2024/12/25

どこかにビューーン!で長野へ(その1)

Category: 旅行・観光 — Annexia @ 23:58

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 今年を締める旅行として、運に任せてみようかということで、たまっているJREポイントを活用して「どこかにビューーン!」で出かけてきました.
 行き先は長野駅です.ちなみに他の候補地は、村山駅(山形県)、新潟駅、くりこま高原駅(宮城県)です.この中でどこに行きたかったかといえば新潟だったのですが、長野も観光地としてはよい選択肢だと思われます.もっとも、今年は長野県に行った回数が多かったので別のところがよかったなという気持ちもありましたが……

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 9時半ごろに東京駅を出発し、11時過ぎに長野駅に到着するのでわりとゆったりした行程です.停車駅の多い便でしたが、それでも1時間半程度で到着するので長野は近く感じられます.
 東京を出てずっと晴天で、長野県に入っても篠ノ井のあたりまではいい天気だったのですが……

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 ほんのちょっと進んで川中島のあたりまで来たら急激に天候が変化しました.どんよりとした雲が垂れ込め、屋根は雪で白くなっています.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 JR長野駅から長野電鉄の長野駅に移動し、特急列車に乗車します.
 長野電鉄の長野駅はJRに隣接しているので、雨や雪に濡れることなく移動できます.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 30分ほどの乗車で小布施駅に到着しました.隣の線路には上りの特急列車が.編成は短くなっているものの、旧小田急電鉄ロマンスカーを使い続けてもらっているのは小田急線沿線住民としては嬉しいものがあります.しかもこの車両、連接台車といって車両と車両の間に台車がある、メンテナンスが面倒な車両なのでなおさらです.

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Apple iPhone 13mini

 余談ですが、今回の旅行には前日に発売されたばかりのコシナ(Voigtlanderブランド)のレンズ、APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical IIを持ってきています.
 コシナの工場は、この長野電鉄をもう少し進んだところにある中野市にあるので、よもやこのレンズも発売翌日にこんな近くまで里帰りするとは思っていなかったでしょう.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 小布施駅からしばらく歩いた先に店舗や葛飾北斎の博物館などが並ぶ一角があります.
 お昼はそこの『寄り付き料理 蔵部』にていただきました.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 地元の食材を使用した料理が取り揃えられており、『信州鶏 蔵部の山賊焼き 特製ソース2種添え』をいただきました.また、ご飯を岩魚(イワナ)とキノコの炊き込みご飯に変更してもらいました.
 山賊焼きはどちらかといえば長野でも諏訪や松本界隈の料理ですね.下味のしっかりついた揚げたての鶏肉はそのままでも美味しく、2種のソース(大根とにんじん、チーズとわさび)がいいアクセントになります.
 岩魚とキノコの炊き込みご飯もとても美味しく、これだけでもご飯が進みます.白米のおかわりは自由とのことでしたが、次もあるのでここは我慢します.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 続いてやってきたのが『えんとつ』.9月や10月などの栗のシーズンともなると期間限定の『朱雀』を求めて混雑しますが、さすがに12月はオフシーズンですので人も少ないです.とはいえ店内は席の半数以上が埋まるほどの賑わいなのはさすがです.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 メニューは『モンブラン朱雀』と飲み物(朱雀ブレンドホットコーヒー、アイスコーヒー、紅茶、小布施産りんごジュース)の1メニューのみ.
 朱雀ブレンドホットコーヒーを選びました.中深煎りくらいの飲みやすい味わいです.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 秋限定の『朱雀』は加糖していない、蒸して裏漉ししただけのストレートな栗を味わうためのもので上級者コースな味わいですが(中は栗あん)、『モンブラン朱雀』は栗あんベースなので食べやすいです(中はアイスやクリームなど).添えられているソースはカシスとココア.ココアのほうが自分の好みでした.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 小布施は葛飾北斎ゆかりの地で昼食をいただいた蔵部のすぐそばにも葛飾北斎の美術館『北斎館』がありますが、2kmほど歩いたところにある寺院『岩松院』にも北斎直筆の天井絵があります.そちらを訪れてみました.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 山の麓にある寺院で、内部は撮影禁止です.
 天井絵は仏様に向き合うようにして鳳凰が描かれており、寺院のかたが見所などをガイドしてくださります.北斎晩年の作品で、多種多様な絵の具を用いた豪華な仕上がりで、見る向きによって色合いがまったく異なるなど、見入ってしまいます.
 また、この寺院は葛飾北斎以外にも武将の福島正則、俳人の小林一茶ともゆかりがあり、寺院内の池では一茶の有名な句、「やせ蛙まけるな一茶これにあり」を詠んだ場所といわれています.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 小布施駅に戻って、長野方面に向かいます.
 小布施駅には売店のようなスペースがあり、農作物などが売られています.シャインマスカットがこのボリュームで400円というのは安いですね.とても美味しかったです.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 善光寺下駅で下車し、善光寺に向かいます.時刻は16時半くらいですが、冬至も近いこの時期、すでに暗くなってきました.
 宿に入る前にコーヒーを買っておこうと思い、スターバックスに立ち寄りました.参道にある店舗は周囲の環境に配慮してデザインされた『リージョナル ランドマーク ストア』になっています.自分が行ったことのある店舗だと、他には弘前公園前店と富山環水公演、出雲大社店が該当します.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 今回は宿泊先としてホテルや旅館ではなく、善光寺の宿坊を選びました.善光寺には30近い宿坊があり、今回宿泊したのは薬王院です.宿坊に宿泊したのは、以前に高野山を訪れたとき以来です.
 ホテルや旅館ほどの自由度はなく、どちらかといえば民宿に近い雰囲気といえるかもしれません.お風呂は時間を指定して交代制にて入る、門限は21時、それ以降はお静かにお過ごしください…… というようなことを除けば、普通の宿と変わりません.
 また、希望すれば写経や坐禅を体験することもできます.

