでの展示でも松本瑠樹氏のものが大半を占めたそうです.

 会期は2014年11月24日まで.ポスターアートや20世紀初頭のアート、そしてカッサンドルなどが好きな方も行かれるとよいかもしれません.

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FUJIFILM X-A1 + XF14mm F2.8 R

 帰りに堀口珈琲に立ち寄ってモカチーノと洋梨のタルトをいただいてきました.世田谷美術館で規模の大きな美術展があると連動企画でそれにちなんだメニューを出すこともあるのですが、残念ながら今回はないようです.