Mac用のOSの新バージョン「OS X 10.8 Mountain Lion」が発売されたので、さっそくインストールしてみました.
今までは「MacOS X」という名称だったのに対し、今回から「Mac」の名称が外れています.それによる何らかの変化などはとくにないのですが、おそらくは将来に向けての布石(iPhone/iPad用OSとの融合とか)なのではないでしょうか.
インストールは極めて簡単.アップルメニューから「App Store」を起動し、そこからダウンロード購入するだけ.お値段は1,700円と、これまたお気軽な値段.しかも素晴らしいのは、同一ユーザであれば1本購入すれば複数のMacにインストールしてもOKなこと.
ダウンロードサイズは約4.3GB.発売初日はさすがに混雑しており、ダウンロードにも時間がかかりましたが、トラブルもなく完了.そしてそのまま自動的にインストールに入ります.設定などもすべて引き継がれるのでとくに注意するようなこともなく1時間ほどでインストール完了しました.
Appleいわく、200以上の新機能が追加されているとのことですが、劇的な変化というのはないように感じました.
しかし劇的な変化がないからつまらない、というのは短絡的な発想です.見栄えが大きく変われば新型OSらしさを感じることはできるでしょう.しかし、操作をまた覚え直さなくてはならないというのでは時間や労力のムダになります.この辺は、Appleらしい発想というか、見た目は従来と大きく変わらないものの細かなところでブラッシュアップしているのは使う側の理にかなったことであるといえます.同様に近日中にバージョンアップされるWindowsの場合は新たなユーザインタフェースを採用したり、ずっと使用されてきたスタートメニューを廃止するなど、できることは同じなのに混乱を招くようなことをしています.
新たに追加された、もしくは改善された点で自分が気になったのは、
・通知センター機能の追加
・Safariの高速化・機能強化
・プレビューの機能強化
の3つでしょうか.
通知センターは、メールの着信やTwitterのメンションなどを画面右上にポップアップして表示してくれる機能です.また、メニューバー上に通知センターボタンを装備し、そこをクリックすることで未読メールの簡易チェックなども可能になっています.
Safariの高速化・機能強化は使用頻度が高いアプリなので非常に助かります.URL入力欄と検索キーワードの入力欄が統合されたのは最初は違和感を感じましたが、すぐに便利に感じました.
プレビューの機能強化はとくにPDFファイルに簡単に手を加えることができるようになったのが大きいですね.文章にマーカーをひいて目立たせたり、コメントを書き込むことができるようになりました.
逆に不便になった、バグじゃないのこれ?というようなところもあります.
今までのSafariは標準フォントとサイズの指定ができていたのですが、廃止されました.Web製作者側でフォントを指定していない場合には明朝体になります.変更したい場合は自前でCSSを用意する必要があります.明朝体でWebを見るのがイヤなのでCSSを設定したのですが、ページによっては明朝体が残ったり微妙にレイアウトの崩れるページも出てきました.
メールは今まで「Mail」だったのがなぜか「メール」に変更.Apple純正のアプリでも英文表記か日本語表記か統一されてないので、なぜメールだけが日本語表記になったのかは不明です.
また、使っていて気付いた大きな問題があります.受信したメールをフォルダに分類した後で返信しようとすると、送り先アドレスとは異なるメールアドレスで返信しようとします.自分のように会社のアドレスと個人のアドレスを使い分けている人にとっては非常に重要な問題です.いつか業務メールを個人アドレスで送ってしまいそうでひやひやものです.これは早急に改善を望みます.
前述したように派手な変化のあるOSではありませんが(その辺もあってネーミングもLionからMountain Lionと似たような名前になったのかも)、流行を取り入れつつも洗練された仕上がりになっていると感じました.
あとはきちんとバグフィックスして完成度を高めていってもらえればと思います.