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Nikon Zf + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical II

 食事については夕食、翌日の朝食とも精進料理ですので、肉や魚はありません.宿坊にもよるようですが、般若湯(いわゆるアルコール類)は注文できました.

 つづきます.

2024/12/23

iFi audio xDSD Gryphon

Category: 物欲,電化製品,音楽 — Annexia @ 22:45

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 前の投稿でfinal S5000購入したことについて触れましたが、USBドングル型DACとの相性なのか、それともUSBドングル型DACの5V給電ゆえの電源の余裕のなさなのか、もうひとつ納得のいく音が出せていない印象がありました.

 なので、改めてUSB接続のDACで手頃なものを検討しようということで、
・自宅で使用し持ち運びはしないので、サイズや重量には特にこだわりはない
・USB給電だと電源的な余裕がないため、USB給電ではないもの
・iPad mini6と接続して使用し、寝る時なども使いたいので外部電源ではなくバッテリ駆動できるものがよい
・多少の音質調整をしたい
という条件であれこれと調べてみました.
 この手のDAC製品はオーディオマニアの沼に片足突っ込んだところに位置するニッチな分野なのでそもそも製品が少なく、また残念ながら国内メーカーは新製品をほとんど出していない(以前はいくつかありました)ような状況なので、海外メーカーのものが選択肢となります.
 あれこれと調べているうちに、iFi audioという会社の製品に行きつきました.実はAK HC3を購入した際にも同クラスの検討機材としてiFi audioのGO linkがあったのですが、そのときは知らないメーカーだしちょっとわからないな…… と思って見送っていました.

