大人の休日倶楽部パスで東北旅行、つづきです.
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ホテルから駅に向かう途中、道路を横切るように線路がありました.
道路部分は完全にレールが埋められてしまっており、その先も柵があることからも廃線跡なのは明らかです.
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しかし反対側は綺麗に整備されています.
これは小坂製錬小坂線の廃線で、今はレールバイクを走らせるといったイベント用に活用されているようです.
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そのすぐ近くに、かつて渋谷駅前の広場に展示されていた東急5000系がいました.
どうやらハチ公のつながりで観光施設の「秋田犬の里」の敷地内に移設されたそうです.
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そして大館駅前には秋田犬の像があります.秋田犬の里という建物やこのような像があることからもわかるように、大館が秋田犬の産地なのだそうです.
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2日目.前日に引き続き、ローカル線の旅を続けます.
今日は花輪線に乗車し、まずは途中駅の鹿角花輪駅に向かいます.
昨日乗車した北上線も花輪線も、そしていまや秋田新幹線の一部となった田沢湖線も東北本線(現在の3セク部分を含む)から西に伸びる路線です.東北本線がまず最初に開通し、そこから内陸部に向かって路線が伸びていったことが想像されます.
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大館から乗車した列車が鹿角花輪行きで10時15分に到着し、次の列車がやってくるのが約1時間半後の11時47分.
1時間半ほどの時間がありましたが、この日は雨が降ったり止んだりのあいにくの天候で、しかも駅にはコインロッカーもないのでリュックを背負ったままでの移動となり、遠くまで行けるような状況でもないため、駅周辺から近くの商店街などをうろうろと散策していました.
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駅から坂を登った先に商店街があり、お昼にはやや早い時間ですが、11時の開店と同時に中華料理店「平和軒」に入店しました.
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メニューもいろいろあって目移りしてしまいましたが、ここはやはり店の名物としてワンタン麺をいただきました.
熱々のワンタンがたっぷりと入っており、美味しくいただきました.
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駅に戻ると発車時刻までまだ10分以上ありますがすでに列車は到着していました.車内はボックス席は埋まっているものの、ロングシートは空いていたので、座ることはできました.
1時間半ほど乗車し、東北本線から第3セクターであるIGRいわて銀河鉄道に移管された好摩駅にて八戸方面に向かう列車に乗り換えました.大人の休日倶楽部パスはJR東日本発行の切符ですが、IGRいわて銀河鉄道線も、その先の青い森鉄道線も乗車できます.
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IGRいわて銀河鉄道に1時間弱ほど乗車し、金田一温泉駅で下車しました.
昨日北上駅から内陸部に入り、途中宿泊を挟んでここまでやってきましたが、実は直線距離にするとそれほどでもなく、また新幹線に乗ると、北上駅から金田一温泉駅の先にある二戸駅までで40-50分ほどで到着してしまいます.まあ効率性を重視した旅ではないので、比較すること自体が意味のないことですが.
金田一温泉、ずっと「きんだいち」と濁るものだと思っていましたが、駅名表記を見ると「きんたいち」と濁らないんですよね.でも言語学者の金田一京助(きんだいちきょうすけ)ゆかりの地でもあるし…… と疑問に感じたのですが、その謎は宿についてから解決しました.
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金田一温泉は「座敷わらしの里」として知られています.
以前に訪れた遠野も河童などと並んで座敷わらし伝承の地ですが、東北のこの一帯にはそうした言い伝えが広がっているようです.
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駅からしばらく歩き、広めの道路(国道4号線)を渡った先に「金田一温泉」のゲートがあります.
これ、電飾のようなものが仕込まれているのですが夜間は光るのでしょうか.
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しかしながら、ゲートの先にも温泉宿らしき建物は見当たりません.
金田一温泉の宿があるエリアまではここからあと1kmほどあります.あらかじめ宿に連絡を入れておけば駅まで送迎していただけるかと思いますが、2km程度までの距離であれば散策と周囲の様子を見ながら歩いていくのが好きなので、宿に連絡も入れず(到着時刻は伝えてありますが)歩いて向かいました.
