2011/07/23

Mac OS X Lionを3日使ってみて

Category: コンピュータ — Annexia @ 21:39

 Mac OS X Lionをインストールしてから3日が経過しました.
 仕事で実際に使いながらカスタマイズを施し、あれこれと試してみた感想です.

【メリット】
1. 再起動後も動作環境が自動復帰
 Macを起動したら必ず使うような定番アプリがいくつかありますが、そうしたものが起動後にすぐに使える状態になるのは便利です.ただし、それらの状況を保存/読込するためか終了や起動に時間がかかるようになったのはマイナス.

2. LaunchPad

LaunchPad

 今までランチャーアプリを使用していましたが、指4本をすっと内側に寄せるだけでアプリケーションの一覧が出てくるのは便利です.この辺はiOSからのアイディアを流用したようで、フォルダにまとめることもできますが(ただし1階層のみ)、画面の広さと起動の使い勝手を考慮したらフォルダにまとめないほうがいいように感じました.
3. スクロールバーの消滅
 ウィンドウの右端に表示されていたスクロールバーが必要なときのみ表示され、普段は消えるようになりました.スクロールバーには表示している書類のおおまかなボリュームをチェックできるという機能性もありますが、なくなることですっきりしました.もちろん設定で常に表示させることもできます.

【デメリット】
1. SpacesとExposeがMissionControlに統合
 SnowLeopardでは、VMWare FusionでWindows XPを動かす場合のみSpacesを使って別スクリーンでフルスクリーン化して使っていました.VMWare Fusionはスクリーン2で起動という指定もできて便利だったのですが、Lionではそのような指定はできないようで、起動後にMissionControlの画面を出して割り振る必要性があります.
2. ウィンドウボタンの小型化
 Finderや各アプリケーションの左上にあるクローズや最大化などのボタンが小さくなりました.慣れのせいもあるのでしょうが、マウスカーソルを若干合わせづらくなりました.また、Safariのタブのクローズボタンも同様に小さくなったのか、今までの間隔でカーソルを持って行って閉じようとしてもうまく閉じれないことが多々あります.
3. フルスクリーン
 MailやSafari、iTunesなどApple純正のソフトが対応していますが、フルスクリーン化してしまうとメニューバーすら表示されず、使いづらいです.新しい技術は一通り試してみるほうですが、この機能は早々に使うのをやめました.
4. PowerPCアプリの非サポート
 主要アプリはIntel CPU対応になりましたが、個人が作って提供してくれているようなユーティリティでIntel化されていないようなものがあって、動かなくて困るものがありました.SnowLeopardのときまではRosettaというシミュレータでPowerPCアプリをサポートしていたので、同様のことがLionでもできるはずなのですが、すでにIntel化されてから年数もたっているのでそろそろいいだろ的なAppleの判断でしょうか.

【どちらともいえないもの】
1. スクロール方向の反転
 Lionでいちばん話題になったものですね.WebやTwitterのタイムラインをスクロールさせて感覚を徐々に慣らしましたが、まだちょっと間違えます.iPadで間違えることなどはもちろんありませんが、トラックパッドだと躊躇するのも不思議な感じです.
2. 操作系の変化

ジェスチャー設定画面

 今までも二本指で画面スクロールや三本指でブラウザ画面の前後移動などが用意されていましたが、今回はさらに多種多様のジェスチャーが用意されています.標準ではなぜか三本指でのブラウザ画面の移動ができなくなっており困りましたが、カスタマイズでできるように設定し直しました.マウスでは対応の難しいジェスチャー機能がこれだけ増えているということは、そのうち全面的にトラックパッドに移行くらいのことをしてきそうです.
3. 自動保存機能とバージョン管理機能
 Office2011をはじめ、普段使っているソフトのほとんどが対応していないので待ちの状態です.バージョン管理機能についてはTimeMachineで常にバックアップされていることが必須のようなので、手動で外付けHDをつないでバックアップしている自分の場合には恩恵にあずかれないようです.
4. Mail
 数日前にSnowLeopardのMailでデータが消えた件を書きましたが、Lionになってデータの保存方法が変わりました.保存場所自体はユーザフォルダのライブラリなのですが、ライブラリフォルダ自体が不可視属性になり、メールデータも細かくフォルダ分けされています.
5. Safari
 今は時間がないけど、あとでこのページを読むようにクリッピングしておきたい、という機能が付加されました.iOS5でも実装され、同期できるようになるとのことなので、そうなるとかなり重宝しそうです.

 前評判では今回のアップデートは微妙じゃないのか的なこともいわれていたのですが、一長一短ですね.すでにMac OS X自体の完成度が高いので、細かな付加価値で魅力を出さざるを得ない段階に来ているのかもしれません.