 iFi audioはイギリスのメーカーで、据え置き/ポータブル問わず多種多様なDACなどを製造しています.
 当初、iFi audioの製品で候補として考えていたのはhip-dac3でした.小型のスキットルボトルのような形状をしており、スマホくらいのサイズと重量(おおよそ高さ10cm、幅7cm、厚さ1.5cmで重さ135g)で必要十分なスペックを備えた製品です.お値段は3万円ちょっと.ただし、音質を調節するためのフィルタを切り替えるのにファームウェアを差し替える必要があること、エフェクトとして備えている機能が低音を強調するXBassのみで、中高音の調節はできず、また上位機種で備えている音の広がりを出すXSpaceを搭載していないことがネックでした.
 その次に検討したのがxDSD Gryphonです.hip-dac3と比べてやや大きくて重たいものの(おおよそ高さ12cm、幅7.5cm、厚さ2cmで重さ215g)、性能は充実しており、フィルタはメニューから変更可能であり、XBassIIとして、低音/中高音/その両方を強調する機能を備え、音の広がりを強調するXSpaceも搭載しています.さらにライン入力や光デジタル入力、Bluetooth接続などかなりの高機能です.評判もそこそこよいですが、お値段もぐっと上がって約8万円.迷ったのですが、ここで妥協して安いほうを選ぶと、あの機能が欲しかった…… となってさらなる散財をしてしまいそう、ということでxDSD Gryphonを選ぶことにしました.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 ちなみに「Gryphon(グリフォン)」とは、ライオンの胴体にワシの頭と翼を持つ、神話に出てくる動物のこと.前機種「xDSD」に比べて、多機能であることをなぞらえたネーミングのようです.
 発売開始から3年くらい経過しており、何回ものファームウェアアップデータが行われて不具合の修正のみならず機能追加がされており、安定性も増しており安心して使うことができます.発売から年数が経過していると、新型が出てしまうのでは…… という心配もありますが、機能的にはほぼ全部入りで大きな機能追加もないだろうという判断から購入に至りました.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 正面.左から順に、3.5mmイヤホン端子、4.4mmバランスイヤホン端子、ボリューム、エフェクト切り替え(長押しで設定メニュー)、入力切り替え.
 ボリュームは物理的なボリュームではなく回転させることで内部で出力が変化する、デジタルボリュームのような設計です.また電源スイッチなどを兼ねていて、長押しで電源ON/OFF、1度押すことで曲の停止/再生、2度押しで曲送り、3度押しで曲戻しになります.また、ボリュームレベルに応じてLEDの色が変化するのも面白いギミックです.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 背面.左から順に、XBassIIのエフェクトのかかり具合(低音のみ、中高音のみ、両方)の切り替えスイッチ、充電用USB Type-Cポート、データ入力用USB Type-Cポート(設定で同時充電も可能)、光入力、4.4mmライン入出力、3.5mmライン入出力.光入力や4.4mm/3.5mmライン端子は使う可能性は低いので、埃対策としてキャップを準備したほうがいいかもしれません.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 底面.「iEMatch」という、ヘッドホン出力を抑えるゲイン調整スイッチ.
 また、技適対応のシールが貼られていますが、Bluetooth対応のためです.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 天面にはディスプレイを備えており、入力ポート、PCMやDSDといった入力情報、サンプリングレート、ボリューム、エフェクトのON/OFFなどが表示されます.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 隠しコマンド?を入力することでフィルタの種類が増え、起動時と終了時にディスプレイにグリフォンが飛ぶアニメーションが表示されるようになります.ちなみに隠しコマンド入力前は、起動時に「iFi」のロゴ、終了時は単純に「OFF」の文字のみでした.フィルタを出し惜しみする理由もよくわかりませんし、最初からこのようにしておいてもよかったのでは?という気もします.

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Nikon Zf + NIKKOR Z MC50mm f/2.8

 金属筐体なのでケーブルやイヤホン等との接触により傷がつくことを考慮して、Amazonで購入した非純正のレザーケースを装着しています.革の質感もよく、金属と革の組み合わせも気に入っているのですが、装着がかなりタイトで、外そうとしてもまったく動きません.外す必要性が現状ないので問題ないといえばないのですが……

 肝心の音質ですが、アンプ性能の差なのか電源の余裕なのか、DACチップの性能やチューニングによるものなのか、その総合によるものなのかわかりませんが、かなり満足しています.艶やかで程よく角の丸められた音質は長時間聴いていても聴き疲れしません.
 やや残念なのはバッテリの減りが比較的早いこと.ただし、マニュアル表記では充電に標準(5V入力)で12時間、急速充電で6時間かかるとされているものが、ファームウェアアップデートにより2時間程度にまで短縮されてること、また給電しながら使用できるので大きな問題ではありません.
 final S5000と使用することを前提に導入しましたが、音の美しさや余韻など満足のいく音質を得ることができました.末長く使っていくことのできそうな製品です.

2024/12/22

final S5000

Category: 物欲,電化製品,音楽 — Annexia @ 23:25

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FUJIFILM X100VI

 新しいイヤホンを購入しました.finalS5000です.
 ヘッドホン/イヤホンメーカーとしてfinalの製品は音作りもさることながら、製品を作るにあたってのポリシーや理論に共感するところが大きいので、以前にも、ワイヤレスイヤホンとしてZE8000ZE3000、有線イヤホンとしてE4000MAKE4を購入しています.