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金田一温泉は南部藩ゆかりの温泉で歴史のあるところですが、日帰り温泉やワーケーションを視野に入れた新しいタイプの建物もありました.
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この日の宿泊は「おぼない」にてお世話になりました.
チェックインが16時からで、30分ほど早く着いてしまいましたが入れていただき、旅疲れした体をさっそく温泉にて休ませることができました.
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温泉宿の楽しみといえば温泉はもちろんですが、食事も同じくらい楽しみでもあります.
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南部地鶏の水炊きです.
比内地鶏は歯ごたえのあるしっかりとした肉質であるのに対して、南部地鶏は水炊きで供されたこともあってか柔らかくて比内地鶏とはまた違う旨みがありました.
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ひっつみ汁です.ひっつみ汁は岩手県で食べられている、小麦粉を練ったものが入っています.少し前に弘前でせんべい汁をいただきましたが、それに近いながらも小麦粉を練ったものが柔らかくて全体的に優しい印象がありました.
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鮎の塩焼きです.やはりこうした地のものが出てくると嬉しいものです.
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金田一産のリンゴを絞って作ったリンゴジュースです.こういうものはあるとつい頼んでしまいますね.
ところで.金田一温泉の読みが「きんだいちおんせん」なのか「きんたいちおんせん」なのかの謎について.
宿の女将の話によると、元々は「きんだいちおんせん」と濁っていたそうです.が、この地に鉄道が敷設されるとき(明治末期)に、「きんだいち」と濁っていると田舎っぽくてイヤ、という理由から駅名が「きんたいち」になったそうです.
その後、やっぱり元々の呼び名である「きんだいち」に戻したいという流れになって、自治体だったか県に要望に行ったところ、「駅名だけでなく道路標識などあらゆるものを『きんだいち』に変更するのに数億円の費用がかかるので、そこにかける予算はない」ということで却下されたのだとか.なので、「きんだいちおんせん」と呼ぶようにしてくださいね、とのことでした.こういう名前の由来や変化という話はとても面白くて好きです.
ちなみに、明治末期に駅ができた当時は『温泉』はつかずに『金田一』駅だったのが、昭和末期の頃に『金田一温泉』に改称されたのですが、今回自分がここにやってきたのも旅行行程を考えている時に駅名を見て「ここに温泉あるのか」と知ったのが要因なので、駅名に『温泉』とつくだけでも大きな効果があるのではないかと思いました.
今回は一人旅で、旅館に泊まったのはこの日だけでしたが、12畳ほどもある広い部屋(しかも襖で区切られていましたが隣にももう一間ありました)で静かに過ごすのは特別感があってよかったですね.
座敷わらしの伝説のある温泉地とのことで、座敷わらしが出たか出ないかでいうと、出たといえば出た…… というような感じでしょうか.また室内にもやや不思議なあつらえもあったりするなど、詳しくは触れませんが興味深い宿ではありました.
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温泉宿に泊まったときの習慣として、6時くらいに起きてまずは朝風呂に入って、そのあと朝ごはんをいただきました.
旅館の王道ともいえるおかずラインナップです.前日に食べすぎたのと、朝食はあまり重たいものを普段から食べていないのでご飯のおかわりはしませんでしたが、宿の近くで取れたというお米はさすがの美味しさでした.
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昨日とは変わって朝からいい天気です.
列車の本数が少なくて8時9時台の便がなく10時半過ぎの列車に乗るため時間に余裕があるので、帰りも宿から歩いて駅に向かいました.宿の方からは送っていただけるとのお言葉をいただいたのですが、いい天気の中、普段と違う場所を歩くのは貴重な体験でもあるので、遠慮させていただきました.
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金田一温泉ゲートの裏側はこんな感じ.次にいつ来れるかわからないですが、また来たいと思いたくなる場所でした.
つづきます.