 もうちょっと高価格帯の高音質なイヤホンが欲しいなと思っていたところに、新たにSシリーズとしてS4000とS5000という製品が出ました.両機種とも音を出す部分は同じながら、筐体がステンレス(S4000)と真鍮(S5000)と別のものを採用しており、筐体の材質によって音質が異なります.

 これは実際に試聴してみないとどちらが好みか判断がつかない…… というわけで、ヨドバシカメラまで出かけていって、ショーケースに入っているものを出してもらって試聴してみました.なお、両機種を試聴する前に、自由に試せる状態になっているfinalの別製品、E5000A5000も試聴してみました.どちらもいい音ではありますが、購入には至らずという感じでした.
 先に試聴したのはS4000.先のE5000やA5000がダイナミックドライバ1基であるのに対して、BA(バランスド・アーマチュア、金属の振動板を使って音を出す)ドライバ2基という構成になっています.音質的には「素直でストレート、クリアでわかりやすいいい音」という印象でした.E5000やA5000に通じるものがある、finalらしい音とも感じました.
 続いて試聴したのがS5000.ネット上にあるレビューを見てもS4000は万人が高評価を与えているのに対して、S5000は賛否両論です.聴いてみると、「癖のある余韻のような反響音があり、クリアさはS4000に比べて劣る」という印象でした.なるほど、賛否両論なのも納得です.ただ、個人的に試聴していて面白いなこれ、あれこれ聴いてみたいなと感じたのはS5000のほうでした.BAドライバは金属の振動板により音を発生させる構造ですが、ダイナミックドライバに比べて正確というかクリアというか、癖のない音というイメージがあります.S5000はBAドライバが出す正確でクリアな音を真鍮筐体による反響で味付けをしており、そのチューニングが自分の好みに合った感じです.

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FUJIFILM X100VI

 内容物はイヤホン本体の他に、2pin規格のシルバーコートOFCケーブル、FUSION-Gと呼ばれるfinalの新製品のイヤピース(サイズはS/M/Lの3種)、そしてシリコン製のケース.

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 S4000がステンレス筐体でシルバー仕上げなのに対して、S5000は真鍮筐体でゴールド仕上げになっています.真鍮そのままだと酸化して変色や緑青が発生することがあるので、表面にはチタン蒸着コートがしてあるそうです.
 BAドライバ2基を採用していますが、低音/高音というような音域を分けるのではなく、2基ともフルレンジというのがユニークなところです.BAドライバは出せる音域がそれほど広くないという特徴があるので、複数のBAドライバを採用する場合には音域を分けるのが一般的だと思われますが、S4000/S5000の場合にはフルレンジのBAドライバを向かい合わせに設置して不要な振動を打ち消すような構造になっています.
 音質的には前述したようにクリアさはS4000に比べてやや劣るものの、ゆったりとした響きが魅力です.ロックよりもジャズやピアノ曲、クラシックのほうが得意という印象です.

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RICOH GRIII

 音楽を聴くときはiPad mini6にUSBドングル型のDAC(D/Aコンバータ)、Astell&Kern製のPEE51を使用しています.PEE51もそこそこ年数もたっており、新しいDACを試してみたい…… ということで、後継機のAK HC3を購入しました.

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RICOH GRIII

 PEE51はUSB-Cのみ対応でしたが、AK HC3についてはLightning-USB変換アダプタが付属しています.ちなみにこのアダプタを使用してPEE51とiPhoneを接続してみたところ、問題なく使用できました.

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FUJIFILM X100VI

 上がPEE51、下がAK HC3.デザインは同じでAK HC3の方が大きめです.
 同じメーカーの製品ですが音質は結構違いがあって、PEE51が落ち着いているのに対して、AK HC3はパワフルです.また、PEE51だとiPad mini6側のボリュームを50%程度なのに対して、AK HC3は20%くらいで十分な音量となります.抑えめのボリュームで十分な音質を得ることができるのは結構なのですが、音量の微調整がしづらいという問題があります.設定などでゲイン(出力)の調整などができればよいのですが、PEE51/AK HC3ともシンプルなUSBドングル型DACなので音量や音質などの調節はできません.またPEE51に比べてAK HC3はクリアな音質なのが特徴なのが災いしてか、S5000の持ち味ともいえる音の余韻との相性が悪いようにも感じられました.なのでPEE51の方があっている印象でした.
 つづき(?)ます.

2024/12/06

コーヒーの風味が落ちづらい水筒

Category: 日記・雑記,物欲,食べ物 — Annexia @ 20:40

 自宅でコーヒーを飲むときはまとめて作り、水筒に保存してカップに注いで飲んでいます.温かいのが長続きする反面、時間が経つと風味が落ちてしまうのが難点でした.
 ホットコーヒーが時間の経過とともに味が落ちてしまうのは、高温により酸化が促進されてしまうのが要因だと聞いたことがあります.たしかに時間の経過とともに酸味は増している印象があり、酸味の強いコーヒーが苦手な自分としてはいまいちだと感じていました.
 そんななか、京セラが『淹れたてのコーヒーの風味が続く』という触れ込みの水筒を出しているという記事があり、内部にセラミックコーティングを施した製品を販売しているというのを知り気になっていました.京セラの説明によると、水筒内部の金属臭がコーヒーに移ることで味が変化してしまうのだとか.酸化だけでなく別の理由もあったのですね.
 自宅コーヒー用に使用していた水筒が使用開始から10年以上経過し、外見もだいぶくたびれてきたため、買い換えてみることにしました.

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FUJIFILM X100VI

 京セラのキッチン用品といえば有名なのはセラミックの包丁、そしてピーラーなどの刃物系です.セラミックを応用した製品として水筒も作っていたとは知りませんでした.
 以前に調べた時は京セラの通信販売サイト以外に取り扱いが見当たらず、Amazonでは転売屋が値を吊りあげて商売していましたが、いまは転売ではなく公式にてAmazonでも取り扱いがあります(ただし一部カラーのみ取り扱い).ヨドバシカメラでは通信販売は行なっていないものの、一部の店舗にて販売しているとのことなので、今回は新宿西口の店舗にて購入しました.カラーはくすんだ青で落ち着いた雰囲気のある、スモークブルーを選択しました.店頭にて購入したのは、Amazonではこの色の取り扱いがなかったからというのもあります.

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FUJIFILM X100VI

 一般的なステンレス製の水筒は内部が金属の地の色である明るいシルバーをしていますが、セラミックコーティングの色なのでしょうか、半艶消しのような黒色をしています.

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FUJIFILM X100VI

 水筒に限った話ではないですが、大半の製品はメーカーのロゴが目立つところにプリントされていますが、この水筒については底面に『KYOCERA Corporation』に加えて型番らしき文字が入っている以外は文字要素が一切ありません.素晴らしいです.また、製品名がシンプルな『CERAMUG』で、商品サイトの説明を見ても、他社のような駄洒落めいた名称が使われていないのも好感が持てます.

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 外箱の「Coffee」「Sports drink」「Lemon water」といった項目にチェックマークが入っていることからも、セラミックコーティングによる耐酸性などの機能を有していることをアピールしています.

 とはいえ、実際にどのくらいの違いがあるのか、試してみないとわかりません.
 酸化による変化を考慮して同じくらいのサイズの水筒(スターバックス ハンドルリッドステンレスロゴボトル 473ml)を用意し、一度に淹れたコーヒーを半分づつ注いで時間を空けて飲み比べてみることにしました.
 使用した豆はスターバックスのスマトラで、スターバックスの基準ではダークロースト、酸味低め、コク(苦味といってもいいのかも)多めです.
 淹れた直後は違いはもちろんわからず.1時間ほど経過した段階では比較用のスターバックスのボトルではやや味の変化を感じました.2時間後には京セラの水筒はスマトラの特徴ともいえる深い苦味が感じられたのに対して、スターバックスのボトルではうまく言い表せませんが、苦味が薄れたというか酸味のようなものを感じました.ブラインドテストではないですし正確性はやや怪しいところもあるかもしれませんが、飲み慣れているスマトラの味を維持していたのは京セラの水筒のほうであるという結果になりました.

 今回購入したものは容量500mlで、価格は4,950円(税込)でした.販売価格は京セラ公式サイトでもAmazonでもヨドバシカメラ店頭でも同額なので統一価格という感じでしょうか(ちなみにヨドバシカメラのポイントは1%で50円でした).サーモスなどの定評のあるメーカーの製品でも500mlで2,000円くらいから購入できますので、かなり高額な製品と見ることもできますが、それだけセラミックコーティングに手間がかかっており、なおかつ製品に自信があるということなのでしょう.
 コーヒーの品質を落とさず長く飲めるという点ではとても気に入りましたので自宅用水筒として使っていこうと思います.あとは経年劣化などでセラミックコーティングが剥がれたりしないといいのですが.

2024/12/01

単眼鏡 GT-M518

Category: 日記・雑記,物欲 — Annexia @ 13:17

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RICOH GR III

 『吉田初三郎の世界』展を観に行ったとき、地図の細かな書き込みを単眼鏡を覗き込んで見ているかたを何名か見かけました.
 ディテールの書き込みが細かな吉田初三郎の地図、しかもガラスケースなどに収められていたり、そのガラスケースの向こうに展示されているものなどを裸眼で見るのは、自分の視力では厳しいものがあります.
 自分もなにか買ってみようかということで、様々な製品を比較検討し、五藤工学研究所の単眼鏡、GT-M518を購入しました.

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RICOH GR III

 五藤工学研究所はプラネタリウムなどを主に製造している会社です.
 1926年創業で、GT-M518は創業90周年記念として製造されたいわば記念モデル的な位置付けで、設計・加工・組み立てなど日本製にこだわった製品です.
 ちなみに購入のきっかけとなった『吉田初三郎の世界』展を観に行った府中市にある会社ということもあってなにかの縁のようなものを感じます.

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RICOH GR III

 倍率5倍、対物レンズ有効径18mmなので、「5×18」の記載があります.
 双眼鏡などのスペックに記載のある「8×30」というのは、倍率が8倍、対物レンズ(覗く側と反対側の、対象物側にあるレンズ)の大きさが30mmという意味です.倍率が大きければ遠くのものをより大きく見ることができ、対物レンズが大きくなれば明るく見やすくなります.とはいうものの、何を見るかによって見やすい倍率は変化しますし(ドームなど大きなコンサートなどの場合は10倍が必要など)、対物レンズが大きくなれば双眼鏡/単眼鏡自体が大きく、重たくなってしまいます.

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RICOH GR III

 ストラップと巾着袋が付属していますが、そこはお好みのものに交換してあります.革製のストラップをつけ、米沢に旅行に行ったときに購入した米織小紋の巾着に入れて使っています.茄子文様にしたのは、GT-M518に差し色でパープルが使われているのであわせてみました.
 対物レンズ、接眼レンズともにキャップの類はないので、持ち運びの際にはなんらかの形で保護したほうがよさそうです.

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FUJIFILM X100VI

 接眼部は0-3段階で引き出すことができて見やすい位置を調整できます.アイリリーフ(接眼レンズから眼までの距離)が18mmと余裕があり眼鏡使用でも問題ありません.逆に裸眼の場合だと接眼部そのままでは見づらく感じたので、自分はいっぱいまで引き出した状態で使っています.

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Apple iPhone 13mini

 『漫画家・森薫と入江亜季展』にて実際に使ってみました.
 このように手前にガラスケースがあり、その先にも展示があるような状況ですと、ガラスケース向こうの作品については裸眼でディテールを見ることは厳しいです.なのでこのような状況では重宝しました.
 落とさないようにストラップを手首に回し、距離を合わせて片手で覗き込む、少し離れた作品を見る場合でも指のかかるところにピントリングがあるので覗き込んだまま微調整して容易にピント合わせが可能、ということで片手で完結するので使いやすいですね.
 最短距離は0.5mなのでピント合わせに困るようなこともなく、また150gほどなので重さを意識することもありません.

 美術観賞用などとして販売されている単眼鏡は安いものでは1,000円台からあり、1万円くらいすると高級品扱いとなります.このGT-M518は3万円ほどしますので、かなりの高額製品ともいえます.とはいえ日本製にこだわっていること、手にした時の作りのよさ、像の見え具合などを考えると納得です.